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2011.09.29  FJ フロントフォーク・オイルシール交換  その② 終了-自作専用工具改良も



以下では私のような整備初級者でもオイルシール交換ができるように書いてあります。
中級以上の方には目新しいことは書いてありません。


1.step 1  フロントフォーク取外し




a.フォーク取外し

①アンダーカウル取外し
②エンジン下に台を置く
③左右エァダクト取外し
③メーターケープルをメーターギャユニットから取外し
④フェンダー取外し
⑤ブレーキキャリパ左右取外し・針金で吊るす→※締付トルク 3.5kg・m
⑥上部取り付けボルト緩め
・ハンドル締付ボルト緩め)→※6㎜ヘキサ使用・締付トルク 2.3kg・m
・ステアリングヘッドインナーチューブ締付ボルト緩め→※10㎜ソケット使用・締付トルク 2.3kg・m
⑦フォークキャップ緩め→※21㎜ソケット使用・締付トルク2.3kg・m
⑧フォーク取り付け下部ボルト緩め→※12㎜ソケット使用・締付トルク2.3kg・m
・上側のボルトはソケット使用可、下側のボルトはソケット使用不可→浅いソケットが必要
⑨フロントホィール取外し
・アクスルホルダ締付ボルト(右側)緩め→※6㎜ヘキサ使用・締付トルク 1.9kg・m
・ホィールアクスル緩め→※22㎜ソケット使用・締付トルク 5.9kg・m
・フロントホィールを持ち上げ、エンジン下に木片を置く→これでフロントホィールが浮く
・ホィールアクスル取外し→フロントホィール取外し
⑩フォークを留めている⑥・⑧ボルトを取外し、フォークを下に抜く
・固い場合は下側のブラケット隙間にマイナスドライバーを打ち込む
・ハンドルがロックする方にフォークを回して取り外す
・最後はハンドルを正面にしてフォークを抜く


b.フォークスライド部の錆取り

スライド部はきれいにしておきましょう。


.
錆の横線がフォーク取り付け下部です。
この下がスライド部分です。

フルボトムすることはないので、ここまでスライドしないでしょうがきれいにしておいて損はありません。



1500番→2000番で磨きました。
ここまでが限度です。
爪が引っかからなくなったのでOKでしょう。

Yahooオークションで調達しておかなければなりませんね。


2.step 2  フロントフォーク分解


a.フォークオイル排出・フォークスプリング状態確認



・オイルは黒く汚れていました。

・スプリングは密な方が上側になっていました。

・スプリング長(自由長)をメジャー測定→ 53㎝
※正規長は529.5㎜、使用限度長は524.5㎜。
スプリングがへたっていないから、走行2万㎞程度は信用できます。

走行距離が少なくても、年数が経っていればそれだけシール類は劣化します。
古いバイクを購入する時はシール類交換を覚悟しておかなければなりません。


b.シリンダcomp取外し

さてさて、前回作成した回り止めの自作専用工具の出番です。

   
イ. 専用工具改良



①シャフトが長すぎるので100㎝→50㎝に切断。
※シャフト底部(写真左端ナット)まで42㎝あればOKです。
※長すぎるとシャフトハンドルまで手が届きません。

②シャフトにゴムホース巻き付け→インナーフォーク内側のホークキャップネジを傷つけないため。
※シャフトに入るような太いゴムホースがなかったので、ゴムホースを縦に割いてテープ留めしました。
※体裁をよくするのなら、スパイラルのコード結束バンドを使ってください。プラスチックの配管ホースでもよいでしょう。

③ナットの固定→ナット右部分のシャフトネジをハンマーで潰し、ナットを入れで左側のシャフト部分をハンマーで潰す。

⑤ハンドル穴にネジ切り不要→8.5㎜ドリルで穴あけ、8㎜全ネジシャフトを両方からネジ止め。
※円柱シャフトに真っ直ぐ穴をあけるのは難しいですね。シャフト右端の穴は失敗したもの。(ハンドルが入っている穴も失敗でしたが‥。)


ロ. シリンダcompの形状と回り止めナットの適合



左がシリンダcomp、右が27㎜ソケット。

回り止めナットが噛み合うシリンダcomp の上部は“27㎜ソケット”と同じ形をしています。

ナットは“27㎜ソケット”に入るように削ればよいのです。
正六角形にする必要はありません。
対辺巾が27㎜でなくても“27㎜ソケット”と噛み合うものであればOKです。

