NSR-MC21 整備メモ



2011.06.06 NSRその後-2-③ パイピングはマニュアル通りにやりましょう。


6.キャブレター組み立て


組み立ては簡単ですが、どうしてもていねいになりますね。

後々の整備が楽なように小細工をしました。


エァスクリューにマーク

左と右で一杯に締め込んだ位置が違います。
特に左は回すのに苦労しますからマークがあれば便利でしょう。

右側(№2)戻し量 1+1/2 (回転)



左側(№1)の戻し量は 1+5/8(回転)

右側の 1+1/2 よりさらに 1/8回転。
1/8回転は45度。

こんなところにマークを付けても、ドライバーは届きませんが…。


左キャブに同調ノズルを着けてしまう。


前回に苦労した左側です。

ホームセンターでノズルにピッタリな耐油ホースを買い、ホースの先にリベットで蓋をしました。

4本のワイヤー

キャブレターには5本のケーブルが付いています。

①アクセル引側  ②アクセル押側  ③オイルポンプコントロール  ④チョーク  ⑤アイドル調整



⑤は外していませんから、取り付けるのは①~④の4本です。

④のチョークケーブルは後からでも取り付けられます。
しかし、①②③はキャブレターを取り付ける前に取り付けておかないと苦労します。作業がやりにくいので先に取り付けておきましょう。

今回は後から取り付けたのでチョット苦労しました。

調整ネジがあるのは ①アクセル引き側だけです。
②アクセル押し側と ③オイルポンプコントロールには調整ネジはありません。
『落としてしまったのかな?』とネジを探さないでください。

④チョークケーブルは①アクセル引き側 ②アクセル押し側 と③オイルコントロールの間を通ります。
しかし、どこか窮屈そうです。

①②③の外側(左側)を通した方がよさそうですが、マニュアルは①②と③の間です。
何か意味があるのでしょう。


チューブははオイルチューブとドレンチューブをキャブレターを取り付ける前に取り付けておきます。
オイルチューブはあとからでも付けられますが、「これでもかこれでもか」としっかり差し込んでおかなければ心配です。
曲がっているニップルの根元まで差し込んでおきましょう。


7.パイピングはマニュアル通りに

まずこの写真を見てください。


ジョイントは三つあります。
①十字ジョイント  ②Y字ジョイント  ③3wayジョイント。


十字ジョイントは四つに分かれていますが、一つにエアジェットが付いています。

このエアジェットの付いている方につないだパイプは③3wayジョイントにつなぎます。

もう一つは②Y字ジョイントとつなげます。

写真の「エアクリーナー底部へ」の部分がエアクリーナーボックスの底に挿入されます。


写真のつなぎ方はこれらを満たしています。間違っていません。

しかし、この③3wayジョイントがエアクリーナーボックスの底の穴に挿入できない。

挿入してもエアクリーナーボックスを所定の位置に設定すると、変な力がかかって斜めになって抜けてしまう。

いろいろやっている内に「ポロン」と折れてしまいました。


もう一度マニュアルをチェック。

マニュアルの図では十字ジョイントのエアジェット側が上になっている。

もちろん「エアジェット側が3wayジョイントにつながり、そうでない方がY字ジョイントにつながる」のは同じ。

十字ジョイントのパイプを全部抜いて、その通りに装着。

すると…。




ちゃんと、3wayジョイントのエアクリーナー底部へ挿入する部分が上を向く。

「エアジェット側が3wayジョイントにつながり、そうでない方がY字ジョイントにつながる」のは同じでも、
  始めの写真では十字ジョイントのエアジェット側が右を向き、上の写真ではエアジェット側が上を向いています。



3wayジョイントを接着剤で留め、ビニールテープでグルグル巻きにしてその上をタイラップで留める。
部品が来るまでの応急処置です。

パイピングはマニュアルに書いてありますが、その通りにすると「ナルホド」と感心することがあります。

たとえば、タンク左のコックからキャブ右に燃料パイプが通っています。
この燃料パイプがチョット短い。そしてタンクコックの方向とずれている。

しかし、マニュアル通りに「キャブの前にある各種パイプの下を潜らせる」ようにすると、タンクコックの方向と一致し長さはピッタリ。
しかも、右側からパイプをガソリンコックに差し込むと簡単に差し込めます。



2011.10.18  追記--3 wayジョイント 取付時の注意


エァクリーナーボックスを外すついでがありましたので3 wayjoint を新しいものに交換しました。

取付時に少し手こずりましたので追記します。



①エァクリーナーボックス底部差込み口へ挿入される方 ( 写真のA )が上を向くように取り付ける。

②Aはエァクリーナーボックス底部に2/3くらい差し込めるが、無理に差し込もうとすると折れてしまうので注意。

③パイプBが少々長く、エァクリーナーボックスがすんなりとキャブレターに収まらないので注意。

パイプBが曲がって押し返すので、エァクリーナーボックスのコネクティングチューブがキャブレターの入り口に収まりません。
ここで、無理にキャブレターに取り付けようとすると 3 wayジョイントのA部に力がかかり折れる危険性があります。

