FJ1200-4CC 整備資料



2015.09.25.FJ1200の快適化・ABM アップハンドルキットの詳細・取り付け・注意点





ヨーロッパ向けFJのライディングポジションを日本人M体型に合わせるために標準のセパレートハンドルからバーハンドルにしました。
バーハンドルは高さ・巾・絞りなどいろいろありますから自分の体型と乗り方に適した物を選べます。
バーハンドル化には「トップブリッジ自体を交換する方法」と、「トップブリッジの上にハンドルクランプを取り付ける方法」があります。
前者は取り付け強度にすぐれますが高価、後者は安価ですが取り付け強度が弱い。
今回取り付けたABMアップハンドルキットは後者。
もっとも、「ステアリングステムに直接取り付ける」ので「フロントフォークに取り付けるもの」よりは取り付け強度が強くなります。
ただし、そのまま取り付けるとステム取り付け強度は45%。そこで、トップブリッジを削ってステム取り付け強度を70%に上げました。
その方法について説明してあります。アップハンドル化でFJは格段に乗りやすくなりました。


トップブリッジに直接クランプを取り付けると「強度が弱い」
ABMバーハンドルキット
ABMバーハンドルキットの構造と問題点
トップブリッジと接する部分が狭い
そのまま取り付けると取り付け強度が45%になる
取り付け強度を70%にするためにトップブリッジを削る
スペーサの変更
パイピング変更
ブレーキホースを長いものにする
キーシリンダーの取り外し・トルクスではありません
試乗
標準シートでポジション向上
42号線インプレッション
なぜ、右へ傾けるのがやりにくいのか
クランプ取り付けボルトの変更



1.バーハンドル化の方法


a.ハンドルが遠い

FJの走行距離は前回車検から2年で1700㎞。
ロングツーリングなどするヒマがないので、近場では軽いRMX。

FJに乗るのを遠ざけるのは、あの重さ、取り回しの悪さ。
気をつかう信号停車。ビクビクの坂道停車。

そして、ハンドル位置。

身長180㎝以上で手足の長いヨーロッパ人向けに作ってあるのでしょう。
170㎝・日本人M体型では、ハンドルが遠い。

ハンドルが遠いと、いつのまにか腕をつっぱってハンドルを押している。
ハンドルを押せばバイクは素直に傾かない。
純正セパレートハンドルは調整できない。

解決策はハンドルの位置を調整できるバーハンドル。

もちろん、トップブリッジの加工か専用のアタッチメントが必要です。
    

b.方法1-ハンドルクランプ直付けは「取り付け強度」が弱い

トップブリッジ(ハンドルクラウン)に汎用クランプをボルトで留める方法です。
一番簡単で費用がかからない方法です。

トップブリッジ表に2㎜の段差がありますが、クランプの一方に2㎜厚のプレートかワッシャをかませばよいでしょう。

ボルトは 8Mのヘキサ頭で裏から留めます。

・裏側のリブとリブの間は13 ㎜、リブ厚は8㎜。
・10Mのヘキサ頭では、頭径 16 ㎜Φになり、頭を通すには裏側のリブを両側から2㎜ずつ削らなければなりません。その結果、厚さ8㎜ のリブが 厚さ4㎜ となってしまいます。
・8Mヘキサ頭は頭径 13 ㎜Φ、リブを削らなくても頭が通ります。
・クランプを10Mボルト一本で留めるより、8Mボルト二本で留めた方がクランプが安定するし取り付け強度が上がります。
・トップブリッジにメスネジを切って、上から留めると取り付け強度が弱くなります。下から留める方がよいでしょう。
・8Mヘキサ頭 × 30 ㎜がよいでしょう。

費用は
・汎用の8Mボルト二本留めクランプ → 3000円程度。
・8Mヘキサ頭 × 30㎜ → ステンレスで 62円×2
・8.2 ㎜Φ ドリル → 1000円
・中古FJトップブリッジふ → 200円 ~ 500円。
・全部で5000円程度です。

問題は、トップブリッジの肉厚(上下の厚さ)。

・トップブリッジの裏は肉抜き。肉厚はどこも10㎜程度。
・リブ部分にボルト穴は開けられないので、ボルトをどこにつけてもその部分の厚さは10㎜。
・10㎜厚のアルミ鋳物にハンドルポストをボルト留め。取り付け強度が心配になります。

       

c.方法2-「渡りに舟」の ABMアップハンドルキット

FJ専用のアップハンドルキットで有名なのが、メイドイン・ジャーマニーの ABM・Bar Handle Kit

取り付け簡単、トップブリッジへポン付け。
値段が高いのが難点。(FJ専用、ハンドル・バーエンド・延長ブレーキホースなしで 3万2千円)

たまたま、Yahooオークションに出品されていましたので入手しました。
キットは新同で、ハンドルとバーエンドのおまけ付き。安価でした。

・ABMのキャッチフレーズは『高級感と剛性感で売れています』。
 『国内売上実績ナンバーワン。累計売上 8000万円突破!』だとか。
  最近のバイク向けのアップハンドルキットは 8万円くらいするから。
  累計売上 8000万円と言っても、1000個程度ですが…。

・FJ用の在庫は現在二個。
・古いバイク用のハンドルキットはもう製造されないでしょう。
  FJにこれからも乗るのなら、今のうちに入手しておかなければなりません。
  ブレミアがつくかもしれませんネ。

  (キット内容)
・プレート
・ハンドルクランプとクランプ取り付けボルト(M8×2)※注①
・プレート取り付けボルト(M6×2) とスペーサ( 外径 15 ㎜Φ・長さ13.5 ㎜)×2
・特殊ワッシャ
  ※欠品でしたので写真にはありません。新品セットには付属します。
  ※このワッシャを使えばトップブリッジを加工しないで取り付けられます。
    ただし、ワッシャを使わない方が取り付け強度が増し、安全です。(次項)


