2023年1月にLA-GG3 ( 1500㏄・NA・4WD・MT ) から CBA-GH8 ( 2000㏄・ターボ・4WD・MT ) に乗り換えました。
GG3 に比べ GH8 のクラッチが重いので「ばくばく工房」のシリンダー内径拡大レリーズを試してみました。
取り付け・エア抜き,ミートポイントの調整,インプレッションについて書きます。
GH8 については最後に。
- レリーズ交換とエア抜き
- ミートポイントの調整
- 内径拡大レリーズと GH8 のインプレッション
1.レリーズ交換
a.ばくばく工房の内径拡大レリーズ
純正のクラッチレリーズの内径を拡大しそれに適合するピストンを入れたものです。 → こちら
リペアキット ( 交換ピストンセット ) もついでに入手しました。
純正レリーズを加工しているのでそのまま取り付けられます。
ピストン径刻印は純正ボディを使っているので「13/16(インチ)」となっていますが、
ピストン径ノギス実測で22.2㎜φありました。
純正ピストン=25.4㎜×13/16=20.6375㎜φ ( ノギス実測で20.5㎜φ )
22.2×22.2÷ ( 20.6×20.6 ) ≒1.16
ピストン面積が1.16倍になったのでレリーズピストンの作動力は1.16倍。
つまり「踏力が16%前後軽減」 ( 説明書 ) 。
ペダル側のマスターシリンダーは同じでクラッチ側シリンダーのピストン径が大きくなったので、
踏力は小さくなりますが、フルードの流量がたくさん必要となりペダルストロークが長くなります。
純正の「重いクラッチ」を4か月使ったあとの交換です。
b.インタークーラー取り外し
クラッチレリーズはインタークーラーの下にあるので、まずインタークーラーを取り外します。
・◯:M8×首下30㎜フランジ×2本
・a:取り付けボルト ( M8×首下30㎜フランジ ) ×2を外す。
・b:取り付けボルト ( M6×首下20㎜ ) ×2を外す。
・d:インタークーラー取り付け時に邪魔になるので外す。
この他にcの差し込み部のバンドを緩めます。
cを外すのはマイナスドライバーを差し込み、はめるときはシリコングリス塗布。
各ボルトの「取り付けトルク」を知ろうと「取り外しトルク」を測定しましたが、
「測定できるほどのトルク」ではありませんでした。
「取り付けトルク」を気にすることはないようです。
●注意
フィンは指で押しただけで簡単に潰れてしまいます。
できるだけフィン部に触らないようにして取り外します。
フィン部を潰した場合は細いマイナスドライバーで「起こして」修復。
c.レリーズ交換
●クラッチレリーズ
これがクラッチレリーズです。
油圧でクラッチシフターを押すようになっています。
◯はブリードスクリュー。ここからオイル ( クラッチフルード ) を排出します。
なお、オートバイのクラッチレリーズはこんな形です。 → こちら
どちらも「一室」の単純なものです。
油圧ラインです。
スタートはクラッチペダル側のマスターシリンダーです。
●レリーズ交換
古いレリーズ本体を取り外す前に、油圧パイプを外して新しいレリーズに取り付けます。
できるだけ油圧ラインからフルードを排出させないためです。
フルードが排出されればそれだけエアが入り込むからです。
バンジョー ( オイルパイプ取り付け部 ) の上下に新しいクラッシュワッシャを入れます。
※内径×外径×厚さ=10.3×16×1.1㎜
バンジョー取り外しトルク:150㎏・m程度 ( 200㎏・mもありませんでした )
この後、古いレリーズ本体を取り外します。
・取り付けボルト:M10×首下25㎜・フランジ
・取り外しトルク:「600㎏・m」程度。
d.エア抜き
●エア抜き
オイルラインに空気 ( エア ) が入ると空気が圧縮されるので油圧が減少します。
油圧を保つためには「オイルラインからエアを抜いてフルードだけにする」必要があります。
この作業を「エア抜き」と言います。
「エア抜き」は1ポットなら苦労しませんが、4ポットのブレーキキャリパーになると大変苦労します。
オートバイのサンデーメカニックは自分なりの方法を確立しています。
私の場合は「ピストン押し出し法」です。
このクラッチレリーズは1ポット ( 1シリンダー ) なので特別な方法は必要ありません。
●必要なもの
・内径4㎜φの透明ビニールチューブ ( 5㎜φではフルードスクリューを開け閉めしていると外れます。 )
・8㎜メガネ ( フルードスクリュー開け閉め用 )
・油差し ( フルード補給用 )
・広口瓶 ( 排出フルードを受ける容器・ジャム容器を使っています )
・ブレーキフルード DOT3
・浣腸器 ( シリンジ ) ※なくてもよいがあると楽。
●DOT3 と DOT4 ( JISでは BF3 と BF4 )
オートバイ整備で使うのはブレーキもクラッチも「DOT4」です。
ストックも DOT4 だけ。
しかし、GH8 ではクラッチもブレーキも「DOT3 指定」です。
DOT3 と DOT4 の違いは沸点と粘度で、DOT4 は DOT3 の上位品。
また、主成分は同じなので混ぜても問題ないとのこと。 → こちら,こちら
しかし「DOT3 ONLY」となっていれば DOT3 を使いたくなるのが人情。
早速、ホームセンターへ。
もちろん、車は使えませんのでオートバイで。
●エア抜き① レリーズ内のエアを抜く
「ペダル側マスターシリンダー ~ レリーズ」にはエアが入っていません。
エアが入っているのは「レリーズシリンダー」とバンジョー取り付け時に入った「レリーズ付近のパイプ」。
ばくばく工房の説明書では
・レリーズ本体を取り付けると、ブリードスクリューが最上部にならないのでエアが抜けにくい。
・レリーズ本体を取り付ける前に、ブリードスクリューを上にしてピストンを動かしてエアを抜く。
レリーズ内のエアを出口 ( ブリードスクリュー ) 付近に集めておいてピストンを動かして排出するためです。
ピストンを動かしてもフルードが抜けてこないので、シリンジで吸い出しました。
レリーズ本体を取り付けた後にシリンジで吸い出しても問題ないでしょう。
レリーズシリンダー内のエアが完全に抜けなくても、「エア抜き② 加圧してエア抜き」で抜けますから。
●レリーズ本体の取り付け
ちょっと迷います。
このままクラッチシフターを押すのでしょうか?
