spnet保安-RMX・SJ13クランクケースの分解・組み立て/トランスミッションの組み立て

RMX ・ SJ-13A 整備資料





2016.04.07 クランクケースの組立手順総集編


クランクケースは四回組み立てましたが、途中で何度も当HPを参照します。

『これはこうだったと思うけど…。確認のために…。どこに書いたのかなぁ…。』

小さいオイルシールやOリングは取付前に部品番号をパーツリストで確認。

締め付けトルクやネジロック塗布もその都度、サービスマニュアルで確認。

これらの作業が煩わしいので、次回のために自分用の総集編を作りました。

ただし、一度組み立てたことがある方のための手順マニュアルです。

初めて組み立てる方はまずこちらを読み込んでください。


※表示→文字サイズ小→水平線~水平線を選択→印刷プレビュー→A4横→画面で選択された通りに印刷→縮小して全体を印刷(24頁)
※適宜、変更・修正・加筆することがあります。
※ご利用についてはすべて自己責任でお願いします。




★SJ13のクランクケース組み立て手順 (経験者用総集版)★

1.ベアリング圧入


※詳しくは→→→こちら


  ①クランク左ベアリング/N型・RS型:28×68×18 / KOYO 63/28 ,NACHI 63/28,NTN 63/28

  ・ベアリング穴深さ:17㎜→ベアリングは1㎜出る
  ・押し側:右 / 68角+52角+M20×2、止め側:左 / 62角+52角+M20×1
  ・初期打ち込みは「残り12㎜」程度。
  ・外側からみてベアリング外輪とケースとの隙間が均一かどうか確認。

  ⑤
カウンターシャフト左ベアリング:17×40×12 / NTN 6203 
  ・ベアリング穴深さ:〇〇→〇㎜出る※未測定
  ・30Mソケットを外輪に当ててたたく

  ③ドライブシャフト左ベアリング:22×56×15 / NTN-SCD4A73C3 ( 09262-22023 )
  
・ベアリング穴深さ:15→ツライチ
  ・押し側:右 / 62丸+52角+M20×2、止め側:左 / 62角+52角+M20×1

  
⑦シフトカム左ベアリング(ニードル):30×37×12  ( 09263-30035 )
      



  ②クランクシャフト右ベアリング/N型:25×62×17 / NACHI 6305 ,NTN 6305 
  ・ベアリング穴深さ:16㎜→ベアリングは1㎜出る
  ・押し側:左 / 68角+52角+M20×2、止め側:右 / 62角+52角+M20×1
  ・初期打ち込みは「残り11㎜」程度。
  ・外側から見て、ベアリング外輪とケースとの隙間が均一かどうか確認。

  ②クランクシャフト右ベアリング/R・S型:28×68×18 / KOYO 63/28 ,NACHI 63/28,NTN 63/28 
  ・ベアリング穴深さ:不明(未見測定)
  ・初期打ち込みは「残り11㎜程度」
  ・外側から見て、ベアリング外輪とケースとの隙間が均一かとをか確認。

  ⑥カウンターシャフト右ベアリング:25×52×15  / NACHI 6205 , NTN 6205  
  ・ベアリング穴深さ:14.5→0.5㎜出る
  ・押し側:左 / 52角+M20×4、止め側:右 / 52角+M20×1

  ④ドライブシャフト右ベアリング:17×40×12 / NACHI 6203,NTN 6203 
  ・ベアリング穴深さ:11.5→0.5㎜出る
  ・押し側:左 / 52角+M20×4、止め側:右 / 52角+M20×1

  ⑧シフトカム右ベアリング:25×42×9 / NTN 6905Z
  ・ベアリング穴深さ:8.5→0.5㎜出る
  ・たたけば入る   
  ・シールド面が内側(左側)※左の写真は逆になっている。→→→こちら
  ・ベアリングストッパにはネジロック(1303・高強度固定タイプ)塗布。


※ベアリング圧入はケースをドライヤーで温めた方がよい。
※ケースを温めた場合は、圧入後、ケースがさめるまで圧をかけておくこと。
※ベアリング穴にはすべてベアリング段差があるので打ち込みすぎることはないが、「行き止まりを感じたら圧入終わり」が原則。


