FJ-4CC整備資料-ABMアップハンドルキットの詳細・取り付け注意点


FJ-4CC 整備資料





2015.09.25  FJの快適化  ABM アップハンドルキットの詳細と取り付け注意点



1.ハンドルが遠いならバーハンドル


a.ハンドルが遠い


FJの走行距離は前回車検から2年で1700㎞。

ロングツーリングなどするヒマがないので、近場では軽いRMX。

FJに乗るのを遠ざけるのは、あの重さ、取り回しの悪さ。

気をつかう信号停車。ビクビクの坂道停車。

そして、ハンドル位置。

身長180㎝以上で手足の長いヨーロッパ人向けに作ってあるのでしょう。
170㎝・日本人体型では、ハンドルが遠い。

ハンドルが遠いと、いつのまにか腕をつっぱってハンドルを押している。

ハンドルを押せばバイクは素直に傾かない。

純正セパレートハンドルは調整できない。

解決策はハンドルの位置を調整できるバーハンドル。

もちろん、トップブリッジの加工か専用のアタッチメントが必要です。


b.ハンドルクランプ直付け


一番簡単で費用がかからない方法です。


トップブリッジ(ハンドルクラウン)に汎用クランプをボルトで留める方法です。

トップブリッジ表に2㎜の段差がありますが、クランプの一方に2㎜厚のプレートかワッシャをかませばよいでしょう。

ボルトは 8Mのヘキサ頭で裏から留めます。

※裏側のリブとリブの間は13㎜、リブ厚は8㎜。
※10Mのヘキサ頭では、頭径16㎜Φになり、頭を通すには裏側のリブを両側から2㎜ずつ削らなければなりません。その結果、8㎜厚のリブが4㎜厚となってしまいます。
  8Mヘキサ頭は頭径13㎜Φ、リブを削らなくても頭が通ります。
※クランプを10Mボルト一本で留めるより、8Mボルト二本で留めた方がクランプが安定するし取り付け強度が上がります。
※トップブリッジにメスネジを切って、上から留めると取り付け強度が弱くなります。下から留める方がよいでしょう。
※8Mヘキサ頭×30㎜がよいでしょう。

費用は汎用の8Mボルト二本留めクランプが3000円程度。
8Mヘキサ頭×30㎜が ステンレスで 62円×2
8.2㎜ドリルが1000円
中古トップブリッジが200円~500円。
全部で5000円程度です。


問題は、トップブリッジの肉厚。

トップブリッジの裏は肉抜き。肉厚はどこも10㎜程度。

リブにボルト穴は開けられませんので、ボルトをどこにつけてもその部分の厚さは10㎜。

10㎜厚のアルミ鋳物にハンドルポストをボルト留め。取り付け強度が心配になります。


c.ABMのアップハンドルキット


FJ専用のアップハンドルキットで有名なのが、メイドイン・ジャーマニーの ABM・Bar Handle Kit

取り付け簡単、トップブリッジへポン付け。

値段が高いのが難点。(FJ専用、ハンドル・バーエンド・延長ブレーキホースなしで 32000円)

たまたま、Yahooオークションに出品されていましたので入手しました。
キットは新同で、ハンドルとバーエンドのおまけ付き。安価でした。

 ABMのキャッチフレーズは『高級感と剛性感で売れています』。

 『国内売上実績ナンバーワン。累計売上 8000万円突破!』だとか。

 最近のバイク向けのアップハンドルキットは 8万円くらいするから。
 累計売上 8000万円と言っても、1000個程度ですが…。

 FJ用の在庫は現在二個。

 古いバイク用のハンドルキットはもう製造されないかもしれません。
 FJにこれからも乗るのなら、今のうちに入手しておかなければなりません。
 ブレミアがつくかもしれませんネ。

 (キット内容)
 ・プレート
 ・ハンドルクランプとクランプ取り付けボルト(8M×2)
 ・プレート取り付けボルト(6M×2) とスペーサ(外径15㎜Φ・長さ13.5㎜)×2
 ・特殊ワッシャ
   ※欠品でしたので写真にはありません。新品セットには付属します。
   ※このワッシャを使えばトップブリッジを加工しないで取り付けられます。
     ただし、ワッシャを使わない方が取り付け強度が増し、安全です。(次項)