※注①→→→詳しく

・クランプ取り付けボルトは「M8 / P1.25・並目・首下 55 ㎜ の 六角穴/頭外径 14 ㎜Φ」です。
・しかし、ボタンキャップなので通常のキャップボルトと比べて六角穴が小さくなっています。(対辺長5㎜)→→→こちら
  ボルト材質もあまり良くないので、頭の六角穴を舐める可能性があります。
  初めから強度のあるキャップボルト(対辺長6㎜)の使用をお勧めします。
・ホームセンターのM8キャップボルトには 首下 50 ㎜ と 60 ㎜ のものしかありません。
  50 ㎜ ではブレートネジ穴の一部としかかみ合わず、60 ㎜ ではプレートの下に突き出してしまいます。首下 55 ㎜ のものがモノタロウにあります。→→→こちら
  ただし、プレートネジ穴の後(下)二つについてはプレートとトップブリッジとの間に隙間ができるので、突き出しても問題はありません。
  さらにクランプの後側に隙間(締めしろ)があるので、首下55  ㎜ではその分が不足します。
  だから、プレートネジ穴の前二つが首下 55 ㎜、後二つが首下 60 ㎜ という組み合わせになります。
・キャップボルトは頭の一部がクランプから出るので、六角穴を舐めたときに頭をバイスで挟んで回すこともできます。
・なお、キャップボルト用のワッシャをかませれば首下60㎜のキャップボルトも使えます。→→→こちら
・また、M8ボタンキャップの穴を舐めたときには取り外しビットがあります。→→→こちら

    
2.ABMハンドルキットの構造と問題点
   ●●     
選任のための法律知識・








a.トップブリッジと接する部分が狭い


取付はいたって簡単。

トップブリッジにABMハンドルキットのプレートを載せてボルト留め。クランプはブレートにボルト留め。

『さすがは、ドイツのクラフトマンシップ!プレートがトップブリッジ全体に密着するように、トップブリッジの凸凹に沿ってブレートをくり抜いたな!』

たかだか3万円のキットにそんな面倒くさいことを誰もしません。

・プレートの裏側には、
  縦 / 13 ㎜,横 / 45 ㎜、深さ / 4㎜ の 凹みがあるだけです。
  残りの部分は平坦面です。

・プレートの裏側全体がトップブリッジに接しているわけではありません。

・プレートの厚さは次の通り
・後部の厚いところ → 15 ㎜
・前部の薄いところ → 7㎜
・くり抜いたところ → 3㎜
・ステムナットを取り付けるところ(中心部) → 4㎜
・クランプを取り付けるところ → 15㎜


プレートがトップブリッジに接しているのは赤丸の部分だけです。

・上の小さい赤丸は セパレートハンドルをトップブリッジに取り付けるボルト穴。
  これは主にプレートの位置決めをしているものです。

・このボルトはプレートが左右にずれないようにする(位置決めをする)とともに、
  ブレートの左右の高さを同じにして、プレートが傾いて取り付けられないようにしています。

・下の大きな赤丸はステアリングステムがトップブリッジを通る穴と重なります。
  プレートはここでステアリングステムにトップブリッジと一緒に留めらます。

・ステアリングステムに直接取り付けられるのですから、取り付け強度は充分です。


しかし、

・ブレートはこの三カ所以外はトップブリッジから離れています。
  ブレートがかさ上げされているのです。

・かさ上げすることによって、トップブリッジにある凸凹を避けているのです。

・写真はトップブリッジを前から見たものです。
  ゲタを履いているのがよく分かります。


そして、

・トップブリッジを後ろ(タンク側)から見るとこうなります。
  トップブリッジとプレートが 2.5 ㎜ 離れています。

・もちろん、このままステアリングステムにプレートを留めるわけにはいきません。
  この隙間に特殊ワッシャをはさみます。

・特殊ワッシャのサイズは M22用 ( 内径 / 22 +α㎜Φ)で、厚さ / 2.5 ㎜ 程度。
  ※ステアリングステムが M22 だから内径は 22 +α㎜Φ。
  ※厚さ/2.5㎜の根拠は、トップブリッジとの隙間が 2.5 ㎜。
    実物を見ていないので実際の厚さは分かりません。
  ※特殊ワッシャの外径の許容範囲は 「ステムナットフランジ / 外径38 ㎜Φ ~ 平坦部 / 44 ㎜Φ。
  ※代用品(外径㎜×内径㎜×厚さ㎜)をモノタロウで探すと、
  ・25 × 42 × 1.0   NTN-AS型ワッシャ    54円/個→→→こちら
  ・26 × 44 × 2.0   丸ワッシャ特寸・3個入   299円   →→→こちら
  ・26 × 44 × 1.6   丸ワッシャ特寸・4個入   299円   →→→こちら
   ピッタリとした一枚は見つけられませんでした。
   ワッシャを使うのなら、これらを組み合わせたり削ったりして代用するしかないでしょう。


       

b.そのまま取り付けると、取り付け強度が45%になる

『え~ッ! ステアリングステムにトップブリッジとアップハンドルキットのプレートを一緒に取り付けるの? ステムボルトにそんな余裕があったの?』

ご心配なく。そこは「メイド・イン・ジャーマニー」です。

「剛性感で売れている」アップハンドルキットです。

その点を細かく見てみましょう。


・トップブリッジから出ているステムボルト部分 → 下から、本ネジ山 / 12,食い付きネジ山 / 1 で 全長 / 13㎜。
・トップブリッジを留めるステムナット(フランジ付き・ふくろナット) → 下から、フランジ部 / 1㎜,食い付きネジ谷 / 1,本ネジ谷 / 10 で 全長 / 12 ㎜