2.オイルシール打ち込み


※詳しくは→→→こちら

・a:25×37×6 /  09283-25084,09283-25083
・b:28×38×6 / 09283-28020
・c:14×22×6 / 
09283-14006
・d / N型: 36×52×7 / 09283-36007
・d / R・S型:
38×52×8 / 09283-38018
※金属プレート面が内側、凹面が外側
・e:20×27×5 / 09283-20031
・f:ウォーターポンプオイルシール
      10×20×5 /  09283-10005

※打ち込み量はすべて「外面とツライチ」
※オイルシール段差なし、打ち込みすぎるとベアリングに当たってベアリングの動きを阻害する。
※d以外すべて平坦面が外側


ウォーターポンプオイルシール交換


※詳しくは→→→ここ と ここ

・プライヤーでインペラをつかんで、ボルトを緩める ・両側からマイナスドライバーを入れて羽を持ち上げる。  内側のギヤを外す。

・シャフトにボルトをはめてハンマーで内側に叩く。
※ボルトをはめないで直接叩くと
  頭が変形して、インペラが取り付けられない。
・オイルシールを手前(内側)に外す。
・凹面が内側。押さえればはまる。
 ・17㎜ソケットでウォーターポンプシャトを叩いて入れる。
・初期打ち込みはもちろん必要

 段差に当たるので打ち込みすぎることはない。
 これが適正位置。
・サークリップは丸い方が外側(丸い方が角が立っている)
08331-31086
・ギヤは出っ張りの厚い方が下(内側)
 ガバナのギヤと噛み合うことを確認。



3.左クランクシャフト引き込み


※詳しくは→→→こちら

左の引き込みを甘くして、右の引き込みを普通にする。(重くなったら終わり)
その後、クランクケースを接合するとペアリングが押されて両方が適正位置になる。
※そうならない場合もある→以下の5-b

・抵抗を感じたら終わり。左は少し甘くする。
・引き込み過ぎると、
  ベアリング内輪と外輪がずれて動きが渋くなる。
・この程度でOK。
・あとはクランクケースの接合で適正位置になる。
・これが適正位置。



4.左クランクケースにギヤを組む


a.ドライブシャフトギヤの左側を組む

※⑩はセットされている。
※⑩の左側から⑨,⑧,⑦,⑥,⑤の順に入れる。画像の面が右側になる(画像の面からシャフトに入れる)。
※シフトフォーク №2 は⑨と噛み合う。
※全バラのときは→→→こちら

 ⑨ 4thドリブンギヤ:24枚・両面/かみ合い凸・右側/シフトフォーク溝(シフトフォーク№2)

 ⑧ スラストワッシャ:25×33.8×1.0 (実測) / 09181-25167-000

 ⑦ ブッシュ:内径×外径×厚さ=25×28×10 / 09300-25031 ※⑥に入る。

 ⑥ 2ndドリブンギヤ:26枚・右側/かみ合い凸、左側/平坦

 ⑤ ワッシャ:22.2×31.8×1.5 (実測) / 廃盤 ※他のワッシャより厚い

 ⑩ 3rdドリブンギヤ:22枚・右側/平坦・左側/かみ合い凸

 №2:シフトフォーク№2:長くて巾が広い



b.ドライブシャフトを左クランクケースにセットする

・シフトフォーク№2は刻印が左側(クランクケースの外側 )
・シフトフォークを取り付けたままセットする。
・クランクケースを立ててドライブシャフトを挿入。
・ドライブシャフトが傾くとギヤが外れてしまう。
・シフトフォークをシャフトで仮留め。
※シャフトは長い方。



c.カウンターシャフトのギヤを全部組む

※㉕・㉓と1stギヤはセットされている。
※これに、左側から㉗,㉘,㉙を入れる。※画像の面が右側。この面がらシャフトに入れる。
※全バラのときは→→→こちら

 ㉗ 4thドライブギヤ:22枚・右側/かみ合い溝・左側/平坦

 ㉘ 2ndドライブギヤ:15枚・右側/出っぱり・左側/平坦 

 ㉙ スラストワッシャ:17×30×1.0 / 08211-17301

※㉕ 3rdドライブギヤ:16枚・右側/シフトフォーク溝 (シフトフォーク№3 )

