時計・自動巻き 資料



・2012.10.11. ソーラー電波時計の電池交換 と SEIKO・8F 56 のカレンダー修正





「クォーツ時計の電池交換」はやっても、「ソーラー時計の二次電池交換」はチョットしり込み。
そもそも、二次電池自体が簡単に入手できない。しかし、ネットなら入手できます。
クォーツ時計の電池交換と違うところは「オールリセット」という作業が入るだけ。
今回はカシオのソーラー電波時計(CASIO WAVE CEPTOR WVQ-110GLJ)を使って電池交換手順を説明します。
また、SEIKO の LANDREC (ランドレック)・8F 56 の電池交換もします。
この時計は電池交換後に「カレンダー修正」をしなければなりません。その手順も説明します。


市販されていない時計電池「CTL 1025」と「BR 2412」
CASIO WAVE CEPTOR WVQ-110GLJ の二次電池交換
SEIKO・8F 56 の電池交換とカレンダー修正
8F 56 について
8F 56 の電池交換をするまでのいきさつ
SEIKO の アナログ表示へのこだわり(架空論争)
8F56 の カレンダー修正


    
1.メーカーでしか電池交換をしてくれない時計と市販されていない電池


クォーツ時計は電池を動力源としているので、電池交換が必要です。

ホームセンターでは 電池代込みで500円くらいですぐに交換してくれます。

電池交換を自分でやってもあまり得なことはありません。


しかし、メーカーでしか電池交換をしてくれない時計があります。
これは、「高度な技術で作られている時計は、時計内部を素人が触ると不具合が生じる 」 からです。

時計の持主が勝手に時計内部を触って壊れたのだからメーカーに責任はありません。
しかし、どういう理由であれ そのメーカーの時計が壊れたら、その時計やメーカーの信用が落ちてしまうのです。

このような時計では、素人が簡単に電池交換できないように、その時計の電池を一般に流通させていません。


今、時計の主流は「電波+ソーラー」です。

この時計では、太陽光をソーラーパネルで電気に変え、その電気を蓄電池(二次電池)に蓄えて、時計の動力源としています。
二次電池は携帯電話の電池や車のバッテリーと同じです。

携帯電話の電池や車のバッテリーに寿命があるように、ソーラー時計の二次電池にも寿命があります。
放電・充電の頻度にもよりますが、「 早くて 5年 」 と言われています。

メーカーに電池交換に出してもそれほど費用と時間はかかりません。
3000円~4000円・一週間程度です。
少し上乗せすればパッキン交換や防水検査もしてくれます。

メーカーの作業ですから時計に不具合が生じることはありません。


しかし、この二次電池が手に入ると知ったら、自分で交換してみたいと思うのは人情です。


2. Yahooオークションで入手


この 一般に流通していない電池 を Yahooオークションで見つけました。

・写真左が「カシオソーラー用の CTL 1025 ・1290円」
・写真右が「セイコー用の BR 2412 ・890円)

・送料 200円
即決落札で翌日に届きました。

※Yahooショッピングで入手できます。 → CTL1025SB-T19

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3.ソーラー電波の二次電池交換


a. 電波時計は シチズン と カシオ

・電波時計でトップを走るのがシチズン。
  開発者だから当たり前。

・これに追いつけ追い越せと頑張っているのがカシオ。

・セイコーは電波時計に出遅れたのか意欲をなくしているようです。
  もちろん世界の SEIKO ですからラインナップに加えています。

・カシオはシチズンより価格設定が低いので良く売れています。
  私も仕事ではカシオの電波を使っています。

・写真の時計は CASIO wave ceptor WVQ-110GLJ
  ソーラー・電波です。

・この時計は二次電池がダメになり、
  2年ばかり故障ケースに放り込んであったものです。



b. 以前のカシオは電池交換無料

5年くらい前まで、カシオは二次電池交換を無料にしていました。

もちろん、そんな広報はしていません。『 電池交換をしてください。』 と持ち込むと有料です。

しかし、『 動かなくなったので修理見積もりをしてください。』 と持ち込むと、
「二次電池がダメになっていたので交換しました。」 と戻ってきます。
そして、修理伝票には「代金 : 無料」。

