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2011.03.08  認定申請に行ってきました


a.個人で警備業をやる場合の提出書類

今回の提出書類です。

・①.認定申請書

・②.代表者履歴書
・③.代表者欠格用誓約書※「警備業者としての欠格事由がない」という誓約書
・④.代表者診断書
・⑤.代表者住民票
・⑥.代表者身分証明書
・⑦.代表者登記されていないことの証明書

・⑧.選任指導教育責任者履歴書
・⑨.選任指導教育責任者業務用誓約書※「指導教育責任者としての業務をしっかりやります」という誓約書
・⑩.選任指導教育責任者欠格用誓約書※「指導教育責任者として欠格事由がない」という誓約書
・⑪.選任指導教育責任者診断書
・⑫.選任指導教育責任者住民票
・⑬.選任指導教育責任者身分証明書
・⑭.選任指導教育責任者登記されていないことの証明書
・⑮.指導教育責任者資格者証のコピー

・⑯.〇〇県証紙 2万三千円分(警察署で売っています)

・⑰.認定申請書(①)のコピー

・※申請書が受理されるとこれに「受理番号・受理警察署・受理年月日」を書いてくれます。
  これが、「受理されたこと」の証明になります。
  警察署に申請や届出をする場合、必ず申請書・届出書のコピーを提出して「受理証明」をもらいます。


b.重複書類の取扱


個人でやる場合、代表者が選任指導教育責任者になるでしょうから、代表者用と選任指導教育責任者用が重複します。
しかし、役割が違うのですから各々必要となります。

・誓約書の③・⑨・⑩はその内容が違いますので重複しません。

・診断書の④・⑪もそのない内容が違いますので重複しません。

・重複するのは②・⑧の履歴書、⑤・⑥の住民票、⑥・⑬の身分証明書、⑦・⑭の登記されて異なことの証明書です。
  この中で、住民票・身分証明書、登記されていないことの証明書については、その取得に費用がかかりますので、重複した分はコピーでもOKです。
  履歴書については、書けば良いだけですから重複した分でもコピー不可です。
  もっとも、履歴書をPCで作成・印刷すればコピーを取るのと同じことになります。


c.履歴書について

・履歴書に写真は不要です。
  但し、今回のように要求されることがありますので準備しておきましょう。

・履歴書については「趣味・特技・配偶者の有無・通勤時間・志望動機」などの「身上書」の部分は不要です。
  通常の履歴書の右半分は不要です。

・職歴は「三カ月間以上の空白がないように」書いてください。

たとえば、

「平成22年3月、〇〇会社退職、平成22年8月△△会社入社」では平成22年4月~7月までの4カ月間が空白になります。
この無職の間は「平成22年4月より平成22年7月まで求職活動」として空白を作らないようにします。
別に「求職活動」でなくても構いません、「充電・引きこもり・嫁さんに喰わせてもらう・放浪・酒池肉林を楽しむ」などなど。
しかし、公安委員会に出すのですから「ふざけたもの」でなく「まともな」求職活動が無難でしょう。


d.申請にかかる費用

今回の申請でかかった費用は、

・住民票・身分証明書=200円×2=400円
・登記されていないことの証明書=400円
・診断書三枚=1500円×3=4500円
・証紙代=23000円
  合計は28300円。


e.生活安全課の警備業担当に事前アポが必要


生活安全課は「少年・風俗営業・古物商・銃砲刀剣・警備業」を取り扱っています。
地方の警察署ではだいたいが警備業担当者は一人。

この担当者のいない時に申請書類を提出して他の者に受け取ってもらっても、
あとから『あれが足らない、ここが記入間違いだ』などと言われ、もう一度出直さなければなりません。

担当者がチェックして受理されたのなら、後で文句を言われませんから出直す必要がありません。
事前に『警備業の申請をしたいのでいつ伺えばよいですか?』とアポをとる必要があるのです。
なお、土日・祭日は受け付けてくれません。

   
f.申請書提出の実際

3月4日(金)16時、診断書を取って書類が全部揃う。

・所轄警察署の生活安全課・警備業係に連絡

  私『警備業申請を来週の月曜日にしたいのですがよろしいですか?』
  警『担当の者が出ております。16時半頃には帰る予定ですので、帰って来たら電話させます。』
  私は携帯の電話番号を告げた。