 ㉓ 5thドライブギヤ:22枚・右側/平坦・左側/かみ合い凸



d.カウンターシャフトを左クランクケースにセット

 この状態になっているか再度確認。
※ワッシャは外れやすいのでグリスでに貼りつける。
 クランクケースを立ててセット。
 ギヤが向こうに外れないように注意。
・ドライブシャフトの三枚のギヤとかみ合わせながら挿入。



e.ドライブシャフトに5thドリブンギヤとシフトフォーク№1をセット

 ⑬ 5thドリブンギヤ
    19枚
    右側/かみ合い凸
    左側/シフトフォーク溝(シフトフォーク№1)


 シフトフォーク№1:長くて狭い
 №1の刻印は下側/左側

 シフトフォーク№1,№2をシャフトで仮止め。



f.シフトフォーク№3をセット

 シフトフォーク№3(短かくて広い)を、カウンターシャフトの上から三番目のギヤのシフト溝にはめる。

 №3は刻印上側/右側、突起がシフトカムの方を向く。

 №3をシャフトで仮止め。

 №1,№2,№3の突起が内側を向いているか確認。
 



g.シフトカムにシフトフォークをセット

・シフトカムと ニュートラルスイッチスペーサを挿入。
・シフトカムは出っ張り大の方が左(下)。
・スペーサは凸部がカムの中に入り、
  カムのピンとスペーサの切欠きが合う。

 シフトカムの一番下の溝にはシフトフォーク№2,
 真ん中の溝にはシフトフォーク№3,
 一番上の溝にはシフトフォーク№1の突起がはまる。

 突起を溝に入れるのにはコツがあります。


★シフトカムの溝にシフトフォークの突起をはめるコツ

 ・クランクケースを外側を下にして膝の上に置く ( ひざまくら )

 ・シフトフォークシャフトを両方外す。

 ・シフトカムを入れる。

 ・フォーク№1を外す。

 ・フォーク№2のギヤを上に浮かせながら、フォーク№2の突起を一番下の溝にはめて、シャフトで仮止め。
 ・シフトカムを回して、フォーク№2とギヤが軽くスライドするか確認。

 ・フォーク№3のギヤを上に浮かせながら、突起を真ん中の溝にはめて、シャフトで仮止め。
 ・シフトカムを回して、フォーク№3とギヤがスライドするか確認。
 ・シフトカムの溝とシフトフォークの突起は 『 カシャ、カシャ 』 と音を立てます。

 ・フォーク№2を仮止めしているシャフトを外して、フォーク№1のギヤを浮かせて突起を一番上の溝に入れ、シャフトで仮止め。
 ※このときシフトフォーク№1がシフトカムから外れてしまうので、突起がカムの溝から外れないように左手の中指で押さえる。
 ・シフトカムを回して、シフトフォーク№2,№3,№1が 『 カシャッ、カシャッ 』 と動くか確認。

 ・№2,№1のシャフトと№3のシャフトを奥まで挿入してシフトフォークを固定。
※シャフトが奥まで入っていない場合があるので、シャフトを回して確認。
※各ギヤが噛み合っていないと『カシャッ、カシャッ』とスムーズに動かないし、ドライブシャフトが抜けてくると(外れてくると)ギヤの噛み合いがずれる。
  『カシャッ、カシャッ』と動かないときは、ドライブシャフトをプラスチックハンマーで少し外側へ叩き、各ギヤを回して噛み合わせる。
  また、クランクケースを立てないと、各ギヤの重みで『カシャッ、カシャッ』がスムーズにいかない。


h.ドライブシャフトに1stドリブンギヤ取り付け

 シャフトの上から ⑭,⑯,⑮,⑰をはめる。
※写真の左側から順番にはめていく。

 ⑭ スラストワッシャ:20×30×1.0 / 08211-20301

 ⑯ ブッシュ:20×24×10 / 09300-20037

 ⑮1stドリブンギヤ:32枚・右側/凹小・左側/凹大

 ⑰ スラストワッシャ:
   17×30×1.0 / 09181-17223-000



5.右クランクケース接合


a.右クランクケースをかぶせる

 赤〇印の所に接合ピンを挿入。

 △印の穴に接合ピンが入っていないか確認。

 ガスケットはまだカットしない。
 カットすると
 接合時にガスケットのズレを修正できない。

 右クランクケースをかぶせたら、
 プラスチックハンマーで軽くたたいて
 接合ピンを食いつかせる。


   
b.右クランクシャフト引き込み


(留意点)