時計の保証書など不要です。
時計屋さんで買ったかどうかも関係ありません。
その時計がカシオであればすべて無料だったのです。

『カシオの使っている二次電池に不具合があり、実質的なリコールとして電池交換を無料にしている。』 という噂もありました。

私もこの方法で時計三個の電池交換を無料でしてもらいました。

2年前にこの時計の無料電池交換を目論みましたが見事に失敗。
今では、二次電池の不具合かなくなっているのでしょう。


c. 電池交換の手順

クォーツの電池交換と違うのは「オールリセット」だけ。

① 裏蓋を外す ② 詰め物を外す
・裏蓋は四本のネジ留め。外すのが楽です。
・シリンダーヘッドを外すときと同じで、
  対角のネジを緩めます。
・締めるときも対角のネジです。
・時計の機械(ムーブ)とケースの間に
  詰め物(A)がしてあります。
・ムーブとケースをつなぐものは一切ありません。
・Bは ムーブの保護カバーです。
・Aを先のとがったもので取り出します。爪でつまんでも構いません。
・この状態で文字盤を上にするとムーブが外れ落ちるので注意。
・機械式時計と違って、ムーブ交換はとても簡単。


③ プラスチックカバーを外す ④ 電池カバーを こじ開ける ⑤ 裏蓋の注意書きを読む
・Bはムーブにかぶせてあるだけです。
  フックなどありません。
・外しにくければ、ムーブを取り出してから外せばOK。
・ムーブを外すときは、文字盤や針に触れないよう注意。
・矢印の電池カバーを開けます。
・これはフックで引っかかっていますから、
  少々苦労します。
・Cのバネが取れないように注意。
・Dは操作音(ピッ)を鳴らす部品です。
・バネC と D が接触していないと 操作音はなりません。
・注意書きには、
  ⑥の「オールリセット方法」が書いてあります。


⑥ オールリセット ⑦ 時計が電波を取得して日付と針を修正
・デジタル回路は電池を入れ換えたときに
  「オールリセット」が必要です。
・パソコンの再起動のようなものでしょう。
・AC(all clear)端子 と (-)端子 を
  2秒間ショートさせます。
・ショートは金属製ピンセットの両先を
  端子に接触させて行います。
・ピンセットがなければ、
  針金やゼムクリップでも構いません。
・機種によっては「AC端子」と「電池の +」を
  ショートさせるものもあります。
・カバーBをムーブにかぶせ、
  Aを詰めて、裏蓋を取り付ければ終了。
・電波時計ですから、
  日付・時刻の修正は時計が自分でやります。
・一晩放置しておけば
  翌朝には日付と時刻が修正されています。


※裏蓋をセットしたあと、ボタンを押して操作音 「 ピッ 」 が鳴るかどうか確認してください。
  操作音が鳴らないときは、バネC と 裏蓋の D 部分の接触を確認してください。

  また、カバー(B)が ムーブに正確にはまっていない場合も操作音が鳴りません。

  カバー(B)には 側面の押しボタン と ムーブの接点 のところに切欠きがあります。
  この切欠き部分がずれていると、ボタンがムーブの接点に当たらなくなります。
  これを避けるためには、カバー(B)をムーブにかぶせる場合 「ムーブをケースに入れたまま上からかぶせる」 のではなく、
  「ムーブをケースから取り出して、カバーの切欠きをムーブ接点に合わせてかぶせ、カバーをかぶせたムーブをケースに入れる」方がよいでしょう。

※二次電池は充電済みですから、時計を太陽にあてて充電する必要はありません。

※電波時計は深夜に電波を自動取得します。
  もし、一晩たっても現在時刻を示していないときは、何らかの原因で針や日付のスタート位置が狂ってしまっているのです。
  その場合は、針と日付をスタート位置にセットしてやらなければなりません。
  スタート位置とは現在の時刻や日付ではありません。時計自身のスタート位置です。
  この調整 ( 針位置基準調整 ) は取扱説明書の通りにやっていけば簡単にできます。( 取扱説明書は各メーカーのホームページからダウンロードできます。)

