FJ 1200-4CC 整備資料



 2017.10.01  FJ1200の燃料ポンプが突然動かなくなったときの点検と応急処置





車検整備のときに「急に動かなくなった」燃料ポンプをチェックしてみました。
ついこの間まで元気に動いていたものが急に動かなくなるのはちょっとした不具合にすぎないはず。
ON-OFFスイッチの接点を磨いたら作動するようになりました。
ツーリング中にいつポンプがダメになるかもしれません。
そんなときのためのチェックポイントと応急処置です。日常点検に組み入れてもよいでしょう。


ダイヤフラムを動かしてみる
ON-OFFスイッチを磨く
組み立て
互換性のありそうな燃料ポンプ


      
a.ダイヤフラムがスムーズに動くかチェック

  黒い樹脂製カバーを外すとこうなっています。

  この燃料ポンプはダイヤフラムの動きによって
  「燃料を吸い込み・吐出する」仕組みになっています。

  ダイヤフラムに連動して中央の突起が上下します。
  この突起の動きによって電流をON-OFFします。

  「ダイヤフラムがどこかに引っかかって動かない」こともあるので、
  まず、この突起をマイナスドライバーでこじって上下させてやります。

 ダイヤフラムが「ポコ、ボコ」という音を立てて動きます。

 ※ダイヤフラムポンプ→→→こちら

    

b.ON-OFFスイッチのチェック


  この突起の先に(上の写真の右側)にON-OFFスイッチがあります。   これがON-OFFスイッチです。


  接点が消耗して斜めになっています。

  3万㎞弱でこれだけ消耗するようです。

  本来なら上下とも真っ直ぐに削って修正するのでしょうが、
  削ると接点が非常に薄くなってしまうし、斜めでも上下が密着しているからこのままにしました。


  上側接点の状態です。接点が溶けたのでしょうか凸凹になっています。   下側接点の状態です。こちらも同じように凸凹です。


  1000番のペーパーを二つ折りにして、上下の接点に挟んで磨いてみました。
  こちらは上側の接点、光る部分が少し現れました。
  下側接点もペーパーを挟んで磨きました。。
  本来ならもっと光る面が現れるるように磨かなければならないでしょう。


これで、ポンプは生き返りました。

応急処置としてはこれで充分でしょう。

    
c.組立

  組立は、
・①.黒キャップを長いビスで取り付ける。
  ※ダクトが下、吸入・吐出パイプが下になる。

・②取り付けステーを取り付ける。
  ※下側はダクトと吸入・吐出パイプの方。
  ※二個の取り付けボルト穴は上側、ステー固定ビスは下側。
  ※リード線出口は内側。
  ※外側から取り付けボルト穴にカラーを差し込み、ステー固定ビスをねじ込む。

    

d.互換性のありそうな燃料ポンプ


①FJの燃料ポンプ
・三菱  UC-Z1T

②マジェスティの燃料ポンプ(平成17年以前)
・三菱  UC-Z1H
※平成18年~22年のマジェスティの燃料ポンプはダイヤフラム式ではなくてインペラ式になっている。
※このインペラ式燃料ポンプはリコール対象(SG15J,SH04J,SH06J,SG20J)
※空気ダクトの形状が違うのでFJにそのまま取り付ける訳にはいかない。

③ZZR1100の燃料ポンプ
・三菱  UC-Z9H

④ZXR400の燃料ポンプ
・三菱  UC-Z6F


多分、三菱のUC-Z※※ が同じものなのでしょう。

キャブレター用の燃料ポンプで形が似ているものなら、三菱のもので互換性はあるでしょう。
もちろん燃料パイプの取り付け突起の径が違うとパイプが取り付けられないので注意。


なお、2000以下で汎用ポンプもあります。→→→ こちら
しかし、made in China で造りが悪く、すぐに燃料漏れを起こすとか。

入手するなら、1万㎞ 程度の車体から取り外したポンプでしょう。


つづく




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