・引き込み過ぎは禁物。
・抵抗があったらそれで終わり。
・適正位置はクランクシャフトの段差がベアリング内輪に接したとき。
・それ以上引き込むとベアリング内輪と外輪がずれて動きが渋くなる。

・クランクの引き込みとクランクケースの接合は別のもの。
  左右の引き込みが適正な場合にクランクケースが接合するように設計してある。だから左の引き込みが甘ければ右を引き込み過ぎにしなければクランクケースは接合しない。
  また、クランクケース後側の接合が不足していると完全接合を邪魔してしまう。
・クランクケースの完全接合はケースの接合ボルトで行う。
・クランクケース完全接合ができれば、結果的にクランクシャフトの引き込みは適正位置になる。

※但し、ベアリングとクランクシャフトの嵌め合いがきつい場合は、クランクケースを接合によりベアリングが動かないのでシャフト引き込みが適正位置にならない。
  ケースがベアリング外輪を内側へ押して「シャフトの引き込み過ぎ」と同じ状態になっている。
  クランクケース接合前(1~2㎜の隙間)はクランクがスムーズに動いたのにケースを接合すると動きが重くなったり動かなくなったりするのがこの場合。
  一方が引き込み過ぎの場合は必ずもう一方が引き込み不足になっている。
  こんな場合は、クランクケースをボルトでしっかりと接合しておいて、もうもう一方(通常先に引き込んだ方)を引き込む。→→→こちら

 引き込み器具のアタッチメントを取り付けるために、
 エキゾースト取り付けスタッドボルトを使用。
 引き込みはとにかく控えめに。
 抵抗を感じたらすぐに終了。
 1~2㎜の隙間を作って引き込み終わり。
 あとはクランクケースの接合で適正位置になる。



c.クランクケース接合

 ここで、クランクの引き込みが仕上げとなる。

 すでに述べたように、
 クランクケースを接合した後に、クランクの動き重くなったり動かなくなったりすることがある。
 そんな場合は「一方が引き混みすぎ、もう一方が引き込み不足」になっているので、
 クランクケースを接合したまま、引き込み不足の方(通常は先に引き込んだ方)を少し引き込んでやる。
 →→→こちら

 クランクがスムーズに軽く動くことがベストだが、少しくらい渋くてもOK。

 トルク指定なし、多分、100㎏・㎝以下。


 ここまでくれば、峠を超えて下りコーナー。

 ただし、ライディングでは下りの方がむずかしい。

 ここで一休み。



6.右クランクケース外側の組み立て(キック,カチカチ,クラッチなど)


a.キックスタータの取り付け

※詳しくは→→→こちら

リターンスプリングをシャフトの穴に入れ、樹脂カラー溝をスプリングにはめる。

・スラストワッシャ:34×17×1.0 / 08211-17341
 スプリング / 09440-32002
 キックスタータの突起が
 ストッパーに当たっていることを確認
※実際にはスターターをシャフトにはめて行う。
 この状態からスプリングにテンションをかけて、
 右に回し。
 穴に入れる。



b.カチカチ機構取り付け

※詳しくは→→→こちら

( シフトカムストッパプレートの取り付け)

・まず シフトカムストッパを取り付け。
・サービスマニュアルの手順と異なるがこちらの方が楽。
・ストッパが自由に動くか確認。
 取付ボルトをどれだけ強く締めてもストッパは動く。
※ワッシャ(12×6×1)あり。ネジロック不要。
※内側からバネ、ワッシャ、アーム、ボルト。
・シフトカムストッパプレートで
  ストッパを押し戻すようにしてセットする。
※ストッパーがプレートの溝に入りにくい場合は、
  ストッパーボルトを緩めて
  ストッパーをプレートの溝に入れ、プ
  プレートを取り付けたあとでストッパーボルトを締める。
・シフトカムドリブンギヤピンで
  プレートとシフトカムを結合。トルク指定:なし
  ※ピンにはネジロック(1303・高強度)塗布