※電波取得を時計に任せず、強制的にすぐにやらせることもできます。
  電波強制取得のあと、 針位置調整が必要なら針を基準位置にセットすれば、すぐに使えます。

※Oリングは毎回交換した方がよいでしょう。
  しかし、このOリングは径が大きくて太いので市販されていないかもしれません。
  今回はOリングまで気が回りませんでしたので「交換なし」です。

ソーラー・電波時計の二次電池交換はこんなに簡単です。初めてでも10分あれば十分です。
メーカーが心配するように「素人が作業しても時計を壊す」危険はありません。
メーカーに出せば 1~2週間のお預かりで 3000円 ~ 4000円。
自分でやれば、10分間と二次電池代 1290円。
そして、時計に愛着を感じさせてくれます。

     
4. もう一つの電池交換
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a. 知る人ぞ知る SEIKO の 8F56

・実はこちらの電池が欲しかったのです。
  カシオの二次電池はついでに入手しただけなのです。

・SEIKO LANDREC ( ランドレック ) 8F56 です。

・大と小の月の日付送り、閏年の+1日 を自動でやってくれます。
  いわゆる パーペチアルカレンダー。
  2100年まで、カレンダーは時計にお任せ!



b. あとのことも考えてください

この時計に入っているのが、「リチウム・10年電池」。

リチウム・10年電池は市販されています。
値段は 300円 くらいで、2~3年しかもたない一般の時計用電池より安くなっています。

・これは私がオートバイ整備をするときに使う時計です。
  10年以上前に 1500円 くらいで新品を入手しました。

・安い時計なので、ガソリンがかかろうが、
  シリンダーに当てて傷が付こうが気になりません。

・もちろん、ただのクォーツ時計です。
  カレンダー修正は手動です。


・この時計は市販の「リチウム10年電池」を使っています。
  まだ、一度しか電池交換をしていません。

・交換用電池の「CR 2016」はコンビニで 315円 で売られています。

・この「普通のクォーツ時計」はこの電池一個で 10年間 動きます。

・こんな、普通の電池を使ってくれたら、ユーザーは助かります。


・しかし、「世界の SEIKO 」はそんな「当たり前の電池」を使わないのです。

・SEIKO はこの時計のために新たにリチウム電池を開発したのです。
  その電池は「外径・24.4 ㎜,厚さ・1.3 ㎜ 」 。
  重さを計るのには理科室の上皿天秤が必要です。

  10円玉は「外径・23.4 ㎜,厚さ・1.4 ㎜ 」 。
  10円玉と同じくらいの大きさで、10円玉より薄くてずっと軽いのです。

・こんな薄くて軽い電池で、時計を 10年間 動かすのです。
  SEIKO の技術者は、
  『 薄くて軽い電池を作ったから、こんなに軽くて薄い時計ができた!』

  『 で、その電池はどこに行ったら手に入るのですか?』

  SEIKO
  『 この時計用に開発したのだから、市販はしません!』
  「世界の SEIKO 」はユーザーのことなんか目に入らないようです。


・この電池と コンビニで手に入る CR2016 の大きさを比べてみましょう。

・写真左が「 SEIKO の誇る 10年リチウム電池」です。
  写真右がコンビニに常備されている「315円の10年リチウム電池」です。

・しかし、そんなに大きさは違いません。
  厚さが 0.15 ㎜ 薄くなっただけ、その分外径が 4.4 ㎜ 大きくなっています。
・重さはどちらも同じくらいです。
・「10年 寿命」も同じです。

・どこでも手に入る市販電池を使って薄くて軽い時計を作ってこそ
  その技術を自慢できると思うのですが‥。



・写真の電池は CR2016 が5個セットになっています。
  逆輸入品ですがれっきとした国産電池です。
  別に使用期限が間近なものではありません。

・これはYahooオークションのショップ出品で入手できます。
  たったの 280 円、一個あたり 56 円 です。
  これだけで、時計を 50年間 動かせるのです。