クラッチシフターなんか動くの?
心配ご無用。
クラッチシフターが動かなくてもレリーズピストンの方が動きます ( 縮まります ) 。
片方のボルトを仮止めして、
レリーズ本体を押し付けで、もう片方のボルトを差し込めばOK。
・取り付けボルト:M10×首下25㎜・フランジ
・取り外しトルク:600㎏・m程度。
●エア抜き② 加圧してエア抜き
オイルラインに圧力をかけて残ったエアーをブリードスクリューの付近に集めて排出します。
手順は
・クラッチペダルを10回くらい踏む。 ( 加圧してエアーをブリードスクリュー付近に集める )
↓
・クラッチペダルを踏んだままにする。 ( 加圧を保つ )
↓
・ブリードスクリューを開けて集まったエアーを排出。 ( フルードと一緒にエアが排出される )
↓
・ブリードスクリューを閉める。 ( エアを吸い込ませないため )
オートバイでは
・レバーを片手で10回くらい操作する。
↓
・レバーを片手で握ったまま、もう一方の手でブリードスクリューを開け閉めする。
オートバイはレバーとブリードスクリューが離れていなので、この作業が一人でできます。
しかし、車ではそうは行きません。
「クラッチペダルを踏んだままにしておく者」と「ブリードスクリューを開け閉めする者」の二人が必要です。
一人でやる場合は木片を使います。
・クラッチペダルを10回くらい踏む。
↓
・ペダルとシート位置調整レバーの間に木片を挟んで「ペダルを踏んだままの状態」にする。
( シートを前後して調整 )
↓
・ブリードスクリューを開け閉めする。
ブリードスクリューを開けるとオイルラインの圧が抜けるので、
ペダルの反力がなくなり木片がペダルから外れます。
このときペダルは奥に張り付いています。
このペダルを手で戻し、「カッタン、カッタン」と5~6回動かすと圧がかかってきます。
圧が十分にかかったら、足で10回程度踏んで木片を挟みブリードスクリューを開け閉めする。
これを繰り返します。
エア ( 気泡 ) が出なくなったら終了です。
●ポイント
・エアーが出るのは1回目と2回目くらい。
後は何回やっても同じで気泡は出ない。だいたい3回やればよいでしょう。
今回は1回目に「ブシューッ」と出て2回目は気泡なし。
・木片を挟んだまま1時間くらい放置しておくと「もう少し出る」場合があります。
オートバイではレバーを一晩縛っておきます。
・一度で「100 % のエア抜き」はできない。
オイルラインに細かい気泡が残っている場合があります。
時間が経つと、またクラッチ操作でオイルラインを加圧すると、
細かい気泡はマスタータンクの方に上がっていって自然に抜けたり、レリーズの方に集まったりします。
そのため、レリーズの方に集まったエアーを抜く必要があります。
今回は最初のエア抜きのあと200㎞走行し再度エア抜きをしました。
1回目 → 「シュッ」とほとんど気泡
2回目 → 気泡なし
30分くらい木片を挟んだままで3回目 → 少し気泡
4回目,5回目 → 気泡なし
・「100%のエア抜き」をしてもエアは入ってくる
レリーズシリンダーはフルードが漏れないようにオイルシールで気密性が保たれています。
しかし、ピストンが動くとシールの間からほんの少しずつエアーが吸い込まれます。
時間が経てばどうしてもレリーズシリンダーにエアーが入ってくるのです。
そのため、定期的にエア抜きが必要になります。
エアーはクラッチを操作するたびに押されてブリードスクリュー付近に集められています。
だから、簡単に抜けます。
作業はインタークーラーを外すだけ。1時間あれば十分です。
もっとも、クラッチなので、ラインに少しエアーが入っていてもペダル操作に違和感はないでしょう。
この点はブレーキと異なります。
●マスタータンクのオイルをUPPERまで入れて終了
もちろん、エア抜き作業中に補給しなければなりません。
LOWレベルより下がるとこちらからエアーが入ってしまいます。
タンクのフルードが減るのは「ブリードスクリューを開けたとき」よりペダルを「カッタン、カッタン」戻しているときです。
エア抜き作業中はUPPER以上に入れておきましょう。
作業が終了したらUPPERまで吸い出せばOK。
次は「ミートポイントの調整」です。
- レリーズ交換とエア抜き
- ミートポイントの調整
- 内径拡大レリーズと GH8 のインプレッション
2.ミートポイントの調整
a.何を調整するのか、何が調整できるのか
★以下は私の現在の理解です。「正しい理解」という保証はありません。
●調整できるものと調整できないもの
クラッチペダルの空間位置を図にしました。
・a:ペダル静止状態
・b:油圧開始 位置( ペダルを戻すとき → 油圧が完全に抜ける位置 )
・C:クラッチが切れ始める 位置( ペダルを戻すとき → クラッチが完全につながる位置 )
・d:クラッチが完全に切れる 位置( ペダルを戻すとき → クラッチがつながり始める位置 ) → ミートポイント
・e:ペダルを一杯に踏み込んだ位置
・f:ペダルの奥の床の位置
・a~b:遊び → 調整可
・cとd の位置 → 調整不可 ( マスターとレリーズのシリンダー径で決まる )
・c~d:半クラッチ状態 → 調整不可 ( マスターとレリーズのシリンダー径で決まる )
・b~e:ペダルストローク → 調整不可 ( ペダル側マスタシリンダーのストロークで決まる )
調整できるのは「ピンク部分をそのまま移動させる」ことと「a~bの巾を変える」ことだけ。
「ピンク部分の各要素の位置関係」は変更できません。
◯スバル基準値 ( 取り扱い説明書 )
・d~f: クラッチがつながり始めるときのペダルが床から離れている距離 =80㎜以上
・a~b:遊び=5㎜~15㎜
●内径拡大レリーズでミートポイントが奥にずれる
ペダル側のマスターシリンダーは同じです。
クラッチ側のレリーズのシリンダー径が大きくなっています。
純正レリーズと同じ動きをさせるためにはより多くのフルードを送り込まなければなりません。
そのために、ペダル移動量が増えます。
図では「c → c’」、「d → d’」と奥にずれます。
「c~d」も長くなり「c’~d’」となります。
つまり、ミートポイントが奥にずれ、半クラッチ状態が長くなります。