ただし、噛み合う部分の深さが 3㎜ しかありません。
“27㎜ソケット”と深さ3㎜ までで噛み合わなければなりません。

テーパー状に削ったナットは、テーパーの始まりの対辺巾が狭く、3㎜以内で噛み合いませんでした。


ハ. シリンダcomp取外しの実際

サービスマニュアルのイラストでは、
「フォークを万力で留め、左手で回り留め工具ハンドルを持ち、右手でフォーク底部のヘキサゴンボルトを緩める」ようになっています。

このイラスト通りにするためには相当大きな万力が必要です。
フォークアウターチューブが回るのを止めることができる万力が必要です。

手持ちの万力が小さかったので、この方法はあっけなくNG。

そこで、
フォークを板の上に置き、アウターチューブののキャリパ取り付け穴にTレンチの柄を差し込んアウターチュウブが回るのを止める。
両膝でアウターチュウブを押さえる。
左手で自作専用工具のハンドルを押さえ、右手でヘキサゴンボルトに当てたラチェットハンドルを持つ。
そして、右手のラチェットハンドルを「グ、グ~」と手前に引く。

案外、簡単に外れました。

※底部ヘキサゴンボルト→※10㎜ヘキサソケット使用・締付トルク 6.2kg・m。

ここまでの分解状態は、




c.シール類取外し

イ. ダストシール・シールクリップ(オイルシールストッパリング)

両方とも小さいマイナスドライバーで簡単に外せます。


ロ. オイルシール、シールワッシャ、メタルスライド

アウターチューブとインナーチューブを持って、「コン・コン」と三回くらい引っ張れば簡単に外せます。
大きな力は必要ありません。


ハ. すべての部品は次のようになります。


①アウターチューブ
②フォークスプリング
③ヘキサゴンボルト
④シリンダー
comp
⑤スプリングアッパーシート
⑥キャップボルト
⑦メタルスライド 1
⑧オイルシールワッシャ
⑨オイルシール
⑩オイルシールストッパリング
⑪ダストシール
⑫インナーチューブ

⑬メタルスライド 2



 もう一つ、④の先端(写真では左端)にかぶさる“テーパースピンドル”という部品があります。
 これは①の底(写真では左端)にくっついたまま離れませんでした。
 次の写真の④の先についている樹脂製のカラーです。

  ⑦~⑪はこの順番で⑫のインナーチューブにはまります。
ただし、アウターチューブの手前(写真では右端)の膨らみの部分で止まってしまいます。


①,②,③,④,④2,⑤,⑥,⑫の関係をもう少し詳しく。①①

 ④はインナーチューブ⑫の上からインナーチューブの中に入ります。

 スプリング④2 はインナーチューブの中に入ります。

 スプリング②はインナーチューブ⑫の上からインナーチューブの中に入ります。
 そして、④と重なります。

 スプリング②はその上に⑤が置かれ、フォークキャップ⑥によってフタをされ、
 インナーチューブ⑫の中に閉じ込められます。

 一方、④はアウターチューブ①の中に入り、
 ③によってアウターチューブ①に固定されます。

 これにより、インナーチューブ⑫ははアウターチューブ①にに固定された
 シリンダーcomp④を軸として、アウターチューブ①の中を上下にスライドします。

 インナーチューブが下がればスプリング②が縮み、
 スプリングがインナーチューブを持ち上げようとします。


 ④2はインナーチューブ⑫の中に入ります。

 ④2をインナーチューブの外に出してはいけません。

 ④2をインナーチューブの外に出すと、④がインナーチューブから出てきます。
 ④2をインナーチューブの中に入れると、④はインナーチューブから出てきません。



⑬は単品では売られていません。
⑫とセットで売られています。
交換すると高くつきます。
今回は交換しません。


⑧と⑩は交換の必要はありません。
⑧は部品を手に入れましたが交換しません。
⑩はオイル漏れのためかサビていましたので交換しました。

なお、二つのスライドメタル(⑬と⑦)は痛む部分が違います。

アウターチューブ(①)の中を動くのはインナーチューブ(⑫)です。
アウターチューブとインナーチューブが直接擦れ合うのを防ぐのが、インナーチューブにはめられた二つのスライドメタル(⑬と⑦)です。
⑬はインナーチューブと一緒に動き、メタルの外側がアウターチューブ内側壁面を擦ります。
⑦はアウターチューブの入り口で固定され、メタルの内側がインナーチューブの外側壁面に擦られます。
⑬ではメタル外側が痛み、⑦ではメタル内側が痛むことになります。