(シフトカムドリブンギヤの組み立て)

 ギヤには穴が開いている。
 ここにバネを入れ、
 押し棒の平坦部でバネを押さえて小さいプレートをセット。

 一組目がセットできたら、その部分をセロテープで留めて、
 二組目をセット。

 小さいプレートは厚い方がギヤ側。


(シフトカムドリブンギヤの取り付け)

※まず、シフトカム付近を布で覆い、シフトカムの小さい部品がクランクケース内に落ち込まないようにする。

 左側がシフトカムドリブンギヤ、右側がギヤシフトボールリフタ。
 
 ①左手の親指と中指の爪で
   ギヤのプレート ( ) を下からつまんで押さえる。

 ②右手でリフタを持つ。

 ③リフタ A部分を ギヤB部分の下に当てて、
   時計方向に回してはめる。

 ④リフタがギヤにはまったら、
   右手の親指と人指し指の爪で
   上からギヤのプレート部( ○ ) をつまむ。

 ⑤ギヤのプレート部をつまんだまま、
   ストッパプレートのピンにはめる。
  ※プレート部をつままないでも
    シフトカムドリブンギヤはプレートから外れないが、
    必ずつまむこと。
    何かの拍子で外れてしまうことがある。

 ⑥リフタを皿ネジでケースに留める 。
   ※ネジロック(1303・高強度)塗布

※必ずギヤのプレート部を上からつまんでピンにはめること。
  上からつままないでもプレートがはらけることはないが、何かの拍子でバラけてしまうことがある。
  プレートがバラけて、中のピンがクランクケース内に落ち込むと、もう一度クランクケースを割らなければならない。
  こんな時のためにシフトカム付近を布で覆うのだが、バラさないことが必要。、


c.シフトギヤの取り付け

 ギヤシフトシャフトを差し込む。

 シャフトにはスペーサ(14×20×17.5)と
 スプリングが入る。

 スプリングはストッパにはまる。

 シフトギヤは谷が5、
 シフトカムドリブンギヤは山が5
 シフトギヤの真ん中の谷とシフトカムドリブンギヤの
 真ん中の山が噛み合う。
 シフトシャフトを手前に浮かせて調整。

ギヤシフトアームを取り付けて、クランクケースを立ててギヤチェンジがスムーズにいくかどうか確認。

クラッチ取り付け後、クラッチカバーを取り付ける前に、
「シフトシャフトスプリングの把手がストッパからはずれていないか」、「シフトギヤとシフトカムドリブンギヤが適正位置に噛み合っているか」を確認する。
※シフトギヤの一番下の谷にシフトカムドリブンギヤの 一番下の山が噛み合っていればOK。

※クラッチを取り付けた後、ギヤシフトアームのバネがピンから外れている場合があるが、クラッチを外さないでもバネをピンにはめることができるので。
  慌てて一旦取り付けたクラッチを外さないこと。


d.キックスタータアイドルギヤの取り付け

 内側からキックスタータアイドルギヤ:27枚・左側(内側)/凸部

 シム(ワッシャ):23.8×17.3×0.5 (実測) / 08221-17245

 スナップリング:08331-31176,09380-17001

 サークリップは面取りしてある側(丸い方)がエッジが立っているので、面取りしてある方を外側にする。



e.プライマリードライブギヤの取り付け

※詳しくは→→→こちら

 スペーサはクランクシャフトの段差で止まる。
 スペーサがベアリング内輪に当たることはない。
 少々締めすぎてもベアリングは渋くならない。
 スペーサの上からプライマリードライブギヤを入れ、
 ワッシャを入れてボルトを規定トルクで締めれば
 それで適正位置になる。
 ただし、SJ13のスペーサは二種類ある。
 N型とR・S型ではスペーサの長さが違う。
 ベアリングが大きくなり1㎜厚くなったことによる。
 クランクシャフトの形状も変更されたが、
 スペーサがはまる部分の径は同じ。
 確認のため、長さをチェックすること。