「c’~d’」は調整できませんので「半クラッチ状態の長さ」はこのままです。
ピンク部分をそのまま手前 ( 左 ) にずらせ、
「d’ の空間位置」を以前の「d の空間位置」にすることができます。
このようにすれば「クラッチがつながりはじめるペダル位置」が以前と同じになります。
これがミートポイントの調整です。
但し、「c’~d’」が長くなっているので、d’ をd に重ねても c’ は c に重なりません。
c’ は c より手前になります。
つまり、ミートポイントを以前と同じにしても「クラッチが切れ始める位置」は以前より手前になります。
●基準値「80㎜以上」の意味
「d~f: クラッチがつながり始めるときのペダルが床から離れている距離 =80㎜以上」の理由は
・ペダルの後ろにアームがあるのでクラッチを完全に切るために空間が必要 → 「e~f」の確保
・クラッチがつながるまでの余裕 ( クラッチが完全に切れてから余裕 ) が必要 → 「d~e」の確保
・「e~f 必要量」+「d~e 必要量」=80㎜ なのです。
内径拡大レリーズに変えた場合、
・「e~f」は以前のまま → OK
・「d’~e」は変更できない → OKとするしかない ( ばくばく工房が考慮しているはず )
だから、このままでもクラッチの作動に何の問題も生じません。
「クラッチのつながり始めが以前より早くなった」,
「クラッチが完全に切れるのが以前より遅くなった」を気にしなければ
ミートポイントの調整をする必要はありません。
その分だけシートを前(奥)にずらせば以前と同じになります。
但し、シートを前(奥)にずらせると、ハンドル位置が変わったり膝がダッシュボードに当たったりします。
それが嫌ならミートポイントを手前にずらせる必要があります。
●ばくばく工房の説明は誤解を与える
ばくばく工房のHPでは次のように説明しています。 → こちら
※現在のクラッチの切れる位置が、調整後も奥の場合、
当製品を使用することにより、更に奥へ移動しますので、
クラッチが切れにくくなる恐れがあります。
現在の「クラッチのつながり始める位置 ( ミートポイント ) 」がどこにあっても、「d~e の長さ」は変わりません。
当然、「d’~e の長さ」も変わりません。
だから、「現在のミートポイント ( d位置 ) が奥の場合、内径拡大レリーズに交換するとミートポイントがさらに奥にずれるので ( d → d’ になるので ) クラッチが切れなくなる」ことはありません。
しかし、これは「e~f がプラスの場合」、
「ペダルを一杯に踏み込んでも床との間に隙間がある場合」のことです。
「e~f がマイナスの場合」
つまり「ペダルが床に当たって最後まで踏み切れない場合」はそうではありません。
上記説明が言おうとしているのはこのような場合です。
図示すると次のようになります。
ペダルが床 ( f ) に当たって e まで踏み込めない。
この場合、「d~f」の余裕が十分なためクラッチが切れても、
「d’~f」の余裕が不足してクラッチがうまく切れないことが起こります。
しかし、「ペダルが床に当たって最後まで踏み切れないような調整」をすることはないでしょう。
ペダルを一杯に踏んでも床との隙間がある以上 ( 「e~f」がプラスである以上 )
上記説明のようなことは起きません。
「ミートポイントが奥にずれる → クラッチが切れなくなる → ミートポイントの調整を必ずしなければならない」
そう思い込む必要はありません。
シート位置調整で解決できればそれで済みます。
もちろん、「ペダルを一杯に踏んでも床との隙間があるかどうかの確認」は必要です。
b.ミートポイント調整方法
●構造
クラッチペダルの写真が撮れないのでオートバイのペダルで代用します。
画像は RMX-SJ13 のリヤブレーキです。画像を時計回りに90度回転させると「車のペダル」になります。
・b:ペダル
・c:ブレーキマスターシリンダー
・a:ロッド
a ( ロッド ) を長くすれば、b ( ペダル ) が上がります。
車ならb ( ペダル ) が手前に動きます。
これがインプレッサのマスターシリンダーです。
※出典 → こちら
シャフトはアジャスターにねじ込み。
二面巾12㎜ナットでロックされています。
ロックナットを緩め、シャフトを半時計方向に回して長くすればクラッチペダルが手前に移動します
●調整の実際
◯調整方法
こちらが実際に調整するマスターシリンダーのシャフトです。
調整するには仰向けになってダッシュボードの下に潜り込まなければなりません。
走高跳のロールオーバーのような姿勢になります。
・ロックナットは二面巾12㎜
・シャフトは丸棒
シャフトを伸ばす場合は
・ロックナットを緩める ( こちらから見て時計回りに回す )
・シャフトを伸ばす/抜く ( こちらから見て時計回りに回す )
・ロックナットを締める ( こちらから見て反時計回りに回す )
◯必要な工具
暗い,手が入らない,振り角が小さい,柄の長い工具が使えないので力が入らない。
非常にイライラする作業になります。
工具を選ばないと時間がかかります。
・a:長さ155㎜のプライヤー ( 普通の長いものは不可 ) → シャフトを回す
※135サイズの短いプライヤーもあります。ミートポイント調整専用に。 → こちら,こちら
・b:長さ185㎜の14Mコンビ → 遊び調整上ナット,クラッチスイッチ後ナット
・c:普通の長さの両口12-14両口スパナ → 12Mでマスターシリンダーシャフトロックナット
・f :普通の12-14Mメガネ → 14Mで遊び調整下ナット
×d:14M60度-15度両口スパナ → 振り角を稼ぐため → 振り角稼げず
×e:短くて薄い12-14Mストレートメガネ → 遊び調整下ナットのために → がたがたして不安定
◯作業スペースの確保
作業に馴れないうちはこのステーを取り外します。
クラッチペダルのガードです。
クラッチペダルが動くときのアームの動きをガードするものです。
チェーンケース ( チェーンガード ) と同じような働きをするものです。
これを取り外さなくてもミートポイント,遊び,クラッチスイッチの調整はできます。
調整に馴れたら付けたままで作業できます。