・その日は何の連絡もなし。

  通常、必ず連絡が入る。
  私は、連絡がないのは「月曜日は一日中警察署にいるから、いつ来てもよい」という意味なのかな?
  もしかして、携帯の番号を間違えて伝えたのかな?
  土曜か日曜に連絡が入るかも知れない。
  などと考えた。

・3月7日(月)

・月曜日の9時になっても連絡がない。

  9時過ぎに生活安全課・警備係に電話をかける。
  電話に出たのは金曜日に「担当に連絡させると」言った警察官。

  警『あっ、米川さん。今、担当は接客中です。この前、米川さんの電話番号をチャント伝えましたよ。』
  私『連絡がないのは携帯番号を間違って伝えたのかと思っていました。』
  警『いやいや、この番号でしょう。接客が終わったらすぐに連絡させます。』

・少々、腹が立ってきた。

・9時20分、携帯が鳴る。

  警『あっ、米川さん。何度も電話してもらったンですね。』
  私『いやいや。警備業の申請をしたいのですが今日行ってもいいですか?』

  警『その前にチョット聞きたいンだけど、どこで警備業をやるの?』
  私『最初は金がかかるから自分の住所でやりますよ。』
  警『住所はどこだったかナ?』
  私『〇〇市△△町ですが。』

  警『どんな警備業をやるの? 1号とか2号とか…。』
  私『1・2・4号で申請します。』
  警『えっ? そんなにたくさん?』

  ここで、この警察官に「私のやりたい警備業支援」について説明したのが間違いだった。

  私『私のやりたいのは警備業者の支援なんですよ。教育・書類作成管理・各種届出。その支援の中で業務支援が必要になるので警備業を申請するのです。』
  警『業務支援?』
  私『仕事を受けたけれど検定資格者が不足している場合がありますね。その時に仕事を請け負うのです。』
  警『請負???』
  私『警備業者から警備業者が仕事を請け負うのですよ。』

  警『それはいいけれど、メインが警備業ではないのか…。』
  私『メインが警備業でなくては警備業の申請はできないのですか?』
  警『そこは難しいところだナ…。』

・何を言っているんだ!アンタ警備業法を知っているの!私は相当腹が立ってきた。

  警『ところで仕事先はあるの?』
  私『認定が下りる前に営業なんかできないじゃないしょう?』

  警『隊員はいるの?』
  私『認定でしょ。警備業法3条の「警備業者欠格事由がないこと」をチェックするだけでしょう。仕事先があるかどうか・隊員がいるかどうか関係ないじゃないですか!』
  警『…。』

・こんな馬鹿と話していてもらちがあかない。

  私『申請書提出に今日行ってもいいのですか?』
  警『今日は仕事がいろいろあるからダメだな。』
  私『いつならいいのですか?』
  警『チョット予定が分からないから、また電話するヨ。』

・ここで私が小噴火。

  私『それではこちらの予定が立たないじゃないですか。「また電話する」ではなくて「いつ電話する」のですか!
      来るか来ないか分からないあなたの電話を、いつまでも待っていろと言うのですか!お名前は何ですか?』
  警『〇〇と申します。今日中に電話しますよ…。』

・ふざけた警察官である。
  仕事上、多くの警察官と関わってきたがこんな不真面目な警察官は初めてである。
  たかが、申請書を受け取るのにそんなに時間はかからないだろう。

・10時15分、携帯が鳴る。

  警『あっ、米川さん? 明日にして欲しいンだけど。』
  私『明日、3月8日ですね。何時に行きましょうか?』
  警『そうだなぁ…。昼から、14時でいいかナ?』

・どうせ、本日は仏滅。明日は大安。明日の方が縁起が良いか。

・3月8日(火)