同じスライドメタルでも「⑬をインナーチューブとセット販売にして単品部品とはせず、⑦を単品部品としているの」は⑦の方が痛みが早いからでしょう。
「⑬はインナーチューブがダメになるまで交換の必要はない」というのがFJ を造った技術者の結論なのでしょう。

また、シリンダーcomp (④)の先に付いている樹脂製の白いリングも単品部品ではありません。
シリンダーcomp はアウターチューブに固定され動きませんが、
その外側をインナーチューブが上下し、樹脂製の白いリングはインナーチューブの内側壁面に擦られます。
このリングをセット販売にしているのも、⑬と同じ理由なのでしょう。

しかし、キャップボルト(⑥)に付いているOリングも単品部品ではありません。
キャップボルトとセット販売です。
キャップボルトが痛むまでOリングは大丈夫なのでしょうか?
少し疑問ですね。


ここで質問を一つ。

『一個部品が足りません。何でしょうか?』

そうです!

③のヘキサゴンボルトに付けるガスケットがありません。

このガスケットが①のアウターチューブの底(写真では左端)に張りついて取れないのです。


ニ. ガスケットを取るのに一時間

古いガスケットが取れなくても、その上から新しいガスケットを入れれば問題はないでしょう。

しかし、「昨日のパンツの上から今日のパンツを履いても気持ちが悪い」ですね。
何より「取れるべき物が取れない」のが許せません。

ケガキ針で引っかいたり穴を開けたり、マイナスドライバーで叩いたり。最後はタガネで切り込みを入れました。

こんな状態でやっと離れてくれました。



お勧めする方法は、

・タガネかマイナスドライバーで放射状に切り込みを入れる。
・切り込みの一つを深くして、マイナスドライバーでめくる。
・一カ所がめくれたら、後は簡単に外れます。

ただし、切り込みが深いとアウターチューブ底部にも傷がついてしまいます。



ちょっとやりすぎましたね。

左側は試行錯誤の時点、右側は方法が決まったあとです。

次回は今回の作業で付けた傷があるので、「パンツ重ね履き」でやりましょう。


最後に、灯油で各部品を簡単に洗います。


3. step 3  フォーク組み立て


a.
シリンダーcomp、インナーチューブ、アウターチューブ組み付け

・インナーチューブにシリンダーcomp を入れる。

・インナーチューブをアウターチューブに入れる。

・ヘキサゴンボルトにネジロックを塗り、ガスケットをはめ、アウターチューブの底からシリンダーcomp をネジ留め。

ここで、シリンダーcomp 回り止めの専用工具を使います。



右膝でアウターチューブを押しつけ、右手でブレーキキャリパ取り付け穴に差し込んだTレンチのソケット部分をおさえる。
そして左手でトルクレンチを手前に引っ張る。

外す時は両膝で押さえましたが、はめるときには左膝の出番がありませんでした。

トルクレンチの目盛りが左側で見えにくいので、6.2 kg・mの所にマジックでマークを付けておきましょう。
プリセットのトルクレンチならその必要はありません。

なお、ある程度締めつけると、シリンダーcomp は供回りをしません。
インナーチューブを他の者に引っ張ってもらって取り付けることも可能でしょう。


二本でき上がり。



『あっ!さっきのシリンダーcomp に短いスプリングを付けるのを忘れた!』

また、最初からやり直し。
潰れたガスケットが少々心配。

こんな時のために、ガスケット類は必要数より余分に注文しておきましょう。


b.オイルシール打ち込み

・インナーチューブにメタルスライド、シールワッシャを上からはめる。

・インナーチューブの先端部分をサランラップで覆う。

・フォークオイルをサランラップで覆ったインナーチューブ先端とオイルシールに塗る。

・オイルシールをアウターチューブ入り口まで下ろす。


ここからが、オイルシール打ち込みです。

先日、棚からオイルシール打ち込み専用工具が出てきました。