・だから、トップブリッジをステムに取り付ける場合、ステムのネジ山とステムナットのネジ谷が完全に噛み合っているのは 10。
  この「噛み合い10」がメーカー(ヤマハ)の仕様です。これを100%とします。

・ステムにトップブリッジとプレートを取り付けると、
  特殊ワッシャ / 2.5 ㎜ とプレート取り付け部厚さ / 4.0 ㎜ が加わって 6.5 ㎜ のプラス。

・プレートから出ているステムボルト部= 13 ㎜ - 6.5 ㎜ = 6.5 ㎜。
  ネジの山と谷に換算すると「下から、本ネジ山 / 5.5 + 食い付きネジ山 / 1」

・これをステムナット(下から、フランジ部 / 1㎜,食い付き谷 / 1,本谷 / 10 )で留めると、
  「完全に噛み合っているネジ山とネジ谷」は 4.5 となり、強度は 45 %。
・簡単に言えば、
  ネジピッチ1㎜ のステムに、厚さ 6.5 ㎜ のものを追加するから、噛み合いが 6.5 減って 4.5。

・ここで 2.5 ㎜厚の特殊ワッシャを使わなければ、取り付けネジ長は 2.5 ㎜ 増えて、
  「完全に噛み合っているネジ山とネジ谷」は 7 となり、強度は 70 %。

・写真の赤い矢印部分が
  特殊ワッシャをはさんでプレートを取り付けた場合のステムナット噛み合い部分。
・白い矢印部分が、
  特殊ワッシャをはさまずにプレートを取り付けた場合のステムナットの噛み合い部分。


『チョット、チョット、待ってくださいよ! ABMの仕様通りに取り付けたら、ステムナットがこれだけしか噛み合わないのですか?』

そうなりますね。「本来の 45 %・45 点」ですから「再試不能」ですね。

『これでプレートをトップブリッジにしっかり留めることができるのですか? 「剛性感で売れています」と言ったじゃないですか!』

「剛性」じゃなくて、「剛性」だからウソではないですよ。

それに、ステムナットは袋ナットです。「ステムボルトがどこまで来ているか」は見えません。
「噛み合いが半分に達してないこと」が見えないから気になりませんよ。

『そんなぁ~。知ってしまったら余計気になるじゃないですか!』


まあ、純正トップブリッジの上にプレートを取り付けるのですから全てを満足させるわけにはいきません。

・プレートを薄くすれば取り付け強度が上がるが、プレート自体の強度が下がる。
・プレートを厚くすればプレートの強度は上がるが、取り付け強度が下がる。
・トップブリッジの凸凹に合わせてプレートをくり抜けば、プレート強度も取り付け強度も上がるが、製造コストが上がってしまう。

3万円の後付けパーツだから、このへんで手を打ったのでしょう。

最近のバイク用のABMアップハンドルキットは、トップブリッジの上に取り付けるのではなく、まったく別のトップブリッジになっています。
純正のトップブリッジとABMのトップブリッジを交換するのです。

これならプレートの強度と取り付け強度が両立します。
当然、コストが上がりますから値段が 8万円以上になります。


話を「45%の噛み合い」に戻しましょう。

「気になる・気にならない」は別にして「噛み合い45%」では危険なのです。

ステムナットの指定締め付けトルクは 11.0㎏・m。
ピボットシャフトが 9.0㎏・m、リヤアクスルが 15.5㎏・mですから、しっかりと締め付けなければならない部分なのです。

しかし、仕様の 45 %、たった 4.5 山しか噛み合っていないのに、指定の 11.0 ㎏・m で締め付けることができるでしょうか?

もし、締め付けることができたとしたら、一つのネジ山には仕様の 2.22倍  (10/4.5) の力(引張応力)がかかっていることになります。
締め付けたときは何とか持ちこたえていても、走行時にさらに外力が加われば、持ちこたえられなくなってしまうかもしれません。
持ちこたえられなくなったら「ネジ山断裂」です。

つまり、45%の噛み合いでは、「指定トルクで締め付けられないので危険、指定トルクで締め付ければもっと危険」ということになります。

『ということは、ABMキット付属のワッシャを使わないで、噛み合いを70%にした方が安全だと言うことですね。』

もちろん、70%でも安全ではありません。
指定トルクで締め付ければ、一つのネジ山には仕様の 1.43倍 (10/7) の力が加わることになります。
しかし、安全率を見込んで設計してありますから、なんとか持ちこたえられるでしょう。

『70 % でも安全ではないけれど、45 % では危険だということですね。』

そうですね。
次に、「ワッシャを使わないで噛み合いを70%にする方法」を説明します。
   ●●      
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c.取り付け強度を70%に上げるためにトップブリッジを加工


イ.プレート裏の凹みの役割

プレートの裏側にある、「縦 / 13 ㎜ × 横 / 45 ㎜ × 深さ / 4 ㎜ 」の凹みは何のためにあるでしょう。

プレートをトップブリッジに当ててみました。

プレートの凹みはトップブリッジの赤い部分と重なります。
この凹みでトップブリッジの凸部を避けているです。

この凹みの深さは 4 ㎜、トップブリッジ赤い凸部の最大高さは 4㎜ 未満 だから完全クリアー。

だから、プレートをトップブリッジにあてるとピッタリ重なるはず。
しかし、なぜかプレートがガタガタする。

まだ、どこかが当たっている。

よく観察すると…、

・赤線で囲った部分がブレートに当たっていました。

・トップブリッジは「ステムナット取り付け面からわずかに傾斜して高くなっていきます」。
  赤線で囲った部分がステムナット取り付け面より高くなっているのです。

・この部分はプレートの凹みから外れているのでプレートの平坦部に接します。
  プレートは赤線で囲った部分に邪魔されてステムナット取り付け面とピッタリ重ならないのです。

