RMX250-SJ13 整備資料



 2012.02.18. RMX が “ なで肩 ” に / GP210に交換。 素人がやるホイールのセンター出し






・ IRC-GP210へ
スボーク交換の順番
ホイールのセンター出しの方法と実際
タイヤ交換ヒント①


1. “ なで肩 ” には抵抗がありました



そろそろ三月。
峠で腕を鍛えるためにRMXのタイヤを交換しました。


   商品名 サイズなど 値段・円 個数
IRC - GP 210  フロント 3.00-21・51P・WT 5208 1
IRC - GP 210  リヤ 4.60-18 6279 1
DRC ビートクリーム 40g 498 1
DAYTONA ムシ回し付きバルブキャップ 2個セット 368 1
DUNLOP リムバンド 21インチ用 22-21 139 2
DUNLOP リムバンド 18インチ用 30-18 139 2


  
20年前のビートクリームは固化していました。

  リムバンドは使い捨てです。
  タイヤを外した時には新しいものにしましょう。
  もちろん、必要なのは一本です。

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DAYTONA デイトナ/ムシ回し付きバルブキャップ
DAYTONA デイトナ
/ムシ回し付き
バルブキャップ シグナス
DUNLOP ダンロップ/リムバンド【21インチ】
DUNLOP ダンロップ
/リムバンド
【21インチ】 汎用
DUNLOP ダンロップ/リムバンド【18インチ】
DUNLOP ダンロップ
/リムバンド
【18インチ】 汎用
IRC アイアールシー/PROTECH TRAIL WINNER GP-210 【3.00-21 51P WT】 プロテック トレイルウィナー ツーテン タイヤ
IRC アイアールシー/PROTECH TRAIL WINNER GP-210 【3.00-21 51P WT】プロテック トレイルウィナーツーテン タイヤ CRF250
IRC アイアールシー/PROTECH TRAIL WINNER GP-210 【4.60-18 63P WT】 プロテック トレイルウィナー ツーテン タイヤ
IRC アイアールシー/PROTECH TRAIL WINNER GP-210 【4.60-18 63P WT】プロテック トレイルウィナー ツーテン タイヤCRM250AR
※ご注文の前に、必ず「型番・サイズ・適合」を確認して下さい。「型番・サイズ・適合・商品リンク」など「商品の記載や選択」に関する間違いについて当方は一切責任を負いません。



RMXに “ なで肩 ” タイヤを付けるのには抵抗があります。

しかし、

コースを走るには腰が痛い。
ラフ路面を楽しもうにもそんな道が身近にない。

FJ 1200 でコーナーを走り回るのには腕がない。
DR 400 SM や KTM 690SMC に乗るには金がない。

とりあえず、RMXにオンロードタイヤを履かせてモタードもどきで走りましょう。
   ★★10      
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まずは、プレスとスクワット。
ホームジムならこれで孫の代まで。



2.リヤホイールのスポーク交換


前回やったのは折れた五本のスポーク交換だけ。
ホイールのセンター出しもいい加減なもの。
今回は残りスポークを交換して、チョットがんばってセンター出しをします。

まずはスポーク交換です。

スポークを外すのは問題ありません。
しかし、はめるときには注意が必要です。

  スポークは「ハブの外側から入るもの」と「ハブの内側から入るもの」があります。

   外側のスポークは内側のスポークがあるとホイール穴にセットできません。
   ハブ穴から内側に差し込んで、外側に回してホイール穴に届くようになっているからです。

  内側のスポークがある状態で、
  外側のスポークを内側に差し込んで外側に回すことはできません。  

   写真を見て考え込まないでください。
   実際にやってみたらすぐ理解できます。 
 


   スポーク交換の手順は、
  ①内側のスポークを全部外す
  ②向かい合う外側のスポークを一対ずつ交換する
  ③内側のスポークをはめる


  ②で外側のスポークも全部外してもかまいません。
  しかし、全部外すと「どこにどれをセットするのか」と迷います。


写真で 「内側のスポークは全部ない」 と思ってください。

  a1 と a2 はスプロケット側の外側穴から入っているスポークです。
  a1 の 左隣が a2 です。

  a1 はホイール穴①にセットされます。
  a2 はホイール穴⑤にセットされます。
  つまり、スポークはホイール穴四個ごとにセットされていきます。

  b1 と b2 は a1・a2 に向かい合う ( 対になる ) スポークです。
  デスク側の外側穴から入っています。
  これもホイール穴四個ごとにセットされます。
  
  a1 と b1、a2 と b2 が “ 対 ” になります。

  b2 がセットされるのは a2 のホイール穴⑤の右隣の④です。
  b1 がセットされるのは a1 のホイール穴①の右隣です。

  


