FJ1200-4CC 整備資料



 2013.08.24 カウル取り外し手順(印刷用)





回目のユーザー車検のためにヘッドライトのバルブを交換しなければなりません。
ヘッドライトのバルブを交換するのに、必ずしもカウルを取り外す必要はありません。
少し無理をすればメーターを外すことができバルブ交換ができます。

しかし、今回はカウルを取り外して交換することにしました。
サービスマニュアルのカウル取外し手順を実践してみたかったからです。
以下ではマニュアルのカウル取り外し手順通りに作業をしていきます。

※カウル取外し手順について以前の記事はこちら(本記事と記号の同一性はありません)→→→2011.03.23  FJカウル修復・取付完了
※ カウルを少し改造するだけで、カウルを取り外さないでバルブ交換ができます。→→→こちら

※本頁画像記号
・エアダクト 取り付けネジ → AD 
・インナーパネル取り付けネジ → IP 
・メーターカバー取り付けネジ → MC 
・メーター取り付けネジ → ME 
・バックミラー取り付けネジ → MI 
・ヘッドライト取り付けネジ → HL 
・カウル取り付けネジ → CW 
・スクリーン取り付けネジ → SC 


1. 燃料タンク取り外し/不要


取り外すと何か利点があるのでしょうか?
もちろん取り外しません。


2.カウルガード取り外し

エアダクトに付いている、黒いガードです。
これを外すとエアダクト取り付けネジやカウル取り付けネジが現れます。

ネジ隠しとカウルガードの役割をしています。

このガードはツメで引っかかっているだけなので簡単に外れます。

純正部品ではもちろん、中古パーツでもビックリするくらい値段が高いものです。盗難に注意しましょう。

私のFJには付いていません。


3. エアダクト取り外し


・AD-4はネジではなく♂突起です。♀の方にはゴムキャップがあります。
・エアダクトを取り外すときに、「ゴム♀と♂突起」を意識してください。
  変な方向にこじると♂突起が折れてしまいます。
・上の写真ではAD-3は外れています。
・AD1~3のネジ♀部は金属製の♀プレートがカウル突起にはめてあるだけ。
  カウル突起が折れたら終わりです。
・立ちゴケで折れてしまいます。


・♀ネジ突起が折れたらカウルに穴をあけてタイラップで取り付けるしかありません。
・カウルが割れた場合も、FRPで修復するよりタイラップで縛る方が簡単で実用的です。
・AD-2は折れています。AD-3も折れています。
・原因は立ちゴケです。


4.インナーパネル取り外し


・IP-1 と IP-2 は簡単に分かります。
・IP-3 はカウルの横からインナーパネルを留めているネジです。
・IP-1 の♀ネジ部はメーターカバーです。


・IP-3 はここにあります。

・インナーパネルを外すときに、カウルを拡げた方がやりやすいので、
  カウルをフレームに留めている CW-1 ,CW-2 も外します。

・カウルのピピリ音対策でコーキングをしている場合は
  コーキングをマイナスドライバーで切ってから拡げましょう。


・左側も同じです。
・ただし、IP-2 はチョークカバーを外さないと現れません。


・チョークカバーを外したところです。

・チョークカバーは二つの♂突起 ( IP-4 ) ではまっているだけです。
  チョークカバーを外そうとマイナスドライバーを差し込んでこじると、
  カバーが割れたり欠けたりしてしまいます。

・チョークカバーを外す前にチョークノブを外さなければなりません。
  ノブは小さい+ネジでチョークシャフトに留められています。→→こちら
  ※M2.6×首下6㎜(頭から7.5㎜)の♂ネジ
  ※M2.5×首下6㎜の♂ネジでもOKです。
  ※M2.6は旧規格、M2.5は新規格。ともにピッチは0.45㎜。
    M2.6の♂ネジが入るのでネジ穴は2.6㎜でしょう。
    M2.6もM2.5もホーセンターで入手できます。