このステーを取り外すためにはステアリング下のパネルを外さなければなりません。
右端の「爪留め」パネルをコジって外し、二個のビスネジを外せばOK。
あとは「爪留め」ですから引っ張れば外れます。
ステーの取り外しと取り付けはナット一個の取り外しと取り付けでできるので、
このパネルを完全に取り外す必要はありません。
パネルに付いているカプラーは外さずに、ステーを外したら元通りにしておきます。
◯調整
もう少し違づいてみましょう。
ロックナットはアジャスターの向こう側 ( 奥 ) にあります。
手前 ( アジャスターの内側 ) にはロックナットがありません。 ( 写真に写っているのはナットではありません。 )
「アジャスターに雌ネジ,シャフトに雄ネジ」でシャフトがアジャスターにねじ込まれているだけです。
・12M両口スパナをロックナットに差し込んで、「こちら側から見て」時計回りに回して緩める。
↓
・シャフトを長くする ( 抜く ) 場合 → ロックナットを指でつまんで少し緩め、指で軽く締める。
・シャフトを短くする ( 入れる ) 場合 → ロックナットを指でつまんでシャフトを入れる分だけ緩める。
↓
・クラッチペダルを少し押して「アジャスターが引っ張られている状態」をなくする。
↓
・シャフトを指でつまんで回す。回らなければプライヤーで挟んで回す。
↓
・シャフトを長くする ( 抜く ) 場合 → ロックナットが締めこめる分だけシャフトが長くなった。
・シャフトを短くする ( 入れる ) 場合 → ロックナットの残り余裕でシャフトが短くなった分を推測。
↓
・ロックナットを締める。
シャフトを長くする ( こちらから見て時計回りに回す ) 場合は親指と人差し指でシャフトをつまんで回すことができません。
しかし、プライヤーではさんで少し回せば、人差し指一本で回せます。
どこかのサイトに「シャフトを半回転もすれば違いが判ります」。
その程度では全然判りません。
安心してどんどんシャフトを回しましょう。
◯調整順番
クラッチペダルには3個のアジャスターが付いています。
・①:ミートポイントの調整 ( クラッチペダル稼働域の移動 )
・②:遊び調整
・③:クラッチスイッチ調整
ミートポイントを手前にずらすと、遊びが少なくなり、②のアジャスターの下側にメガネが入らなくなります。
また、ミートポイントを奥にずらすと、ペダルを踏み切るより先に③が当たりペダルを最後まで踏み切れなくなります。
そのため、②と③の調整は①の調整が済んだ後に行います。
①の調整の前に②と③のロックナットを緩めてアジャスターが自由に動くようにしておきます。
●ミートポイントの測定
クラッチの空間位置の図をもう一度。
スバルの基準値:クラッチがつながり始めるときの床との隙間=d’~f=80㎜ 以上
調整後、どうなったのか気になるので助っ人を呼んで測定しました。
◯測定方法①
・エンジンをかけ、クラッチを踏み、1stでクラッチを離していく。
↓
・車が動き始めるところでエンジンを切る。クラッチはそのままの状態を保つ。
↓
・もう一人がクラッチペダルと床との隙間を定規で測る。
◯測定値は正確でない
・車が動き始めることの判断があいまい。
・そもそも「クラッチがつながり始める」=「車が動き出す」ではない。
・クラッチを踏んだままにしている足が邪魔で定規がうまく当てられない。
・足元が暗いので定規の目盛りがよく見えない。
・定規の当て方,目盛りを読み取る角度により値が異なる。
◯普通体形の人は「80㎜」を気にする必要はない
・規定値は「80㎜以上」なので「90㎜でも100㎜でも構わない」。
ミートポイントの調整でペダル位置が少しくらい手前になってもシートを後ろにずらせば問題ない。
脚 ( 膝下 ) の短い日本人はペダル位置が手前の方がよい。
・「80㎜」を気にしなければならないのは、脚 ( 膝下 ) が長くシートを後ろに下げてもペダル操作が窮屈な人。
できるだけペダルを奥にずらせたい人。ペダル位置を奥にしようとして「80㎜の境界」を越えてしまう人。
なお、「80㎜」は標準レリーズの場合の「d~f」で内径拡大レリーズの場合の「d’~f」ではないので、
「d’~f」が80㎜より小さくても構わない。
◯測定方法②「一人でできる簡易測定」
そうは言うものの「ミートポイントが80㎜以上になっているのか」を知りたいのが人情。
「一人で,ゆっくりと,気のすむまで測定したい」のなら次の方法でやりましょう。
・クラッチを一杯に踏み込んでペダルとシート調整バーの間に木片を挟んで固定。
↓
・ペダルと床の隙間を気のすむまで測定。 ( 「e~f」を測定 )
↓
・「e~f」=70㎜~80㎜ なら「d’~f =80㎜以上」のになっているはず。
↑
・足裏の感覚ではクラッチを一杯に踏み込んでからつながり始めるまでは10㎜~15㎜。
・ミートポイント=「e~f」+「10㎜~15㎜」 → d’~f =90㎜~95㎜ → 80㎜以上
◯「ペダルを手前にずらせること」には限度がある
「農耕民族体形だからペダルはできるだけ手前がよい!」
こう考えてマスターシリンダーのシャフトをドンドン伸ばすと、
ペダル静止位置で「マスターシリンダーを押す状態」になり、ペダルが動かなくなります。
手前にずらせる限界は「e~f ( ペダルを一杯に踏み込んだときの床との隙間 ) 」=90㎜ +α。
ミートポイントの限界は「100㎜~105㎜」になります。
今回の調整では次のようになりました。
・e~f=90㎜ ( ミートポイント100㎜~105㎜ )
・a~b ( 遊び ) =15㎜+α
この辺りが「手前にずらせる適正値」でしょう。
遊びはもう少し小さくしてもOK。
なお、測定方法①で「d’~f=80㎜+α」に調整したものを測定方法②で再測定すると「e~f=90㎜+α」。
つまり「d’~f=100㎜~105㎜」。
測定方法①と測定方法②の誤差は20㎜~25㎜。
やはり、測定方法①は正確でないと思われます。
2023.06.01.追記
シート調整をしても「左膝とダッシュボードの隙間が紙一枚ほど」なので、
ミートポイントを「シャフト1山+α」分だけ手前にずらしました。
「e~f」の値は測定していません。