・外側のスポークを入れる時は、この一対ずつを同時にやります。
  同時にやらないと、 “ 知恵の輪 ” となって苦労します。

  同時にやっても “ 知恵の輪 ” になるときがあります。
  そんなときはスポークに力を加えて強引にセットしましょう。
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3.ホイールのセンター出し ( 芯出し )


a.何を調整するのか


ホイールの中央にはハブがあります。
ハブはホイールからスポークで吊られています。
ハブの中心にはアクスルシャフトが通っています。

ホイールのセンター出しは 「ハブをホイールの中心に持ってくる作業」 です。

ハブがホイールの中心にないと、アクスルシャフトがホイールの中心ではなくなります。
ホイール ( タイヤ ) は均一に回ることができません。


b.どのように調整するのか


①前後のずれ調整


アクスルからの半径が異なる場合です。
  
  タイヤは 『グワン・グワン』 と回ります。
  馬が走っているようになりますね。

・ハブをホイールの中心にするために 「→」 の方向にホイールをずらせます。

  スポーク A を縮め ( 締める )、スポーク B を伸ばし ( 緩め ) ます


②傾きの調整


・ホイールが傾いている場合です。

  ホイールは左右に揺れながら回ります。

  ゆっくり走っているなら 「 ヨロヨロ ・ フラフラ 」。
  スピードを上げると 「 グラグラ ・ グルグル ・ ブルブル 」。

  リヤタイヤなら尻を振り、フロントタイヤならハンドルが暴れます。

・調整は、
  「 ← 」 の方向に戻すために、a1 を伸ばして ( 緩めて )  a2 を縮める ( 締める )。
  「 → 」 の方向に戻すために、b1 を縮めて ( 締めて )  b2 を伸ばす ( 緩める )。


③左右のずれ調整


  
ホイールは傾いていませんが、ホイールの左右方向の中心にハブがありません。

  このような状態でもスプロケットやプレーキディスクに問題は生じません。
  スプロケットやブレーキディスクはハブに取り付けてあるからです。
  スプロケットのチェーンラインが曲がったり、ブレーキディスクが片減りしたりすることはありません。

