spnet保安-RMX・SJ13クランクケースの分解・組み立て/トランスミッションの組み立て

RMX-SJ13整備資料

-クランクケース組立手順-

   
1.ドライブシャフトの構成部品

  


番号 PLイラスト番号 名称 部品番号 形状等
Fig.13/№8 ドライブシャフト - 左側にドライブギヤ
Fig.13/№26 オイルシール 09283-28020 28×38×6  凹が右側
Fig.13/№33 エンジンスプロケットスペーサ 27531-28C00 凹が右側
Fig.13/№35 Oリング 09280-21010 ③に二本入る
Fig.13/№25 ベアリング - 内径×外径×巾=22×56×15  NTN-SCD4A-73C3  刻印右側
Fig.13/№18 ワッシャ 廃盤 22.2×31.8×1.5 (実測)  ※他のワッシャより厚い
Fig.13/№10 セカンドドリブンギヤ - 26枚・右側/かみ合い凸、左側/平坦
Fig.13/№15 ブッシュ 09300-25031 内径×外径×厚さ=25×28×10
Fig.13/№19 スラストワッシャ 09181-25167-000 25×33.8×1.0 (実測)  ※内径が⑤より大きい、シャフト①の凸部まで入る
Fig.13/№12 フォースドリブンギヤ - 24枚・両面/かみ合い凸・右側/シフトフォーク溝(シフトフォーク№2)
Fig.13/№11 サードドリブンギヤ - 22枚・右側/平坦・左側/かみ合い凸
Fig.13/№21 ロックワッシャ 09167-25012   
Fig.13/№20 サークリップ 09380-25010   
Fig.13/№13 フィフスドリブンギヤ - 19枚・右側/かみ合い凸・左側/シフトフォーク溝(シフトフォーク№1)
Fig.13/№17 スラストワッシャ 08211-20301 20×30×1.0・⑰と外径は同じで内径は大
Fig.13/№9 ファーストドリブンギヤ - 32枚・右側/凹小・左側/凹大
Fig.13/№14 ブッシュ 09300-20037 20×24×10
Fig.13/№16 スラストワッシャ 09181-17223-000 17×30×1.0 ※ブッシュが入るときは前後にスラストワッシャが入る
Fig.13/№24 ベアリング - 17×40×12 ※刻印右側
Fig.13/№29 キックスターターアイドルギヤ - 27枚・左側/凸部
Fig.13/№30 シム 08221-17245 -  
Fig.13/№31 スナップリング 08331-31176,09380-17001 -  

★注意★
・ドライブシャフトの10番(サードドリブンギヤ) と カウンターシャフトの23番(フィフスドライブギヤ) を間違えないように。
・二つとも歯数は同じですが、平坦部(右側にする方)が 10番は二重円、、23番は二重円になっていません。
・間違って、カウンターシャフトの23番をドライブシャフトにつけるとサークリップとの間に隙間(ガタ)ができます。
・逆に、ドライブシャフトの10番をカウンターシャフトにつけるとサークリップが溝に入らなくなります。
・サークリップを取り付けたのにギヤにガタがあったり、サークリップが入らなかったりする場合はこれを疑ってください。
・なお、これはドライブシャフトとカウンターシャフトのギヤを全部ばらした場合の注意です。
  10番と23番はサークリップを外さなければドライブシャフト・カウンターシャフトにくっついていますから組み間違うことはありません。


組み立てるとこうなります。

⑮と⑱の間にベアリングが入ります。
※⑥~⑮はクランクケースの中、⑱はクランクケースの外

②・③・④はクランクケースの外側から交換できます。

  

    
2.カウンターシャフトの構成部品


  
番号 PLイラスト番号 名称 部品番号 形状等
①-2 Fig.13/№1 カウンターシャフト - 右側にクラッチ
Fig.13/№22 ベアリング - 25×52×15
23 Fig.13/№5 フィフスドライブギヤ - 22枚・右側/平坦・左側/かみ合い凸
24 Fig.13/№7 サークリップ 09380-25010 26と同じ
25 Fig.13/№3 サードドライブギヤ - 16枚・右側/シフトフォーク溝 (シフトフォーク№3 )
26 Fig.13/№7 サークリップ 09380-25010 24と同じ
27 Fig.13/№4 フォースドライブギヤ - 22枚・右側/かみ合い溝・左側/平坦
28 Fig.13/№2 セカンドドライブギヤ - 15枚・右側/出っぱり・左側/平坦
29 Fig.13/№6 スラストワッシャ 08211-17301 17×30×1.0
Fig.13/№23 ベアリング - 17×40×12  