以下のようにします。

まず、ソレノイド ( 写真のC ) のステー取り付けボルトを外し、パイプBが自由に動けるようにして、パイプBが押し返さないようにする。

次にエァクリーナーボックスをキャブレターに取り付け、コネクティングチューブバンドをしっかりと締める。

そして、エァクリーナーボックス底部にAが真っ直ぐに深く入っているかを確認する。

最後に、ソレノイド取り付けステーをボルト留めする。


エァクリーナーボックス底部から出ている太いドレンチューブもエァクリナーボックス取り付けに抵抗になります。
無理をしないで、エァクリーナーボックスを少し沈めてドレンチューブを少し引っ張るようにして、徐々にエァクリーナーボックスをキャブレターにセットします。


3 wayジョイントは折れやすいので、無理をしないことが大切です。

取付時に折れることを考えて、余分に発注しておくのも一法です。
※ 36191-KV3-831  ジョイント・エァフィルター  490円



8.オイルパイプのエア抜き


オイルポンプからキャブへのオイルパイプを外していますから、エア抜きが必要。
そのままエンジンをかければオイル無しで焼きついてしまう。

ごもっとも。


なになに、「オイルポンプのプリーダーボルトを緩めて、気泡が出なくなるまでオイルを流す。」




このブリーダーボルトは7㎜。

7㎜のレンチやソケットを持っている人は少ないでしょうね。

あちらこちらの工具箱を探してみましたがありません。
6㎜と15㎜はありましたが…。

なんで、8㎜ボルトを使わないのでしょうネ。

今はどうか知りませんが、以前の自転車の車輪取り付けボルトは前と後ろで違っていました。
前が後ろより少し小さいのです。

前を少し小さくしてどんな利点があるのでしょう。

違う部品を使えば製造コストもかかるし、修理にも時間がかかる。

ライフルなんか、薬莢一つで分解できるようになっていますよ。


「ブリーダーボルトを 8㎜にすると、間違って緩めてしまうから」の親心でしょうか。

7㎜レンチはあとで入手するとして、ブリーダーボルトからのエア抜きは省略、混合油で始動しましょう。

そもそも、外したのはオイルポンプから先のチューブで、エア抜きが必要なのはオイルポンプから先のチューブの方。
オイルタンクからオイルポンプのラインではありません。


オイルポンプから先のチューブのエア抜きについてマニュアルは「混合油でエンジンをかけて…10分ほどアイドリングさせる…」

なんだ、結局「混合油でエンジンをしばらくかけていればいいんじゃないか」。

アブナイアブナイ。そうではありません。しっかりと読んでください。

「オイルコントロールレバーを全開にして、10分ほどアイドリングさせる」のです。
アイドリングではオイル吐出量が少なく、チューブにたまったエアを抜くのに時間がかかります。
そこで、オイルコントロールレバーを全開にしてオイル吐出量を最大にするのです。

オイルコントロールレバーを全開にするには、ドライバーでコントロールレバーを押していなければなりません。
10分って長いですよ。

オイルポンプからキャブレターまでのパイプはそんなに長くありません。
「オイルポンプ全開で10分もオイルを圧送しないでもエアは抜けるのじゃないの?」と思うけれどちゃんと10分間続けましょう。
2サイクルはオイル切れが一番重大ですからね。

なお、アクセル全開でオイルコントロールレバー全開となるので、フルスロットルで10分くらい走れば同じです。
しかし、いかに混合油が入れてあるからといえ、これはチョット危険でしょう。


9エンジン始動


エンジンをかけて点検する場合、タンクをいちいち取り付けるはめんどうくさい。

今回は長いガソリンパイプをタンクに取り付けて、タンクを別の場所に置いて給油。



珍しい乗り物が登場しました。

これは当地では「オンバ」と呼ばれているものです。
若いママが赤ちゃんを乗せるのはベビーカー。
この“オンバ”を押すのはオバアチャン。

オバアチャンが孫のもりをする時に使います。
頑丈で深いので幼稚園くらいまで使えます。
孫の世話を卒業すると、オバアチャンがクワや肥料を積んで畑に行きます。
ごみ捨てのときにも使います。

オジイチャンは“オンバ”を使いません。
リヤカーか一輪車を使います。

“オンバ”はオバアチャンと共にあります。
孫もこの頃の元気で優しいオバアチャンを覚えているはずです。

オンバの話はこれくらい。

エンジは問題なくかかりました。

アイドリングから狂いだすこともありません。

アイドリングもスクリューをチョット締めれば上がり、チョット緩めればすぐに下がります。

高回転からもアクセルを戻してもスムーズに回転が下がります。

あれほどキャブレターの中がドロドロだったのだから、今までの回転不調は当然ですね。


・キャブレターの同調


「ついでに、キャブの同調をやろう」

FJの同調をやったので気をよくしています。

早速、バキュームゲージ(負圧計)を取り付けて針を調整。

しかし、



針はゼロに近いところでピクピクするだけ。

なんとか読めるようにしたのが上の写真です。
※同調後のものです。キャブを組み立てる時に「目視で調整」したのですが、左が少々サボっていました。

マニュアルには、
  「アイドリング回転数 1200±100 rpm で、 各シリンダー間のバキューム差を点検する。 規定バキューム差:10㎜Hg以下」  


㎜Hg?

