時計調整資料




2017.05.19  初めてのムーブ交換


1.オーバーホールよりムーブ交換


a.オーバーホールよりムーブ交換


機械式時計は生き物です。

動かしていないと油脂が固着して動かなくなります。
動かしていても油脂が蒸発・変質して伝達ロスが巻き上げ量が減ったり大幅に遅れるようになります。

使用状況にもよりますがだいたい寿命は10年。
ワインディングマシーンで動かしながら保管していたものより実際に腕に着けて使っていたものの方が元気で寿命が長いようです。

油脂の不具合により不調になったらオーバーホールが必要です。
しかし、オーバーホールは素人が簡単にできるものではないし、プロに頼むと 2~3万円かかります。

SEIKO5の 7S26 ・ 7S36 は新品でも 1~2万円。
それなら、オーバーホールするよりもムーブごと交換した方が安上がりです。


b.素人でもできるムーブ交換


ムーブ交換は簡単です。
裏蓋を開けたことのある人なら簡単にできます。

作業は、
裏蓋を開ける → リューズを抜く → ムーブを取り出す → 針を抜く → 文字盤を外す → 新しいムーブに文字盤と針をつける → ムーブをケースに入れる→リューズをつける → 裏蓋を閉める

一度やったら1時間あれば充分でしょう。

必要な道具は、裏蓋開け具とピンセットと剣抜き ( 針外し )と剣押さえ ( 針取りつけ具 )だけ。
小さいネジを外す必要はありません。



c.今回ムーブ交換をした時計


 油脂不調で伝達ロスが増えたオレンジモンスター ( SEIKO 7S26-0350 写真上 ) のムーブを
 ムーブは元気なのだがガラス傷があるので
 Yahooオークションで安価落札が予想される
 キザギザベゼル ( 7S26-0500 写真中央左 ) のムーブに交換。。

 赤糸ステッチの革バンドが気に入っていたのに、
 なぜか動かなくなった 5sprots ( 7S36-02E0 写真下 ) のムーブを
 ムーブは元気なのだがローターに油汚れがあるので
 自信を持ってYahooオークションに出品できない
 5sprots ( 7S36-00Y0 写真中央右 ) のムーブに交換。。

 ムーブを取り去ったあとのケース、文字盤、針はストックしておくか、
Yahooオークションに出品すればよいでしょう。

 今回の本番はオレンジモンスターのムーブ交換。
 まず動かなくなった 7S26-00V0 で 「 ムーブ ・ 文字盤 ・ 針取り外し取りつけ 」 を練習。
 次に 5sports のムーブ交換、最後にオレンジモンスターのムーブを交換。

 一番楽だったのは最初の練習、失敗とやり直しが多く一番手間取ったのが 5sports:
 一番慎重にやって出来上がりの良かったのがオレンジモンスター。
 モンスターは一番気に入っているし、は中古でも 1.5~2万円しますから。




d.カードリーダーの不調



カードリーダーが不調で本番のオレンジモンスターのときの写真がすべてダメになりました。

 こちらがそのカードリーダー。
 ELECOM のものでどこででも売られている安価なリーダーです。

 なぜか、このリーダーは保証期間の半年を過ぎるころに不調になります。
 今まで二個ダメになりました。

 だから、 ELECOM 以外のものを入手したかったのですがなかなか見当たりません。
 「 デザインが変わったので改良されたかも知れない 」 と期待して三つ目を入手。

 入手は 2016.12.01 、保証は半年で 2016.06.01 まで。あと12日だからソロソロ。

 カードリーダーが読み取りを失敗すると、データーを読み取れないだけでなく
 カードのデーターがすべてダメになります。
 これは当たり前のことなのでしょうか?

 カードを読み取らせるときに、
 書き込み禁止のロックをすればカード内のデーターはダメにならないのでしょうか?

 このリーダーは接点をブロアーしたら読み取れるようになりました。
 リーダー不調は単に接点不良だったのでしょうか?