※24サークリップ は 23ギヤを留める。
※26サークリップは27ギヤを右側に入らないようにして、25ギヤが左右に動けるようにする。
※25ギヤは左右に動いて23ギヤと27ギヤにかみ合う。

  



3.シフトフォーク

  


シフトフォークは三個、それぞれ形が違います。。

280-1A ( ①),280-2A ( ② ),280-3A ( ③ )  の刻印があります。

①と②は長く、③は短い。
①と②では②の方が拡がりが大きい。

これは、スライドさせるギヤの大きさが違うからです。

シフトフォークは ③がシフトカムの真ん中の溝、②が左側_溝、①が右側の溝に入ります。


シフトフォークとギヤのシフトフォーク溝は磨耗します。
許容限度は 「 フォークをフォーク溝に差し込んだときに、隙間が 0.5㎜
0.5㎜を超えて隙間が大きくなったり、異常な摺動傷があったりすると交換です。

     

b..カチカチ機構


シフトカムをカチカチ動かすのが次の機構です。

  

正式名称は ギヤシフトカムドリブンギヤ。

以下では分かりやすいように 「 カチカチ機構 」 とします。

カチカチ機構はシフトカムから外すとバラけてしまいます。

ギヤには穴が開いています。
ここにバネを入れ、小さい押し棒でバネを押さえて小さいプレートをセットします。
これが二組あります。

一組は簡単にできますが、その一組を押さえながら二組目をセットするのに苦労します。
一組目がセットできたら、その部分をセロテープで留めて、二組目をセットするのが良いでしょう。

セットしたものを保管するときは、タイラップで外れないようにしておきましょう。

  

バネと押し棒を押さえるプレートは、溝から上端までの巾が大きい方が上 ( ギヤ側 ) になります。

二つのプレートは左右対称となりますから、同じものではありません。

パーツリストでは部品番号が違います。
パーツリスト Fig.13 の№12,№13 は画像の №12 と№11です。


※シフトカムギヤの取付手順については→→→こちら

2.シフトカムギヤの取付手順


クランクケース組立手順の、クランクケースを結合した後の段階です。

ここまでの組立手順は→→→こちら

・つまり、、
  トランスミッションを左クランクケースに組みこむ。
 右クランクケースにクランクシャフトを引き込む。
 左右のクランクケースを結合。

・今から、クラッチやキックスタータなど
 クランク右側室を組み立てる段階です。

・シフトカムはすでに向こう側(左側)からベアリングに差し込まれています。


a.先にストッパを取り付ける

・まず シフトカムストッパを取り付けます。
・サービスマニュアルの手順と異なりますが、先に取り付けた方が楽です。
・ストッパが自由に動くか確認。
 取付ボルトをどれだけ強く締めてもストッパは動きます。
・シフトカムストッパプレートでストッパを押し戻すようにして、
 シフトカムと接合します。

・ストッパを先に取り付けておかないと、この作業がやりにくいのです。
・シフトカムドリブンギヤピンでプレートとシフトカムを結合。

・このピンを取り付けるのにディープソケットが必要です。


     
b.ドリブンギヤピンを締めるためのディープソケット

・このピンには二種類があります。
・①は レース仕様の RMX①に付いていたもの。
 ②は SJ 13 ・ SJ 14 の純正です。
・①はヘキサ穴が空いています。
・②はディープソケット対応になっています。
・①はヘキサレンチで締められます。
・②はディーソケットが必要です。
・ディープソケットA は TONE-4D-12L、ホームセンターで 1124円。
・ディープソケットBは モノタロウの 六角穴-12M で 279円。


・ピン②には 12M のボルト頭がが 22㎜奥まって付いています。
・TONE も モノタロウ も 22㎜は簡単にクリアー。
 
・しかし、TONE は 噛み合い部分が浅く、
 ボルトシャフトを突っ込む穴が 10㎜Φ。
・ピンのシャフトも 10㎜Φ。
・当然、ピンのシャフトは TONE のシャフト穴に入りません。
・だから、TONE は ソケットがボルト頭部分まで届きません。
・モロタロウの方は 噛み合い部分が長いので簡単に届きます。
・TONE の方は高価な分だけ手が込んでいる。それがアダになりました。
・なお、このピンにはネジロック必要です。