・ユーザーの使いやすさを忘れた技術開発は、
  メーカーの「自己満足と奢り」でしかないような気がします。


なお、「 CR2016 」を使っている時計がすべて10年稼動ではありません

時計の電池寿命はその時計の電力消費量によって違います。

たとえば、 バックライト機能を持つ「 CASIO・GIEZ・GS500 」のメーカー公表電池寿命は 3年 です。

もちろん、バックライトを使わなければ電池寿命はもっと長くなります。

しかし、一個 56円 ですから。

     
c.SEIKO・8F56 の電池交換するまでのいきさつ

話がそれてしまいました。
「 8F56 」の電池交換に話を戻します。


この 8F56 は Yahooオークションで 5~6年前に手に入れたものです。

自動巻き好き ですが仕事では カシオの電波時計を使います。

入手当初は物珍しさで使っていましたが、じきに使わなくなり保管ケースへ。


2秒運針・電池切れ間近 になったので、
 2007.12.1」にメーカーで、「防水検査・パッキン交換・10年リチウム電池交換」。

ところが、3年半 後の昨年夏に、2秒運針に。
「メーカーで10年電池に交換したのに、なぜ3年半で電池寿命がくるのか?」

メーカーへ送って再検査。

結果は、『日付送り不調でたくさんの電力を使い、10年電池でも3年くらいしかもたない。修理するのなら見積もります。』


どうせ使わない時計に金をかける必要はない。

Yahooオークションへ部品取りで出品しても、生産中止の時計だからそれなりの値段はつくだろう。

そこで、電池交換も修理見積もりもせずに時計を返してもらったのです。

ところが、偶然 Yahooオークションでこの電池を発見。

「 電池交換してみようか 」 と思ったのです。
    ★★18      
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d.SEIKO のアナログ表示へのこだわり(架空論争)

電池交換自体は上で行った 「 CASIO の 電波・ソーラー 」より簡単です。

裏蓋を開けて、10円玉より薄い電池を外し、新しい電池をはめるだけ。

電池交換をして秒針を見ると、秒針が5秒 毎に動いている。

「 やはり、壊れているのかなぁ‥。」

ふと裏蓋をみると

・「 えっ? オールリセットが必要なの?」

・この時計は普通のクォーツ時計ではないのです。

・普通のクォーツ時計は、水晶(クォーツ)に電圧をかけて振動させ、
  その振動を電子回路を使ってモーターに伝えるだけ。
  「小の月の日付送り」や「閏年の日付送り」はやってくれません。

・しかし、この時計はそれをやってくれるのです。
  と言っても、別にスゴイことではありません。
  いわゆるデジタル時計では当たり前のことです。
  液晶に数字で表示されている日付はフルオートです。

・つまり、この時計の中身はいわゆるデジタル時計と同じなのです。
  それを液晶数字表示を使わないで、アナログ針で表示しているだけなのです。
  だから電池交換後のオールリセットが必要なのです。


※ここでいう “ デジタル時計 ” とは、普通のクォーツ時計ではなく、フルオートカレンダーを持つ時計のことです。
  カレンダー情報をデジタル回路に記憶させているので “ デジタル時計 ” と表現しました。
  また、液晶に数字や文字を表示させるのを “ デジタル表示 ” 、針の動きで行うのを “ アナログ表示 ” と表現します。
  「 8F56 」は “ アナログ表示のデジタル時計 ” ということになります。

上で電池交換をした「 CASIOのソーラー・電波 」も「 8F56 」と同じアナログ表示のデジタル時計です。
しかし、当たり前のようにオールリセットをしました。
それは「 カシオ = デジタル時計 」のイメージができ上がっているからです。

さすがは SEIKO です。

デジタル時計を一切感じさせないデジタル時計を作るのですから。

これが SEIKO のアナログへのこだわりなのです。

しかし、その正体は この Gショックと同じなのです。 

・SEIKO
  『違います!
    ウチの時計はデジタルを感じさせないところに値打ちがあるんです!』 

・だから、 “ 正体 ” のことですよ。

・CASIO
  『 SEIKO さんはアナログイメージができ上がっているから苦労しますね。
    ウチはデジタルイメージがあるから、ユーザーはデジタル表示 に抵抗を示さない。
    パーペチアルカレンダーなどややこしい機構は必要ない。
    日付・曜日を液晶表示にしてもドンドン売れる。
    ウチでは “ 正体 ” を隠す必要はまったくありませんよ!』