2.ABMハンドルキットの構造


a.トップブリッジと接する部分


取付はいたって簡単。
トップブリッジにABMハンドルキットのプレートを載せてボルト留め。クランプはブレートにボルト留め。

『さすがは、ドイツのクラフトマンシップ!
  プレートがトップブリッジ全体に密着するように、トップブリッジの凸凹に沿ってブレートをくり抜いたな?』

たかだか3万円のキットにそんな面倒くさいことはしません。

 プレートの裏側には、
 縦/13㎜,横/45㎜、深さ/4㎜の凹みがあるだけです。

 残りの部分は平坦面です。

 プレートの裏側全体がトップブリッジに接しているわけではありません。


  ※プレートの厚さは次の通り
    ・後部の厚いところ:15㎜
    ・前部の薄いところ: 7㎜
    ・くり抜いたところ: 3㎜
    ・ステムナットを取り付けるところ:4㎜
    ・クランプを取り付けるところ:15㎜


 プレートがトップブリッジに接しているのは赤丸の部分だけです。


 上の小さい赤丸は セパレートハンドルをトップブリッジに取り付けるボルト穴。

 これは主にプレートの位置決めをしているものです。

 このボルトはプレートが左右にずれないようにするとともに、
 ブレートの左右の高さを同じにして、プレートが傾いて取り付けられないようにしています。


 下の大きな赤丸はステアリングステムがトップブリッジを通る穴と重なります。

 プレートはここでステアリングステムにトップブリッジと一緒に留めらます。

 ステアリングステムに直接取り付けられるのですから、取り付け強度は充分です。

しかし、

 ブレートはこの三カ所以外はトップブリッジから離れています。

 ブレートがかさ上げされているのです。

 かさ上げすることによって、トップブリッジの凸凹を避けているのです。

 写真はトップブリッジを前から見たものです。

 ゲタを履いているのがよく分かります。

そして、

 トップブリッジを後ろから見るとこうなります。

 トップブリッジとプレートは 2.5㎜離れています。

 もちろん、このままステアリングステムに留めるわけにはいきません。

 ここに特殊ワッシャをかませます。

 特殊ワッシャのサイズは22M用(内径/22㎜+α㎜Φ)で厚さ/2.5㎜程度。

 ※ステアリングステムが22Mだから内径は22㎜+α㎜Φ。
 ※厚さ/2.5㎜の根拠は、
   ブレートを前の二本のボルトで留めた場合に、トップブリッジとの隙間が2.5㎜。
   実物を見ていないので実際の厚さは分かりません。
 ※外径の許容範囲はステムナットフランジ/外径38㎜Φ~平坦部/44㎜Φ。

 ※代用品(外径㎜×内径㎜×厚さ㎜)をモノタロウで探すと、
   ・25×42×1.0   NTN-AS型ワッシャ    54円/個→→→こちら
   ・26×44×2.0   丸ワッシャ特寸・3個入   299円   →→→こちら
   ・26×44×1.6   丸ワッシャ特寸・4個入   299円   →→→こちら
   ピッタリとした一枚は見つけられませんでした。
   ワッシャを使うのなら、これらを組み合わせたり削ったりして代用するしかないでしょう。



b.だから、取り付け強度が問題になる


『え~ッ! ステアリングステムにトップブリッジとアップハンドルキットのプレートを一緒に取り付けるの? ステムボルトにそんな余裕があったの?』

ご心配なく。そこは「メイド・イン・ジャーマニー」です。

「剛性感で売れている」アップハンドルキットです。

その点を細かく見てみましょう。


・トップブリッジから出ているステムボルト部分 → 下から、本ネジ山/12,食い付きネジ山/1 で 全長/13㎜。
・トップブリッジを留めるステムナット(フランジ付き・ふくろナット) → 下から、フランジ部/1㎜,食い付きネジ谷/1,本ネジ谷/10 で 全長/12㎜

だから、トップブリッジをステムに取り付ける場合、ステムのネジ山とステムナットのネジ谷が完全に噛み合っているのは10。
この「噛み合い10」がメーカー(ヤマハ)の仕様です。
これを100%とします。