もちろん、これは TONE のディープソケットが悪いわけではありません。
ピンが 10㎜Φであることが問題なのです。

しかし、このピンに関しては 1124円の TONEば使えません。279円のモノタロウを使いましょう。

ホームセンターで購入する場合は、このピンを持っていって実際にディープソケットが届くかどうか確認しましょう。

そもそも、なぜ整備性のよいヘキサ頭のピンでばないのでしょうか?
強度や耐久性の問題でしょうか?

となると、ヘキサ頭のピンは RM の部品なのかもしれません。
※PJ のピンは SJ と部品番号が同じだから、ヘキサ頭ではありません。

     

c.シフトカムドリブンギヤの取付


シフトカムドリブンギヤを組み立てたあとの手順です。

シフトカムドリブンギヤの組み立てについては→→→こちら

左側がシフトカムドリブンギヤ、右側がギヤシフトボールリフタ。

ギヤにリフタをはめてから、シフトカムストッパプレートのピンにはめる。そして、リフタをケースにネジ留めする。

まずは、ギヤとリフタをはめることから。

これが、知恵の輪。

やり方の一例。

①左手の親指と中指の爪でギヤのプレート ( ) を下からつまんで押さえる。
②右手でリフタを持つ。
③リフタ A部分を ギヤB部分の下に当てて、時計方向に回してはめる。
④リフタがギヤにはまったら、右手の親指と人指し指の爪で上からギヤのプレート部( ○ ) をつまむ。( 下の写真 )
⑤ギヤのプレート部をつまんだまま、ストッパプレートのピンにはめる。
⑥リフタを皿ネジでケースに留める ( ネジロック必要)


・リフタを留める皿ネジは純正が M6×12 と M6×30 ( 写真の下側 )。
 これを汎用の M6×15 と M6×30 のステンレスに換えておきましょう。10円~15円です。

・ついでに、ベアリング押さえの なべネジ M6×10、
 アクチュエータを取り付ける皿ネジ M5×10 もついでに入手しましょう。

・これらのネジについてもネジロック処理です。

・なお、皿ネジの全長は皿の上部からの長さです。





4.変速の仕組み


a.5枚のギヤはいつもかみ合う


上の説明で変速の仕組みが理解できたでしょうか?

『なんとなく分かった気がするけれど、モヤモヤしていますネェ。』

どこがモヤモヤしているのですか?
もう一度、かみ合っている画像を出しますネ。

『もし、 カウンターシャフトのギヤが 1枚、ドライブシャフトのギヤが 5枚で、
  カウンターシャフトの1枚のギヤがスライドして ドライブシャフトの5枚のギヤとかみ合うのならスッキリするのですが、
  5枚ともかみ合っていますよ…。』

だけど、スライドするのは カウンターシャフトで 1枚、ドライブシャフトで 2枚の合計3枚ですよ。

『3枚がスライドするのだから、いろいろな組み合わせができますよねぇ…。』

そこをもっと詳しく説明しましょうか?

『お願いします。スッキリさせてください。』

あっ、そうそう、大切なことを言い忘れていました。

『早速、モヤモヤ解消のヒントですね!』

そうなるでしょうかねぇ…。


カンウターシャフトの5枚のギヤとドライブシャフトの5枚のギヤはかみ合っていますが、このかみ合いはギヤがスライドしても外れません。

たとえば、上の画像で、カウンターシャフトの3rdギヤが右にスライドして 5thギヤとかみ合っても、
カウンターシャフトの 3rdギヤとドライブシャフトの 3rdギヤのかみ合いは外れません。
ギヤはスライドしてもギヤ巾の半分がかみ合うようになっています。

『ということは…、
  スライドするギヤは 3枚あるけれど、
  それらがどのようにスライドしても、カウンターシャフトの 5枚のギヤとドライブシャフトの5枚のギヤはかみ合ったままということですか?』