・SEIKO
  『 CASIOだって、 “ 正体 ” を隠した時計を作っているじゃないか!
     この人が 二次電池を交換した wave  ceptor がそうだろう!』

CASIO 『 ウチは後発組だから何でもやりますよ。ちょっと SEIKO さんと同じ時計を作っただけですよ。

・SEIKO 『“ 同じ ” だって? あの時計は「何年何月」かアナログ表示できないだろう! ウチの 8F56 はそれができるんだぞ!
          ・リューズを一段引いて 1秒以内にリューズを戻す。
          ・秒針が 5秒運針を 1回 ~ 4回 行う。1回なら閏年、2回なら閏年の翌年、3回なら閏年から二年目、4回なら閏年の前年。
          ・そのあと、日付が 1 ~ 12 のどれかを表示して、「今、何月か」を5秒間だけ示す。
          ・そして、また日付が今日の日付に変わる。こんなことをあの時計はできないだろう!』

・CASIO 『 そんなことをさせる必要はありませんからネ。
          ユーザーが、今日は何月かを知るためにそんなややこしい操作をしますか?
          壁にかかっているカレンダーを見れば済むじゃないですか。
          それに、デジタル表示を使えば、常に表示させられるじゃないですか。』

・SEIKO 『 アナログ表示技術のない者の負け惜しみだな‥。』


・CASIO 『 アナログ表示技術を誇るなら、もっと徹底したらどうです?
          年を表示できると言っても、閏年から何年経ったかしか表示できないのでしょう?
          今年の2012年は閏年ですが、2008年も2016年も閏年なのですよ。
          ユーザーが知りたいのは閏年から何年経ったかではなく、西暦何年かでしょう?』

・SEIKO 『 浦島太郎じゃあるまいし、4年以上もこの社会から居なくなる人間などいないだろう!』

・CASIO 『 まだありますよ。曜日を表示できないでしょう!
          ユーザーは 「 今年が閏年から何年目か ・ 今、何月か 」 より、 「 今日は何曜日か 」 を知りたいと思いますがネ。
          曜日表示なんか、機械式時計でもやっていますよ!』

・SEIKO 『 それはだなぁ‥、これから技術開発していくんだ!』 ※8F56 の発売段階

・CASIO 『SEIKO さんのアナログへのこだわりは分かりますが、こだわり よりもユーザーのことを考えなければならないでしょう?
          やせ我慢しないで、デジタル表示を使えばいいじゃないですか。
          そのうちユーザーに 「 100円ショップの時計にできて、なぜ SEIKO の時計にできないンだ!」 と笑われますよ。』

・CITIZEN
  『ウチもアナログ表示にこだわりませんね。
    デジタル表示を使えば、値段は高くならないし壊れない。
    そして、曜日まで自動表示させられる。
    便利なものはドンドン取り入れればいいと思いますよ。』

・SEIKO
  『 突然出てきたな! CITIZEN。
    アンタは「SEIKO5 VS  オートデーター 」の頃からのライバルじゃないか!
    もう、アナログメーカーの誇りを捨ててしまったのか!』

・CITIZEN
  『 そもそも アナログ表示の良さは「一目で分かる」ことなのでしょう?
    時刻を数字で表示するより、針で表示した方が一目で分かるからでしょう?
    月日や曜日は数字や文字で表示した方が、一目で分かりますよ。
    この時計のようにデジタル表示をすれば、
    一目で「10月11日・木曜日」だと分かりますよ!
    アナログメーカーの誇りより、時計メーカーの誇りの方が大切でしょう?
    時計メーカーの誇りとは、
    ユーザーの使いやすさを追及することではないのですか?』


・『 あのぉ‥、自動巻きでも 月・曜日・日 を表示していますよ‥。』

・CITIZEN
  『 これは、これは、Arbutus さん、ニューヨークから来てくれたんですか!』

・ARBUTUS
  『 おもしろそうな議論なので飛び入りです。
    ウチは日付を数字で、曜日と月を針表示でやっいます。
    針表示といっても、常時表示ですから、一目で分かりますよ。』

・SEIKO
  『 国内論争に外国メーカーが乱入してきたな‥。
    しかし‥、知っているゾ! 3時位置 の 月表示 のことを、
    月が変わるたびに、ユーザーがボタンを押して変えるのだろう!』