HONDA マークの袋に入っていましたから、CRの整備に使ったのでしょう。

「FJのオイルシール打ち込み方法」でよく紹介されているのが“48.6㎜Φの鉄管”。
今回は専用工具が出てきたので鉄管の準備なし。

しかし、この専用工具がアウターチューブの入り口に入らない。

サンダーで少し削ってみましたがダメ。
※写真左斜め下と向かい側を削りました。

仕方がないので、オイルシールの上に新品のオイルシールワッシャを乗せて、マイナスドライバーで打ち込みました。
アウターチューブに少し入るまでは、いろいろな方向から「おとなしくコンコン」。
ある程度入ったら、ゴンゴンやってもOKです。

リングの溝が見えたら打ち込み終わり。

あとは、ストッパリングを溝にパチンとはめて、ダストシールをその上に乗せる。

ダストシールは簡単に押し込めますが、せっかくたがら上の打ち込み工具を使います。
太い部分で一撃。
20年ぶりの出番でした。


c.フォークオイル注入

※規定量は448㏄。
※推奨オイルはYAMAHAサスペンションオイル・G10。

まず、200㏄ずつを入れ、インナーチューブを上下。
次に、残りの248㏄を入れ、インナーチューブを上下。

エァが抜けたら、油面高さ(オイルレベル)を測定。
※規定値→インナーチューブを一番下にして、フォークスプリングを取り付けない状態で142㎜。

あとは、スプリングを入れて、アッパーシートとトップキャップを取り付ければ終わり。



暗くなってきたので、油面測定と取り付けは明日に。
なお、写真のフォークにはスプリングとアッパーシールを組み込んでありません。

フォーク取り付けはstep 1 ・手順を逆にやれば問題ありません。

これで「FJのオイルシール類交換」は終講とします。
必要な情報があれば追記します。


次回はオイルエレメント交換とエァクリーナー点検を予定しています。


2011.09.30 追記


1.オイルレベル


まずはこの写真。



248㏄をフォークに入れたメスシリンダーです。
一晩置くと2㏄ほど溜まっています。

248㏄をホークに入れたつもりでも、実際は246㏄しか入っていないことになります。
この分を計算に入れなければなりません。

「プラス 1 %」を計量して入れてください。

今回は「プラスα」を入れましたので、オイルレベルは規定の142㎜になっていました。


2.フォーク組み立て留意点


a.フォーク突き出し量

フォーク上面がハンドルポスト上面と“面一”になるようにする。

フォーク上面にはキャップボルトが付いていますが、フォークと色が違います。
フォークはメッキされていますので鏡面です。
この鏡面の先端ががハンドルポストと面一になるようにしてください。

なお、ハンドルポストのボルトを締めてしまうと、キャップボルトの本締めができません。
順番は次の通りです。

・フォークをアンダーブラケットとトップブリッジ・ハンドルポストに入れる。

・フォーク上面とハンドルポスト上面を面一にする。

・アンダーブラケットのフォーク取り付けボルト×2を締めつける( 2.3kg・m)

・キャップボルトを締めつける(2.3kg・m)

・トップブリッジとハンドルポストのフォーク取り付けボルトを締めつける( 2.3kg・m)


b.「アンダーブラケットのホーク取り付けボルトにはトルクレンチが使えない」ことへの対策

step 1 の⑦で説明したように、フォーク取り付け下部(アンダーブラケット)のボルトのうち下側のボルトは通常のソケットで外すことができません。
しかし、トルクレンチを使って組み付けるときは、上側のボルトも通常のソケットでは締めることができません。
トルクレンチはラチェットレンチよりソケット取り付け部が厚いからです。
多分、浅いソケットを使っても無理でしょう。

フロントカウルを外してしまえばトルクレンチを使えるでしょうが、カウルを取り付けたまま作業する場合はトルクレンチを使うのを諦めましょう。

では、どうするのか?