そうですよ。

『5枚のギヤ同士がいつもかみ合っていたら変速できないじゃないですか!
  モヤモヤを通り越して一寸先が闇になってしまいましたよ!』


b.空回りするギヤとシャフトに連動するギヤがある


カウンターシャフトとドライブシャフトのギヤには空回りするギヤとシャフト溝でかみ合ってシャフトと連動するギヤがあります。

カウンターシャフトでシャフト溝とかみ合っているギヤは 2nd,3rd,1st。
4th,5thは空回りします。

ただし、4th,5thは スライドギヤ 3rdとかみ合うと、3rdギヤがシャフトと連動しているのでシャフトと連動することになります。

ドライブシャフトでシャフトと連動するギヤは 4thと5th、空回りするギヤは 2nd,3rd,1st。
ただし、2ndと3rdはスライドギヤ4thとかみ合うと、4thと一体となるのでシャフトと連動することになります。
1stも5thとかみ合ったときはシャフトと連動することになります。

『なにか希望の光が見えてきました。空回りするギヤと空回りせずシャフトと連動するギヤの組み合わせがカキなのですね。』

ときめき感覚の前触れですね。

その前に、シフトフォークの動きを説明しておきましょう。


c.シフトフォークの動き


  シフトフォークはカウンターシャフト側に №3、ドライブシャフト側に №2 と №1。

  №3の突起はシフトカムの真ん中の溝に入り、
  №2,№1 の突起はシフトカムの 1段目,2段目の溝に入ります。

  シフトカムが回るとシフトカムの溝に沿ってシフトフォークが左右に動きます。
 
  シフトカムの溝の付け方によって、各シフトフォークの動きが決まります。


  なお、シフトフォーク№3 とシフトフォーク№2,№1 は 90度ずれて設置されています。
  


  シフトカムの溝は、左,中,右の位置があります。

  左位置ならシフトフォークは左にスライド、右位置なら右にスライドします。
  中位置の場合はスライドしません。

  画像の白丸の場合は、№2 が左,№3が中,№1が中です。
  この場合は、シフトフォーク№2だけが左にスライドします。

  赤丸の場合は、№2が中,№3が左,№1が中です。
  この場合は、シフトフォーク№3だけが左にスライドします。

  溝位置の組み合わせは 6種類、
  №2・№1・№3→  中・右・中、   中・中・中、   左・中・中、    右・中・中、    中・中・左、     中・中・右

  これが、1st,  N,  2nd,  3rd ,  4th,   5th に対応しています。  



d.力の伝わり方


※もう一度確認。

・カウンターシャフトのギヤ
常にシャフトと連動しているギヤ → 2nd,   3rd,   1st ( 外側二枚と真ん中一枚)
通常は空回り、スライドギヤとかみ合ったときにだけシャフトと連動するギヤ → 4th,  5th ( 内側の二枚 )

・ドライブシャフトのギヤ
常にシャフトと連動しているギヤ → 4th,  5th ( 内側の二枚 )
通常は空回り、スライドギヤとかみ合ったときにだけシャフトと連動するギヤ → 2nd,   3rd,   1st ( 外側二枚と真ん中一枚)

・赤枠のギヤはシャフトと連動しているギヤ。

  シフト溝位置は№2・№1・№3→  中・右・中。
  №1 だけが右にスライド
  → ドライブシャフト 5thギヤと 1stギヤがかみ合う。
  → 1stギヤはシャフトと連動

  他のギヤはかみ合っているが、
  一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。

  カウンターシャフトに入った力は 1st→1st と伝わりドライブシャフトから出力。

  カウンターシャフト 1st/14枚、ドライブシャフト 1st/32枚→変速比/2.285
  シフト溝位置は№2・№1・№3→  中・中・中。
  
  どのギヤもかみ合っているが、
  一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。

  カウンターシャフトに入った力は ドライブシャフトに伝わらない。

  これが ニュートラル。
  シフト溝位置は№2・№1・№3→  左・中・中。
  №1 だけが左にスライド
  → ドライブシャフト 4thギヤと 2ndギヤがかみ合う。
  → 2ndギヤはシャフトと連動

  他のギヤはかみ合っているが、
  一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。

  カウンターシャフトに入った力は 2nd→2nd と伝わりドライブシャフトから出力。

  カウンターシャフト 2nd/15枚、ドライブシャフト 2nd/26枚→変速比/1.733


  シフト溝位置は№2・№1・№3→  右・中・中。
  №2 だけが右にスライド
  → ドライブシャフト 4thギヤと 3rdギヤがかみ合う。
  → 3rdギヤはシャフトと連動