このような理由で、今回は練習のときやや5sports のときの写真を使っています。
説明文とうまく合っていないところがありますがご容赦ください。



2.ムーブ交換に必要なもの



a.必要なもの


 ① ケース固定台 : 木製のものがよい。左側の固定台は固定力が弱い → こちら

 ② 裏蓋開閉器 : 写真の三点式より二点式がよい。

 ③ 先のとがった精密ピンセット : 百均のとは使い心地がまったく違う → こちら

 ④ 剣抜き : 安物は不可。少なくとも MKS → こちら

 ⑤ 剣押さえ : 安物は不可。少なくとも MKS → こちら

 ⑥ 500㎖ ペットボトルの蓋 : ムーブ台に使用

 ⑦ きず見 : 針の取り付け状態を見るために必要 → こちら

 ⑧ 1.6㎜Φの穴の開いた細いボールペンの芯 : 時針を少し押し込むときに使用。
   ※時針は⑤のMKS剣押さえで適正量だけ押し込めます ( 後述 )ので⑧は不要です。




b.なくてもよいがあってもよいもの


⑨ ピンセットのセット : ピンセットは一本でよいがセットの方がお得 → こちら

 ⑩ ブロアー : ホコリを吹き飛ばすためのもの。あると便利。

 ⑪ 指サック : ムーブ外側のプラスチックを触るだけなので不要 → こちら

 ⑫ リューズOリング : 純正品の方がサイズが適合する → こちら と 純正Oリング

 ⑬ 精密ドライバー : ネジを締めたり緩めたりする場面はないので不要。

 ⑭ Anex マイナス 0.9 精密ドライバー : ホームセンターで入手できる。もちろん不要。

 ⑮ Anex マイナス 0.6 精密ドライバー : ホームセンターで入手できる。もちろん不要。

 ⑰ ムーブ置き台 : 不安定なのでペットボトルの蓋の方がよい。

 ⑱ ピンバイス : リューズを巻き芯から外したり取り付けたりするときに使用。今回は不要。→ こちら か こちら 




3.実際の手順


ムーブ交換をする準備として時計の巻き量をゼロにして、秒針を動かなくしておかなければなりません。

SEIKO 7S26 ・ 7S36  には秒針停止機能がないので、こうしておかないと秒針が動いて針取り外しや取付がスムーズにできません。

巻き量をゼロにしておいても、ムーブを持っただけで秒針が動き出しますがピンセットで邪魔してやればすぐに止まります。


a.裏蓋を外す


裏蓋開閉器を裏蓋溝にしっかり食いつかせたり、裏蓋を保護したりするために、裏蓋にビニールを敷いて裏蓋開閉器を当てた方がよい。


b.リューズ ( 巻き芯 ) を外す


 リューズを一杯まで押し込み、赤〇のところをピンセットの先で押さえながらリューズを抜く。
 リューズを3時位置にして、
 右手でピンセットを持ち、赤〇を押しながら、
 左手親指の爪の背でリューズを外側に押し出すと楽に外れる。
 a : リューズ ( 巻き芯 )、b : オシドリ、c : カンヌキ。
 オシドリは巻き芯とかみ合い、リューズを引くと、カンヌキを押して歯車のかみ合いを変える。
 赤〇はオシドリと巻き芯が噛み合っている部分の反対側。
 ここを押すとオシドリと巻き芯のかみ合いが外れて巻き芯が抜ける。
 写真はリューズを一杯押し込んだ状態。