 ステムにトップブリッジとプレートを取り付けると、
 特殊ワッシャ/2.5㎜ と プレート取り付け部4.0㎜ が加わって 6.5㎜のプラス。

 プレートから出ているステムボルト部は 13㎜-6.5㎜=6.5㎜。
 ネジの山と谷なら「下から、本ネジ山/5.5+食い付きネジ山/1」

 これをステムナット(下から、フランジ部/1㎜,食い付き谷/1,本谷/10)で留めると、
 完全に噛み合っているネジ山とネジ谷は 4.5 となり、45%。
 
※簡単に言えば、
  ネジピッチ1㎜のステムに厚さ6.5㎜のものを追加するから、噛み合いが6.5減って4.5。


 ここで 2.5㎜厚の特殊ワッシャを使わなければ、取り付けネジ長は2.5㎜増えるから、
 完全に噛み合っているネジ山とネジ谷は 7 となり、70%。


 写真の赤い矢印部分が
 特殊ワッシャを使ってプレートを取り付けた場合のステムナット噛み合い部分。

 白い矢印部分が、
 特殊ワッシャなしでプレートを取り付けた場合のステムナットの噛み合い部分。


『チョット、チョット、待ってくださいよ! ABMの仕様通りに取り付けたら、ステムナットがこれだけしか噛み合わないのですか?』

そうなりますね。45%・45点ですから「再試不能」ですね。

『これでプレートをしっかり留めることができるのですか? 「剛性感で売れています」と言ったじゃないですか!』

「剛性」じゃなくて、「剛性感」だからウソではないですよ。

それに、ステムナットは袋ナットです。「ステムボルトがどこまで来ているか」は見えません。
「噛み合いが半分に達してないこと」が見えないから気になりませんよ。

『そんなぁ~。知ってしまったら余計気になるじゃないですか!』


まあ、純正トップブリッジの上にプレートを取り付けるのですから全てを満足させるわけにはいきません。

プレートを薄くすれば取り付け強度が上がるが、プレート自体の強度が下がる。
プレートを厚くすればプレートの強度は上がるが、取り付け強度が下がる。
トップブリッジの凸凹に合わせてプレートをくり抜けば、プレート強度も取り付け強度も上がるが、製造コストが上がってしまう。

3万円の後付けパーツだから、このへんで手を打ったのでしょう。

最近のバイク用のABMアップハンドルキットは、トップブリッジの上に取り付けるのではなく、まったく別のトップブリッジになっています。
純正のトップブリッジとABMのトップブリッジを交換するのです。

これならプレートの強度と取り付け強度が両立します。
当然、コストが上がりますから値段が 8万円以上になります。


話を「45%の噛み合い」に戻しましょう。

「気になる・気にならない」は別にして「噛み合い45%」では危険なのです。

ステムナットの指定締め付けトルクは 11.0㎏・m。

ピボットシャフトが 9.0㎏・m、リヤアクスルが 15.5㎏・mですから、しっかりと締め付けなければならない部分なのです。

しかし、仕様の45%、たった4.5山しか噛み合っていないのに、指定の 11.0㎏・mで締め付けることができるでしょうか?

もし、締め付けることができたとしたら、一つのネジ山には仕様の 2.22倍  (10/4.5) の力(引張応力)がかかっていることになります。
締め付けたときは何とか持ちこたえていても、走行時にさらに外力が加われば、持ちこたえられなくなってしまうかもしれません。
持ちこたえられなくなったら「ネジ山断裂」です。

つまり、45%の噛み合いでは、
「指定トルクで締め付けられないので危険、指定トルクで締め付ければもっと危険」ということになります。


『ということは、ABMキット付属のワッシャを使わないで、噛み合いを70%にした方が安全だと言うことですね。』

もちろん、70%でも安全ではありません。
指定トルクで締め付ければ、一つのネジ山には仕様の 1.43倍 (10/7) の力が加わることになります。
しかし、安全率を見込んで設計してありますから、なんとか持ちこたえられるでしょう。

『70%でも安全ではないけれど、45%では危険だということですね。』

そうですね。

『では、ワッシャを使わないで噛み合いを70%にする方法を教えてください。』

次に説明します。


c.ワッシャを使わない場合のトップブリッジ加工


(プレート裏の凹みの役割)


プレートの裏側にある、縦/13㎜×横/45㎜×深さ/4㎜の凹みは何のためにあるでしょう。

プレートをトップブリッジに当ててみました。

プレートの凹みはトップブリッジの赤い部分と重なります。

この凹みでトップブリッジの凸部を避けているです。

この凹みの深さは4㎜、トップブリッジ赤い凸部の最大高さは4㎜未満で完全クリアー。

だから、プレートをトップブリッジにあてるとピッタリ重なるはず。

しかし、なぜかガタガタする。

まだ、どこかが当たっている。

よく観察すると…、

 この部分がブレートに当たっていました。

 ステムナット取り付け部分の左右がわずかに傾斜して凸部になっています。

 ここはプレート裏側の凹みから外れた部分で、プレートの平坦分が当たります。

 だから、 プレートの平坦部がステムナット取り付け部とピッタリと重ならないのです。

 ABMのハンドルキットはこの部分をクリアーするためにブレートを嵩上げしたのです。
 そして、トップブリッジを加工しないでプレートが取り付けられるようにしたのです。