・ARBUTUS
  『 知られていたのか‥。』

・CITIZEN
  『 それでも、一目で分かるように努力しているじゃないですか!』     


・CASIO
  『 CITIZENささんの言う通りです。
    優先させるのは、メーカーのこだわりよりユーザーの使いやすさです。
    月・日・曜日が一目で分かるようデジタル表示を使うのはユーザーのためですよ。
    それに、世間はハイブリット、車だけでなく犬までハイブリットですからネ。』

・SEIKO
  『 なんだ、この時計は!秒針がないじゃないか!』

・CASIO
  『 秒針は 3時位置の窓に液晶表示させていますよ。
    数字では“ 動き ”を感じられないので、小窓の周りを点が動きます。
    数字の変化に合わせてますから、10秒で一周、六周で1分です。』

・SEIKO
  『 CASIO は秒針までデジタル表示か!「 なんでもあり 」 だな!
    しかし、曜日 がないじゃないか!曜日 はどこに表示されているンだ!』

・CASIO
  『 10時位置のボタンを押すと、「10月11日」が「THU」に変わります。
    ユーザーはゲーム感覚で操作して喜んでいますよ!』

・SEIKO 『  こんな 半魚人みたいな時計は時計じゃない!  時計は針が 「 コチコチ 」 と動かなければ時計じゃないんだ!
          ウチのお客は SEIKO5 からの客なんだ!  時計の 温かさ を知っている客なんだ!』

・CASIO
  『 お言葉を返すようですが、時計の温かさを知っている客なら
    電池とモーターを使ったクォーツ時計なんか好きにはなりますか?
    これが 8F56 の中身でしょう? このどこに温かさがあるのですか?
    G-shock 達uから言わせれば クォーツ時計も半魚人ですよ!』

・SEIKO
  『 ウチが開発した クォーツ時計を、 は・半魚人だと言うのか!』

・クォーツ時計出現で経営危機を経験したスイスの時計メーカー
  『 半魚人です! 』


・CASIO
  『時計の温かさなら、やはり機械式時計でしょう?
    SEIKO さんはこんな温かみのある時計を作っていたじゃないですか。』
・SEIKO
  『 そんなことは百も承知だ!
     しかしなぁ‥、時間が狂うし、メンテが必要だし、あまり売れないからなぁ‥。』

・CASIO
  『 だから、変なこだわりは捨てればいいンですよ。。
    ユーザーのために 半魚人時計 を作ればいいじゃないですか。
    そのうち半魚人が半魚人でなくなりますよ!』

・CITIZEN
  『 あのう‥、この時計は、ウチの8振動・LEO  PARD なんですが‥。』



※以上のやり取りは筆者の創作で実際のものではありません。

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5. 8F56 の カレンダー修正



話を 8F 56 の電池交換後に戻します。

電池交換後、秒針が5秒毎に動くので、不思議に思って裏蓋を見ると、「 オールリセット必要 」。
そこで、 8F 56 がデジタル時計であることを知った。

ここからです。。


オールリセットは簡単。
リューズを引き出さないで(リューズ 0段で)、裏蓋の指示に従って、「AC端子」と「電池の + 」を3秒間ショート。

・CASIO 『ウチは「AC端子」と「(-)端子」をショートですけどネ』

・SEIKO 『 「AC端子」と「電池の+」をショートさせるのが原則なの!』


オールリセットをして秒針を見ると、今度は 1秒毎に動いている。

やったあ~っ!

それでは、時刻合わせをしましょう。

まずは、秒針が12時に来たところでリューズ二段引き、秒針停止。
次に、長短針をセット。
CASIOの電波時計に合わせて、リューズを押し込んで秒針スタート!

あれっ?

秒針がまた5秒運針になっている‥。


a. デジタル時計はカレンダーを持っているが‥

デジタル時計が日付を自動で修正できるのは、時計がカレンダーを記憶しているからです。
時計はこの記憶したカレンダーで大小の月や閏年を判断して日付を修正するのです。

メーカー出荷のときにその日をセットしてやれば、あとは時計がこのカレンダーを使って日付を調整していくのです。


『 ちょっと待ってください。』

何ですか?

