RMX-SJ13のキャブレター設定-スロージェット(パイロットジェット)を下げて高回転~全開のモタツキを解消


RMX-SJ13整備資料



2015.10.18  RMX2 高回転~全開へのもたつき解消


FJのアップハンドル化、NSRのこぎれい化でRMXと疎遠になっていました。

控えのRMX③とRMX④に問題はありません。
というより、目一杯走らせていないので問題が表面化しません。

いま問題を抱えているのが正選手のRMX②。

いつの間にか、高回転から全開で「もたつく」ようになりました。

エンジン音がMAXパワーの根太い「ビィ~」に変わる前に息継ぎをするのです。


また、エンジン始動時の白煙が多く、アイドリング安定に時間がかかります。
しばらく乗っていなければ、白煙が収まるまで辺りが見えなくなるくらいです。
※ギヤオイルの減少・変質はないので、白煙はエンジンオイルです。

RMX③やRMX④は白煙も少なく、アイドリングもすぐ安定します。

RMXのなかでエンジンの調子が一番悪いのが正選手のRMX②なのです。

「一番調子のよいRMX④のエンジンとキャブレターを載せ変えようか」とも思ってしまいます。

しかし、それでは進歩がありません。

どこに問題があるのかを調べてみようと思います。

FJのアップハンドル化でFJが身近になったことも影響しています。
RMXに乗れなくてもFJがあるからネ。

RMX②ガンバレ!レギュラーを護るんだゾ!


1.キャブレター設定


a.現在の設定

 現設定:PJ/30,JN/6BGk8-1段目,AS/2.5,MJ/195,プラグ/BR9ES

 ※標準(R・S型):PJ/35,JN/6BGk8-NA,AS/1.75,MJ/195,プラグ/BR9ES
 ※標準(N型)    :PJ/35,JN/6BGk1-NA,AS/1.5,MJ/195,プラグ/BR9ES
 ※RMX3(N型):PJ/32.5,JN//6BGk1-1段目,AS/1.5,MJ/195,プラグ/BR9ES
 ※RMX4(N型):PJ/32.5,JN//6BGk1-1段目,AS/1.5,MJ/195,プラグ/BR9ES

 キャブレター前部取り付け部(インテークマニホールド)付近の濡れが気になる。
 混合気が漏れて、ガソリンが揮発しオイル分が残ったものか?
 インテークマニホールドの取り付けボルトを増締め。
 キャブレター取り付けバンドもきつく締める。

 キャブレター内部はきれいで問題なし。
 念のために各穴をキャブクリーナーで吹き通し。

 油面測定・調整省略。

 エアフィルターの汚れ・ホコリの付着なし、
 念のために、新しいエアフィルターをRMX④から拝借。

 オイルポンプ開度チェック、問題なし。


 ①今までの設定:PJ/30,JN/6BGK8-1段目,AS/1.5,MJ/195,プラグ/BR9ES  晴天・暖


キャブレタークリーナーの吹き通しと新しいエアクリーナーに期待して、今までの設定で試走。

症状変わらず、高回転でもたつき・ボコつき。

中・高回転域からアクセルを全開にすると、ボコつきもたついたあとに回転が上がり「MAXパワービィ~」につながる。


b.メインジェットを下げる



この症状と設定を見れば、まず考えられるのが「メインジェットを一番下げる」こと。

②設定:PJ/30,JN/6BGK8-1段目,AS/1.5,MJ/190,プラグ/BR9ES  晴天・暖

(静止時)
・アイドリングがすぐに安定。
・吹け上がりも軽い。
・白煙や排気バルブからの黒煙が少ない。

(走行時)
・もたつきが「中・高回転→全開」から「全開→MAXパワー」に平行移動しただけでもたつき自体はなくならない。
・高回転から全開にすると、全開にしたあと息継ぎしMAXパワーの『ビィ~』になる。
・MAXパワー『ビィ~』の音もやや小さく元気もない。パワーダウンしたような感じになる。
・明らかに栄養不足。


(結論)
・MJをさげても高回転・全開でのもたつきは解消されない。
・MJを下げるとMAXパワーのパワーダウンになる。
・MJはは標準の♯195がよい。


c.パイロットジェット(スロージェット)の変更


もたつきが メインジェットダウンでだめなら、JN段数を上げるか、PJを下げるか。

しかし、JN段数は最上段でもう上げられない。

だったら、PJを下げるしかない。

しかし、PJの守備範囲は低回転域で高回転域には関係ない。

それでも「JN段数を上げる代わり」とこじつける。

MJを195に戻し、PJを27.5に。


③設定:PJ/27.5,JN/6BGK8-1段目,AS/1.5,MJ/195,プラグ/BR9ES  晴天・暖

(静止時)
・アイドリングが少し重くなった。
・アイドリングが少し弱くなった。
・これは AS調整で改善できる。

(走行時)
・高~全開のもたつき解消。
・全開にしたあとマックスパワーの『ビィ~』前のもたつきなし。
・MAXパワー『ビィ~』時のパワーは充分。
・中~高~全開とパワーの出方がなだらかになった。(角がとれた)。