・ABMのハンドルキットはこの部分をクリアーするためにブレートを 2.5 ㎜ 嵩上げしたのです。
  そして、トップブリッジを加工しないでプレートが取り付けられるようにしたのです。
  その反面、ステムとステムナットとのかみ合いが 45 % に減ってしまったのです。

・2.5 ㎜ のワッシャを挟まずに、ステムとのかみ合いを 70 % に上げるためには、
  赤線で囲った部分を削り取って、ステムナット取り付け面と同一平面にしなければなりません。


では、ABMがブレート裏のこの部分に当たるところをくり抜かなかったのはなぜでしょう。

それは、その部分がプレートのステムナット取り付け部にかかるからでしょう。

ブレートのステムナット取り付け部は、厚さが 4 ㎜ で他の部分より薄くなっています。
薄くしないとブレートをステムに取り付けられないからです。

ところが、ステム取り付け部の左右を裏からくり抜くと、その部分が 4㎜より薄くなってしまい、取り付け強度が下がってしまいます。
だから、プレートを嵩上げする方法をとったのでしょう。

もちろん、加工が複雑になり製造コストが上がるという理由もあります。


ロ.トップブリッジを削る

削る量は「トップブリッジのステムナット取り付け面と同じ高さまで」。
要するに、ステムナット取り付け面と同一面にすればよいのです。

ABMはこの凸部を避けるために 2.5㎜嵩上げしましたが、この部分は高さ2.5㎜もありません。

・最初はサンダーで、仕上げはヤスリで手作業。
  理論値より少し広く・深く削りましょう。
  削る範囲の上端は トップブリッジ段差の下ではく段差の上まで。
  見栄えが悪くても、ブレートの下になりますから見えません。

・プレートをトップブリッジに合わせて「ここが高いからここをもう少し」。
  ただし、削りすぎに注意してください。

・プレートの凹みの深さは4㎜です。
  プレートの平坦部と凹み上端部の差は4㎜しかありません。
  ステムナット取り付け面を削りすぎると、そこに接するプレートの平坦面が下がります。
  プレートの平坦面が下がれば、プレートの凹みも下がり、
  凹みが今までクリアーしていたトップブリッジの凸部に当たってガタガタします。


・下手な歯医者さんが噛み合いを調整するのに似ています。

・こっちぱを削れば、あちらが高い。
  あちらを削れば、またこちらが高くなる。
  ドンドン削れば歯がなくなっていく。

・完全を目指してはいけません。

・結局、このような状態でプレートのガタつきがなくなりました。

・失敗した場合に備えて中古のトップブリッジを入手しておきましょう。



ハ.結果はかみ合い70 % を確保

・プレートをトップブリッジに重ねた状態です。

・この状態でステムが出ている部分は
  下から、本ネジ山 / 8、食い付きネジ山 / 1 で、長さは 9㎜。

・ナットを本締めすれば、プラス1山で、下から「本ネジ山 / 9 + 食い付きネジ山 / 1」。

・ステムナットは、下から「フランジ / 1 ㎜ + 食い付きネジ谷 / 1 + 本ネジ谷 / 10」。

・だから、完全に噛み合っている山と谷は 7。
  予定通り、70%になります。


    

d.スペーサの変更

2.5 ㎜ ワッシャを使わなかったのだから、プレート前部取り付け部は低くなっているはずです。
スペーサの長さを短くしなければなりません。

・厚さ 2.5 ㎜ の特殊ワッシャを使わなかったのだから、プレート高さは 2.5 ㎜ダウン。
  スペーサは 2.5 ㎜ 短くすればよい。
・スペーサ長は「13.5 ㎜ - 2.5 ㎜ = 11㎜」

・しかし、他の部分も削っているので、これを基準にして実際に合わせてみるしかない。

・スペーサは長くても短くても、プレートはステムナット取り付け部に密着しません。

・もちろん、付属スペーサを削ることはしません。
  キットを転売するときに、スペーサが仕様通りでないと買った人が困ります。

  まず試したのが、
・ワッシャ / 0.9 ㎜
・スプリングワッシャ / 1.7 ㎜ × 2
・8Mナット / 6.2 ㎜
・合計 10.5 ㎜。

・これで、スペーサ取り付けボルトを締めると、
  ブレートとステム取り付け部の隙間は 前 / 0.1 ㎜・後 / 0.15 ㎜。
・「後の隙間が前より大きいから、前を高くする必要あり。」


・そこで、ワッシャをもう1枚追加して、高さを 11.4 ㎜に。

・これで、スペーサ取り付けボルトを締めると、
  ブレートとステム取り付け部の隙間は 前 / 0.1 ㎜・後 / 0.1 ㎜。
  ステムナットを本締めしたら、プレートとステム取り付け部の隙間はなしに。

・スプリングワッシャを使ったのがよかったのでしょう。

・見栄えは悪いですが、見えるところではありませんので大丈夫です。

   ★★22      
選任のための法律知識・

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3.その他の変更



a.パイピング

ハンドルはキットにおまけでついてきた、CB750 用の 22.2 ㎜Φ × 72 ㎝ のスチール製。

ハンドルが高くなったのでパイピングを変更しなければなりません。


イ.クラッチホース,左スイッチボックスコード,アクセルワイヤー

・クラッチホース(レバー側から):フォーク前側から入って、トップブリッジの下・フォークとステムの間を通る。(変更なし)