『 ということは、電池が切れた場合はどうなるのですか?』

電池が完全に切れれば、最初の日を忘れてしまいます。
新しく電池を入れて時計内部のカレンダーを起動させても、時計は基準になる最初の日が分かりません。
だから、今日が何日なのかを判断できなくなりますね。

『 そうすると、自動の日付送りができなくなるじゃないですか!』

そんな場合は、時計に 「 基準になる今日の日付 」 をあらためて教えてやらなければなりません。


『 でも、最初に二次電池を交換した CASIO の時計ではそんなことはしなかったじゃないですか。』

それは、あの時計が電波時計だったからです。

電波時計は標準時を自動受信して、「今、何年何月何日の何時何分何秒なのか」 を自分で知ることができるのです。

だから、電池交換をしたあと、オールリセットで再起動してやれば、あらためて今日の日付を教える必要はないのです。


『 8F 56 は電波時計ではないのですか?』

電波時計ではありません。だから、電池交換後オールリセットをして 1秒運針になったけれど、時刻合わせをしてリューズを戻したらまた5秒運針になったのです。
.8F56 は 5秒運針をして、『 今日の日付を教えてくれ 』 と催促していたのです。

『 そう言えば、 8F 56 の裏蓋に「電池を外した後、3分過ぎたらカレンダー修正が必要になります」という注意書きがありましたね。』

3分どころか、電池切れのまま何カ月も放置していましたからね。


b.カレンダー修正 (カレンダー書き込み)のやり方


『 では、メーカーのホームページから 8F 56 の取扱説明書をダウンロードしなければなりませんね。』

その必要はありません。取扱説明書にはカレンダー修正の方法が書いてありませんから。


『 では、どうするのですか? 』

メーカーへ時計を送って、カレンダー修正をしてもらうほかありませんね。


『 また、また、じらさないでくださいよ。カレンダー修正のやり方を知っているから、このホームページで取り上げたのでしょう?』

すべてお見通しですね。.

では、8F56 のカレンダー修正の方法を説明します。

例として、2012.10.11 に合わせます。


★お断り・ご注意★

この方法はある “ 信頼のおけるサイト ” に紹介されていた方法です。
メーカーの作業マニュアルで説明されている方法かどうか不明です。

今回、カレンダー修正をした 8F 56 は「ムーブが正常なのか壊れているのか不明」です。

また、あとで述べるように、カレンダー修正をしたあと、時刻合わせで秒針が5秒運針になりました。(カレンダー修正必要のサイン)
そして、一日たっても日付は送られません。

結果としては カレンダー修正に失敗しています。
それが、時計の不具合によるものなら、以下で示す方法は正しいでしょう。
しかし、時計の不具合によるものでなければ この方法が間違っている可能性があります。

以下に示す方法でカレンダー修正をする場合は、すべて自己責任でお願いします。
その結果、時計が壊れたり不具合が出たりしても、当方はいかなる責任も負いません。

生産中止の貴重な時計ですから、カレンダー修正は本職の時計屋さんか SEIKO でやってもらうことをお勧めします。

・8F 56 の裏蓋を開けて電池の周りを見ると、銅色の端子が 5個あります。
  各端子の横には Y ・ M ・ Φ ・ D ・ AC の文字が刻印されています。
  ※ここでは Φ ( ファイ ) を ゼロ 表記の代わりに使っています。

・「Y端子は年」、「M端子は月」、「D端子は日」、「Φ端子は設定開始」、
  「AC 端子はオールリセット」を受け持ちます。

・作業はこの各端子と電池の(+) をピンセットなどでショートさせるだけです。

・①.新しい電池を入れて秒針が動くかどうか確認する。
    ・秒針が動かない → 電池を入れ直す。
    ・秒針が1秒運針 or 5秒運針 → ②へ

・②.「AC端子」と「電池の+」を 3秒間ショートさせる。(オールリセット)
    ・秒針が5秒運針 → オールリセットをやり直す
    ・秒針が1秒運針 → ③へ

・③.リューズを二段引いて、そのままにする(作業中はリューズを引いたまま)
    ・秒針が停止しているのを確認する
    ・秒針が停止しない場合 → リューズを押し込んで(0段)にして二段引き