 ということは、この部分を削ればプレートのガタつきがなくなり、
 ステムナット取り付け部分とプレートが密着します。

 そうなれば、特殊ワッシャは必要ありません。

 特殊ワッシャを使わなければ、ステムナットの噛み合いは45%から70%に。


 もちろん、プレート前部取り付けボルトのスペーサを短くしなければなりませんが、
 取り付け強度を上げる方が優先です。


なお、ABMがブレート裏のこの部分に当たるところをくり抜かなかったのはなぜでしょう。

それは、その部分がプレートのステムナット取り付け部にかかるからでしょう。

ブレートのステムナット取り付け部は厚さが4㎜で他の部分より薄くなっています。
薄くしないとブレートをステムに取り付けられないからです。

ところが、ステム取り付け部の左右を裏からくり抜くと、その部分が 4㎜より薄くなってしまい、取り付け強度が下がってしまうのです。
だから、プレートを嵩上げする方法をとったのでしょう。

もちろん、加工が複雑になり製造コストが上がるという理由もあります。


(トップブリッジを削る)


削る量は「トップブリッジのステムナット取り付け面と同じ高さまで」。

ABMはこの凸部を避けるために 2.5㎜嵩上げしましたが、この部分は高さ2.5㎜もありません。

 最初はサンダーで、仕上げはヤスリで手作業。

 理論値より少し広く・深く削りましょう。
 削る範囲の上端は トップブリッジ段差の下ではく段差の上まで。

 見栄えが悪くても、ブレートの下になりますから見えません。

 プレートをトップブリッジに合わせて「ここが高いからここをもう少し」。

 ただし、削りすぎに注意してください。

 プレートの凹みの深さは4㎜です。
 プレートの平坦部と凹み上端部の差は4㎜しかありません。

 ステムナット取り付け面を削りすぎると、
 そこに接するプレートの平坦面が下がります。
 プレートの平坦面が下がれば、プレートの凹みも下がり、
 凹みが今までクリアーしていたトップブリッジの凸部に当たってガタガタします。

 そうなったら、今度はプレートの凹みがクリアーしていた部分を削らなければなりません。


 下手な歯医者さんが噛み合いを調整するのに似ています。

 こっちぱを削れば、あちらが高い。
 あちらを削れば、またこちらが高くなる。
 ドンドン削れば歯がなくなる。

 完全を目指してはいけません。

 結局、このような状態でプレートのガタつきがなくなりました。


 失敗した場合に備えて中古のトップブリッジを入手しておきましょう。


(結果は?)