遊びが5㎜くらい減ったので、ミートポイントは5㎜程度手前にずれたのでしょう。
3.遊びとクラッチスイッチの調整
a.遊びの調整
◯構造
・上下に対辺巾14㎜のロックナット
・ペダルを踏むと樹脂ストッパー ( 白色 ) が下に下がる。
・ペダルを離すと下から樹脂ストッパーが上がり、アジャストボルトに当たって止まる。
・アジャストボルトを下げれば ( ねじ込めば) 、樹脂ストッパーが早く当たるので遊びが少なくなる。
・アジャストボルトを上げれば ( 抜けば ) 、樹脂ストッパーが当たるのが遅くなるので遊びが大きくなる。
◯ロックナット下を緩める工具
・アジャスターの幅が狭い ( 22㎜程度 ) ので14Mの両口スパナは入りません。
・クラッチペダルを押し込んで樹脂ストッパーを下げて14Mメガネレンチを差し入れてロックナットに当てる。
・厚さの薄いレンチは樹脂ストッパーが上がってもロックナットから外れるので手で固定しなければならない。
・通常の「曲がりメガネレンチ」では樹脂ストッパーが上がるとレンチも固定される。
◯ロックナット上を緩める工具
・普通の14-12両口スパナでは短くてナットに当てて固定することが難しい。
・柄の長い14スパナを使う。今回使ったのは185㎜
◯調整方法
・遊びを大きくする → アジャストボルトを抜く ( 上げる )
↓
・上ナットを緩める → アジャストボルトを指でつまんで上げる → 下ナットを締める → 上ナットを締める。
・遊びを小さくする → アジャストボルトをねじ込む ( 下げる )
↓
・上ナットを緩める → アジャストボルトを指でつまんで下げる → 下ナットを締める → 上ナットを締める。
最初に緩めるとき、最後に締めるときだけ工具を使用。あとは指で調整できます。
◯遊びが小さいとどうなるか
・足をペダルに乗せただけで油圧開始になり、マスターシリンダーに負担がかかります。
・マスターシリンダーに負担がかかるとマスターシリンダーのオイルシールの劣化が早まります。
・遊び「a~b」はクラッチが完全につながってからの余裕になっています。
これが十分でないとクラッチが完全につながらない ( クラッチが滑る ) 可能性があります。
・スバル基準値=5㎜~15㎜
・まずは15㎜にして運転。好みで小さくしていけばよいでしょう。
◯遊びが大きいとどうなるか
・左足をフットレストからクラッチペダルに乗せるときに足をたくさん持ちあげなければなりません。
それだけクラッチ操作が遅れるだけでなく疲れます。
・ペダルの静止位置から油圧開始までの距離が長くなり、クラッチが切れるまでの時間が長くなります。
当然、クラッチ操作が遅れます。
b.クラッチスイッチの調整
◯構造
・ペダルを踏むと手前のアームが白棒スイッチを押し、スイッチがONになります。
・ペダル位置を手前にずらすと押しが甘くなり、スイッチONにならなくなります。
・ペダル位置を奥にずらすと押しが強くなり、スイッチに負担をかけ故障の原因となります。
また、ペダルを踏み切るより前にここでペダルを止めることになります。
・前後に対辺巾14㎜のロックナット
◯工具
・前ナットは短いレンチしか入りません。しかし、片手しか使えないので短いレンチでは緩みません。
・ソケットは入りません。
・後ナットには柄の長いスパナが使えます。
・後ナットを柄の長いスパナで緩めてから前ナットを緩めるのをお勧め。
◯調整
・後ナットを緩める → 前ナットを緩める → アジャストボルトを前後させる → 前後ナットを締める。
・ペダルを奥にずらせた場合は「以前よりスイッチに負担がかかっている」ので必ず調整。
・ペダルを前にずらせた場合は「ペダルを一杯に踏んでもスイッチONにならない場合がある」ので注意。
・調整基準は「エンジンが今まで通り簡単に始動するかどうか」。
・クラッチを踏んで「緑色のスタンバイランプ」が点灯しても始動に失敗するときは調整必要。
・始動に失敗するときは「手でクラッチスイッチの白棒を一杯に押して」エンジンを始動してみる。
それで「今まで通りすんなり始動するとき」は調整必要。
それでも「始動に何度も失敗するとき」はクラッチスイッチの調整とは別の問題。
・今回はミートポイントを手前にずらせた、
・クラッチを踏むと緑色ランプ点灯。
・しかし、始動に何度も失敗する。
・念のために ECU リセット。
・始動は少し良くなったが「1度目では始動せず2度目で始動」。
・ミートポイントをさらに5㎜程度手前にずらせたのでクラッチスイッチを「1山+α」前に出す。
・以前と同じように「1度目で始動」するようになった。
「緑色のスタンバイランプが点灯=始動できる」ではありません。
試しにクラッチペダルを一杯に踏み込まず、「緑色ランプが点灯したところ」でスイッチを押してみてください。
始動に失敗するはずです。
クラッチスイッチの調整基準は「緑色ランプが点灯するかどうか」ではなく「失敗せずに始動するかどうか」です。
これで調整は終わりです。
このように調整は面倒なので、「まずは調整しないでそのままで乗ってみる」ことです。
「少しだけミートポイントが奥にずれる」だけです。
「少しだけクラッチのつながり始めが早くなる」だけです。
それによってクラッチの機能が損なわれることはありません。
違和感があればシートを少し前(奥)にずらせてみましょう。
それでもダメな場合にだけミートポイントの調整をしましょう。
また、一度の調整でベストポジションを出すのは無理です。
乗っているうちに「もう少しこうした方がよい」と気づきます。
その都度、少しずつ調整をしていきましょう。
必要な工具を車に積んでおけば10分程度で調整できます。
但し、ミートポイントをどれだけ調整しても
「クラッチペダルを一杯に踏んでからクラッチがつながり始めるまで」は以前より早くなります。
これは内径拡大レリーズに交換したためのもので仕方がありません。
次は、内径拡大レリーズのインプレッションです。
結果を先に言っておきます。
「純正クラッチで膝が痛くならなければ純正の方がよい」
詳しくは次頁で。
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まずは、プレスとスクワット。
ホームジムならこれで孫の代まで。
- レリーズ交換とエア抜き