  他のギヤはかみ合っているが、
  一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。

  カウンターシャフトに入った力は 3rd→3rd と伝わりドライブシャフトから出力。

  カウンターシャフト 3rd/16枚、ドライブシャフト 3rd/22枚→変速比/1.375
  シフト溝位置は№2・№1・№3→  中・中・左。
  №3 だけが左にスライド
  → カウンターシャフト 3rdギヤと 4thギヤがかみ合う。
  → 4thギヤはシャフトと連動

  他のギヤはかみ合っているが、
  一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。

  カウンターシャフトに入った力は 4th→4th と伝わりドライブシャフトから出力。

  カウンターシャフト 4th/22枚、ドライブシャフト 4th/24枚→変速比/1.090
  シフト溝位置は№2・№1・№3→  中・中・右。
  №3 だけが右にスライド
  → カウンターシャフトの3rdギヤと 5thギヤがかみ合う。
  → 5thギヤはシャフトと連動

  他のギヤはかみ合っているが、
  一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。

  カウンターシャフトに入った力は 5th→5thと伝わりドライブシャフトから出力。

  カウンターシャフト 5th/22枚、ドライブシャフト 5th/19枚→変速比/0.863


ガッテンしていただけましたでしょうか?

    
5.トランスミッションの組立手順- その1  

★★この手順はクランクケースの右から組む場合ですが、左から組む方が楽です。特別な理由がない限り左から組んでください→→→こちら こちら ★★


※以下にはシフトカムを外していますが、この方法でやればシフトカムを外さずにトランスミッションを組むことができます。
  ただし、「やればできる」というもので、シフトフォークをシフトカムに入れるのに苦労します。
  シフトカムを外すのなら、左側から取り付ける 組立手順その2 の方がスムーズにやれます。
  ただし、シフトカムを取り外すときはカチカチ機構がばらけないように注意してください。もしばらけてしまった場合は→→→こちら


上で説明した 「1. ドライブシャフトの構成部品」、「 2.カウンターシャフトの構成部品 」 で組み立てられますが、
実際の組立手順をもう一度確認しておきます。


a.ドライブシャフトにAグループのギヤを組み付ける

画像の面がシャフトの右側面。
画像の面を右側にして、シャフト①の左側から、⑩,⑪,⑫,⑬,⑭,⑯,⑮,⑰の順にセット。



b.カウンターシャフトに 25と23を組む


画像の面がシャフトの右側面。

画像の面を右側にして、シャフト①-2 の右側から、23,24,25,26をセット。

26サークリップの位置に注意。
※サークリップは溝に入る。


c.ドライブシャフトギヤとカウンターシャフトギヤをかみ合わせて右クランクケースに入れる


★コツ① シフトフォーク№1を取り付けておく
・シフトフォーク№1は後からだと入れにくくなるので、この段階でドライブシャフトの⑬ギヤにセットしてしまう。
・そして、シフトフォーク№1が外れないように、シフトフォークシャフトを立てて №1を仮止めする。
・また、シフトフォーク№1を左右に動かして、⑬ギヤがスライドすることを確認しておく。


d.カウンターシャフトはしっかりと差し込む

挿入するときはクランクケースを立てて行う。
クランクケースを寝かせて挿入すると向こう側に出っ張ったシャフトが押し戻されて、各ギヤがかみ合わなくなる。

カウンターシャフトは右画像のように、円柱部がしっかりと出ていなければならない。

挿入が甘いと、かみ合いがうまくいかずギヤが回らない。
カンウターシャフトとドライブシャフトのギヤが軽く回ることを確認して、軽く回らなければシャフトを軽く叩いてしっかりと挿入する。


e.ドライブシャフトは右側から留めてしまう

ドライブシャフトの抜けを防ぐために、右クランクケースの外側(右側)から、⑱キックスターターアイドルギヤ を付けてしまう。


f.残りのギヤとシフトフォークを組む

順番は、

 ・残りのギヤをセットする。

 ・シフトフォークをセットする。

 ・シフトカムを取り付ける。

 ・シフトフォークの突起をシフトカムの溝に入れる。

 ・フォークシャフトを立ててシフトフォークを固定する。

  