ちなみに、リューズ半引きやリューズ全引きでは赤〇部分が隠れてしまうので押すことはできません。

 リューズ半引きの状態。  リューズ全引きの状態。
 カンヌキが歯車のかみ合いを変えています。


 オシドリと巻き芯は矢印の部分で噛み合っています。

 リューズ ( 巻き芯 ) をはめるときは、二段の段差になっているので ( 矢印の左側の段差 ) 
 オシドリの赤〇部分を押す必要はありません。


 巻き芯のOリングは交換しておきましょう。

 オレンジモンスター ( SEIKO 7S26-0350 ) のOリングは 太さ×内径=1.0㎜×2.0㎜Φです。
 ※Oリング前のシャフト径は 2.25㎜Φ


 純正部品として入手できますが →→→ こちら
 モノタロウでもあると思います。



c.ムーブを取り出す


 ムーブを留めているネジやフックはありません。
 ムーブは周りをプラスチック枠に包まれて、ケースに入れてあるだけです。

 プラスチック枠とケースの間にピンセットか細いマイナスドライバーを差し込んでこじれば簡単に外れます。

 プラスチック枠には巻き芯の筒がはまる切欠きがあります。
 ここにピンセットを入れてこじるのがよいでしょう。

 ムーブをはめるときはこの切欠きと筒を合わせます。

 無理をせずに慎重にゆっくりと外してください。
 勢い余ってムーブがどこかへ飛んで行ってしまわないようにしましょう。
 



d.針と文字盤の取り外し


イ.ムーブメントを台に載せる


ムーブメントの外径 ( ブラスチック枠の外径 )は 29.2㎜Φ。

7S26 も 7S36 も同じですから、7S26 と 7S36 のムーブ交換も可能です。j

 500㎖ ペットボトルのフタは、外径 / 30.7㎜、内径 / 28.3㎜。
 ムーブをこれに載せて、ムーブを保護して作業します。
 ムーブがずれないようにセロテープで周りを仮止めしておく方がよいでしょう。
 こちらのムーブ台は玄人っぽいのですが、不安定です。
 どうしても使いたい場合は、29㎜Φに調整しておきましょう。



ロ.針の取り付け状態を良く観察しておく


分針と時針を取り付けるときに 「 どこまで押し込むのか?」 で迷います。

分針を取り付ける軸と時針を取り付ける軸の上端面から、分針や時針がどれだけ下がっているかを充分に観察しておいてください。
このときにきず見を使います。

 だいたい、時針は取り付け軸の上端面から少し下。
 分針は取り付け軸の上端面から少しだけ下。
 秒針は行き止まり穴なので取り付け位置に問題は生じません。

  もちろん、よく観察して置かなければならないのは使用する文字盤と針についてです。
 オレンジモンスターのムーブ交換なら、オレンジモンスターの針の取り付け状態です。

 この写真は今回取り付けたあとのもので、針を取り外す前のもの ( オリジナル ) ではありません。



ハ.針を外す


 ベルジョンの剣抜きを使いたいところですが、安価な SEIKO5 なのでメイコー舎のものを。
 これでも価格は安物の十倍。
 時針 ・ 分針 ・ 秒針を一緒につまんではずすので、三つの針を重ねてから作業。
 ピンセットで動かす場合は、分針と秒針を動かして時針に合わせる。
 このとき、ピンセットの先で文字盤や針を傷つけないように慎重に。
 リューズを抜く前にリューズ操作で時針と分針を重ねておいた方がよいでしょう。
 a が針を掴み、上に持ち上げます。
 針は a と b に挟まれたあと、更に持ち上げられて外れます。

 a の部分が文字盤に押しつけられますから、ビニールを敷いて作業します。

 aを文字盤に押しつけないと時針だけ残ってしまいます。
 思ったより押しつけないとダメなようです。



ハ.文字盤取り外し


 文字盤は二本の足でプラスチック枠の穴に差し込まれているだけです。
 位置は 「 リューズから7分戻りのところと23分進みのところ 」 の二カ所です。
 この部分を裏側から押してもよいのですが、
 ムーブをできるだけ触らない方がよいので文字盤側から外します。
 文字盤にピンセットを差し込んで持ち上げれば外れます。
 文字盤と針が外れました。
 カレンダーも一緒に売れますネ。



c.文字盤取り付け


イ.4時位置リューズと3時位置リューズの文字盤の互換性


 SEIKO5 には4時位置にリューズのあるものと3時位置にリューズのあるものがあります。
 4時位置は厳密には19分位置です。
 これらのムーブメントや文字盤の互換性はあるのでしょうか? 
 ムーブと文字盤はこのようなものです。
 写真のボツで4時位置ムーブが左の写真と変わっています。