- ミートポイントの調整
- 内径拡大レリーズと GH8 のインプレッション
4.内径拡大レリーズのインプレッション
●体感踏力
あちらこちらのサイトで紹介されているような「驚きの軽さ」にはなりません。
『えっ?軽くなったじゃない!』ではなくて『そういえば軽くなったな…。』程度。
体感は「2割軽くなった」。
今までの「グッ」が「ズッ」になります。
「内径拡大の計算値+α」程度です。
●半クラッチの長さ
体感では2倍くらいになります。
半クラッチのいろいろな段階・程度を感じられるくらい長くなります。
標準レリーズがスコッチやバーボンなら、内径拡大レリーズはワインや日本酒。
「スパッと切って、スパッとつなげる」のなら標準レリーズ。
内径拡大レリーズの場合は「クラッチを素早くつなげる練習」が必要。
そうしないと「鈍い車」になってしまいます。
●超低速走行では「助かる」
ミラーを擦りそうな狭い道、右バンパーが当たりそうな狭い曲がり角、ソロソロとバックで車庫入れ。
どれも「クラッチを踏んでいる状態」が続きます。
踏力が小さいのでこれが楽。
膝に故障を持つ者としては「これは助かる!」
●膝に故障がなければ標準レリーズ
当方の左足は変形性膝関節症のステージ4。
『いつでも人工関節にしてあげますよ。』と言われています。
前十字靭帯も切れています。
小走りはできません。
左ひざに体重がかかると激痛。
それでもインプレッサ2000ターボのマニュアルに乗りたい。
それを叶えてくれるのが内径拡大レリーズです。
膝に故障がなければ「スパッと切れて、スパッとつながる」純正レリーズがお勧め。
踏むのが重くても、超低速運転が苦痛でも「切れの良さ」が味わえます。
私も「もう一度、純正レリーズを」と思っています。
5. ecu のリセット
ミートポイントの調整を終わって「今までと違う点」が一つ二つ。
・エンジン始動に失敗すること。
・アイドリングが低く弱弱しいこと。
●エンジン始動に失敗する
・クラッチを踏んで緑ランプ点灯 → スタートボタンを押す。
↓
・セルモーター始動、クランキング。
↓
・エンジン始動
↓
・しばらくしてエンジン停止。
やり直しても同じ。
ときどき、エンジン停止後に自動で再始動してエンジンがかかる。
「エンジンが始動したらアクセルを踏んで煽り、エンジンが止まらないようにする」で対処。
しかし、アイドリングの回転数が低く弱弱しい。
※「750rpm-α」で「元気出せ!」と言いたい雰囲気。
クラッチスイッチを前に出してみても同じ。
●ecu のリセット
「インプレッサ,始動不調」で検索。
「ecu のリセット」に到達。 → こちら
問題はバッテリー充電でマイナス端子を外していること。
ミートポイント調整でダッシュボードのカプラーを長時間外していること。
それらによって ecu がリセットした場合、正しい手順を踏んでいないこと。
前所有者での「ecu学習」を白紙にすることもやっていないので、正しい手順を踏んで「ecu のリセット」を。
・バッテリーマイナス端子を外して30分以上放置
↓
・スイッチONで60秒程度放置 ( ecu の自動初期設定/10秒 )
↓
・スイッチONのままアクセルペダル「全開 → 全閉」を繰り返し。 ( アクセル開閉学習 )
↓
・エンジンスタートアイドリングをファンが回るまで。 ( アドリング学習 )
↓
・エンジンを切って、もう一度スタート
↓
・同じくアイドリング学習
↓
・一時間程度ゆっくり走る ( 走行学習 )
↓
・高速道でメリハリのある走行 ( 走行学習 )
↓
◯結果
・アイドリングは750rpmピッタリで安定ししっかりとしたものになる。
・エンジン始動の失敗は少なくなるが、以前のように「いつでも簡単に始動する」までにはならず。
これから「エンジン始動」の学習をしていくのでしょうか?
しばらく様子見。
・2023.06.01 追記
ミートポイントをさらに5㎜程度手前にずらせたので、
クラッチスイッチを「1山程度」前に出しました。
今まで「2~3度トライしないと始動しなかった」のが「1度で始動するように」なりました。
「クラッチスイッチの出し量」が不足していたようです。
6.CBA-GH8 のインプレッション
a.「2000ターボ・MT」の中古車価格高騰
スバルがターボのマニュアル車を造らなくなりました。
・インプレッサ/2.0ターボ→ 2014年 ( こちら )
・WRX STI/2.0ターボ → 2019年 ( こちら )
・レガシーツーリングワゴン・B4/2.0ターボ→ 2011年 ( こちら ,こちら)
・フォレスター/2.0ターボ→ 2011年 ( こちら )
※最終製造年度
そのため、中古車価格が年々上がっています。
「修復歴なし」なら10万㎞走行でも250馬力が100万円,280馬力が200万円,308馬力は300万円です。
グーネットで偶然 ( ? ) 見つけたのが
2007年のCBA-GH8・250馬力。
いわゆる「三代目インプレッサの発売開始モデル」です。
「1オーナー・禁煙車・ノーマル・修復歴なし・実走56000㎞・グー鑑定付き・販売店補償3か月/走行無制限」 。
すぐに小牧へ出向いて入手。
「2000・ターボはどんなだろう」の興味を満たしつつ、値上がりを待っています。
やはりインプレッサはマニュアルでなければ…。
古いカーナビはケイタイ・Googleで、音楽はMP3をRCAケーブルで。
b.おとなしい 250馬力
●ギヤ比が高いのでターボ効果が使えない
それまでは、「1500NA・100馬力・4WD/MT」のLA-GG3/2006年を9年近く。
この走行感がよかったので「出力2.5倍の250馬力」に大いに期待。
しかし、当て外れ。
ギヤ比が高いので「路面をかきむしって」走ることができません。
250馬力は6000rpm。
ターボが効くのは3000rpmから。
3000rpmを超えると「グゥゥゥ~~~」と加速し続けます。
しかし、一般道での80km/hは4速で2000rpm以下。
ふと気が付くと2速で走っています。
一般道でのターボ加速は1速・2速での信号クランプリ。
6000rpm超えでぶっちぎりですが、誰も相手にしてくれません。
高速では120km/h・5速で3000rpm以下。