 プレートをトップブリッジに重ねた状態です。

 この状態でステムが出ている部分は
 下から、本ネジ山/8、食い付きネジ山/1 で長さは 9㎜。

 ナットを本締めすれば、プラス1山で、下から「本ネジ山/9+食い付きネジ山/1」。

 ステムナットは、下から「フランジ/1㎜+,食い付きネジ谷/1+本ネジ谷/10」。

 だから、完全に噛み合っている山と谷は 7。

 予定通り、70%になります。



d.スペーサの変更


ワッシャを使わなかったのだから、プレート前部取り付け部は低くなっているはずです。

スペーサの長さを短くしなければなりません。

 厚さ2.5㎜の特殊ワッシャを使わなかったのだから、プレート高さは 2.5㎜ダウン。
 スペーサは2.5㎜短くすればよいはず。

 スペーサ長は13.5㎜-2.5㎜=11㎜。

 しかし、他の部分も削っているので、これを基準にして実際に合わせてみるしかない。

 スペーサは長くても短くても、プレートはステムナット取り付け部に密着しません。

 もちろん、付属スペーサを削ることはしません。
 キットを転売するときに、スペーサが仕様通りでないと買った人が困ります。

 まず試したのが、
 ・ワッシャ/0.9㎜
 ・スプリングワッシャ/1.7㎜×2
 ・8Mナット/6.2㎜
 ・合計 10.5㎜。

 これで、スペーサ取り付けボルトを締めると、
 ブレートとステム取り付け部の隙間は前/0.1㎜・後/0.15㎜。

 「後の隙間が前より大きいから、前を高くする必要あり。」


そこで、ワッシャをもう1枚追加して、高さを11.4㎜に。

 これで、スペーサ取り付けボルトを締めると、
 ブレートとステム取り付け部の隙間は前/0.1㎜・後/0.1㎜。

 ステムナットを本締めしたら、
 プレートとステム取り付け部の隙間はなしに。

 スプリングワッシャを使ったのがよかったのでしょう。

 見栄えは悪いですが、見えるところではありませんので大丈夫です。



3.その他


a.パイピング


ハンドルはキットにおまけでついてきた、CB用の22.2㎜Φ×72㎝のスチール製。

ハンドルが高くなり手前にくるからパイピングを変更しなければなりません。

変更したのはアクセルワイヤーだけでした。

・クラッチホース(レバー側から):フォーク前側から入って、トップブリッジの下・フォークとステムの間を通る。

・左スイッチボックスの配線(スイッチボックス側から):フォーク後側から入って、フォークとステムの間を通る。

・アクセルワイヤー(キャブレター側から):タンク前部取り付け部の下→イグニッションコイルの右→右フォークの左→フォークの前からブレーキホースの下→フォーク取り付けボルトの下
 ※本来は→ステムの左→ステムの前→ヘッドライト取り付け部の△の中→右フォークの前→右フォークの右から出る。
 ※長くもなく短くもなく。ハンドルを一杯に切ってもアクセル操作に影響なし。

・右スイッチボックスの配線(スイッチボックス側から):右フォークの後側→右フォークの左

・ブレーキホース(レバー側から):右フォークの前→フォーク取り付けクランプの凹の上→ホース分岐


問題なのはブレーキホース。

これがギリギリ。

「ブレーキホースが抜けるのではないか」と心配になるほど引っ張っています。

ブレーキレバーもハンドルの直線部に付けることができません。
曲線部にかかるところでやっと取り付けられます。

バンジョーボルトでリザーバー取り付け部の角度を調整してわずかな距離を捻出します。


ブレーキホースの分岐はステアリングに取り付けられていますから、ハンドルを動かしても分岐とリザーバータンク(ブレーキレバー)との距離は変わりません。

だから、取り付けられればそれでよいのですが、さすがにこれはきつそう。

ハンドルをもう少し高いもの・もう少し深く絞ってあるものにしたら完全に長さ不足になります。

現在の純正ブレーキホースは35㎝程度。あと10㎝必要。

45㎝くらいの良品中古をいつもの出品者さんから入手することにしました。


2015.10.07 追記   46㎝の社外ホースに交換しました


 yahooオークションで入手した EARL'S・46㎝メッシュホース/970円(上) です。

 取付部の端から端まで(最大長)が46㎝です。

 標準ホース(下)は取付部の端から端まで(最大長)が35㎝。
 予定の「+10㎝」をクリアーです。

 ワッシャは10個入り540円。

 このワッシャは外径15㎜Φ×内径10㎜Φ×厚さ1㎜。
 ホームセンターで安いのがありそうなので探してみましたがありませんでした。


FJのフロントブレーキホースは途中で分岐して左右キャリパに分かれます。

今回取り替えるのはマスターシリンダー(レバー側)~分岐までのホースです。

ホース交換にカウルを外す必要はありません。
ホーンだけ外せばOKです。

ただし、ブレーキフルード漏れ対策をしてください。

リザーバータンクのキャップを外さなければ漏れることはないでしょうが、
どちらかのキャリパのユニオンボルトを外し、「マスターシリンダー~片側キャリパ入口までのフルード」を抜いてから外せば安心です。