“感覚トルクレンチ”を使いましょう。

フォークを取り付ける四本のボルトとキャップボルトは同じ 2.3kg・mの締めつけトルクです。

上側(トップブリッジとハンドルポスト)の二本のボルトとキャップボルトにはトルクレンチが使えます。
これら三本のボルトを締める時に2.3kg・mの締めつけ感覚を覚えましょう。

25㎝くらいの腕長さで、人差し指と中指をかけてor親指・人差し指・中指でつまんで、精一杯力をかけると2.3kg・m程度になります。
10-12のメガネレンチが25㎝程度です。
このメガネに二本指をかけてor三本指でつまんで、精一杯締めつければOKです。


c.フロントフォークの初期スプリング荷重

トップキャップの樹脂カバーを取って、調整ネジで調整します。
調整ネジを締めればフォーク内のスプリングが押さえつけら、スプリング力がそれだけ強くなります。

4段階で一名乗車時の標準は2段目です。

なお、リヤショックは、
初期スプリング荷重(上側のアジャスタ)は9段階で、一名乗車時の標準は5段目。
減衰力(下側のアジャスタ)は12段階で、一名乗車時の標準は7段目です。


3.オイルシール打ち込み専用工具について


3-bで登場したHONDAの専用工具に関することです。

棚から別の部品が出てきました。



写真下の樹脂製部品です。
フォークスライダスペーサという名前です。

これは倒立フォークの分解・組み立ての際にアウターチューブとインナーチューブの間に当てるものですが、オイルシール打ち込みにも使えます。
印字してある方を上にしてFJ のフォークに当ててみたら適合しました。

しかし、このスペーサは20年前に一個2000円程度したと記憶しています。

専用工具は値段が高く、他の機種に使えないのが難点。
FJ のオイルシール打ち込みは、“48.6㎜Φの鉄管”を使うか、オイルシールワッシャを当ててドライバーで打ち込むかのどちらかですね。


つづく。

    

★ 2012.11.06 追記 - 再度のオイルシール交換

※走行距離 23651㎞


【1】 夏バテが原因なのか?


RMXのエンジンが手に入らないので、チョイ乗りに 重い FJ を使っています。

しかし、左フォークに不気味なオイル跡。

前回のオイルシール交換から、1年足らず。
走ったのは たったの 1600㎞。

オイルシールの打ち込みが乱暴だったのか?
インナーチューブに傷があったのか?
オイルシール自体に問題があったのか?
夏場に乗らなかったので、オイルシールが張りついてしまったのか?


原因は何であれ、治しておかなければなりません。
寒くなってからでは億劫です。

フォークオイルとオイルシール ・ ヘキサゴンボルトガスケット ×3 を入手。
暖かい日を待って、久しぶりのバイクいじりです。



【2】印刷用作業手順 の作成


作業手順を確認するのに、この頁を印刷しようとしましたが、余計なことがたくさん書いてある。

もっと簡単に手順だけが欲しい。
「 どのソケットなのかな‥。」 とソケットをボルトに当ててみるのも面倒。
いちいち、サービスマニュアルで締め付けトルクを確認するのも時間がかかる。

今回の教訓も含めて 「 FJ 4CC ・フロントフォークオイルシール交換手順 」 を作成しました。→→→ こちら


【3】今回のトピックス

    
a. オイルシール打ち込み工具


今回はこれを使いました。

  ・名称  ロングニップル 1.5インチ Φ。
 
 ・本体部 ( ネジのない部分 ) 48.8㎜

  ・本体部 厚さ 3.4㎜

  ・内径 41.8㎜

  ・全長 100㎜ ( 本体部 50㎜ )