( AS調整)
・ASは1.5,1.75,2.0の違いが分からない。
・1.0にするとアイドリングが下がり、1.5にすると上がる。
・AS/1.5で最初に「アイドリングが少し重くなった」と感じたから、「+1/4」の 1.75にする。※R・S型の標準値


④暫定設定:PJ/27.5,JN/6BGK8-1段目,AS/1.75,MJ/195,プラグ/BR9ES

「PJを標準よりも3番も下げなければならない」のは少々異常です。

それにRMX③とRMX④はPJ標準で何の問題もありません。

PJ 以外の設定はRMX③・RMX④と同じだから、RMX②のエンジンかキャブレターに何か問題があるのかもしれません。


2.試走①


いつもの試走コースを130㎞。

・低・中回転域の安定・パワー、問題なし。
・低・中・高回転のつながり・加速、問題なし。
・MAXパワー、不足なし。

ただし、
・高回転からアクセル全開にしたときに、MAXパワーになるまでに少し時間がかかります。(コンマ何秒)。

 これは、「エンジンがアクセル全開に敏感に反応しない」ということで、以前のような「もたつき」・「ボコつき」ではありません。

「もたつき」・「ボコつき」は高回転から回転数が一瞬落ちたあとに、「ドン」と急にMAXパワーにつながります。

しかし、「エンジンが敏感に反応しない」のは「高回転から回転数がそのままで(落ちないで)」少し遅れてMAXパワーに入ります。
「もたつき」・「ボコつき」のように回転が落ちることも、急にMAXパワーになることもありません。

つまり「全開+α」でMAXパワーになるのです。
αだけタイムラグがあるのです。

これは「アクセルとエンジンの反応」の問題であり、エンジン本体や排気系の設定が関係し、キャブレター設定だけで解消できるものではないでしょう。


なお、現在のスプロケはフロントホイール小径化(21→17)を考慮して標準と同じ「前/15・後/46」にしています。

これを以前のように「前/14・後/46」にしたら、MAXパワーが手前に来てアクセル開度とのタイムラグが緩和されるかもしれません。

 黄色いRMX2は見飽きたでしょうから、背景を変えました。

 青山高原の風車群です。

 青山高原道路はコーナーが深く、Rが小さく、道幅が狭い。
 さらに、行きは上りばかりで帰りは下りばかり。

 「行きはヨイヨイ、帰りはコワイ」。
 帰りの連続下りコーナーには参ります。

 命知らずで傾ける?
 それともスピードを落としてプーイング?
 シニア割引はありません。
 前に乗用車がいると一安心。

 リッターバイクやハーレーの後を走れば、
 バックミラーのRMXは余裕の走り。

 しかし…、
 いったん道を譲られたら、あとは命懸け。


 軽くて低速トルクのある4stモタードなら…。
 DトラッカーかDR-Zなら…。
 案外XR200 や XR100 なら…。

 『いいえ、アナタの腕が悪いのです。』

 


 いつものように画像にエンジン音を貼りつけてあります。

 「アイドリング~全開」の無負荷レーシングです。
 左側(ジェネレーター側)から音を拾っています。
 
 負荷がかかっていないので、MAXパワーへの時間差を感じません。


 ・MJ を一つ上げて♯200にする。
 ・JN 段数を一つ下げて二段目にする。
 ・プラグの熱価を上げる。
 ・ドライブスプロケットを一つ下げて14枚にする。

 試さなければならないことはいろいろあります。

 しかし、それは少しずつやっていきましょう。

 FJのパワーも嬉しいけれど、RMXのヒラリも楽しいものです。
 軽量RMXは「バイクを操ろう」という気を起こさせます。

 RMXは「ゼロファイター」。
 やはり、私のメインウエポンです。



3.2015.10.20 追記  試走②


a.プラグ熱価の検討


SJ13・SJ14とも標準プラグはNGKなら BR9ESで、オプションとして熱価が一つ低い BR8ES。

オプション設定は回転を上げられないダートやマディ状態を考えてのものでしょう。

BR9ESの焼け具合を見てみると、焼けすぎの様子はまったくなし。

エンジンをチューンアップすれば別でしょうが、標準エンジンではプラグ熱価を上げる必要はないでしょう。

高回転多用ということで、PJ12標準の BR9EV にしました。


b.スプロケット比-フロント一枚下げ


標準の「前/15・後/46」から、RMX③・④と同じ「前/14・後/46」に。
※ちなみに、PJ12は 前/13(opt.15)・後/50(opt.49p51)