ターボ効果を発揮するのは「高速の常用速度」ではありません。
「いつも250馬力の内の何馬力を使っているのだろう」と疑問に思っています。
先日、オートバイツーリングコースの尾鷲・熊野峠に持ち込んで350㎞走りましたが、
ほとんど3速で4速には入れられませんでした。
コーナー下りでは2速でないとエンジンブレーキが効かない、もちろん立ち上がりも2速。
この程度の走りなら「1.5NA・100馬力」の「2速~4速」で可能です。
もっとも、100馬力では「譲られ車線を140km/hで走るレンジローバー」を追いかけることはできません。
また、エンジンを目一杯回さなければなりません。
しかし、この「目一杯」が楽しいのです。
ギヤ比は次の通り
| ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | 後退 | |
| LA-GG3/5速 | 3.454 | 2.062 | 1.448 | 1.088 | 0.825 | ー | 3.333 |
| CBA-GH8/5速 | 3.166 | 1.882 | 1.296 | 0.972 | 0.738 | ー | 3.333 |
| CBA-VAB/6速 WRX_STI | 3.636 | 2.375 | 1.761 | 1.346 | 1.062 | 0.842 | 3.545 |
| DBA-SJ5/6速 フォレスター2.0NA | 3.818 | 1.947 | 1.296 | 1.029 | 0.825 | 0.778 | 4.072 |
GH8は「おとなしい市街地」で常用する4速がオーバードライブになっています。
2代目・TA-GGA/2.0ターボ・250馬力・5速も GH8 と同じ。
「ハイギヤードはGH8から」ではないようです。
ギヤ比から見ると6速が使いやすそうです。
やはり、「インプレッサは6速」ですか…。
しかし、減速比から考えると、2速は「6速の3速」より6.8 % 重く、3速は「6速の4速」より3.7 % 軽い。
「6速の3速,4速」を使うつもりで「2速,3速をうまく使えば」走るはず。
「速く走らせる」のは「車の性能」ではなく「その性能を必要な分だけ引き出すドライバー」なのですから。
●直進安定性はこんなもの?
1.5NA・100馬力のLA-GG3の直進安定性はまさに「岩にしがみついたよう」。
一般道での100km/hでビクともしない。
GG3は速度を上げれば上げるほどガッチリと路面をつかむ。
うっかりしていると120km/hを超えている。
しかし、GH8 はどこかフラフラ。
「岩にしがみついたような安定性」が感じられない。
高速道の120~140km/hでは直進性を保つために緊張していなければならない。
「1.5NAのGG3は2.0ターボ譲りの足回りがパワーをはるかに超えていたから」か?。
「ハンドリングの味付けがクイックに変わった」のか?
これが「ラリーに育てられたインプレンサの本来のハンドリング」なのか?
しかし、この程度の直進安定性なら「スバルのフルタイム4WD」にこだわる必要はありません。
ホイルペースとトレッドは次の通り
・LA-GG3 → 2.53m,1.46m/1.45m
・CBA-GH8 → 2.62m,1.5m/1.5m
・レガシーツーリングワゴンDBA-BR9 → 2.75m,1.55m/1.55m
GG3 よりホイルペースは長くなっています。トレッドも拡がっています。
ホイルベースが13㎝長いレガシーなら違うのでしょうが「レガシーでは…」。
※アライメント調整専門店で調整後「安定走行」するようになりました。 → こちら
●風切り音がうるさい
馴染みの修理屋さんが試乗して『この音は何なの?』
納車のときから気になっています。
オーディオ雑音のような「ザー」という音。
窓を開ければこの雑音は大きくなります。
クラッチリリースペアリングやホイールペアリングからの音ではありません。
ターボ吸気音や回転音ではありません。
もちろんオーディオの雑音ではありません。
「風切り音」としか考えられません。
2代目ボディの LA-GG3 では聞いたことのない雑音です。
静音化対策テープを貼りましたが効果はありません。
「こんなものだ」と気にしないようにしていますが、これは明らかに「マイナス」。
c.案外お勧め LA-GG3
車両重量1260㎏で100ps/5200rpm
ホイールは15インチへアップ。
「女性1オーナー・10万㎞」を15万円でヤフーオークション。
同年代の1.5FFより 200㎏も重い。
非力な100馬力にフルタイム4WD。
1.5FF がスニーカーならまさに登山靴。
ハンドルを切ってもローリングなしの水平移動。
速度を上げれば上げるほど路面をしっかりと掴む。
特筆すべきはクラッチの軽さと切れ味。
クラッチを踏むのに「覚悟」は要りません。スパッと切れてスパッとつながる。
オートバイのように頻繁なシフトアップ・シフトダウンが楽しめます。
2速,3速で 2500rpm~3500rpm を使えばキビキビと走ります。
市街地の 80km/h~120km/h なら面白いほど走ります。
車の性能は最高出力ではありません。
使う場所,使う場面に必要な走行力。
出力とギヤ比とハンドリングの総合力。
LA-GG3・MTは市街地で目一杯楽しめます。
結構安いのでお勧めです。
年配や女性オーナーが多いので車が痛んでいません。
改造もされていません。
このブルーマイカの GG3/17万㎞ はヤフーオークションで鳥取に再々就職しました。
d.「最後のスバル」が「スバルの最期」?
確かに少々期待外れ。
「私にとって120万円の価値があったのだろうか」と疑問を感じています。
しかしこの車は「2000ターボ・MTのインプレッサ」です。
「スーパーカブのようなべルト伝達のCVT」を造り続けるスバルの「最後のインプレッサ」です。
もう、入手できない車なので「一般的価値」は高いはずです。
「もう少しこのCBA-GH8と付き合ってみようか」と思っています。
スバルの方向は間違っていないのでしょうか?
今のスバルはインプレッサという名前だけに頼っているのではないでしょうか?
「走りに対するこだわり」を忘れたのではないでしょうか?