  ・重さ 300g

  ・値段 358円

  ※水道官をつなぐのに使う部品でしょう。

  ※長いものもあります。
      全長 150㎜→445円、 200㎜→535円

  ※48.6㎜Φの鉄管は
     全長 100㎝、厚さ 2.2㎜、428円

打ち込み工具として使えるものを捜すためにはオイルシールの寸法を知らなければなりません。

  ・オイルシールは、内径 約 40㎜ ・ 外径 53.4㎜。

  ・硬い部分は 46㎜Φ ~ 53.4㎜Φ。

  ・柔らかいリップ部分の外径は 43.5㎜Φ。
    これより内側に打ち込み工具が当たってはいけません。

   ・打ち込み工具に必要な条件は、
     内径 43.5㎜Φ 以上 ・ 外径 53.4㎜Φ以下

     理想は 内径 46㎜Φ ・ 外径 50㎜Φ

  ・48.6㎜Φ鉄管は 外径 48.6㎜ ・ 内径 44.2 ㎜。
    必要な条件をクリアーしています。

  ・ロングニップルは 、外径 48.8㎜Φ ・ 内径 41.8㎜Φ
    外径はOKでも、内径が小さいのでオイルシールのリップ部分に該ります。

     さらに、ネジが切ってあるため先端部分が尖っています。
     このロングニップルは、
     オイルシールリップ部分 ・ 41.8㎜Φのところに当たることになります。

     リップ部分は柔軟なので、それだけ傷つくことが防げるでしょうが、
     大きな危険をはらんでいることになります。
 

このロングニップルを選んだのは、48.6㎜Φ鉄管より厚さがあること。
そして、切断の必要がないこと。

しかし、厚みがあることがマイナスになることが分かりました。
外径が同じくらいで厚ければ、それだけ内径が小さくなります。
内径が小さくなればそれだけオイルシールのリップ部を傷つける危険が高くなります。

さらに、実際に打ち込んでみると重さが足りません。
やはり、巷で使われている 48.8㎜Φ×1m の鉄管をそのまま使った方が良いでしょう。


打ち込み作業開始です。

  ・重さの不足はCR の打ち込み工具でロングニップルの上から叩けばよい。


   ・リップ部を傷つけることを防止するためには、
     オイルシールの上にオイルシールワッシャを当てて打ち込めばよい。


  ・この段階では “ 次に起こる失敗 ” にまったく気づいていないのです。










  

b. 状況が違えば、同じ結果にはならない


万引き検挙も同じです。

『 あっ! この手口だな!』 と 気を抜くと 誤認してしまいます。


オイルシールにワッシャを乗せる。
ワッシャの上にロングニップルを当て、打ち込み工具でガツン ・ ガツン と叩く。

前回はオイルシールの上にオイルシールワッシャを当てて、マイナスドライバーで根気よく打ち込み。
今回は簡単に打ち込み終了。


しかし‥。

ワッシャがアウターチューブから 外れな~いッ!


当たり前です。
オイルシールワッシャはアウターチューブにビッタリはまるようになっているからです。


しかし、前回はワッシャの上から打ち込んでワッシャは簡単に外れたけど‥。

それは、ワッシャをマイナスドライバーで叩いているうちに、ワッシャが反ってしまったからです。

前回とは状況が違っているのです。


このオイルシールワッシャを外すために、もう一度フォークを分解。

念のために新しいオイルシールを使い、ロングニップルを直接当てて打ち込みました。

ロングニップルがオイルシールのリップ部分を傷つけていないといいけれど。
リップ部分の柔軟性に期待しましょう。

再々度のオイルシール交換が近いうちにくるかもしれません。

なお、外したオイルシールは
「 組み込み ・ 取外し に一度使用 」 という名前をつけられて、非常用の予備部品となってしまいました。


我が人生と同じで、「 いつになったら、失敗をせずに済む 」 のでしょう。


( オイルシール打ち込み工具のベスト )

オイルシールを直接叩くのなら、ロングニップルは × で、 48.8㎜Φ 鉄管は 〇。

48.8㎜Φ 鉄管 で直接叩く場合は、真っ直ぐ打ち込んでリップ部分を傷つけないように注意する。
 ※
鉄管の内径は 44.2㎜Φ 、インナーチューブの外径は 41㎜Φ。隙間が 3.2㎜あります。
     よほど注意して打ち込まないと、リップ部を直接叩くことになります。



③オイルシールのリップ部分を傷つけないために、何かを乗せて叩くことが必要。

何を乗せるか?