  また、ホイール は傾いていないので、タイヤが横揺れすることはありません。

  問題はフロントタイヤとリヤタイヤが一直線にならないことです。

  しかし、それは「ミリ単位」のことです。
  あまり気にする必要はないでしょう。
  今回の調整ではやりませんでした。

  調整は「 ← 」の方向にホイールをずらせます。
  a1 ・ b1 を伸ばし ( 緩め ) 、a2 ・ b2 を縮め ( 締め ) ます。


c.調整する時の心構え


センター出しの理屈は簡単ですが、実際には上の三つが複合してきます。

スポークは全部で36本。
右側と左側にそれぞれ外側から入るものと内側から入るもの。

しかもホイール自体の歪みも関係してきます。

この調整は非常に複雑なものなのです。

そこで、次の心構えが必要になります。


①素人ではうまくやれない

素人には測定道具も技術もありません。
経験や勘もありません。

調整がうまくできなくて当たり前なのです。
「 完全にやろう 」などと思ってはいけません。


②微妙な調整

そもそも、スポークを同じ長さにしたら、ハブはホイールの中心に来るはずなのです。

しかし、ホイールやハブにあるスポーク穴の加工精度や使用による損傷・変形により、これが狂います。
そこでスポーク長を微妙に調整しなければならないのです。

「微妙な調整である」ことを心しましょう。

“ 微妙 ” がうまくやれなくても “ オオゴト ” にはなりません。


③ホイールはちょっとやそっとでは変形しない

ホイールはスポークを締めたくらいでは変形しません。
ホイールの変形はスポークを緩めたくらいでは元に戻りません。

「スポークの締め具合でホイールに凹凸ができる」
そんな心配は無用です。

ホイールのセンター出しは 「ホイールを真円にする作業」ではありません。
「ホイールの中心にハブを持ってくる作業」 です。

スポークの締付を怖がってはいけません。


④「 3㎜ 」 あっても大丈夫

サービスマニュアルによると、ホイール歪みの許容範囲は 「 前後・左右とも 3㎜ 」 です。

これを 「 3 ㎜ずれても大丈夫 」と勝手に解釈しましょう。

ホイールが3㎜ずれたり傾いたりしていたら、振れが “ 明らかに ” 判ります。
だから、ホイールが少しぐらい振れていても 「 3㎜以内 」 に入っています。


⑤タイヤが少し暴れるだけ

センター出しがうまくやれなくてもタイヤが少し暴れるだけです。
タイヤが 『 グワン、グワン』 ・ 『グラグラ、ブルブル』 と回っても、少しくらいなら大丈夫。

オフロードなら、タイヤはもっと暴れます。

オンロードでもサーキット走行ではないから気にしない。


⑥飽きたら終了

センター出しはタイヤを付けたままでもできます。
走れば 「初期伸び」 が出て再調整しなければなりません。

「 気になったときに 」 またやれば良いのです。

「飽きたら終了」 が精神的にも効率的にも良いのです。


少し気が楽になりましたね。
それでは調整作業開始です。
    ★★17       
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d.調整作業の実際


実際にやった作業です。
この程度でよいと思いますが…。


①ニップルを軽く締める

ニップルを 「 指締め+α 」 で軽く締めます。
こうしないとハブがグラグラして「 どこが凸部なのか」 分かりません。

全体を同じような力で締めていくと、異様に緩いスポークがあります。

スポーク穴が変形しているのでしょう。
気にしないで仮締めします。

仮締めした後、「 ニップルから顔を出しているネジ山 」の量を見てみましょう。
同じではありません。

当然です。
「本来同じになるべきだけれど、そうではないから調整する」のです。


②前後のずれ調整一回目

  
ホイールの前に定規を当てて凸部を捜します。
  写真では 「 白テープ~白テープ 」 の部分が凸部です。

  凸部のスポークを締めて凸部を引っ込めます。

  このときに、凸部の真ん中から左右に締める量を減らしていきます。
  たとえば、中心の四本が60度、その両隣が45度、その両隣が30度。

  「どのくらい細かく分けるか」、 「どのくらい正確に締めるか」 は性格によります。
  私は「 大 ・ 中 ・ 小 」 の三段階にしました。

  理屈から言えば、凸部の反対側の凹部のスポークを緩めなければなりません。

  しかし、全スポークは「軽く締めた状態」です。
  これ以上緩めることはできません。

  調整は 「 締めて ・ 締めて 」 行います。


③傾き調整一回目

前後のずれ調整を2~3カ所したら “ 傾き調整 ” に入ります。

定規やドライバーの先をホイールの横に当てて凹部を捜します。

上の写真のようにしても傾きを見つけられます。
定規はホイールの両肩に当たっています。
ホイールが向こうに傾いていたら、向こうの肩に隙間ができます。

凹部の側のスポークを 「 締めて 」 調整
凹部に向かい合う凸部のスボークを 「 緩める 」 必要はありません。


傾きがあれば、その180度反対側も傾いています。
凹凸部の180度反対側には凸凹部があります。

理屈ではこの調整もしなければなりませんが、調整しません。
そこまで考えると疲れるし、180度反対側の凸凹部は次に現れてくるからです。


④左右のずれ調整

やりません。


⑤前後のずれ調整二回目 ・ 傾き調整二回目

二セット目が終わると、作業に飽きてきています。
一休みしましょう。

コーヒーを飲みながら、ニップルから顔を出しているネジ山を見てみましょう。

“ 異様なもの ” を除くと規則性があるはずです。

たとえば、
スプロケット側 → 外側/1~0山 ・ 内側/1~2山
ディスク側      → 外側/0~0.5山 ・ 内側/2~3山

『この四グループのネジ山量を同じにすればいいンじゃない ? 』

そうではありませんでしたね。。
「スポーク長 ・ ネジ山量を同じにしても、ハブがホイールの中心にならない可能性がある」から調整しているのです。

しかし、「規則性が出てきた」 ということは 「調整が良い方向に進んでいる 」 と考えてよいでしょう。

「 この規則性がどうなっていくのか 」 を知りたければ、更に調整を続けましょう。
もしかして、最後の最後に「スポーク長・ネジ山量がみんな同じになる」かもしれません。