この場合、「ついでにフルードの交換をしてしまえ」とキャリパ内のフルードを抜いてはいけません。
さらに半日以上かかります。

フルードの交換はホース交換後、改めて「新しいフルードを注ぎ足しながら」してください。
すぐに終わります。

今回はフロントキャリパを甘く見て大変苦労しました。→→→フロントブレーキエア抜き現在でのベスト方法



取り回しは劇的に改善。

ブレーキレバーは余裕でアップハンドル平坦部まで。
レバー角度は好みの状態。
もう少し高いハンドルでも絞りの深いハンドルでも大丈夫。

ただし、

 ハンドルを左に一杯切ると、ホースがフロントカウルステーに干渉します。

 ホースをステーの左側からもってくると、
 ハンドルを右に切ったときにホースが引っ張られます。

 標準のセパレートハンドルからアップハンドルに交換したので、
 左右の切れ角が大きくなったことも関係しています。

 ホースやワイヤーは短ければもちろん、長くても問題が生じることを知りました。
 
 アクセルワイヤーではないので、この程度の干渉で不具合が出ることはないでしょう。

 しかし、このハンドルのベストサイズは「標準+5㎝」の「取付部先端~先端:40㎝」ですね。




b.キーシリンダー取り付けネジ


 トップブリッジを加工したものに交換しなければなりません。

 キーシリンダー取り付けネジに「嫌な予感」。

 やはり「トルクス」。

 ネジ頭の凹みの一番長い長さが 5㎜。

 ホームセンターでこれに合うだろう、「T-25,T-27,T-30」のセットを入手。
 ※トルクスレンチの規格→→→こちら 
 ※実際はM6だったので、適合は「T-30」

 しかし、レンチで回すと簡単に舐めてしまいました。

 これは「そのように作ってある特殊ネジ」。

 貫通ドライバーで溝を作り、ポンチを当てて叩いて回しました。

 当然、M6・ネジ下/15㎜のヘキサ頭に交換しました。

 レバーホルダーやスイッチボックスの位置決め突起もお節介。
 当然、削り落とし。



c.インプレッション


さっそく試乗してみました。

・まず、足付き性が良くなったのに驚き。
  停車しても、上体が起きているから足に力が入る。
  同じ「もう少しで両足かかとまで」でも安定感が違う。

・そして、ハンドルから力を抜きやすい。
  コーナリングで上体を少し前へ倒せばハンドルが自由になってバイクが傾く。

  バイクが傾いても上体が起きているので、
  「頭から突っ込んでいく怖さ」がない。

  後輪荷重がやりやすく、コーナリング中に荷重の増減ができる。

 ・ただし、ニーグリップがやりにくい。

   上体が起き、膝の角度が大きくなったためか、
   シート前部・タンクにかかる部分が内腿に当たり、膝でタンクをはさめない。

   しかし、これは仕方がないこと。
   FJのタンクは「セパレートハンドル・やや前傾」を前提に造られているのですから。

   シートの角を落とせば改善するでしょう。


総じて「とても乗りやすくなった」。

これなら、「さあ、FJに乗るゾッ!」と自分を奮い立たせることは必要ありません。
「ちょっと乗ってみよう。」と気軽に走り出すことができます。

暴騒族車や白バイがアップハンドルである理由ががよく分かります。

日常使用ではこのポジションが一番楽ですものね。

ネイキッドが売れているのも、そこかもしれません。


FJ年配が「取り回しが重い」と感じたらバーハンドル化。

メーカー仕様の「セパレートハンドル・やや前傾のFJ」にこだわって、意地を張るのは止めましょう。
年齢とともにFJを自分に合わせて楽しみましょう。
このさき、重量バイクから降りなければならない日が来るのですから。