やはりオイルシールワッシャが一番。

オイルシールワッシャは 外径 52.8㎜Φ ・ 内径 42.8㎜Φ・ 厚さ 2.3㎜ 。 

オイルシールに重ねると、

・オイルシール上面外径より、ほんの少しだけ大きく、オイルシールの硬い部分を完全に覆う。
※オイルシール外径は 53.4㎜ が、上面はこれより小さくなっている。

・オイルシールリップ部分は水平方向 ・ 垂直方向とも ワッシャの内径部分に完全に納まる。

つまり、オイルシールワッシャはオイルシールを完全に保護することになります。
一枚で垂直方向のガードも完全ですが、心配なら二枚重ねれば完全以上。

もちろん、
そのままだとオイルシールを打ち込んだあとアウターチューブから取り出せません。
これは、オイルシールワッシャの外周を 1㎜程度削れば解決。


④オイルシールの上に オイルシールワッシャを乗せて叩くのなら、ロングニップルでも 48.8㎜Φ 鉄管でもよい。

しかし、
ロングニップルの方が 48㎜Φ・ 100㎝鉄管 より内径が小さく短いので使いやすい。
・ 100㎜長のロングニップルでは重さが足りないので、200㎜長のロングニップルの方がよい。
・ロングニップルはネジ部先端が尖っているので、先端を平らに削って打ち込み力がオイルシールワッシャに均等にかかるようにする

 
以上より、代用打ち込み工具のベストは
 
200㎜長のロングニップルの先端を平らに削ったもの ( 535円 ) +オイルシールワッシャの外周を 1㎜くらい削ったもの ( 357円 )

次回までに準備しておきましょう。



★ 2012.12.03 追記 - 準備しました


面倒くさいことはなかなかやりません。
いろいろな事案が 「 最後の仕上げ未了 」 で残ってしまいます。
これがたまってくると、理由の分からない焦りになります。

焦ってきたとき、どこか気分が重いときはこれが原因です。
身の回りの細かなことを片づけていきましょう。

  ( ロングニップル )

 ・ネジ部の一方を切り取り、切断面を平らにする。
 ※サンダーを地面に置いて左手で押さえ、ディスク面で切断面を削る。
 ※切断面をニップル縦方向に対し直角に削るのは難しい。

 ・ネジ部の方も同様に平らにする。
 ※ネジが切ってあるので、一点が剥がれてくる。
 ※いつまでやっていても同じだから機にしない。
 ※ハンマーで剥がれてくる部分を叩けばOK。

・これで当て金 ( ワッシャ ) を均等に叩くことができる。


 ( オイルシールワッシャ )

 ・外周を 1㎜ 程度削る。
 ※サンダーを地面に置いて左手で押さえ、右手でワッシャを持って削る。
 ※目視で太い部分を見つけて部分的に削る。
 ※「 オイルシールを打ち込んだあとに取り外せればよい 」 だけだから、
    真円にならなくてもよい。
 ※二枚とも 50.5㎜~51.5㎜Φ に収める。
 ※オイルシールの上に二枚重ねればリップ部は完全に保護される。