私にはそんな探究心がありません。
調整はここで終わりにしました。


調整終了前に前後のずれを計ってみました。

 曲尺を板で挟んでホイールの横に置きます。

  ホイールを回せば、凹凸の範囲が判ります。

  これで「 ±0.5㎜ 以内 」。

  つまり、ホイール前後のずれは 「 1㎜ 以内 」 です。


⑥スポーク増し締め

厳密に言えば、増し締めは全て同じ角度 ( 締め量 ) でやらなければなりません。
既にセンター出しが終わっているからです。

しかし、センター出し自体が完全ではありません。
不完全なセンター出しに影響が出てもオオゴトにはなりません。
それより 「 スポークの張りが均一でないこと 」 の方がより大きな不具合を起こします。

緩いスポークがあれば同じ張りになるように締めていきましょう。

規定トルクが分からないので、音で判断するしかありません。

トントン → カンカン → キャンキャン → キョンキョン → ピョンピョン → キンキン

今回は 「 キョンキョン 」 で揃えました。
フロントは 「 ピョンピョン 」 でした。


e.感想


結局 「 調整できたのかどうか 」 手応えはありませんでした。
前後・左右とも四カ所くらいを調整しただけです。

案外、 「新しいスポークを入れて、同じ張りになるように締めればそれでOK 」 なのかもしれません。

素人整備のコツは 「 あまり気にしない 」 こと。
気がつかなかったら、気にならないのですから。
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3.その他


a.驚くほど簡単なタイヤ装着


今まで、タイヤ交換は苦手中の苦手。
タイヤを外すのにもはめるのにも無理やりの力任せ。

タイヤのミミは引きちぎれ、ホイールにはガリガリ傷。
ときどきタイヤレバーが飛んで行く。

しかし、GP 210 には驚き。

最初にはめた部分に膝を乗せ、薄いタイヤレバーで右回りにチョン・チョンと入れていく。
何の力も要りません。
タイヤのミミとホイールはまったく無傷。

最後の15㎝はグーで叩いて装着終了。

こんなに 緩くて大丈夫?

大丈夫なのでしょう。
これが、モトクロスタイヤとオンロードタイヤの違いなのでしょう。

オンロードタイヤがこんなに緩いのならFJ のタイヤも交換するかな?

       
b.タイヤ交換で気づいたこと


歳を取った分だけ考えるようになりました。

これはタイヤを外す場合です。
  タイヤレバー二本で最初の部分をめくってからのことです。
  

    今まで:外す部分と反対側のビートを落とすために、反対側に乗っていました。

  写真では:上に乗ってレバーを手前に引っ張ってタイヤをめくっていました。

  しかし、反対側に乗っていたのではタイヤが自由に動けません。
  今回は反対側に乗らずに作業しました。

  写真ではタイヤの手前( 下 ) にしゃがむことになります。

  ①レバーをホイールの隙間に差し込む
  ②レバーでタイヤを下に押し下げて隙間を作る
  ③その隙間にレバーを差し込む
  ④レバーを向こうに押してタイヤをめくる
  これを反時計回りに繰り返していきます。





  タイヤをはめる場合は逆になります。

  ①最初にはめた部分 ( 写真では上側 ) を膝で押さえる)
  ②レバーをタイヤのミミの下から ( 写真では上から ) 差し込む
  ③レバーを押してタイヤのミミをホイールに落とす
  作業は時計回りになります。


c.スポーク新品、前後のずれ 1㎜ 以内    

  以前の状態は →→→ こちら

   モジャモジャ頭をスポーツ刈りにしたようです。

  



スリムになった分だけ “ 期待 ” できます。
どこまで倒せるでしょうか? 

ウォーミングアップに尾鷲・熊野に持ち込んでみましょう。


RMX好きにもう一枚



つづく




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