なお、よく指摘される「ハンドルの振動」は1時間くらいの試乗では体感できませんでした。

しばらく、このまま乗ってみて、アップハンドルに馴れてからハンドルとハンドル位置を選んでいくつもりです。
振動対策はそれからです。


また、ハンドル巾は「付属のバーエンド+スペーサを1枚」で 77㎝。
車検証のハンドル巾は 78㎝。

付属のスペーサを2枚にすればドンピシャ78㎝。
しかし「±2㎝はOK」だから、このまま車検が通ります。


ミラー位置は取付角度を少し変えるだけで問題なし。

スーパースポーツをアップハンドルにすると、どれだけミラーを調整しても後が見えないそうです。

FJはツーリングバイクですからネ。


d.忘れもの


 翌朝、気がつきました。

 「トップブリッジのフォーク取り付けボルトを締めてなかったゾ!」

 ごらんの通り、軽くボルトを食いつかせた状態でした。

 右側も手回しの仮留め。

 「まあ、… 2.3㎏・mで軽く締めるボルトだから…。
   それに、下側の取り付けボルトは緩めてないから…。」

 トンマな忘れものをするくらい、「バーハンドル化」に期待していたのでしょう。

 なお、クランプからの突き出し量はフォーク蓋上端まで 35.2㎜に。
 




2015.10.12 追記  シート変更でポジションアップ



 どこかのサイトで「あんこ抜きのシートを純正に換えたら乗りやすくなった」という記事をみました。

 少し気になって、ストックしてある3XW用シートを見てみると…。

 並べてビックリ、

 今までのシートが「あんこ抜き」だったのです。
 ※上が今までのシート,下が3XWシート

 シートの一番薄い部分が、今までの方は 70㎜、3XWの方は 105㎜。
 35㎜も薄く(低く)なっています。

 シート前部(タンクを巻き込む部分)も削ぎ落として薄くしてあります。

 シートの低い部分も前寄りになっています。

 「どこか尻が落ちた乗車感、なぜかタンクに近づく着座位置」

 このシートが原因だったのですね。


これだけ違います。

今までは、このシートでセパレートハンドル。
「タンクにしがみついて、今にもずり落ちそうな」格好に見えたでしょう。

『あっ、懐かしいFJだ! でも、タンクに蝉が止まっているみたい…。』と不思議がられていたかもしれません。


外見は腰高でも、足付き性はほとんど変わりません。

内腿がシート前部に当たりタンクをニーグリップしにくいことも改善されました。
着座位置が少し高くなり、膝の位置と角度が変わったからでしょう。

案外、セパレートハンドルでも乗りやすくなるのかもしれません。


3XWのシートは張り替えたものらしく、サイドフック用のステーが付いていませんでした。(写真左の左側が3XWシート、右側が4CCシート)

今までの4CC用シートのものを使用。

フック引っかけ部がシートの前側にくるようにセット。

しかし、なぜか納まりが悪く、取り付けるのに手こずりました。

フック引っかけ部も曲げなければフックが引っかかりません。

4CCは国内仕様だから、ステーにダンデムベルト取り付け部があります。

多分、輸出仕様の3XWと部品の形状が違うのでしょう。

なお、この部品は廃盤になっています。

 シートが純正になって、
 FJ本来の「ずんぐりスタイル」になりました。

 アップハンドルとの相性も良いようです。

 
 

 、


 アップハンドルにして上体が起きるので、
 車検用・純正の鹿角スクリーンに換えました。

 大げさなスタイルになりますが、
 風防効果が違います。

 ここまですると、チョイ乗りではかわいそうです。

 暇が有り余っているから、
 久しぶりにツーリングにでかけましょうか。



2015.10.26  追記  3年と8カ月ぶりの42号線


久しぶりの尾鷲・熊野峠です。

前回は2012年2月。RMX①のエンジントラブル以来です。

FJで走ったのはなんと4年年弱前の2011年12月

アップハンドル効果を試すべく、350㎞ほど走りました。

ハンドルの振動は別に気になりませんでした。

ただし、いつも2st・単気筒のRMXですから音と振動に鈍感になっています。

いつもの折り返し点、七里美浜の道の駅です。

高速がつながったせいか、ウイークデーにも関わらずほとんど独りで走れました。

 身体能力は4年分落ちています。

 しかし、それを補って余りあるのがアップハンドル。

 赤いSS(スーパースポーツ)に一度道を譲っただけで、
 乗用車はもちろん、1400㏄にも道を譲ってもらいました。

 右足首の曲がりがきつく、ブレーキペダル位置を下げたこと以外問題なし。

 とにかく、後輪荷重がやり易い。

 大きいRでは後輪の肩に乗ってアクセルを開けられます。

 SSの「人車一体・そこまで倒せるの?」とはいきませんが、
 白バイスタイルの乗り方で、
 ツーリングバイクとしては「そこそこに」走れました。

 以前のセパーレートハンドルでは、
 津市に帰り着いた頃にはヘロヘロ・フラフラ。

 しかし、アップハンドルではまったく疲れません。
 自宅まで余裕で走れました。

 アンコ抜きシートから標準シートに換えたこともプラスしています。
 着座位置・ニーグリップ、やはり「純正が一番」です。

 



 常用速度:80㎞/h~100㎞/h+α。
 常用回転数:3000rpm~4000rpm。
 4速・5速多用。

 100馬力・自主規制の国内仕様・4CCでも、
 最高出力:97馬力/8000rpm,最大トルク:9.3㎏・m/6000rpm。

 潜在パワーの半分も使っていません。

 「130馬力の逆輸入車など自己満足」
 というのは負け惜しみ。
 やはり、3XWを試してみたいものです。

 今後の課題は「右へ傾けること・後輪の右肩に乗ること」。

 なぜ、左へ傾けるのが楽で右へ傾けるのがやりにくいのでしょうネ。※


 アップハンドル化でFJが身近になりました。

 「FJ好きのシニアライダー」には、とにかくアップハンドル。

 リッターバイクに憧れるリターンライダーには、
 「1200cc・空冷4発」・不人気最安値のFJ1200。

  旧車の仲間ですから、ゆっくり走っても笑われません。
 「空冷を好きで乗っている」と思われるので、金欠でもバレません。
 265㎏もありますから、押して歩けば筋力アップになります。