中学の理科で出てきましたね。

たしか、大気圧が水銀柱76㎝を押し上げる力で 76cmHg。

負圧計の目盛りを見ると、最大が76cmHg。

  
  負圧は大気圧より低い圧力。

  負圧のところへは空気が大気圧に押されて流れ込む。

  これが空気を吸い込む力。

  キャブレターの負圧を同じにして、
   各キャブレターの空気吸い込み力を同じにするのが同調。

  負圧計は
  「そこが大気圧よりどれだけ低いか」を計るものだから最大が -76cmHg。

  -76cmHgなら大気圧ゼロで真空状態。

   だから、負圧計をバキュームゲージ(真空計)というのか…。

 ※よく分かる説明は→→→こちら


  ところで、10㎜Hgはこの負圧計目盛りでどのくらいなのでしょうか?

  1cmHg=10㎜Hg。
  ①が10cmHgで ②が5cmHg。
  だから、①と②の間が5cmHg=50㎜Hg。

  10㎜Hgとは①と②の目盛りの 1/5。

  針がカタカタ動くのに、
  そんな値なんか読み取れるはずがない。

  このゲージでは、
  「シリンダー間の負圧差が10㎜Hg以下になっているかどうか」を
  読み取ることはできないのです。     

しかし、負圧計・真空計の測定範囲はほとんどが 0気圧~-1気圧(0~-75cmHg,0~-0.1MPa )。
真空計だから、真空状態が測定できなければなりませんからね。

それなら、だいたいの負圧計がこの負圧計と同じで、10㎜Hgは読み取れないことになる。

このゲージの性能が悪いわけではないのです。

測定範囲が狭くて、小さい負圧を読み取れる特殊な負圧計があるのでしょうね。

マニュアルには「市販の2サイクル用バキュームゲージを使用し…」とありますから、やはり、そんな負圧計が…。
※専用工具は  07404-0030000


なお、 2サイクルの負圧はは一般の負圧計では測定しにくいので、負圧計を使わないで同調するようです。→→→こちら 



・同調ネジは7㎜


同調ネジはこんな所にあります。



なぜ、ボルトの頭が上を向いていないのでしょう。
ドライバーで調整することができません。

「レンチを使えばいいじゃない!」
“7㎜”のレンチがあれば…。

ここも7㎜。
間違って回してしまうといけないから…。
ということにしておきましょう。


10.これをどうするか…。





これはリミッターカットでしょうね。
まずはノーマルに戻したいのですが…。

①を外して②とつなげるのは分かる。
④はPGMの方で元の線を切って入っているからこれも戻せる。

しかし、③とつなげるカプラーがない。
マニュアルにも③は見当たらない。

マニュアル配線図のコードの色をチェックしなければなりません。
少々時間がかかりますね。

ということで、現在NSRはこうなっています。



この前の写真 より進んだのは「シートをつけたこと」だけです。

そんなわけないでしょッ!


2011.06.08追記

③(2カプラー)のお相手が分かりました。
リヤブレーキのストップランプコードなのですね。
取り外されていたので「探してもない」はずです。
3ウェイジョイントと同調用の特殊プラグと一緒に部品注文することにしました。

リミッターカットは取り外しました。
まずは「ノーマルから」ですね。



試運転をしました。

オイルラインを一度取り外しているので、念のために30:1の混合油。

恐ろしい加速です。
FJ1200のトルクで持っていく加速ではなく、回転で持っていく加速です。
不用意に高めの回転でクラッチを合わせると、フロントが軽々と浮いてしまいます。

2サイクルでもモトクロッサーの単気筒とはチョットイメージが違います。
なめらかに回転が上がります。

これは確かにおもしろいバイクです。
人気があるのがうなづけます。

これでトルクがもう少しあれば、加速がもっと楽しくなるのではないでしょうか。
ホンダさん、300㏄くらいで造ってくださいよ!


今のところリミッターカットは不要です。
タイヤとチェーンを新しくして峠に持ち込んでみたいものです。

ただ、このバイクは長男の放置バイクです。
私のバイクではないので、時間と金をかけてもあまり意味がありません。
現状保管・調子維持だけに止めています。

自分用のNSRが欲しいものです。

つづく。

2011.02.26  久しぶりにオートバイのエンジンをかけました

2011.04.19 NSRその後

2011.05.30 NSRその後-2-① RCバルブ コントロール ケーブルの調整

2011.06.04 NSRその後-2-②  キャブレター清掃

2011.06.06 NSRその後-2-③ パイピングはマニュアル通りにやりましょう

2013.12.11 パワージェット吸い込みパイプの修復


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