4時位置リューズの時計も3時位置リューズの時計も使っているムーブメントはまったく同じです。
リューズ位置が違うのでその分 ( 4分 / 24度 ) だけケースの中でムーブメントがずれるだけですから互換性に問題はありません。

 ムーブが同じなので、文字盤穴とリューズ位置の関係は変わりません。
 文字盤穴はリューズから7分戻りと23分進みの位置にあります。
 しかし、リューズ位置が4分 ( 24度 ) 進んだので文字盤穴も4分 ( 24度 ) 進んでいます。
 こちらは リューズ位置が3時 ( 15分 ) で
 文字盤穴はリューズから7分戻った8分位置とリューズから23分進んだ38分位置にあります。



ムーブ自体に互換性はありますが、文字盤には互換性はありません。

上で説明したように、4時位置リューズど3時位置リューズではムーブメントがずれるので文字盤穴がずれます。

文字盤のカレンダー窓が3時位置にくるようにするには、文字盤穴のずれに対応して文字盤の足の位置を変えなければなりません。

文字盤の足は4時位置リューズのものが3時位置リューズのものより 4分 ( 24度 ) 進んでいます。

 こちらが4時位置リューズの文字盤。
 3時位置リューズの文字盤より文字盤足が4分進んでいます。
 こちらが3時位置リューズの文字盤。
 左の4時位置リューズの文字盤より文字盤足が4分戻っています。


このように4時位置リューズと3時位置リューズでは文字盤の足の位置がずれているので文字盤に互換性がないのです。

 3時位置リューズの文字盤を4時位置リューズのケースにつけるとこうなります。
 まあ、これはこれで趣があると思いますが。
 こちらは3時位置リューズの文字盤を3時位置リューズのケースにつけた場合です。


このように、4時位置リューズと3時位置リューズではムーブメントの互換性はあっても文字盤の互換性はありません。

しかし、ムーブメント交換をする場合はケースと文字盤と針はそのままで、ムーブメントだけを交換するので問題は生じません。

なお、巻き芯に互換性はありますが、リューズには互換性がありません。
リューズはそのケースに適合するように大きさと厚さが設計されています。
別の時計のリューズ付き巻き芯を別の時計に使った場合は不具合が生じることになります。


ハ.文字盤取り付け時の注意


文字盤の取付はプラスチック穴に文字盤の足を差し込むだけですからなんの問題もありません。

文字盤取り付け前にリューズをムーブに取り付けておきます。
どうせ、次の針の取り付け作業で「 日付変更位置 を知るために 」 リューズ取付が必要になりますのでこの時点でリューズを差し込んでおきます。

こうすればリューズのある方にカレンダー窓がくるように文字盤をセットすればよいので戸惑いません。

なお、ダイバーズのねじ込み式リューズは巻き芯が自由に動くようになっているので、リューズを押しても巻き芯がフラフラ動いて巻き芯が真っ直ぐ入っていきません。
ここで無理をすると巻き芯を曲げてしまいます。
慎重に挿入することが必要です。