 ニップルのネジ部を切り取ると軽くなる。
 ニップルだけで打ち込む場合は、200㎜長のロングニップルを使うこと。
 

これで、いつでもオイルシール交換ができます。
しかし、今のところ FJ の 左フォークスライド部にオイルの付着はまったくありません。


c. 過ぎたるは猶及ばざるが如し


締め付けトルクのことではありません。

ネジロックのことです。


フォーク分解で底部ヘキサゴンボルトを緩めます。

前回はそんなに力が必要なかったが、今回はビクともしない。
アウターチューブのキャリパ取り付け穴に差し込んだ、回り止めのTレンチが曲がってしまう。

これは、ヘキサゴンボルト取付時に塗ったネジロックのせい。
ネジロックを塗りすぎたので、しっかり過ぎるほどボルトがロックされているのです。


8 ㎜ Tレンチの柄の両方 と 10㎜ Tレンチの柄の両方を擬制にして、ヘキサゴンボルトは緩んでくれました。


しかし、本番はここから。

ボルトは緩んで回るようになったが、抜くことができない。
ネジ山が潰れたような状態でボルトが空回りしてしまう。

インナーチューブに細いパイプを差し込んで、ヘキサゴンボルトを押したり叩いたりしても効果なし。

ボルトを斜めに引っ張るようにして回してやっと取外し。


原因は、
ネジロック剤がボルト先端に固着し、これがナット代わりになって供回りしていたこと。

取付時にネジロック剤をボルトネジ部全体にタップリと塗ったのが災いしたのです。

ボルト締め付けで押し出されたネジロック剤は シリンダー comp の底部付近にもこびりついていました。


ネジロック剤は 雄ネジ と雌ネジ の隙間を詰めるもの。
必要な量はごくわずか。

塗りすぎると、取外すときに苦労します。

雄ネジの先端から1/2程度に塗れば、必要にして十分。
これ以上塗るのは御法度です。



d. 入れるのは易く、出すのは難しい


煩悩やニコチンのことではありません。

フォークオイルのことです。


前回の “ コツ ” は 「 メスシリンダーに入れたオイルはすべて入らず、1%くらい残る。オイル注入は規定量の “ + 1% ” を入れる。」

今回はそれに従って余分に入れました。

しかし、オイルレベルが高すぎる。

オイルを少し抜くと、今度はオイルレベルが低すぎる。


考えてみれば、オイルを10㏄入れるのは簡単だけど、10㏄を抜くのは難しい。
入れる場合は計ることができるけれど、計って抜くことができないからです。


そこで今回の “ コツ ” は、オイルを規定量より少なめに入れて、オイルレベルを計測し、不足分を追加する 」 こと。


インナーチューブの厚さは 2㎜弱、外径は 41㎜だから、インナーチューブの内径は 37㎜ で 半径 18.5㎜。

オイルレベルを 1 ㎜ 上げるために必要なオイル量は、1.85㎝×1.85㎝×3.14×0.1㎝ = 1.074665㏄ ≒ 1 ㏄

オイルレベルの不足分だけのオイルを計量して追加注入すればよいのです。


たとえば、オイルレベルが 150㎜なら、規定値 の142㎜にするのに 12㎜ 上げなければならない。
追加注入するオイル量は 12㎜ → 12㏄ 。

これに、メスシリンダーに残る 1%をプラスすすればOK。

結局、12㏄×1.01= 12.12㏄ 。
12㏄よりやや多めに入れればよいのです。


もちろん、計算通りにはいきません。
しかし、これでオイルレベルは合格点内にあるはずです。


追加注入後にオイルレベルを再計測してはいけません。
数字がでれば標準値と比較してしまいます。

「 標準値になっている 」 と思い込むのが精神衛生上よろしいのです。



2011.03.23  FJカウル修復・取付完了

2011.05.08 FJその後_1

2011.05.24 FJその後2-キャブレター同調

2011.08.24 FJ ユーザー車検に向けて  その①

2011.08.31 FJ ユーザー車検に向けて  その②  あともう少し

2011.09.02 FJ ユーザー車検に向けて  その③  エア抜きに半日

2011.09.08 FJ ユーザー車検終了

2011.09.25  FJ フロントフォーク・オイルシール交換  その①  準備

2011.09.29  FJ フロントフォーク・オイルシール交換  その② 終了-自作専用工具改良も

2011.10.03  FJ 1200 整備初級編  オイルエレメント交換・エァクリーナー点検

2011.10.03  FJ 1200 整備初級編  リヤショック調整・バッテリーケース下のゴムマット寸法

2011.10.08  FJ に“驚くほど高い”チェーンスライダーを取り付ける

2011.10.15  FJ 1200 整備初級編  いつまでたっても上達しないエァ抜き-フロントブレーキオイル交換

2011.10.19  FJ 1200 整備初級編--「油圧クラッチ・プッシュレバーcomp シール交換」と「気泡吸い出し法によるエァ抜

2011.11.07  FJ 1200 整備初級編--チェーン“そのまま交換”  その 1

2011.11.12  FJ 1200 整備初級編-とても簡単だった“プッシュロッドのオイルシール交換”

2011.11.16  FJ 1200 整備初級編-チェーンそのまま交換  その②-組み付け

2011.12.15  FJ と革ジャケットの関係

2012.11.06 再度の左フロントフォークオイルシール交換 ・ フロントフォークオイルシール交換手順最新版 ( 印刷用 )

2013.08.24 カウル取り外し手順をもう一度

2013.09.05 FJ二回目のユーザー車検終了

2014.01.14 FJ 燃料ポンプコントロールリレーの交換

2014.03.01 FJキャブレター清掃・組み付け/その 1 - 安い市販Oリングを使う

2014.03.08  FJ キャブレター清掃・組み付け/その 2 - 初心者でもよく分かるキャブレター同調



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