SPnet 選任業務編

5.“立ち入り”ではここをチェックされる

立ち入りを何度か経験したものは「何を聞かれるのか、何をチェックされるのか」を知っているので心穏やかです。
しかし、立ち入り初経験ではいろいろ心配でしょう。
地域によりまた世情により重点的にチェックする事柄が違うと思います。
参考のために直近の立ち入りでのチェック項目を紹介します

1.担当警察官の来訪時間

予め連絡された日時に来ますが、担当警察官はその日に何軒も回ります。
その都合で予定時刻より早く来ることがあります。
1時間程度余裕をもって担当警察官を待ちましょう。

2.チェック項目・チェック方法

担当警察官はチェック項目用紙に凄いスピードでチェックを入れながら書類をチェックしていきます。

@認定書のチェック

・後進した場合は有効年くらいは事前に覚えておいてください。

A社長の交代があったかどうか

・社長の名前も覚えておきましょう。

B選任(指導教育責任者)の現任講習受講

・現任講習は各業務につき3年に一度あります。
・受講年月日まで聞かれます。
・受講終了証はすぐに提示できるようにしておきましょう。
・前任者の受けた講習の終了証も探しておきましょう。
・届出業務すべてについてチェックされます。

C服装変更があったかどうか

・新しく選任になった場合は、「何が届け出てあるのか」を調べておいてください。
えっ?『届出書のコピーがない』?
「あのバカがァ〜」と無能な前任のせいにしてはいけません。
現在の届出事項を知らなくて選任業務ばできません。
それを調べなかったのはあなたの責任です。

D護身用具一覧

・さっと見るだけです。

E警備員名簿

・不作為に3名分抜き出して細かくチェックします。
・添付書類で法律上最低限必要なのは誓約書・欠格事由措置書面ですが、履歴書・住民票・登記されていないことの証明書・診断書がない場合は「なぜ?」と聞かれます。
・担当はそれら書類の揃っていない警備員をチャント選びます。
・警備員名簿の写真が古いのもだめですよ。「3年以内の写真」が必要です。
・「教育をするのを忘れていた隊員は警備員名簿から外してあるものネ!」などと安心している選任はいないでしょうネ。

F隊員について

・現隊員数
・従事させている業務ごとの隊員数
・外国人数
・前回立ち入り後の退職者数
・有資格者数と資格証明書のコピー
※隊員数・入社隊員数・退職者数などについて調べて一覧にしておくことを勧めます。

G契約先について

・配置基準にかかる契約先・検定合格者をどう都合しているか。
・契約前書面・契約書のチェック。法定備付書面ではなくてもチェックされます。
・営業所・支社などで契約書が保管されていない場合は『契約書は本社で保管しています』と答えましょう。
・しかし、契約書のコピーを実際に警備業務を行う営業所・支社に備えつけておくべきでしょう。契約内容が分からなくて指導はできませんから。
・そのうちに契約後書面についてもチェックされるでしょう。

H苦情処理簿

しっかり読みますよ。

I教育計画書

・指でなぞりながら「教育項目・教育時間数」についてしっかりチェック。
・9月の立ち入りなら、来期(10月〜翌年3月)の教育計画書はでき上がっていなければなりません。
・前日までに新任教育・現任教育・指導計画書・指導実施確認書の“テンプラ作成“に忙しくて、これを忘れたら笑われますよ。


J教育実施確認書

・5〜6枚チェックします。
・教育を部外に委託しているかどうかの質問。

K指導計画書

・しっかりとチェック

L指導実施確認書

・案外しっかりと確認します。
・えっ?『法定備えつけ書類じゃない!』ですって?担当警察官にそう言えばいいじゃないですか。

ここまでで、30分弱。
どこかで詰まればもっと長くなります。

3.立ち入りは信用を付けるチャンス

担当警察官の質問に答えられなかったり書類が整然と整理されていなかったりすると担当の信用をなくします。
担当は『この選任で大丈夫かいな?こんなトロイ者を選任にしている警備会社は大丈夫かいな?』と思います。
そう思われたら『ちょっと警備業法違反をつついてみようかな』という気持ちにさせます。
だいたい、どこの警備会社でも「叩けばホコリが出る」状態です。

立ち入りは「担当警察官の信用を付けるチャンスだ」と心しましょう。

そのための留意点です。

・書類はパソコンで作り、読みやすいものにしておく。
・警備員名簿の写真は新しいものにしておく。
・警備員名簿は「立ち入りの前に新しく作り替える」くらいの気持ちで。
・予想される質問にはスラスラ答えられるように準備しておく。

・何よりも、日頃の選任業務をしっかりとやることです。

なお、教育・指導懈怠、契約前書面・契約後書面の不交付が表沙汰になるのは隊員や顧客とのトラブルがあった場合、隊員が事件を起こした場合です。
隊員や顧客が警備業法違反を警察に知らせた場合、隊員が事件を起こした場合は必ず警察の臨時立ち入りとなります。
警察は上から「何か成果を得てこい」と指示されます。
こうなったら、どんな小さなことでも警備業法違反で指示処分・営業停止処分となります。
労働基準法違反で隊員が基準局に駆け込んだ場合も同様です。

選任は隊員をしっかりと教育指導し、隊員の私生活に目を配り、よい仕事をさせて顧客を満足させ、会社の酷使から隊員を護らなければなりません。

売上・利益を優先させて隊員教育・指導に金をかけない会社、隊員に奴隷的労働を押しつける会社、質の悪い隊員しか残らないような会社はの選任がとるべき道は二つ。
会社を説得するか、そんな会社を辞めてしまうか。
警備業違反となれば指導教育責任者資格は剥奪され、5年間警備員にもなれないのですから。


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