FJ 1200 -4CC フロントフォーク・オイルシール交換手順 ( 印刷用 )

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【1】 準備するもの



a. 部品 ( 二本分 )

1 オイルシール 3LC-23145-00 (※3SP-23145-L0) 1208円 ×2
2 ヘキサゴンボルト・ガスケット 4V4-23158-L0 273円 ×2
3 サスペンションオイル・1L YAMAHA・G10 1680円 ×1


b. 工具など


・ヘキサレンチ 4㎜ ( アンダーカウル取外し )
・ヘキサソケット 6㎜ ・ 10㎜
・ヘキサソケット差込み口変換プラグ
・ソケット 8㎜ ・ 10㎜ ・ 12㎜ ・ 21㎜ ・ 22㎜
・メガネレンチ 8 - 10 ㎜
・先細プライヤー ( ストップリング取外し )
・トルクレンチ ( 2.3㎏・m~ 6.29kg・m ).
・シリンダ comp 回り止め専用工具 ※自作可→→こちらこちら
・オイルシール打ち込み工具 →→こちら
・ネジロック剤 ( ヘキサゴンボルト締付用 )
・2000番紙やすり ( インナーチューブ研磨用 )
・台所にあるラップ ( オイルシール装着用 )
・メスシリンダー ( フォークオイル計量用 )
・ノギスor 定規 (  フォークオイル油面測定用 )
・木片・箱 合計厚18㎝程度 ( 車体台 )



【2】 フロントフォーク取外し



①アンダーカウル取外し
②エァダクト取外し ( オイルシールを交換する側 )  注 1
③メーターケープルをメーターギャユニットから取外し
④フェンダー取外し
⑤ブレーキキャリパ取外し・12Mソケット。針金で吊るす ( オイルシールを交換する側 ) 注 2  ※締付トルク 3.5kg・m
⑥上部取り付けボルト緩め
・ハンドル締付ボルト緩め→※6㎜ヘキサ・締付トルク 2.3kg・m
・ステアリングヘッドインナーチューブ締付ボルト緩め、 一本で短い、緩めるだけで取り外す必要はない。→※10㎜ソケット・締付トルク  2.3kg・m
⑦フォークキャップ緩め→※21㎜ソケット・締付トルク 2.3kg・m
⑧フォーク取り付け下部ボルト緩め、 二本で長い、緩めるだけで取り外す必要はない。→※12㎜ソケット・締付トルク 2.3kg・m
・上側のボルトはソケット使用可、下側のボルトはソケット使用不可→メガネレンチ使用
⑨フロントホィール取外し
・アクスルホルダ締付ボルト( 右側 )緩め→※6㎜ヘキサ・締付トルク 1.9kg・m
・ホィールアクスル緩め→※22㎜ソケット・締付トルク 5.9kg・m
・フロントホィールを持ち上げ、エンジン下に木片を置く ( 高さ 180㎜ くらい必要 ) → フロントホィールが浮く
・ホィールアクスル取外し→フロントホィール取外し
⑩フォークを留めている⑥・⑧ボルトを取外し、フォークを下に抜く 注 3
・固い場合は下側のブラケット隙間にマイナスドライバーを打ち込む
・ハンドルがロックする方にフォークを回して取り外す
・最後はハンドルを正面にしてフォークを抜く

注 1 ⑩の作業をしやすくするため。下側ボルトを緩めるだけならライトの下から作業できるが、ブラケットの隙間をマイナスドライバーで拡げるのは下からでは無理。
注 2 キャリパビストンが出るのを防ぐためブレーキパッドの隙間に鉄板を噛ませる。
注 3 ボルトを取り外す必要はないが、ブラケット隙間を拡げる場合があるので取り外した方が精神的に楽。





【3】 フロントフォーク分解



a.フォークオイル排出・フォークスプリング状態確認





・スプリングは密な方が上側。

・スプリング長(ゥ由長)をメジャー測定→ ※正規長 529.5㎜ ・ 使用限度長 524.5㎜。



b.シリンダcomp取外し


※このままではインナーチューブは抜けない。
  インナーチューブに入っているシリンダーComp がアウターチューブにネジ留めされているからである。
  シリンダーComp を取り外して、初めてインナーチューブがアウターチューブから自由になり引っ張って抜けるようになる。
  


・ネジロック解除のためにボルト付近をエアホットガンorバーナーを当てる。
・フォークを板の上に置く。
・アウターチューブのキャリパ取り付け穴にTレンチの柄を差し込んで、アウターチューブが回るのを止める。
・両膝でアウターチューブを押さえる。
・左手でシリンダ comp 回り止め専用工具のハンドルを押さえる。
・右手でヘキサゴンボルトに当てたラチェットハンドルを持って手前に引く。
※底部ヘキサゴンボルト→※10㎜ヘキサソケット・締付トルク  6.2kg・m。