スペーサの中のOリングは交換する。09280-22001 / D:2.4,ID:21.8
ネジロック(1303・高強度)塗布
規定トルク:600~800㎏・㎝


f.排気バルブロッドとガバナセット

※詳しくは→→→こちら

 排気バルブロッドのコネクターは損傷がなくても交換。
 硬化していると外れる場合あり。
 12687-01B00 / ロッドブッシュ№2
 スラストベアリングはこの向きで。
 汎用品あり→→→こちら
 上からはめるだけ。
 プライマリードライブギヤとは下の方で噛み合う。



g.クラッチの取り付け

※詳しくは→→→こちら

(プライマリードリブンギヤの取り付け)

N型とR・S型ではベアリングとプライマリードリブンギヤが異なる。
これは、ベアリング(e)が N型では29×34×22.0、R・S型では 29×34×21.8 と 0.2㎜短くなった(PJ12と同じになった)ため。
スプリングが介在するので、互換性はありそうだが、原則として「同じ型の部品で組むこと」。

 a/プライマリードリブンギヤ:異なる。
 b/スリーブハブ:同じ
 c/プレッシャーデスク:同じ
 d/スペーサ:同じ
 e/ベアリング:異なる
 f/スプリング:同じ
 g/ボルト:同じ

 他は同じ。
 ドライブプレート(コルク),ドリブンプレート(アルミ)
 も同じ。

 ※ナット締め付けトルク:600~800㎏・㎝

※トライブプレート使用限度 : 厚さ/2.5㎜以下、爪巾/15.3㎜以下(PJ12)
※ドリブンプレート使用限度 : 定盤上で最大隙間/0.2㎜以上
※クラッチスプリング使用限度 : 自由長 : 46.2㎜以下


※プライマリードリブンギヤ(a)の爪段差の確認・修復
・ 後側(反時計回りの進行側)にはっきりとした段差があるときはなだらかになるように修復。
・ この段差があるとクラッチを切った場合、ドライブプレートがこの段差に引っかかりドリブンプレートと離れず反クラッチ状態になる。
・ 段差を平坦にするために削り過ぎると、ドリブンギヤの爪巾が拡がりドライブプレートの爪との間に隙間ができて、すぐにまた段差がついてしまう。
・ 段差を修復しても一時しのぎであり、根本的に解決するにはドリブンギヤを新品に交換するしかない。
・ ジャダースプリング(ウェーブワッシャ)を外すと症状が緩和する。


(クラッチの組み立て)

内側から、ウエーブワッシャシート→ウエーブワッシャ(凹面が外側)→巾の狭いドライブプレート(コルク)→ドリブンプレート(アルミ)→巾の広いドライブプレート(コルク)→…。
一番上がドライブプレート(コルク)。

ドライブプレートは「巾狭プレート×1+巾広プレート×7」の8枚、ドリブンプレートは同じものが7枚。

ウェーブワッシャを使わない場合は、ウェーブワッシャシート,ウェーブワッシャ,巾の狭いドライブプレートを外し、その代わりに通常のドライブプレートを入れる。

ドリブンプレート(アルミ)は「角が立っている方が内側、丸い方が外側」
※同じ方向に組めば逆でもOKでしょう。

 プレートの両面にはオイル塗布。
 オイル漬けは不要。
 スプリングボルト締め付けトルク:90~100㎏・㎝
 行き止まりから一回で100㎏・㎝。
 100㎏・㎝を超えると滑るので、締め付け角度を均一に。
 二度締め・確認締めはは禁物。一回で締める。
 ニードルスラストベアリングはこの方向で。


h.最終確認


クランクケースを立てて次のことを確認。

・クランクを動かし各ギヤがスムーズに動くか。

・キックアームを取り付けて動かし、各ギヤが動くか、キックアームが戻るか。

・シフトレバーを取り付けて、1・N・2・3・4・5のシフトチェンジができるか。

・クランクケースを寝かせて、
  クラッチの下にある、シフトギヤのバネが外れなかったか、
  シフトギヤとシフトカムギヤが適正位置になっているかを再度確認。
  シフトギヤの一番下の谷に、シフトカムドリブンギヤの一番下の山が噛み合っていればOK。