・左スイッチボックスの配線(スイッチボックス側から):フォーク後側から入って、フォークとステムの間を通る。(フォーク前側→フォーク後側)

・アクセルワイヤー(キャブレター側から):タンク前部取り付け部の下→イグニッションコイルの右→右フォークの左→フォークの前からブレーキホースの下→フォーク取り付けボルトの下
  ※本来は→ステムの左→ステムの前→ヘッドライト取り付け部の△の中→右フォークの前→右フォークの右から出る。
  ※ステム左からはいっていたものをステム右から入れて距離を稼いだ。
  ※長くもなく短くもなく。ハンドルを一杯に切ってもアクセル操作に影響なし。

・右スイッチボックスの配線(スイッチボックス側から):右フォークの後側→右フォークの左

・ブレーキホース(レバー側から):右フォークの前→フォーク取り付けクランプの凹の上→ホース分岐


問題なのはブレーキホース。

これがギリギリ。

「ブレーキホースが抜けるのではないか」と心配になるほど引っ張っています。

ブレーキレバーもハンドルの直線部に付けることができません。
曲線部にかかるところでやっと取り付けられます。

バンジョーボルトでリザーバー取り付け部の角度を調整してわずかな距離を捻出。

ハンドルをもう少し高いもの・もう少し深く絞ってあるものにしたら完全に長さ不足になります。

現在の純正ブレーキホースは35㎝程度。あと10㎝必要。
※FJのフロントブレーキラインは「マスターから一本で分岐まで → 分岐から二本になって左右キャリパへ」
  35 ㎝ というのは「マスターから分岐までのホース」。

45㎝くらいの良品中古をいつもの出品者さんから入手することにしました。


    

ロ.2015.10.07 追記   46㎝の社外ホースに交換

・yahooオークションで入手した EARL'S・46㎝メッシュホース/970円(上) です。

・取付部の端から端まで(最大長)が46㎝です。

・標準ホース(下)は取付部の端から端まで(最大長)が35㎝。
  予定の「+10 ㎝ 」をクリアー。

・10Mバンジョーボルトワッシャは10個入り 540 円 。

・このワッシャは外径 15 ㎜Φ × 内径 10 ㎜Φ × 厚さ 1 ㎜ 。
  ホームセンターで代替品を探してみましたがありませんでした。


FJのフロントブレーキホースは途中で分岐して左右キャリパに分かれます。
今回取り替えるのはマスターシリンダー(レバー側)~分岐までのホースです。

ホース交換にカウルを外す必要はありません。
ホーンだけ外せばOKです。

ただし、ブレーキフルード漏れ対策が必要。

リザーバータンクのキャップを外さなければ、分岐ボルトを外しても漏れることはないでしょうが、
どちらかのキャリパのユニオンボルトを外し、「マスターシリンダー~片側キャリパ入口までのフルード」を抜いてから外せば安心です。

フルードの交換はホース交換後、「新しいフルードを注ぎ足しながら古いフルードを押し出す方法」でやればすぐに終わります。

取り回しは劇的に改善。

ブレーキレバーは余裕でアップハンドル平坦部まで。
レバー角度は好みの状態。
もう少し高いハンドルでも絞りの深いハンドルでも大丈夫。

ただし、

・ハンドルを左に一杯切ると、ホースがフロントカウルステーに干渉します。

・ホースをカウルステーの左側からもってくると、
  ハンドルを右に切ったときにホースが引っ張られます。

・標準のセパレートハンドルから巾の広いパーハンドルに交換したので、
  キャリパの移動量が大きくなったことも関係しています。

・ホースやワイヤーは短ければもちろん、長くても問題が生じることを知りました。
  アクセルワイヤーではないので、この程度の干渉で不具合が出ることはないでしょう。

・このハンドルのベストサイズは「標準+5㎝」の「取付部先端~先端:40㎝」です

  ※2019.11.追記
    その後、ハンドルをもっと引きの強い「150アップ2型」にかえたので、
    この不具合はなくなりました。→→→こちら


    
b.キーシリンダーの取り外し・トルクスではありません。

・トップブリッジを今付いているものから加工したものに交換しなければなりません。
  キーシリンダーを取り外して、加工したトップぷリッジに取り付けなければなりません。

・キーシリンダー取り付けネジに「嫌な予感」。
  やはり「トルクス」。

・ ネジ頭の星型凹みの一番長い長さが 5 ㎜ 。
  ホームセンターでこれに合うだろう、「T-25,T-27,T-30」のセットを入手。
  ※トルクスレンチの規格→→→こちら 
  ※実際はM6だったので、適合は「T-30」

・しかし、レンチで回すと簡単に舐めてしまいました。
   これは「トルクス」ではなくて「簡単に取り外せないようにラ作ってある特殊ネジ」。
   トルクスではなくて「それ用の特殊工具」が必要なのです。

・貫通ドライバーで溝を作り、ポンチを当てて叩いて回しました。
  当然、M6・首下 15 ㎜ のヘキサ頭に交換しました。


      

4.試乗


さっそく試乗してみました。

・まず、足付き性が良くなったのに驚き。
  停車しても、上体が起きているから足に力が入る。
  「もう少しで両足かかとまで」は同じだが安定感が違う。

・そして、ハンドルから力を抜きやすい。
  コーナリングで上体を少し前へ倒せばハンドルが自由になってバイクが傾く。
  バイクが傾いても上体が起きているので、「頭から突っ込んでいく怖さ」がない。