d.針の取り付け


イ.0時に合わせて針を取り付ける


 リューズを回して日付が変わり始めるところを捜します。そこが0時位置です。
 まずは時針を12時に合わせて取り付けます。
 「 時針をどこか別の所に取り付けて、あとで12時位置にずらせばよい」 と考えてはいけません。
 時針をずらせることで時針と取り付け軸とのはめ合いが甘くなります。
 また、針や文字盤を傷つける危険もあります。
 12時位置にセットすれば、取り付けたあとの微調整だけですみます 
 時針の穴の部分をピンセットではさみ、取り付け軸の上に置きます。
 ピンセットの先が震えますので、ピンセットを持つ右手の手首を左手でささえましょう。
 まず、開いたピンセットの先で穴の周囲を少し押さえて、針を軸に馴染ませます。
 次に剣押さえで押さえて針を軸にしっかりとはめます。
 なお、デイジャスト ( 0時で瞬間的に日付が変わる ) でない限り、
 「 どこが0時位置か 」 を細かく悩む必要はありません。
 「 0時を越えたら日付が変わり始めればよい 」 と気楽に考えましょう。


 分針も同様に取り付けます。
 秒針は通り穴でばなく止まり穴なので、剣押さえの穴の小さい穴の方で押さえます。
 秒針と分針は0時位置で時針とピッタリと重なるように微調整します。
 針を取り付けたあと、リューズを回して針同士が干渉しないか、
 時針と文字盤のインデクスが干渉しないかをチェックします。
 さらに、針が文字盤と平行になっているかをチェックし、
 平行でなければ取り付け部をピンセットで押して平行にします。
 案外甘くなるのが秒針の取り付けです。
 また、針は押し込めばよいというものではありません。
 適切な力で適切に押し込まなければなりません。
 今回は5sprots ( 7S36-02E0 ) のオリジナル秒針の取り付け部を折ってしまいました。
 取り付けた針は 5sprots ( 7S36-00Y0 ) のものです。



ロ.どれだけ針を押し込むのか


どこのムーブ交換サイトでも上のようなことしか書いてありません。
針の押し込み量が書いてあるサイトが見つからないのです。

もちろん、針の取り付け適正位置は 「 時針が文字盤のインデクスと分針に干渉しないところ、分針が時針と秒針に干渉しないところ 」 です。
それはどこなのでしょうか?

 これは時針、分針、秒針を取り付ける軸です。
 d : 時針軸 / 1.5㎜Φ、 e : 分針軸 / 0.9㎜Φ、 f : 秒針軸
 時針、分針、秒針ともメス穴です。
 秒針は突起がでているのでオスに見えますが、突起の中に穴があります。
 時針と分針は通り穴で秒針は止まり穴です。
 秒針は止まり穴だから、針が止まるところまで押し込めばOK。問題ありません。
 適正取付位置が問題になるのは通り穴の時針と分針です。


時針と分針を押し込むのは 明工舎製作所 ( MKS ) の針押さえ №21200

白い樹脂の方にば 1.0㎜Φ の穴が、黒い方には 0.5㎜Φ の穴が開いています。→→→ こちら

 こちらが 1.0㎜Φ穴の方。
 分針軸が 0.9㎜Φ 、時針軸が 1.5㎜Φ だから、
 この針押さえは時針軸上端面まで針を押し込むことができます。
 
 こちらが 0.5㎜Φ穴の方。
 こちらは 「 穴なし 」 として秒針をはめるのに使えます。
 なおベルジョンの針押さえには、
 0.5㎜Φ / 1.0㎜Φと 0.8㎜Φ / 1.5㎜Φ と 穴なし の三種類があります。 → こちら

このような穴の寸法から、MKSの針押さえで時針を押さえた場合、時針は時針軸上端面とツライチまでしか押し込めません。

ところが、

 時針には裏側に出っ張りがあり、この部分が時針軸とはめ合います。  しかし、表側の上端面は丸くなっています。
 時針軸の上端面と時針の上端面がツライチでは、
 この丸くなった部分が軸にはまるので軸とのはめ合いが甘くならないのでしょうか?
 時針をもう少し押し込む必要はないのでしょうか?


実際の取り付けを見ると、時針は取付軸の少し下になっています。

時針を取付軸の少し下に押し込むためには 「 ベルジョンの 1.5㎜Φ 針押さえ 」 や 「1.6㎜Φの穴の開いた細いボールペンの芯 」 が必要なのでしょうか?