  噛み合っていなければシフトシャフトを向こうから押して、適正位置にする。


i.クラッチカバー取り付け

〇印に接合ピンがはまっているか、他の穴に接合ピンが入っていないかを確認。

クラッチレリーズラックの平坦面を後側にしてクラッチカバーを取り付ける。

キックシャフトの部分を軽くたたけば簡単に入る。
※ボルトの締めつけトルク指定なし。多分100㎏・㎝程度。

接合したあとで、「クラッチレリーズラックが引っかかっているか」カチカチを確認。

クランクを動かして、「ウォーターポンプ,オイルポンプシャフトが動くか」を確認。
ウォーターポンプの確認は冷却水入口に指を入れ、インペラが動くかどうか指で確認。


7.左クランクケース外側の組み立て(ジェネレーターなど)


a.ジェネレーター取り付け

※ジェネレーター取り付け前に、クランクケース接合ボルトが緩んでいないか確認のため締め直し。

 クランクの動きが渋いときはシャフトを軽くたたく。
 その衝撃で、シャフトピンが外れていることがある。
 ローターのピン溝は内側が浅く外側が深い。
 ローターをはめるときは「外側を低く・内側を高く」する。
 溝にはまると「外側が高く・内側が低く」なる(写真)。
 ピンの調整はハンマーで軽く叩いてやるが、
 コイルを付ける前に行うこと。※こちらも参照
 位置マークを合わせる。
 取り付けボルトの関係だから、
 ミリ単位で合わせる必要はない。
 ネジロック塗布(1322・中強度)
 指定トルク:900~1000㎏・㎝


    
b.ドライブシャフトスペーサの取り付け

 bスプロケットスペーサ:27531-28C00
 削れミゾがあれば交換。
 cOリング×2:09280-21010/D 1.9,ID 21.8
 bの内側にグリスを詰めてcを二本入れる。
 aの回りにグリスを盛ってbをはめる。
 22Mソケットを当てて軽く打ち込む。
 bはベアリング内輪と接するので、
 強く打ち込むとベアリングが損傷する。
 bがオイルシールから出ているのが適正位置。
 打ち込み不足だとスプロケットが取り付けられない。


※詳しくは→→→こちら

クランクケースを組み上げたら、まずクランクケースのコンロッド部とマニホールド部をウエスで塞ぐこと。
小さい物を落としこんでしまったら、振り出しに戻って、もう一度クランクケースの分解と組み立て。

あとは、ピストン取り付け→シリンダー取り付け→リードバルブとマニホールド取り付け→エンジン搭載。





お疲れさまでした。

一度やると病み付きになりますよ。






さあ、もう少しで走れますネ。                                                                                                                                                         



※ベースは5万円の「書なし、レース仕様、N型・混合給油」
  ①電装交換、1250円の書付きフレームに載せ変えナンバー取得。その後、尾鷲の山中で右ベアリング大破、自走不能。
  ②6万円・不動車のR・S型エンジンに換装、キャブレターはR・S型、分離給油。
  ③1年6カ月の快走後、ゴリゴリ感が気になり分解。左ベアリング破損が分かりオーバーホール。その後1年6カ月快走。
  ④最近、ジャンクのN型エンジンを6500円で入手。オーバーホール。現在、エンジンテストのために換装。キャブレターはRMX③のN型と交換。分離給油。
    設定:MJ/195,PJ/27.5,JN/6BGK-1・1段目,AS/1.75回転 ( 標準:MJ/195,PJ/35,AS/1.5 )。
    F・17㏌ホイールとサイレンサー以外、完全ノーマル。好調・快走。アスファルトの上だからフルスロットル、しかし、コーナで開けられないのでSSのお邪魔虫。
    2016.04.09、紀伊長島山中でエンジンストップ。なんと、ジェットニードルのクリップが外れて、ニードルが上がらなくなっていた。クリップの使い回しに注意。
    2016.04.16、高回転時にエンジン息継ぎ。オーバーフロー。
              ニードルバルブに段付きなし。Oリングを新品に、フロートとホルダを手持ちの中古部品に換えたら症状が収まる。その後100㎞程度走行問題なし。原因不明。

※最初の写真は④のジャンクエンジン、上の写真は③のときのもの。乗ると疲れが残る年金世代ですがPJ12エンジンの換装を目指しています。



つづく




次へ(ジャダースプリングの取付)    前へ     番外編目次にもどる    番外編top   万引きGメン実戦教本