前/14に下げたあと、走り始めたら『あれっ?高回転・全開のもたつきが再発した?』と感じました。

しかし、アクセル全開を繰り返しているうちに気にならなくなりました。

キャブレター設定が同じなら、アクセル開度とエンジン回転数の反応は同じです。

最初に感じた違和感はアクセル開度と加速が変わったことによるものだったのでしょう。


フロント14枚の走行感は当然のごとく「MAXパワーが手前にくる」。

たとえば、信号待ちからの加速、今までなら3速で100㎞/hを超えてMAXパワーが、70~80㎞/hでくる。
※フロント17㏌でメーターギヤを変えていませんから、速度の値は正確ではありません。

2速なら法定走行でもMAXパワーを楽しめる。

とにかく、一般道で「全開の絶叫パワー」が使い放題。

もちろん、乗っている方は楽しいけれどエンジンには負担大。

いつ、エンジンストップしてもおかしくない。


また、フロント15のときに感じた「アクセル全開とMAXパワーのタイムラグ」はあまり感じなくなりました。

これは、変速比が大きくなって、エンジンパワーがタイヤに伝わるのが早くなったからでしょう。


当然のことながら、一般道で車速は伸びません。
信号から1速で飛び出して、2速→3速→4速と95%開度で絶叫パワー。100㎞/hを超えたあたりで5速です。
平坦な一般道では6速が欲しくなります。


これが、フロントを一枚下げた効果です。


結局、「フロントを15枚にするか14枚にするか」は「全開・MAXパワー」をいつ使うかの問題。

普段は使わずにいざというときに取っておくのなら15枚、のべつ幕なしに使いたければ14枚。
エンジンをいたわるのなら15枚、壊れてもかまわなければ14枚。
ツーリングや通勤快速なら15枚、峠を走るのなら14枚。

もちろん、14枚にしました。

⑤現在設定:PJ/27.5,JN/6BGK8-1段目,AS/1.75,MJ/195,プラグ/BR9EVX,前/14・後/46


それにしても、フロントが落ち着きません。

前17㏌・後18㏌で足付き性はよくなったけれど、それ以外にフロント小径化の利点があるのでしょうか?

確かにコーナーではバイクを押さえつけなくてもよいけれど、押さえつければ済むことです。

それより、直進でもう少し落ち着いてくれればずっと乗りやすくなるのですが。

フロントは17㏌より18㏌か19㏌。

以前に、YahooオークションにRMXの18㏌ホイールが出品されていましたが…。

先にステアリングダンパーを試した方がよいでしょうね。


4.2015.10.22 追記   試走③ 確認のためのJN段数下げとMJアップ


『高回転・全開のもたつき解消に、なぜJN段数を下げるの?
  なぜ、MJを上げるの?
  余計にもたつきが出るよ?』

それは分かっていますが、何かビックリがあるかもしれません。

現在設定での「全開+α=MAXパワー」のタイムラグが改善されるかもしれません。

念のための確認です。あまり期待はしていません。


a.JN段数を一段下げる。


⑥設定::PJ/27.5,JN/6BGK8-2段目,AS/1.75,MJ/195,プラグ/BR9EVXX,前/14・後/46


(静止時)
・排気バルブからの煙が多い。
・アイドリングが重い。
・アイドリングで黒煙が出る。

走らなくてもダメなのが分かります。


(走行時)
・中回転~高回転でボコつく。
・中回転域での回転上昇が重い・遅い→高回転域になるまでに時間がかかる。


ビックリはありませんでした。


b.MJを一つ上げる


MJを現在の♯195から一番上げて♯200に。

⑦設定::PJ/27.5,JN/6BGK8-1段目,AS/1.75,MJ/200,プラグ/BR9EVXX,前/14・後/46


(静止時)
・♯195の場合と同じで、問題なし。

これは当たり前。
メインジェットの変更だから低回転域には関係ありません。


(走行時)
・「高回転・全開」のもたつきなし。→♯200でも「濃すぎる」ことはないらしい。
・「全開+α=絶叫パワー」のタイムラグは同じ。→MJを上げてもタイムラグはなくならない。
・絶叫パワー「ビィ~」が長くなった。音も大きくなった→絶叫に少し凄味が出る→混合気が濃くなって栄養価が上がったから?
・しかし、絶叫パワーの音の割にはスピードが上がらない。→すでにパワーを出し切っているから、もうこれ以上力が出ない。


(結論)
・♯195で「絶叫パワー」の力不足なし。
・♯200にすると絶叫は大きくなるが、パワーは大きくならない。→パワーは♯195の場合と同じ。
・♯195でも♯200でも「高回転→全開」・「全開→MAXパワー」のもたつきはなく、「全開→MAXパワー」のタイムラグは同じ。
・♯195でも♯200でも同じなら、♯200にする必要がない。


結局、⑤現在設定:PJ/27.5,JN/6BGK8-1段目,AS/1.75,MJ/195,プラグ/BR9EVX,前/14・後/46 がベストということになりました。

これで、今回のキャブレターセッティングはいったん終了です。



つづく


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