13時、所轄警察署に到着。

まず、1Fで証紙購入。
今回は、二級合格証明書の交付申請も同時にやる。
施設・雑踏検定二級合格書申請用証紙1万円×2、警備業認定申請用証紙2万3千円。
提出書類に提出年月日を記入、提出書類をすべてチェックする。

ロビーから外を見る。
「防犯パトロール」の腕章を巻いた若い警備員が三名自転車置き場にいる。
緊急雇用対策の「自転車盗難防止パトロール」である。
警備会社が公共入札で受注し、警備員を雇っておこなわせている。
6カ月間限りで更新はないが時給は普通の警備員よりずっと良くて仕事はずっと楽である。
「若いのにこんな仕事しかないのかなぁ…。」

時間を潰して、13時55分に2Fの生活安全課に入る。
受け付けに座っていると、マスクをした気の弱そうな40歳前の警察官がやって来る。

私『〇〇さんですか?』
警『そうです…。米川さんですね。』
私『初めまして。これから宜しくお願いします。』

私は「うだつの上がらない、弱い者いじめをする初老の警察官」を想像していたので少々期待外れだった。「あまりいじめては可哀相だな…。」

私『まず、検定合格書の申請をします。書類をチェックしてください。こちらが施設二級、こちらが雑踏二級です。』
二つのファイルから別々に書類を渡す。

警『あっ、証紙をここへ貼ってください。』
担当は証紙貼付用紙を出して、自分の机に戻り書類をチェックしている。
※申請・届出にはそれ用のチェック用紙があり、そのチェック用紙に沿って記載内容や書類を点検する。
警『大丈夫です。』

私『次に、警備業の認定申請書です。』
別の封筒から書類を出して渡し、2万3千円の証紙を証紙貼付用紙に貼る。
警『書類をチェックしますので外で暫くお待ちください。呼びますから。』

私は、廊下のソファーに座って待つ。

5~6分後、
警『どうぞ、お入りください。書類はOKです。こちらが受理証明です。』
担当は、受理年月日・受理警察署・受理番号を赤字で記入した申請書コピーを差し出した。

私『40日以内と聞いていますが、認定までにどれくらいかかりますかねェ。』
警『一カ月くらいはかかると思います。』

私『次の手続はなんですか?』
警『こちらに来てもらって、いろいろ聞かせてもらいます。』
私『そうでしたねぇ。「隊員がいるかとか仕事は受注しているのか」とかですね?』
警『…。』
私『警備業法3条が改正されたのかと思いましたよ。警備業者の欠格事由が追加されたのか。』
警『…。』
このくらいにしておこう。

私『ところで、〇〇さん。こちらの警察署は長いのですか?』
警『この部署へは一年前に。その前は少年課にいましたが。少年課長の△△課長の下です。』
私は縦社会の警察官ではないので、△△課長と言われてもねェ…。

申請手続所要時間は20分弱。


認定するのは公安委員会で警察署ではない。
警察署は単なる窓口である。

しかし、この窓口は「水際で不適格者を防ぐ」という機能を持たされている。
法律に定められた要件だけでなく、人間性や社会生活から「公安委員会が否とする者」に申請させないことが要求されているのだ。

「申請引き延ばし、細かい書類の不備を指摘する、指導という名の不必要な要求、嫌がらせ」は担当警察官の常套手段である。
ある銃砲所持許可申請の担当警察官は『できるだけ申請させないようにするのが俺たちの腕だ!』と自慢していた。
今回は認定申請であり、許可申請ではないからこれと同一に考えることはできないが、私が強く出なかったらもっと引き延ばされたであろう。

なお、誤解のないように言っておくが、引き延ばしや嫌がらせをしない担当警察官もたくさんいる。
しかし、昔気質の権力的で横柄な警察官もいることを知っておいてほしい。
このタイプの警察官は「ていねい語」が使えないからすぐ判る。
そんな警察官には強く出ることが肝要である。
「弱い者に強い者」ほど弱い者なのである。

さあ、あとは認定書が下りるのを待つだけ。