左矢印にあるものがカウンターシャフトに、右矢印にあるものがドライブシャフトに組付けられる。
ただし、シフトフォーク№1はすでにドライブシャフトの⑬ギヤにセットされてフォークシャフトで仮止めされている。

画像の面がシャフトの左側面。( 2.カウンターシャフトの構成部品の画像をと裏表が逆になっているので注意。

カウンターシャフトへは画像の面を左側にして、27,28,29の順でシャフト左側からセット。
※27→表/平坦,裏/かみ合い凸、 28→表/平坦,裏/出っぱり。

ドライブシャフトへは画像の面を左側にして、⑨,⑧,⑦,⑥,⑤の順でセット。
※ ⑨→表/かみあい凸,裏/シフト溝、⑥→表/平坦,裏/かみ合い凸。

★注意
ギヤは 27→⑨→28→⑥ と交互に入れていく。

シフトフォークの突起がシフトカムの溝の方に向くように、シフトフォークを取り付ける。
突起が逆になっていたら、シフトフォークを裏返せばよい。

№3は刻印面を右にして、№2と№1は刻印面を左にして組むとよい。

フォークシャフトを取り付けなければ、シフトフォークは自由に動く。
だから、後からシフトカムを取り付けてもフォーク突起をシフトカムの溝にセットできる。

組み付け作業をするときにクランクケースを立てて行ってもよいが、角材でクランクケース右側部分を浮き上がらせて作業してもよい。
立てて行うより作業がずいぶん楽になる。

  フォークシャフトをセットすればシフトフォークがシフトカムの溝から外れることはない。

  シフトフォークの突起をシフトカムの溝にセットするとき、
  シフトシャフトをシフトフォークに入れるとき、
  思うようになってくれないのがフォーク№1。

  「こうしたら楽かな?」
  「やっぱりダメだ…。」
  「それなら、こうしてみよう!」

  いろいろ工夫してください。

  フォークシャフトを立てたらトランスミッションの組み立ては終了です。


     

6.トランスミッションの組立手順-その 2

★経験者用総集編→→→こちら  

上の手順はトランスミッションを右クランクケースに組み付ける場合です。

サービスマニュアルにはトランスミッションを左クランクケースに組み付けています。

この方法も試してみました。
※本番の二回はこの方法で組み立てました。問題なくスムーズに組み立てられます。

なお、サービスマニュアルでのクランクケース組立の順番は、
①左クランクケースに左クランク引き込み
②左クランクケースにトランスミッション組み付け
③右クランクケースに右クランク引き込み ・ 左右クランクケース結合
④左クランクケースにダイナモ取り付け
⑤右クランクケースにプライマリードライブギヤ、キックギヤ、クラッチ等取り付け

サービスマニュアル P9-3 の 「 クランクシャフトの組立 」 に 「 レフト側から 」 と注意書きがしてあります。
左からやらなければならない理由があるのでしょう。

トランスミッションを左クランクケースに組み付けるのはこの組立手順によるものです。

採用するのはこちらの方ですネ。

・ドライブシャフトに⑤~⑫とシフトフォーク№2を組む。
・シフトフォーク№2は刻印が左側(クランクケースの外側 )
・奥に入れるシフトフォークは先に取り付ける。
・クランクケースを立ててドライブシャフトを挿入。
・ドライブシャフトが下を向くと先にあるギヤが外れてしまう。
・シフトフォークはシャフトで仮止。
・カウンターシャフトギヤを全部組む。


・クランクケースを立てて先にあるギヤが外れないように挿入。
・ドライブシャフトの三枚のギヤとかみ合わせながら挿入。
・ドライブシャフトに残りの二枚のギヤ( ⑬,⑭,⑮,⑯,⑰ ) を組む。
※画像の面が右側。
★ほんとうは⑬だけ取り付けて、
  後はシフトフォーク突起をシフトカムの溝に入れてから取り付け。
・ドライブシャフトとカウンターシャフトの五枚のギヤが噛み合って動くか確認。