・後輪荷重がやりやすく、コーナリング中に荷重の増減ができる。

・ただし、ニーグリップがやりにくい。
  上体が起き、膝の角度が大きくなったためか、
  シート前部(シートがタンクを巻き込む部分)が内腿に当たり、膝でタンクをはさめない。
  しかし、これは仕方がないこと。
   FJのタンクは「セパレートハンドル・やや前傾」を前提に造られているのですから。
   シートの角を落とせば改善するでしょう。


総じて「とても乗りやすくなった」。

これなら、「さあ、FJに乗るゾッ!」と自分を奮い立たせることは必要ありません。「ちょっと乗ってみよう。」と気軽に走り出すことができます。

暴騒族車や白バイがアップハンドルである理由ががよく分かります。
日常使用ではこのポジションが一番楽です。
ネイキッドが売れているのも、そこかもしれません。

FJ年配が「取り回しが重い」と感じたらバーハンドル化。

メーカー仕様の「セパレートハンドル・やや前傾のFJ」にこだわって、意地を張るのは止めましょう。
年齢とともにFJを自分に合わせて楽しみましょう。
このさき、重量バイクから降りなければならない日が来るのですから。

なお、よく指摘される「ハンドルの振動」は1時間くらいの試乗では体感できませんでした。
しばらく、このまま乗ってみて、アップハンドルに馴れてからハンドルとハンドル位置を選んでいくつもりです。
振動対策はそれからです。

また、ハンドル巾は「付属のバーエンド+スペーサを1枚」で 77㎝。車検証のハンドル巾は 78㎝。

付属のスペーサを2枚にすればドンピシャ78㎝。しかし「±2 ㎝ ばOK」だから、このまま車検が通ります。


ミラー位置は取付角度を少し変えるだけで問題なし。
スーパースポーツをアップハンドルにすると、どれだけミラーを調整しても後が見えないそうです。
FJはツーリングバイクですからネ。


(忘れもの)

  翌朝、気がつきました。

  「トップブリッジのフォーク取り付けボルトを締めてなかったゾ!」

  ごらんの通り、軽くボルトを食いつかせた状態でした。

  右側も手回しの仮留め。

  「まあ、… 2.3㎏・mで軽く締めるボルトだから…。
    それに、下側の取り付けボルトは緩めてないから…。」

  トンマな忘れものをするくらい、「バーハンドル化」に期待していたのでしょう。

  なお、クランプからの突き出し量はフォーク蓋上端まで 35.2㎜に。
 

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5.2015.10.12 追記  標準シートでポジション向上



  どこかのサイトで「あんこ抜きのシートを純正に換えたら乗りやすくなった」と書いてありました。

  少し気になって、ストックしてある3XW用シートを見てみると…。

  並べてビックリ、今までのシートが「あんこ抜き」だったのです。
  ※写真の上が今までのシート,下が3XWシート

・シートの一番薄い部分が、今までの方は 70 ㎜ 、3XWの方は 105 ㎜ 。
  35 ㎜ も薄く(低く)なっています。

・シート前部(タンクを巻き込む部分)も削ぎ落として薄くしてあります。

・シートの低い部分も前寄りになっています。

・今まで感じていた「どこか尻が落ちた乗車感、なぜかタンクに近づく着座位置」
  この違和感はこのシートが原因だったのです。


これだけ違います。

今までは、このシートでセパレートハンドル。
「タンクにしがみついて、今にもずり落ちそうな」格好に見えたでしょう。

『あっ、懐かしいFJだ! でも、タンクに蝉が止まっているみたい…。』と不思議がられていたかもしれません。

・外見は腰高でも、足付き性はほとんど変わりません。
・内腿がシート前部に当たりタンクをニーグリップしにくいことも改善されました。
  これは着座位置が少し高くなり、膝の位置と角度が変わったからでしょう。

案外、セパレートハンドルでも乗りやすくなるのかもしれません。


3XWのシートは張り替えたものらしく、サイドフック用のステーが付いていませんでした。(写真左の左側が3XWシート、右側が4CCシート)

今までの4CC用シートのフックを使用。

フック引っかけ部がシートの前側にくるようにセット。
しかし、なぜか納まりが悪く、取り付けるのに手こずりました。
フック引っかけ部も曲げなければフックが引っかかりません。

4CCは国内仕様だから、ステーにダンデムベルト取り付け部があります。
多分、輸出仕様の3XWと部品の形状が違うのでしょう。

なお、この部品は廃盤になっています。

・シートが純正になって、
  FJ本来の「ずんぐりスタイル」になりました。

・アップハンドルとの相性も良いようです。


・アップハンドルにして上体が起きるので、
  車検用・純正の鹿角スクリーンに換えました。

・大げさなスタイルになりますが、風防効果が違います。

・ここまですると、チョイ乗りではかわいそう。
  久しぶりにツーリングにでかけましょう。

   ★★23      
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6.2015.10.26.追記  3年と8カ月ぶりの42号線



久しぶりの尾鷲・熊野峠です。

前回は2012年2月。RMX①のエンジントラブル以来です。
FJで走ったのはなんと4年前の2011年12月

アップハンドル効果を試すべく、350㎞ほど走りました。

ハンドルの振動は別に気になりませんでした。
ただし、いつも2st・単気筒のRMXですから音と振動に鈍感になっています。

いつもの折り返し点、七里美浜の道の駅です。
高速がつながったせいか、ウイークデーにも関わらずほとんど独りで走れました。

・身体能力は4年分落ちています。
  しかし、それを補って余りあるのがアップハンドル。

・赤いSS(スーパースポーツ)に一度道を譲っただけで、
  乗用車はもちろん、1400㏄にも道を譲ってもらいました。

・右足首の曲がりがきつく、
  ブレーキペダル位置を下げたこと以外問題なし。

・とにかく、後輪荷重がやり易い。
  大きいRでは後輪の肩に乗ってアクセルを開けられます。

・SSの「人車一体・そこまで倒せるの?」とはいきませんが、
  白バイスタイルの乗り方で、
  ツーリングバイクとしては「そこそこに」走れました。

・以前のセパーレートハンドルでは、
  津市に帰り着いた頃にはヘロヘロ・フラフラ。
  しかし、アップハンドルではまったく疲れません。
  自宅まで余裕で走れました。