※シリンダcomp 取り付け時の写真と左右逆になる。

ここまでの分解状態




c.シール類取外し


イ. ダストシール、シールクリップ ( オイルシールストッパリング )

・ダストシールは小さいマイナスドライバーを差し込んでこじる。
・シールクリップは先細プライヤーでつまんで取り外す ( マイナスドライバーを使うとインナーチューブを傷つける )


ロ. オイルシール、シールワッシャ、メタルスライド

・左手にアウターチューブ、右手でインナーチューブを持って、「コン・コン」と三回くらい引っ張れば簡単に外せる。
・大きな力は不要。


ハ. すべての部品は次の通り。



①アウターチューブ、②フォークスプリング、③ヘキサゴンボルト、④シリンダーcomp、⑤スプリングアッパーシート、⑥キャップボルト、
⑦メタルスライド 1 、⑧オイルシールワッシャ、⑨オイルシール、⑩オイルシールストッパリング、⑪ダストシール、⑫インナーチューブ、⑬メタルスライド 2

※④の先端( 写真左端 )にかぶさる“テーパースピンドル”という部品があるが、①の底(写真左端)にくっついたまま離れない。
※⑦~⑪はこの順番で⑫のインナーチューブにはまる。ただし、アウターチューブの手前(写真では右端)の膨らみの部分で止まってしまう。
※④はインナーチューブの上から入れる。小さいスプリングはインナーチューブの中にはいる。④の上から②のスプリングが入る。
※⑧と⑩は交換の必要なし。
※⑬は単品販売なし ( ⑫とセット販売 )
※⑥にはまっているOリングは単品販売なし ( ⑥とセット販売 )
※③は①に④を固定するボルト。組み付け時には③にヘキサゴンボルト・ガスケットをはめる。
   ・ このガスケットは①の底部に張りついて外せない。
   ・タガネやマイナスドライバーで切り込みを入れれば外れるが、①底部を傷つける可能性あり。
   ・無理をして外さずに、新しいガスケットを重ねて③を取り付けた方がよい。

ニ.インナーチューブ研磨

・インナーチューブのオイルシールが当たる部分 ( スライド部分 ) の傷・錆びを2000番紙やすりで磨く。

ホ.ヘキサゴンボルトと雌ねじの清掃

・ネジロック剤がこびりついているので、きれいに取り除く。
・ヘキサゴンボルトが簡単に最後までねじ込めることを確認する。

ヘ.灯油洗浄

・各部品を灯油で洗う。



【4】 フォーク組み立て



a.シリンダーcomp、インナーチューブ、アウターチューブ組み付け
 

①シリンダー comp に短いバネをはめる ( 方向なし )。
②インナーチューブにシリンダーcomp を入れる。
③インナーチューブをアウターチューブに入れる。
④ヘキサゴンボルトにネジロックを塗り 注 4 、ガスケットをはめ、アウターチューブの底からシリンダーcomp を仮締め。

注 4
・ネジロック剤を塗りすぎると、外す時に苦労する。( ネジロック剤がナット代わりになって、ヘキサゴンボルトと供回りしてボルトが外れなくなる。)
・ボルトのネジ山全部に塗るのではなく、先端から半分程度のネジ山に塗る。
・ネジロック塗布はマニュアルに記載されていない。他のマニュアルがそうであるのでネジロック塗布とした。


⑤シリンダー comp の本締め ※10㎜ヘキサソケット・締付トルク  6.2kg・m


・右膝でアウターチューブを押しつける。
・右手でブレーキキャリパ取り付け穴に差し込んだTレンチのソケット部分を押さえる。
・左手でトルクレンチを手前に引っ張る。注 5
・ある程度締めつけると、シリンダーcomp は供回りしない。( インナーチューブを他の者に引っ張ってもらって取り付けることも可能 )

注 5
・トルクレンチの目盛りが左側で見えにくいので、6.2 kg・mの所にマークをつけるか、鏡を使用する。
・プリセットのトルクレンチならその必要なし。


b.オイルシール打ち込み


①インナーチューブにメタルスライド、シールワッシャを上からはめる。
②インナーチューブの先端部分をラップで覆う。 注 6
③フォークオイルをラップで覆ったインナーチューブ先端 ・ インナーチューブ ・ オイルシールに塗る。
④オイルシールをアウターチューブ入り口まで下ろす。

注 6 オイルシールのリップ部分がインナーチューブ先端の角で傷つかないようにするため。
       ラップで覆っていても十分注意すること。
       ラップで覆うのは先端部分だけで良い。


⑤オイルシール打ち込み →→ 打ち込み工具について

・打ち込み工具の内側とインナーチューブにフォークオイルを塗って、打ち込み工具内側でインナーチューブが傷つくのを防ぐ。
・打ち込む時にもインナーチューブを傷つけないよう注意する。
・オイルシールの上に古いオイルシールやオイルシールワッシャを乗せて打ち込んではいけない。→ 乗せた古いオイルシールやシールワッシャが取れなくなる。
・ストッパリングの溝が見えたら、打ち込み終了。