大企業トヨタのようにWRCに復帰するのは無理でしょうが、「あの頃の気概」をなくさないで欲しいものです。
このインプレッサが「スバルの最期」にならないことを期待しています。
「スバリスト」が「マツダリスト」にならないように。
7.2023.11.18.追記 港北自動車でアライメント調整
a.アライメント調整が必要な理由
この車は納車の翌日、積雪の朝に左前輪を縁石にぶつけて縁石に乗り上げています。
左側乗り上げで「亀状態」でストップ。
2023年2月13日馴染みの修理屋さんで修理上がり。
( 修理内容 )
・左フロント・サスペンション・ロアーーム取り換え
・左リヤ・サスペンションロアアーム取り換え
( 交換部品 )
・左フロント・ロアアーム
・左フロント・スタビライザーバー
・左フロント・サポートアーム
・左フロント・ホイールベアリング ( 念のため )
・左リヤアーム
・左フロントホイール,タイヤ
つまり、左前輪と左後輪に衝撃が加わっているのです。
上で「直進安定性がない」と書きましたが、この「縁石乗り上げ」が影響していることは十分に考えられます。
しかし、「ハンドルから手を離してもどちらかに曲がることなくまっすぐ進む」のでそのままにしていました。
もちろん「スバルのフルタイム四駆がこんなはずはない…。」との疑問を残したまま。
少し時間ができたので「やはり、アライメント調整が必要」と。
「スバル車のことは技術のスバルディーラーで」
三重スバルに問い合わせたところ「外注に出す」とか。
「なあ~んだ。自分のところでやるのじゃないのか!」
「スバル車専用の測定・調整ラインがあるのじゃないのか!」
それなら、アライメント調整屋さんに持って行った方が安上がりで安心。
ネットで調べたらすぐに出てきたのが「中部アライメントセンター・港北自動車」
電話で予約して名古屋へ向かいました。
b.調整内容
( 内容 )
・13時開始
・状況の聴き取り
・テスト走行
・アライメント測定
・測定結果と現状の説明、調整作業と費用の説明、調整内容の決定 ( もちろん全て調整 )
・調整作業
・テスト走行
・調整後の説明
・終了15時30分
所要時間2時間30分。
費用は30800円。
まさしく「徹底的に調整」です。
( 調整前と調整後の測定値 )
説明されたのですが「理解できなかった」ので今後のために数値を。
詳しい方は参考にしてください。
赤字は「異常値」
やはり、「縁石乗り上げ」で左前輪と左後輪のアライメントが狂っていたようです。
| 前輪 | 調整前 | 調整後 | |||
| 項目 | 基準値 | 左前輪 | 右前輪 | 左前輪 | 右前輪 |
| キャンバー | -0°55~0°35 | -0°19 | -0°36 | -0°13 | -0°04 |
| キャスター | 5°45~7°15 | 5°45 | 6°15 | 6°20 | 6°10 |
| トゥ | -1.5~1.5㎜ | 0.7㎜ | 0.6㎜ | 0.2㎜ | 0.2㎜ |
| SAI | 12°50~14°20 | 14°16 | 13°58 | 14°11 | 14°05 |
| 包括角度 | 11°55~14°55 | 13°57 | 13°22 | 13°59⑥ | 14°02⑥ |
| 舵角差 | |||||
| 側面オフセット | -3㎜ | -4㎜ | -4㎜ | -4㎜ | |
| 前輪 | |||
| 項目 | 基準値 | 調整前 | 調整後 |
| キャンバー左右差 | -0°45~0°45 | 0°17① | -0°09⑤ |
| キャスター左右差 | -0°30① | 0°09⑤ | |
| SAI左右差 | 0°18② | 0°06⑤ | |
| トータルトゥ | -3.0~3.0㎜ | 1.3㎜ | 0.4㎜ |
| 舵角差左右差 | |||
| セットバック | -6㎜ | -1㎜ | |
| ホイルベース左右差 | 8㎜ | 4㎜ | |
| トレッド前後差 | -7㎜ | -9㎜ | |
| 後輪 | 調整前 | 調整後 | |||
| 項目 | 基準値 | 左後輪 | 右後輪 | 左後輪 | 右後輪 |
| キャンバー | -2°20~0°50 | -1°56 | -1°38 | -1°41 | -1°38 |
| トゥ | -1.5~1.5㎜ | -1.7㎜ | -1.4㎜ | 0.4㎜ | 0.4㎜ |
| 後輪 | |||
| 項目 | 基準値 | 調整前 | 調整後 |
| キャンパー左右差 | -0°45~0°45 | -0°17③ | -0°03 |
| トータルトゥ | -3.0~3.0㎜ | -3.1㎜④ | 0.8㎜ |
| スラスト角 | -0°01 | 0°00 | |
| セットバック | 2㎜ | 3㎜ | |
| 車軸オフセット | 0㎜ | 0㎜ | |
( 調整前の状態 )
・①,②,③ → 左右バランスが崩れている。
・① → ハンドルが左へ流れる
・④ → 後輪トータルトゥがアウト過多 → 高速走行時に横風を受けやすく走行安定性が優れない。
・左前輪ロアアーム・セットボルト ( スタッドボルト ) 後退
高速走行でハンドルが左に取られて後ろが「ユ~ラ、ユ~ラ」する状態。
( 調整 )
各項目の中で調整機能がなく調整できないものは、他を調整してその項目を追い込んで調整。
こういうところが「経験と技術」なのでしょう。
・日本の道路は左側が下がっているので「それを考慮した調整」 → ⑤
・ストラット&ナックル部の組付け状態は良好 → ⑥
・直進安定性の確保 → ⑤+⑥
・左前輪ロアアーム・セットボルト ( スタッドボルト ) 後退修正
「こういう走り方をしたい」と注文すればそれに応じてくれるでしょう。
足回りの部品を交換したり、社外部品に付け替えたりした場合はアライメントの精密調整は絶対必要。
「◯◯鑑定書のついた事故歴なし」の中古車でも「最初にやっておかなければならないこと」でしょう。
( インプレッション )
調整が終わって『乗りやすくなったはずですよ。』
それは走り出してすぐに実感。
「前へ出る!」
アクセルを踏めば踏んだ分だけ「前へ」出ます。
高速走行は試していませんが「走りやすくなったはず」。
アライメント調整はやはり「経験と技術のある専門店で」。
東海地区なら日帰りできます。
「名古屋へ出かけるだけの価値」はあります。
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国産ではないけれど「いい味」。
※トライクの法的取り扱い
前へ/ーーーーーーーーーーーーーーー
次へ/シフトレバーのカバー作成
