FJ1200-4CC 整備資料
2019.01.17.FJ1200 の スロットルケーブルを7㎝ 長いXJR1200 のものに交換
FJのパーハンドル化でヨーロピアン3型にして、スロットルケーブルのパイピングを標準とは違うものにしました。
標準パイピングには「そうしなければならない理由」があります。
標準パイピングに戻すために「7 ㎝ 長い」XJR1200 のスロットルケーブルに交換しました。
また、「押し側ワイヤーをキャブレターに楽に取り付ける方法」も見つけました。苦労している方は参考にしてください。
・ヨーロピアン3型ハンドルでの標準スロットルケーブルの状態
・XJR1200 のケーブルはFJ標準より70 ㎜ 長い。
★押し側ワイヤーをキャブレターに取り付ける方法
★スロットルケーブルをキャブレターに取り付けるときの注意
・ヨーロピアン3型+XJR1200 スロットルケーブルの干渉状態
・アップハンドルFJとスロットルケーブルの長さ
1.交換前の状態
a.マニュアルパイピングとは異なるパイピングで近道
スロットルケーブルのマニュアルパイピングは、
・ ヘッドパイプ前の△形パイプの真ん中を通す。
・ ヘッドパイプの左側から出す。
・ スロットルケーブルとチョークワイヤーをクロスメンバー ( タンク取り付けゴムのある横パイプ ) より60㎝以内で固定 ( タイラップ締め )。
アップハンドル化により、これではキャブレターに届かないので、次のように近道。
・ヘッドパイプの右側をからクロスメンバー下を通って、まっすぐにキャブレターへ。 |
・指定パイピングには 「 そうする理由 」 があります。 ・ヘッドパイプの左側を通すのは、 ・右側を通すと、 ハンドルを左へ切った場合にスロットルケーブルがヘッドパイプに当たって曲がり突っ張る。 ・左側を通すと、ハンドルを左へ切った場合でも ヘッドパイプに邪魔されずにそのまま左側に逃げる。 ・スロットルケーブルが突っ張ればスロットルの遊びがなくなってしまいます。 |
・案の定、スロットルケーブルが突っ張って、パンパンに引っ張っています。 ・標準のスロットルケーブルとこのバンドル(ヨーロピアン3型)では、 ケーブルはフォーク取り付け部の凹部を通るのがベスト。 ここを外れるとなぜかもっと引っ張られます。 |
・ハンドルを右に切った場合はケーブルがどこにも当たらず、 そのまま右に逃げるので突っ張ることはありません。 |
しかし、これはハンドルをフルロックさせた場合のこと。
ハンドルがフルロックになるのは、アクセルターンをするとき、立ちゴケをするとき、ハンドルロックをかけるとき。
アクセルターンはシュワルツネッガーではないので関係なし。
立ちゴケやハンドルロックの場合はスロットルケーブルが突っ張っても問題なし。
2.どれだけ長いものが必要か?
a.まずはXJR1200 のケーブル
問題は 「 どれだけ長くすればよいか 」。
ハリケーンからいろいろな長さのケーブルが出ているが、そもそもFJのケーブルの長さが分からない。
どうも 90 ㎝ らしいが、それがどこからどこまでなのかはっきりしない。
もし、90 ㎝ だとしてもどれだけ長いものが必要なのか分からない。
XJRのものならよさそうだけれど、1200のものと1300のものでは年式で長さが違うよう。
とにかく取り付けてみないと分からない。
ということで、まずXJR1200 のスロットルケーブルを取り付けることにしました。
新品は高いのでYahooオークション。
・500 円 + 送料 350 円。 ・スロットルはストックのものを使います。 |
・短い方が引き側( 調整ネジが付いている )、長い方が押し側。 ・FJとの長さの違いは約70㎜。 ・ただ、押し側の取り付け部が長いのが気になります。 |
いろいろ頭をぶつけ、便利な方法を見つけて作業が楽になっていきます。
しかし、まだまだ楽にならない「キャブレターの取り付け」。
毎回「エアクリーナーボックスダクトを押しつぶして変形させ、亀裂が入らないか」との心配。
なんとか、 「 シリコングリスたっぷり塗り 」 で対処。
そもそも、エアクリーナーボックスの後退巾が少なすぎる。
この点を改造できないだろうか?
3.取り付け
a.スロットルケーブルをキャブレターに取り付けるときの注意
・ヘッドパイプの前の△を通って、ヘッドパイプの左側から真っ直ぐキャブレターへ。 ・これでハンドルを左へ切ってもケーブルがヘッドパイプに曲げられることはありません。 ・心配していた「押し側取り付け部の高さ」はタンクの凹みで問題ありませんでした。 |
ケーブルを取り付けるときは、 ・アジャスターを中にする。( 半分くらい出す ) ・押し側も引き側も精一杯短くする。 (上ナットを一番上まで上げて下ナットをそれに合わせる。) ・アジャスターで遊びを調整。 ・これは、取り付け部で下ナットが固定されてしまい、あとから調整できないから。 |
・ハンドルを左に切ると、ケーブルは左に押されますが左に逃げるので突っ張りません。 | ・ハンドルを右に切ると、ケーブルがヘッドパイプに押しつけられますが、 ケーブルが曲げられるほどではありません。 ・このアップハンドルキットとこのハンドルでは、 あと2㎝くらい長い方がよいのかも知れません。 |
・ケーブルを今までのように「フォーク取り付け部の凹部を通す」必要もなくなりました。 | ・FJ 標準ケーブルと違い、アジャスターがグリップの近くにあり、遊び調整が楽になりました。 ・なお、アジャスターは引き側にありますが、ケーブルは一つの円を作っているので、 引き側を縮めれば押し側も引っ張られ、引き側を緩めれば押し側も緩みます。 |
4.アップハンドルFJとスロットルケーブル
ABMのアップハンドルキットはトップブリッジの上にハンドルポストの付いた台座を取り付けるものです。
だから、トップブリッジに直接ハンドルポストを付けたものより台座の分だけハンドルが高くなります。→→→ こちら
現在のハンドルはハリケーンのヨーロピアン3型(HB0071 → こちら)
ハンドルをフルロックさせるとブレーキとクラッチのリザーバータンクがカウリングと干渉するので、これ以上高いハンドルは取り付けられません。
だから、このバンドルがFJの上限となります。
つまり、アップハンドルFJのスロットルケーブルは、今回の「FJケーブルより7㎝長い」XJR1200 のケーブルで充分だということになります。
XJR1300 のケーブルは年式によってXJR1200 のものより少し長くなるようですが、上で述べたように 「 もう少し長い方がよい 」 ので問題はありません。
※2019.11.追記・解説
ハンドルはヨーロピアン3型から、「さらに引きの大きい」150アップ2型に変更しました。
カウルとマスターシリンダーの干渉は、「別体マスターへの変更」と「最小限のカウル切除」でクリアーしました。→→→こちら
当然、スロットルケーブルは短くなります。
パイピングを標準の「ヘッドパイプの前の△を通って、ヘッドパイプの左側から真っ直ぐキャブレターへ」から
「ヘッドパイプの前の△を通さずに、ヘッドパイプの右側からキャブレターへ」に変更しています。
もう少し長いケーブルが必要です。
つづく
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