・シフトフォーク№1 ( 刻印下側/左側 ) をセットしてシャフトで仮止め。
・シフトフォーク№3 ( 刻印上側/右側 ) をセットしてシャフトで仮止め。
・シフトカムと ニュートラルスイッチスペーサを挿入。
・シフトカムは出っ張り大の方が左。
・スペーサは凸部がカムの中に入り、
  カムのピンとスペーサの切欠きが合う。
・シフトカムの溝にシフトフォークの突起をはめてシャフトを立てる。
・下の溝から№2,№3,№1。
★こつがあります。

★シフトカムの溝にシフトフォークの突起をはめるコツ

 ・ドライブシャフトの一番上のギヤ ⑮を外す。( 始めから取り付けない方が良かったのです。)

 ・クランクケースを膝の上に置く ( ひざまくら )

 ・フォーク№2のギヤを上に浮かせながら、フォーク№2の突起を一番下の溝にはめて、シャフトで仮止め。
 ・シフトカムを回して、フォーク№2とギヤが軽くスライドするか確認。

 ・フォーク№3のギヤを上に浮かせながら、突起を真ん中の溝にはめて、シャフトで仮止め。
 ・シフトカムを回して、フォーク№3とギヤがスライドするか確認。
 ・シフトカムの溝とシフトフォークの突起は 『 カシャ、カシャ 』 と音を立てます。

 ・フォーク№2を仮止めしているシャフトを外して、フォーク№1のギヤを浮かせて突起を一番上の溝に入れ、シャフトで仮止め。
 ※このときシフトフォーク№1がシフトカムから外れてしまうので、突起がカムの溝から外れないように押さえる。
 ・シフトカムを回して、シフトフォーク№2,№3,№1が 『 カシャッ、カシャッ 』 と動くか確認。

 ・№2,№1のシャフトと№3のシャフトを奥まで挿入してシフトフォークを固定。

※各ギヤが噛み合っていないと『カシャッ、カシャッ』とスムーズに動かないし、ドライブシャフトが抜けてくると(外れてくると)ギヤの噛み合いがずれる。
  『カシャッ、カシャッ』と動かないときは、ドライブシャフトをプラスチックハンマーで少し叩き、各ギヤを回して噛み合わせる。
  また、クランクケースを立てないと、各ギヤの重みで『カシャッ、カシャッ』がスムーズにいかない。

・ここで、ドライブシャフトに⑭,⑮,⑯,⑰を取り付けることになります。
・上から左クランクケースを乗せて合わせます。
・ここで右クランク引き込みのためにインストーラーを使います。
・あとは、左側からクランクケースをボルト留め。ダイナモ取り付け。
・右側の部品を取り付けて、カバーを付けたら終了。
・クランクケースの分解はここからスタート。



★ ガスケットはクランクケースを結合してから切る

・クランクケースのガスケットは、インテークマニホールドの部分とシリンダー部分がつながっています。

・この部分は クランクケースを結合した後に取り去ります。

・クランクケースを結合させるときにガスケットがずれることがありますが、
 ガスケットがつながったままだと簡単にそのずれを直すことができるからです。

・写真ではマニホールドの部分はつながったままですが、シリンダーの部分は取り去ってあります。
 シリンダーの部分もつながった状態でクランクケース結合作業に入ってください。



※左右のクランクケースを結合させたあとの手順は→→→こちら

その前にクランクケースの組立手順をもう一度確認(手順を間違えると二度手間になります)
     
★クランクケース組立手順★

(初めに)

1.クランクケースのオイルシールは組立前に挿入しておく。
  左クランクケース→クランク左,ドライブシャフト(スペーサとOリングは組立後に挿入),ギヤシフトアーム
  右クランクケース→クランク右,キックアーム


(クランクケース左を組む)

2.クランク左引き込み
  ※引き込み過ぎ注意。抵抗があったらそれで終了。

3.トランスミッション組立

4.クランクケースガスケット,接合カラー2個取り付け
  ※接合カラーが別の穴に入っていないか確認。


(クランクケースの接合)

5.クランク右引き込み
  ※引き込み過ぎ注意。抵抗があったらそれで終了。
    クランクの引き込みで左右のケースは完全に接合しない。クランクの引き込みとクランクケースの接合は別のもの。クランクケースの完全接合は次の接合ボルトで行う。

6.クランクケース接合ボルト(13本)を締めて、ケースを完全接合。
  ※クランクがスムーズに動くか確認。渋い場合は引き込み過ぎだから、プラスチックハンマーでクランクを少し叩き戻す。