その必要はありません。
MKSの針押さえにはそのための工夫がしてあります。

MKS№21200 の 1.0㎜Φ穴 は、先端が食い付き部分になっていて 1.55㎜  に拡がっています。
1.55㎜Φから1.0㎜Φへの部分はテーパーになっています。

このため、時針は針押さえの先端で 「 時針軸の上端面からテーパー穴の径が1.5㎜Φ になるところまで 」 押し下げられます。
つまり、時針は取付軸上端面から少し押し下げられるのです。
理屈ではほんの少しですが、実際にやってみると時針は時針軸の上端面から相当押し下げられます。

だから、ベルジョンの 1.5㎜Φや 1.6㎜Φの穴のあいたボールペンの芯で時針を少し押し下げる必要はないのです。


次は分針です。

分針軸は 0.9㎜Φ。MKS針押さえの穴は 1.0㎜Φ。
この針押さえで分針を最後まで押したら、分針裏側の出っ張りが時針軸の上端面とくっついてしまいます。

だから今度は少し力を加減しなければなりません。

 これが今回の5sports で針を取り付けた状態です。

 時針は時針軸の上端面から 「 少し下 」、 分針は分針軸の上端面から 「 少しだけ下 」

 時針と分針の隙間の方が秒針と分針の隙間より大きくなっています。

 文字盤インデクスの出っ張りは 0.1㎜くらい。

 要は 「 時針と分針の上端面と取付軸の上端面をツライチにしない 」 こと。
 ツライチだと針の丸角の部分だけ軸とのはめ合いが甘くなります。
 だから、針の上単面を軸の上端面より少しだけ押し込む。

 しかし、MKSの針押さえで時針を押し込めば自然とそうなります。
 分針はそうなるように加減して押さえなければなりません。

 
 



e.ムーブ取り付け、裏蓋閉め


問題はありません。

ただし、オレンジモンスターの裏蓋パッキンは特別なものをしようしているとか。
純正品を使ってください。→→→ こちら



4.初めてのムーブ交換の感想


こんなに簡単にできるとは思っていませんでした。
これは病み付きになりそうです。

 ムーブを提供した 5sprots ( 7S36-00Y0 )
 ベルジョンファイナルテスト旧型 ・ 水平設置 / 30分ON+30分OFFで24時間装着で
 精度 : -18秒 / 日
 ムーブ提供を受けた 5sprots ( 7S36-02E0 )
 同じムーブメントなのに歩度グラフが同じにならないのが不思議。
 ピックアップの性能が悪いのでしょうか?
 しかし、もう一度 赤ステッチ革バンドの 5sports を着けられることに感激。



 ムーブ提供をした 7S26-0500 
 ケースが薄いのできれいな歩度グラフになっています。
 ベルジョンファイナルテスト旧型 ・ 水平設置 / 30分ON+30分OFFで24時間装着で、
 精度 : +39秒 / 日
 ムーブ提供を受けた オレンジモンスター ( SEIKO 7S26-0350 )
 歩度グラフは似たようなものになっています。
  平置き精度 :  +31秒 / 18時間 → 44秒 / 日
 精度はともかく、巻き上げ量が増えたのがうれしい。
 以前は、同じワィンディンマシーンで同じ時間だけ巻き上げた時計が、
 分針を戻しても秒針が止まらないくらい巻き上がっているのに、
 モンスターの方は分針を戻すと秒針が止まってしまうくらいしか巻けていなかった。
 ムーブ交換後はしっかりと巻き上がっています。


当初、オレンジモンスターをムーブ交換してYahooオークションに出品しようと思っていましたが止めました。

時計はムーブ交換をすれば生き返ることが分かったからです。

腕時計の価値はムーブメントにあるだけでなく、 「 ケース・文字盤・針などの外装 」 にもあることが分かったからです。



つづく



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