・アンコ抜きシートから標準シートに換えたこともプラスしています。
  着座位置・ニーグリップ、やはり「純正が一番」です。
  といっても、アップハンドルは準線ではありませんが。 


・常用速度:80 ㎞/h ~ 100 ㎞/h+α。
・常用回転数:3000rpm~4000rpm。
・4速・5速多用。

  100馬力・自主規制の国内仕様・4CCでも、
  最高出力:97馬力/8000rpm,最大トルク:9.3㎏・m/6000rpm。
  潜在パワーの半分も使っていません。

・「130馬力の逆輸入車など自己満足」というのは負け惜しみ。
  やはり、3XWを試してみたいものです。
  ※フルパワーにしたのはこれから2年後です。→→→こちら

・今後の課題は「右へ傾けること・後輪の右肩に乗ること」。
  なぜ、左へ傾けるのが楽で右へ傾けるのがやりにくいのでしょうか?

・アップハンドル化でFJが身近になりました。

・「FJ好きのシニアライダー」には、とにかくアップハンドル。
・リッターバイクに憧れるリターンライダーには、
  「1200 cc・空冷4発・不人気最安値」のFJ1200。

・ 旧車の仲間ですから、ゆっくり走っても笑われません。
・「空冷を好きで乗っている」と思われるので、金欠でもバレません。
・265㎏もありますから、押して歩けば筋力アップになります。

     

7.2015.12.04 追記.「なぜ、右へ傾けるのがやりにくいのか」


FJのアップハンドル化で乗りやすくなったので、ついついFJに乗ってしまいます。
尾鷲・熊野のコーナーに何度も出かけ、少しは走れるようになりました。

しかし、解決しないのは「右コーナーが走りにくいこと」。

・なぜ、リヤタイヤの左肩に乗れるのに、右肩には乗れないのでしょうか?
・なぜ、腰を左側に落とせるのに、右側には落とせないのでしょう。
・なぜ、左コーナーでは身体とバイクが一体なのに、右コーナーでは身体が落ち着かないのでしょうか?


納得いく説明を見つけました。→→→こちら

「得意な軸脚」の問題だったのです。

右足で前蹴りや回し蹴りををやるのと左足でやるのとの違いだったのです。

左足で蹴ると、なぜか腰が決まらない。
先に腰が開いてしまって、左足の親指の付け根にパワーを貯められない。

これと同じだったのです。


バイクを左へ傾けるときの軸脚は左足、左へ傾いたバイクの自重と遠心力を軸脚の左足で調整しています。。
右へ傾けるときは軸脚が右足になって、右足でこれを調整。

たとえて言えば、
・バイクを左へ傾けるときは、左足を軸脚にして右足で中段回し蹴り。
・バイクを右へ傾けるときは、右足を軸脚にして左足で中段回し蹴り。

右利きが一般的だから、使いやすいのは右手・右足で得意な軸脚は左足。
左足を軸脚にすることに馴れているので、バイクを左へ傾けるのが楽なのです。

ということは、

・右コーナーを上手く走れるようになるためには、右軸脚を使えるようにすればよいのです。
・そのためには。バイクを右に傾けること・右に曲がることを練習すれば良いのです。
左足での蹴りを練習するのと同じです。


どこかのサイトで次のような説明がありました。

・バイクのサイドスタンドが左についているので、左に傾けることに安心感を持っている。
・だから、左へ傾けるのは楽にできる。
・逆に右へ傾けることには不安感を持っているので、右に傾けるのがやりにくい。

的外れのようですが、「サイドスタンドが左についていること」に着目したのは拍手ものです。

もちろん、バイクを左に傾けるのがやりやすいのは、「サイドスタンドが左に付いていて、左に傾けることに安心感を持っているから」ではありません。

サイドスタンドが左に付いているのは、「一般的に左足が軸脚でバイクを左に傾けて止めるのがやりやすいから」です。
問題は「サイドスタンドが左に付いていること」ではなく「一般的に左足が軸脚であること」なのです。


本日、165号線の大きいコーナーと164号線の小さいコーナーを何度も往復して右コーナーを練習しました。

ニーグリップと目線はもちろん大切ですが、「右足が軸脚を意識すること」で少し曲がりやすくなりました。

感覚としては「右コーナーがバンクしているつもりで、前輪と後輪を路面に押しつけて走る」こと。


調子に乗っていたら、164号線の脇道でのUターンで立ちゴケ。
上り勾配の超低速Uターンで、後輪からパワーを抜いたらコケるのは当たり前。

重量バイクは後輪からパワーが抜けると「陸に上がったトド」。

「オッ、トット…、ガシャン」ほど自尊心を打ち砕くものはありません。

誰にも見られなかったからいいけれど、恥ずかしくて笑えてきます。
あまりにも恥ずかしいので書かずにおれません。

被害はクラッチレバーの先端を折っただけ。

そう言えばFJにはレバーの予備を載せていません。

予備なしでレバーが元から折れたら帰って来れません。

帰宅後、クラッチレバーを交換するとともに、ブレーキレバー・クラッチレバーの予備を車載工具の横に。

コーナーでコケなくても立ちゴケがありますからネ。
もっとも、コーナーでコケたら被害はレバーだけでは済みませんが。


とにかく右コーナーの練習です。

164号と165号で充分に練習して尾鷲・熊野の42号線です。

RMX②の出番はなかなか来そうにありません。


※2019.11.追記・解説

オートバイはバランスで乗る乗り物です。
走っているときは慣性力や遠心力がバランスを助けてくれます。
軽量車は力でバイクを服従させてバランスを補えます。
しかし、バランスが必要なことに変わりはありません。バランスが向上すればもっと速く走れ、もっと深く曲がれます。