7.クランクケースガスケットの余分を切り取り


(クランクケース右を組む)

8.シフトカム取り付け(ネジロック使用)

9.ギヤシフトシャフトを取り付け、ギヤシフトがスムーズに行えるかチェック

10.キックギヤ取り付け
  ※バネは時計回りに巻き付けてセット。

11.ドライブシャフトにキックアイドルギヤ取り付け

12.クランク右ドライブギヤ取り付け(ネジロック使用)
  ※スペーサの中のOリング交換

13.クラッチ組立・取り付け
  ※クラッチ取付は最後です。

14.ギヤシフトシャフトのギヤ(谷が5)とシフトカムギヤ(山が5)の中央が合っているか確認
  ※シフトシャフトのギヤの下から三つ目の谷にシフトカムの下から三つ目の山が入っていればOK。
    合ってなければシフトシャフトを浮かせてセットし直す。

15.排気バルブシャフト下側セット
  ※カラーは新品に交換。

16.ガバナセット
  ※ベアリングは内側(トランスミッション側)

17.キックギヤ,クラッチハウジング,クランク,ガバナなどの各ギヤがスムーズに動くか確認


18.クラッチカバーガスケット,接合カラー2個取付

19.クラッチカバー接合ボルト(12本)で接合
  ※クラッチアームを動かしてウォームギヤが噛み合っていることを確認。
  ※ウォーターポンプの冷却水入口に指を入れて、クランクを動かしインペラが動くことを確認


(ジェネレーター取付)

20.コイル,ローター取付(ローター取付にはネジロック使用)

21.ジェネレーターカバー取付


(ピストン・シリンダー取付)

22.クランクケースコンロッド部とリードバルブ部をウエスで塞ぐ
  ※小さいボルトやナットを落とし込んでしまったら再度クランクケース分解と組立。

23.ピストン取付

24.シリンダー取付

25.リードバルブ,マニホールド取付

26.ドライブシャフトのスペーサとOリング取付
  ※スペーサからドライブシャフトのクリップ溝まで10㎜必要。

27.エンジン搭載

28.シリンダーヘッド取付



つづく

2011.02.26  久しぶりにオートバイのエンジンをかけました。

2011.05.28 RMXその後-1

2011.07.01  RMXこの後-公道復活作戦開始

2011.07.09 RMX公道復帰のために-その①

2011.07.14 RMX公道復帰のために-その②

2011.07.20 RMX公道復帰のために-その③

2011.07.25 RMX公道復帰のために-その④  RMX走る

2011.08.05 RMX公道復帰のために-その⑤  完了

2011.08.12  RMXのダートデビューに向けて-その①

2011.08.17  RMXのダートデビューに向けて-その②

2011.09.18  RMXに一個100円の中古部品を三個取り付ける

2011.12.10  RMX 初めての峠

2011.12.21  RMX 高回転不調対策  ①電子部品の抵抗値測定

2011.12.26  RMX 高回転不調対策  ②メインジェットの変更

2012.01.01  RMX キャブレター調整入門  ①プラグ状態判定法

2012.01.04  RMX キャブレター調整入門  ②プラグ状態判定法追加 ・ エァスクリュー調整

2012.01.18  RMX キャブレター調整入門  ③再度のスロー調整 と スポーク交換も

2012.02.18  RMX が “ なで肩 ” に - 素人がやるホイールのセンター出し

2012.02.20   “ RMX + IRC-GP 210 ” 峠でウォーミングアップ

2012.03.08   RMX エンジントラブル検証・エンジン内部状況

2013.01.04  エンジン移植用 RMX 入手てんまつ

2013.02.16  RMX この頃 - 新品ピストンを組む

2013.03.02 RMX 最後の試行 - クランクケース②を組む

2013.03.18 分離給油・RMX 発進

2014.05.01  スロージェット取外しにエキストラクターを使ってみたが…

2014.05.25   SJ13 中古エンジン検証 ・ 前編 /スタッドボルトの交換

2014.05.31  SJ13 中古エンジン検証 ・ 後編 / エンジン始動

SJ13 クランクケースの分解と組み立て(小目次)



目次にもどる
    top    万引きGメン実戦教本