・なお、写真のチョークカバーに刺さっているのは極細ドライバーです。
  写真撮影用の滑り止めで、部品ではありません。


5. スクリーン取り外し


・なぜ、この段階でスクリーンを取り外すのか不明です。
  たいていの人が最初に取り外すと思うのですが…。

・スクリーンネジは六本。
  SC-1 ,SC-2 ,SC-3 すべてプラスチックネジ。
  これはスクリーンを強い力で締めつけないため。

・鉄ネジでも代用できますが、
  『ギュッ』と締めると『ピシッ』とスクリーンにヒビが入ります。

・同サイズのプラスチックネジは透明のものがホームセンターで手に入ります。
  



6. インナーパネル上部取り外し


鹿の角(つの)の内側パネルのことです。

・このパネルも中古で値段が高い部品です。
・ビビリ音対策でしっかりコーキングしています。
・コーキングが過ぎると外すのに苦労します。勢い余ってパネルにヒビ…。
・ネジは内側から差し込んで外側に六角ナット。
・六角ナットを落としてしまうと、作業の流れが止まってしまいます。
  六角ナットを指で抑えてネジを外しましょう。



7. バックミラー取り外し


なぜこの段階で取り外すのか不明。

ほとんどの人が最初に取り外してしまうでしょうネ。

しかし、ここで取り外しました。写真は省略。


8. メーターカバー取り外し


・メーターカバーのネジ留め部は左右各三カ所。
・MC-1 はカウル内側にネジ留め、IP-1はインナーパネルにネジ留め。
・IP-1 はインナーパネル取り外しのときにネジが外されています。
・左側の MC-1 は折れたので修復。
・インナーパネルとの接合部は「これでもか、これでもか」とコーキング。
・このメーターカバーも値段の高い中古部品です。


・もう一カ所、メーターカバーをネジ留めしているのが MC-2。

・これでメーターカバーが自由になりました。

・ただし、取り外すのは慎重に。
  ハンドルを切って空間を作ったり、あちらこちらに傾けたり。

・乱暴に扱うと脚部 ( MC-1 ) を破損してしまいます。



9. カウル取り外し


a.カウルを外さなくても無理をすればメーターは外れる


ヘッドライトのバルブを交換するのにはスピードメーターを外さなければなりません。

この段階で、少し無理をすればスピードメーターは外れます。

※カウルの見えない所に15㎜Φの穴を開ければ「無理をしなくても」メーターは外れます。→→→こちら

・メーターは二本のボルト (  ME-1) でフレームに留められていますが、
  ラバーマウントされています。
  だから、ドライバーなどでメーターをこじれば、ソケットレンチを入れることができます。
・写真は精一杯の隙間を作ったものです。このくらいあればTレンチを差し込めます。
・もちろん今回は無理をしません。マニュアル手順通りにカウルを外します。



b.フロントウインカー切り離し

・ウインカーを切り離すのには カプラー ( WC-1 ) を外せばよい。

・右側は緑色カプラー,左側は茶色カプラー。

・しかし、手を入れる隙間は小さくカプラーは固い。

・無理は禁物。
  カプラーを外さずにソケットごと抜いてやりましょう。

・もちろん、ウインカー球は外しておきましょう。

・なお、カウルを取り付けるときにウインカー挿入を忘れずに。



c.ベッドライト取り付けボルト外し


・ヘッドライトはフレームに四カ所で留められています。
・HL-2 はヘッドライトの二本の角(つの)が差し込まれます。
・この角はプラスチック製で細いので簡単に折れてしまいます。
  ヘッドライトを単体で保存するときは要注意。
・HL-1ボルトは、フレームにヘッドライトとカウルを留めています。
・♀ネジ部はカウルにあります。写真の白ワッシャの先にカウル取付部(♀ネジ部)がはまります。
・ボルトはラバーマウントされています。
・カウルを取り外すためにこの HL-1 を緩めます。