・④.「Φ端子」と「電池(+)」を瞬間的にショートさせる。(ゼロマッチ合わせ)
    ・1回ショートさせる毎に、日付の数字が1増える。
    ・ショートを繰り返して、日付の数字を「1」にする。
    ※ピンセットの通電にもよりますが、1秒間くらいです。
    ※長くショートさせていると、日付の数字がどんどん進んでいきます。 

※いちいち文字盤を覗き込むのはめんどうです。 鏡に文字盤をうつして作業した方がよいでしょう。
※「ゼロマッチ(該当なし)合わせ」とはどういう意味なのでしょう。「今からカレンダー修正をするぞ」という命令を与える作業なのでしょうか?

・⑤.「Y端子」と「電池(+)」を瞬間的にショートさせる(年合わせ)
    ・最初のショートで日付の数字が「1」に戻る。(④ で 1 になっているから、日付の数字は 1 のまま )
    ・1回ショートさせる毎に、日付数字が増える。
    ・閏年から 1年後 → 1、 閏年から 2年後 → 2、 閏年から 3年後 → 3 、閏年 → 4  にする。
    ・( 例 ) 2012.10.11 → 2012年 → 閏年 → 4
    ※8F56 の内部カレンダーは「閏年 ~ 閏年の前年末」の四年間分です。西暦を合わせる必要はありません( 合わせることができません)。

・⑥.「M端子」と「電池( + )」を瞬間的にショートさせる(月合わせ)
    ・最初のショートで日付の数字が 「 1 」 に戻る。
    ・1回ショートさせる毎に、日付数字が増える。
    ・当月にする。
    ・(例) 2012.10.11 → 10月 → 「 10 」 にする。

・⑦.「D端子」と「電池(+)」を瞬間的にショートさせる(日合わせ)
    ・最初のショートで日付の数字が 「 1 」 に戻る。
    ・1回ショートさせる毎に、日付数字が増える。
    ・当日にする。
    ・(例) 2012.10.11 → 11日 → 「 11 」 にする。

・⑧.リューズを 〇段 にする(リューズを一杯押し込む)
    ・秒針が 1秒運針 → 書き込み終了

・⑨.時刻合わせ → 通常の方法

・⑩.年・月 表示の確認(通常の方法)
    ・リューズを一段引いて、1秒以内に押し込む (〇段にする )
    ・秒針が5秒運針を繰り返す回数が、本年が閏年から何年後かに合っているか確認 。
    ・秒針が止まったあと、日付の数字が今月になっているか確認。
    ・5秒後に日付の数字が本日になっているか確認。
    ・秒針が1秒運針になっているか確認


※疑問点・不明点
・⑤の最初のショートで日付数字が 「 1 」 に戻るのに、④でショートを繰り返して 日付数字を 「 1 」 にする必要があるのか?
・「 ゼロマッチ合わせ 」 が 「 これからカレンダー書き込みするから準備しろ 」 という命令なら、④のショートは 一回で よいのではないのか?
・どうせ⑤で 「 1 」 にしなければならないが、⑤では日付数字は自動的に 「 1 」 になる。しかし、④ならショートを何回も繰り返さなければならない。


c.カレンダー修正後の 8F56

・⑧ までOK。
・⑨ の時刻合わせで、秒針を動かそうとリューズを押し込むと、秒針が「5秒運針」になる。
・① ~ ⑧ をやり直しても、⑨の時刻合わせで、リューズを押し込むと秒針が「5秒運針」に。
・② ~ ⑧ をやり直し、秒針を1秒運針にして、⑨を行わないで裏蓋を締める。

・裏蓋を強く締めると秒針が9時位置で足踏みをして進まない。
・裏蓋を外すと秒針が動いて、9時位置でも足踏みをしないで進む。
・裏蓋を外したまま、電池を押しつけると秒針がそのまま止まったり、9時位置で足踏みをして進まない。

結局、8F 56 は「部品取り」としてYahooオークションへ出品し、5350円で落札されました。

以上、「 CASIO 電波・ソーラーの二次電池交換」と「SEIKO 8F 56 の電池交換顛末」でした。


つづく。




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