⑥リング溝にストッパリングをパチンとはめる。
・細いマイナスドライバーでストッパリングが回転するのを確認する。

⑦ダストシールをはめる。
・簡単に押し込める。


c. フォークオイル注入


※規定量 448㏄ ( 片側 ) ・ 推奨オイル YAMAHA サスペンションオイル G 10

①フォークスプリングは入れない。
②まず 200㏄を入れる。
③インナーチューブを上下してエア抜き。
④次に 240㏄ を入れる。 注 7
⑤インナーチューブを上下してエア抜き。
⑥時間をおく ( できれば一晩 )。

注 7 248㏄ で 規定量の 448㏄になるが、油面高さ調整 が楽なように規定量より少なめに入れる。


⑦油面高さ ( オイルレベル ) 測定 ・ 調整

・フォークスプリングを取り付けない状態でインナーチューブを押し込んで ( 一番下までさげて ) 測定する。
※標準値 142㎜

・規定量より少なめに入れているから、油面高さは標準値より大きくなっている。
・1 ㏄ で 油面は 約 1㎜上昇する ( 油面高さが 1㎜ 少なくなる ) ので、その分だけフォークオイルを追加注入する。
・あまり神経質になると心を病むから、適当なところで 「 142㎜ になった 」 と思い込む 。


d. フォーク組み立て


①キャップボルトの樹脂カバーを外し、初期荷重調整ネジを左に回して出っ張りを最小にする。 注 8
②フォークスプリングをインナーチューブに入れる。
③フォークスプリングの上にスプリングアッパーシートを乗せて、その上からキャップボルトでスプリングを押しつけてキャップボルトをねじ込む。

注 8 ①でキャップボルトの出っ張りを最小にしたのは、③の作業を楽にするため。



【5】フォーク取り付け



①フォークをアンダーブラケット と トップブリッジハンドルポストに挿入する。
・固いときはアンダーブラケットの隙間にマイナスドライバーで拡げてアンダーブラケットを通す。
・次に、トップブリッジハンドルポストの隙間をこじ開けて通す。
・プラスチックハンマーで叩いてもよい。

②フォーク上面 ( メッキ部の上面 ) と ハンドルポスト上面を面一にする。
・ハンドルポストから出ているのはキャップポルト部だけにする。
・完全に面一にはできないので、「 左右が同じになればよし 」 とする。

③アンダーブラケットフォーク取り付けボルトを締める。 ※12㎜ メガネレンチ ・ 締め付けトルク 2.3kg・m 注 9
④キャップボルトを締める。 ※ 21㎜ソケット ・ 締め付けトルク 2.3kg・m。 注 10
⑤トップブリッジハンドルポストのフォーク取り付けボルトを締める。 ※10㎜ソケット ・ 6㎜ヘキサソケット 締め付けトルク 2.3kg・m

注 9
・トルクレンチが使えないので 2.3kg・m を感覚で締める。
・腕長さ25㎝くらいのメガネレンチ ( 10-12 メガネ )の先を、「人差し指と中指をかけて」 or 「親指・人差し指・中指でつまんで」 精一杯力をかけると 2.3kg・mになる。
・④ ・ ⑤ の締め付けトルクも 2.3㎏m。 ④ ・ ⑤ではトルクレンチが使えるので、2.3kg・mの感覚を養っておく。

注 10 ⑤を④より先にやるとキャップボルトが締められなくなるので、必ず ④→⑤ の順で本締めをする。

⑥キャップボルトの初期荷重を調整ネジで調整する。 ※ 1名乗車時の標準値 2段目



【6】 ホイール ・ ブレーキキャリパ ・ フェンダー ・ メーターケーブル 等 取り付け



①ホイール取り付け。
・アクスル差し込み ・ 本締め。 ※ 22㎜ソケット ・ 締め付けトルク 5.9㎏m
・アクスルホルダ本締め。 ※ 6㎜ヘキサソケット ・ 締め付けトルク 1.9kg・m

②ホイールを持ち上げて、車体の下に置いた台を取り去る。

②ブレーキキャリパ取り付け。 ※ 12㎜ソケット ・ 締め付けトルク 3.5kg・m
・ブレーキレバーを 3~4回握り、ブレーキが利くようにしておく。

③フェンダー取り付け。

④メーターケーブル取り付け。
・ケーブルはスタビライザー左上に取り付けた金具を通り、左ブレーキホースの背後を通って、フェンダー後部左側にあるコム部品を通る。



★注意★

以上は自分自身の作業がやりやすいように作業手順や使用工具 ・ 締め付けトルクをまとめたものです。
手順 ・ 使用工具 ・ 締め付けトルク が もし間違っていてもご容赦ください。