・HL-1 を背面から見るとこうなります。 ・このボルトを緩めて、ボルトをカウル取付部♀ネジ部から外してカウルを外すのです。


・ラチェットのエクステンションで届きます。 ・しかし、動かせる範囲がは限られます。


・いろいろ工夫してみましょう。

・写真のようにドライバーをハンドルにしてもいいですが、
  ヘキサレンチをハンドルにするとなかなか使いやすいです。

・ボルトはラバーマウントですから少し緩めばあとは簡単に外れます。

・取り付けるときは、指で締められるところまで締めて、
  仕上げに『グイ、グイ、グイ』。
  ボルトの相手はカウルの出っ張りに取り付けられた♀ネジプレートである事をお忘れなく。

・12㎜・自在ソケットのTレンチなら作業がもっと楽かもしれません。

・しかし、カウルは何度も外すものではありません。
  わざわざ、ヘッドライト取付ボルト用に購入する必要はないでしょう。

・なお、燃料タンクが外れていればもう少し作業が楽になるでしょう。


★2014.03.04 追記

  純正のボルトの食いつきが悪くなったので、同じサイズをホームセンターで入手。
・左端が純正  M8×50㎜
・真ん中が  M8×50㎜/高強度/ボルト頭大きくなります/@45円/ワッシャ別
・右端が  M8×50㎜/頭は 6㎜ヘキサ/@38円/ワッシャ別
・ステンレス/M8×50㎜/全ネジは@50円でした。

  右端のヘキサを使ってみましたが、作業性がとても良い。
    頭に縦溝がついているから、指でつまんで締められる。
  L字ヘキサレンチが使える。
  最後の本締めはヘキサソケット+ラチェットエクステンションでOK。
  大きなソケットを使わなくて良いので、それだけ自由に作業できます。
  工具を工夫するより、ボルトを工夫する。  このヘキサはお勧めです。  



d.カウル取り外し


ヘッドライト取付ボルトを緩めてカウル♀ネジ部からボルトが外れた。

『さあ、カウルが外れるぞ!』

もう二カ所、六本のネジを外さなければなりません。

・まずカウルフロントの CW-3 を二本。
・CW-3 はカウルをフレームに留めています。

・復習のために、SC-1 はスクリーンをカウルに留める鉄ネジ、
   MC-2 はメーターカバーをカウルに留めるネジです。
・もう一カ所はバックミラー取付ネジ MI-1 と MI-2 です。
・ MI-1 と MI-2 はバックミラー取付部とカウルとフレームを留めています。♀ネジ部はフレームです。

・バックミラーはすでに取り外しているので、MI-1 と MI-2 は外れているはずです。
  しかし、外したネジがなくなったり「どのネジか」がわからなくなったりすることを防止するために、
  外したネジを元のところに仮止めしておくことがあります。
  それを忘れていると、『なぜ外れないのだろう…。』と焦らなければなりません。


・カウルを留めているネジをもう一度確認しましょう。
・フレームに直接カウルを留めているのは、CW-1 ,CW-2 ,CW-3 の合計六本。
・ヘッドライトと共にフレームに留めているのが HL-1 ,これが二本
・バックミラーと共にフレームに留めているのが MI-1 と MI-2 、合計四本。
・結局、カウルをフレームに留めているネジは全部で十二本。(計数ミスはご容赦・連絡不要)



10. メーター取り外し


・カウルが外れたらメーター取付ボルト ( ME-1 ) は丸見え。
  簡単にソケットが入ります。

・また復習です。
  HL-2 はヘッドライトの角(つの)が入っている部分。
  CW-3 はカウルがフレームに留められている部分です。



11. ヘッドライト・バルブ取り外し


・ここまでの作業をしてやっとヘッドライト・バルブに手が届きます。

・今回は、バルブ交換の他に、H4カプラー交換とリレーハーネス取付をします。

・HIDバルブ交換を見送ったので、車検用に少しでもライト光量を上げるのです。



つづく。




前へ/FJカウル修復   次へ/ABMアップハンドルキットの詳細・取り付け・注意点   目次へ   SPnet番外TOP   SPnet   SPnet2