このバランスを鍛えるのが低速小旋回とUターンの練習。
特に重量車はライダーの腕力・体力に従わないのでバランスを鍛えるのに向いています。
目指すのはフルロックターン。後輪の肩に乗ること,こけそうでこけない不思議な感覚。
低速で、オートバイの挙動に合わせてバランスをとることが大切だと思います。
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8.2019.03.24. 追記  クランプ取り付けボルトの変更


ハンドルをいろいろ取り替えていたら六角穴付きボルト(ボタンキャップ)の六角穴をなめてしまいました。

 なめたのは左上と右下。  六角穴をなめたときには「六角穴付きボルト外しビット」を使います。
 黒く太い部分はゴム製の持ち手で取り外しができます。
 こちらはSK11(藤原産業)のビットSID-1050H・329円です。 → とちら

地方のホームセンターにはこのビットが売られていません。
ホームセンターを四軒捜しましたがありませんでした。やはりモノタロウです。
なお、このピットは最大が「対辺長5㎜」でその上はありません。

 先端が六角穴に食い込むようになっています。
 ハンマーで叩いて食い込ませて回してボルトを外します。
 ショックドライバーにも取り付けられますが、取り付け部が「対辺 6.35 ㎜」
 小型のショックドライバー(上)にしか取り付けられません。
 対辺8㎜のショックドライバー(下)には取り付けられません。


ショックドライバーでは瞬発的な力しか入らないので、ビットをバイスプライヤーで挟んで回しました。
右下のボルトは簡単に外れましたが、左上のボルトはなんとしても外れません。
結局、左下のボルトと右側のクランプを外して左上ボルトだけにし、ハンドルを左右に動かして左クランプを動かして左上ボルト外しました。

  六角穴付きボルトには、
  頭が円柱のもの(キャップボルト)と頭が円錐台のもの(ボタンキャップボルト)があります。
  ボタンキャップの方は六角穴が小さくなっています。

・写真右のボタンキャップボルトがABMハンドルキットのボルトです。
・写真左のキャップボルトは右のボルトと同じ「M8 / 1.25 / 頭外径14 ㎜Φ」。

・六角穴は左のキャップボルトが「対辺長6㎜・深さ5㎜」。
・右のボタンキャップボルトが「対辺長5㎜・深さ3㎜」。

・ABM付属のボルトは材質もあまり良くありません。
  初めから通常のキャップボルトにしておく方がよいでしょう。


・①.ABM付属ボルト「M8・1.25 ピッチ・首下 55 ㎜」
・②.ホームセンターで入手できる「M8・1.25 ピッチ・首下 60 ㎜」
・③.ホームセンターに置いていない「M8・1.25 ピッチ・首下 55 ㎜」→こちら
  強度区分12.9のしっかりしたもので、表面処理クロームできれいなボルトです。
・ABMのプレート厚は15 ㎜。ネジはここにしか切ってありません。
・ホームセンターで入手できるキャップボルトは首下が10 ㎜ごと。
・首下 50 ㎜を使うと5㎜ 不足し、かみ合うネジ長は 10 ㎜ で本来の 2/3。
・首下 60 ㎜を使うとプレートから飛び出してしまいます。
・クランプ穴の下二個は下のトップブリッジと隙間があるのでボルトが突き出しても問題はありませんが
  クランプ穴の上二個は隙間が小さいので問題が生じます。
・だから、クランプ穴の上二個については 首下 55 ㎜ のボルト( ② か ③ )が必要になります。

今回は、四本ともABM付属ボルトと同じ首下55㎜のキャップボルト(③)を使いました。

・ボタンキャップボルトより見栄えがよくなりました。
・六角穴も一段階大きいので締め付け取り外しに六角穴をなめる危険が少なくなります。
・ただし、取り付けクランプの常として
  クランプの前には隙間ができませんがクランプの後には隙間ができます。この隙間が2㎜。
  首下 55 ㎜ を使うと、前(上)はピッタリだけれど後(下)が2㎜不足。



・そこで、後側(下側)だけ首下60㎜を使いました。
・プレートから3㎜突き出していますが上に述べたようにトップブリッジと隙間があるので問題なし。
  しかも、プレートのネジ長 15 ㎜ すべてとかみ合っています。

・結論として、前(上)は首下55㎜、後(下)は首下60㎜のキャップボルト。

・モノタロウで首下55㎜を注文するついでに首下60㎜(こちら)も注文するのがよいでしょう。
  ボルトは1セット三本なので四本とも首下55㎜を使うのなら2セット注文しなければなりません。
  しかし、首下55㎜と首下60㎜を二本ずつ使うのなら1セットずつでよいので費用は同じです。

(ABMバーハンドルキットのクランプ取り付けボルト)
・前(上) : 「M8・1.25 ピッチ・首下 55 ㎜」×2
・後(下) : 「M8・1.25 ピッチ・首下 60 ㎜」×2



 



つづく。




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