2015.12.04 追記  ※「なぜ、右へ傾けるのがやりにくいのか」


FJのアップハンドル化で乗りやすくなったので、ついついFJに乗ってしまいます。

RMX②は不満顔。

尾鷲・熊野のコーナーに何度も出かけ、少しは走れるようになりました。

しかし、解決しないのは「右コーナーが走りにくいこと」。


なぜ、リヤタイヤの左肩に乗れるのに、右肩には乗れないのでしょうか?

なぜ、腰を左側に落とせるのに、右側には落とせないのでしょう。

なぜ、左コーナーでは身体とバイクが一体なのに、右コーナーでは身体が落ち着かないのでしょうか?


納得いく説明を見つけました。→→→こちら

「得意な軸脚」の問題だったのですネ。

右足で前蹴りや回し蹴りををやるのと左足でやるのとの違いだったのですね。

左足で蹴ると、なぜか腰が決まらないでしょう?

先に腰が開いてしまって、左足の親指の付け根にパワーを貯められないでしょう?

これと同じだったのです。


バイクを左へ傾けるときの軸脚は左足、左へ傾いたバイクの自重と遠心力を軸脚の左足で調整しているのです。

右へ傾けるときは軸脚が右足になって、右足でこれを調整。

たとえて言えば、
バイクを左へ傾けるときは、左足を軸脚にして右足で中段回し蹴り。
バイクを右へ傾けるときは、右足を軸脚にして左足で中段回し蹴り。

右利きが一般的だから、使いやすいのは右手・右足で得意な軸脚は左足。

左足を軸脚にすることに馴れているので、バイクを左へ傾けるのが楽なのです。


ということは、
右コーナーを上手く走れるようになるためには、右軸脚を使えるようにすればよいのです。

そのためには。バイクを右に傾けること・右に曲がることを練習すれば良いのです。

左足での蹴りを練習するのと同じです。


どこかのサイトで次のような説明がありました。、
「バイクのサイドスタンドが左についているので、左に傾けることに安心感を持っている。
  だから、左へ傾けるのは楽にできる。
  逆に右へ傾けることには不安感を持っているので、右に傾けるのがやりにくい。」→→→こちら

的外れのようですが、「サイドスタンドが左についていること」に着目したのは拍手ものです。

もちろん、バイクを左に傾けるのがやりやすいのは、「サイドスタンドが左に付いていて、左に傾けることに安心感を持っているから」ではありません。

サイドスタンドが左に付いているのは、「一般的に左足が軸脚でバイクを左に傾けて止めるのがやりやすいから」です。

問題は「サイドスタンドが左に付いていること」ではなく「一般的に左足が軸脚であること」なのです。


本日、165号線の大きいコーナーと164号線の小さいコーナーを何度も往復して右コーナーを練習しました。

ニーグリップと目線はもちろん大切ですが、「右足が軸脚を意識すること」で少し曲がりやすくなりました。

感覚としては「右コーナーがバンクしているつもりで、前輪と後輪を路面に押しつけて走る」こと。


調子に乗っていたら、164号線の脇道でのUターンで立ちゴケ。

上り勾配の超低速Uターンで、後輪からパワーを抜いたらコケるのは当たり前。

重量バイクは後輪からパワーが抜けると「陸に上がったトド」。

「オッ、トット…、ガシャン」ほど自尊心を打ち砕くものはありません。

誰にも見られなかったからいいけれど、恥ずかしくて笑えてきます。

あまりにも恥ずかしいので書かずにおれません。


被害はクラッチレバーの先端を折っただけ。

そう言えばFJにはレバーの予備を載せていません。

予備なしでレバーが元から折れたら帰って来れません。

帰宅後、クラッチレバーを交換するとともに、ブレーキレバー・クラッチレバーの予備を車載工具の横に。

コーナーでコケなくても立ちゴケがありますからネ。

もっとも、コーナーでコケたら被害はレバーだけでは済みませんが。


とにかく右コーナーの練習です。

164号と165号で充分に練習して尾鷲・熊野の42号線です。

RMX②の出番はなかなか来そうにありません。



つづく。






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