RMX250-SJ13 整備資料



・2012.01.04  RMX キャブレター調整入門 ②/プラグの場所による判定、エアスクリュー・ジェットニードル段数・スロージェットの関係






回転域によってプラグ各場所の状態が違う→今までのプラグ状態の評価
エアスクリュー,ジェットニードル段数,スロージェットの調整関係


RMX-SJ 13 A/混合仕様 はメインジェット 190番で調子をみています。

前回のプラグ゙状態は期待したものではありませんでした。

今回は他サイトから仕入れた”プラグ状態判定法”により前回のプラグ状態を判定します。
また、別のサイトから仕入れた“エァスクリュー調整方法”によりエァスクリューを調整します。

参照サイトは次の通りです。
※プラグ状態の判定方法 →→→→こちら
※エァスクリューの調整方法→→→こちら

★★最近のキャブレター設定については下記を参考にしてください。(但し、アスファルト設定です)
各キャブレターの履歴と設定記事/リメッサのサイレンサーにはPJのフタ記事/キャブレターの簡易的設定方法



1.プラグ状態判定方法の追加情報

以下が仕入れた情報です。

       
a.プラグ部位によって判定できる回転域が異なる


もう一度この写真から。

  各部位による判定回転域と調整する場所

・ 碍子 ( C ) → 高回転域 ( 3/4 ~ 全開 ) → メインジェットで調整
・ -極 ( A ) → 中回転域 ( 1/2 付近 ) → ジェットニードルとスロージェットで調整
・ ネジ表面 ( D ) → 低回転域 ( アイドリング ~ 開け始め )
   → エァスクリューとスロージェットで調整

・+極 ( B ) → 消耗していなければOK → 電極間隙間で調整



b.各部の判断 ・ 碍子はキツネ色にならない


( 碍子 → 高回転域 )

・ キツネ色 より灰色に近い、オイルが付着せず乾燥している → 〇
・ 白く粉をふいたような感じになっている → × →薄い
・ オイルが付着して濡れている、カーボンが縁ャしている → × → 濃い

( -極 → 中回転域 )

・ カーボンが堆積していない ( うっすらと乗る程度 ) 、オイルが付着せず乾燥している → 〇
・ 白く粉を吹いている、溶けている → × → 薄い
・ 明らかにカーボンが堆積している ( 膜状になって爪で引っ掻けば剥がれそう ) → × → 濃い

( ネジ表面 → 低回転域 )

・カーボンが堆積していない ( うっすらと乗る程度 ) 、オイルが付着せず乾いている → 〇
※-極よりカーボンが少し濃くてもOK
・ 明らかにカーボンが堆積している → × →濃い
・ うすい場合の症状は無い

 (結局)

・ 碍子はキツネ色にならない → 灰色に近く、乾いていれば〇
・ ネジ表面はキツネ色にならない → うっすらとカーボンが乗り、乾いていればOK
・ 「 碍子とネジ表面が同じキツネ色 」 でなくてもOK


c.プラグ状態は刻々変化する


・ 高回転走行後、低回転で走れば碍子にカーボンが付き色が変わる
・ 低回転走行で碍子に付いたカーボンは、高回転走行の高温で燃えてしまい元の色に戻る
・ 碍子の状態を見るためには、全開走行中にエンジンを切って ( プラグチョップ ) プラグの状態を見なければならない
・ 数秒アイドリングしただけで碍子の状態は変わる
・ 一時間程度の全開走行では碍子はそんなに焼けない
・新品プラグなら、全開走行20分後でも白いまま、1時間30分~2時間の全開走行で判断できる焼け色になる

・ 新品プラグは焼けるまでに時間がかかるので、使用中のプラグを使って 「 焼け方がどう変化したか 」 を見る方が楽


d.プラグ状態 ( 焼け方 ) はキャブレター設定の判断材料のひとつ


・ 実際に走って決めるのが一番
・ コース状況や自分の技量・好みに合わせて決めていく


2.前回のプラグ状態を判定する


以上の判定方法で前回のプラグ状態を判定します。

プラグはこのような状態でした。

  a.碍子 ( 高回転域 )
・ キツネ色よりうすいが、乾いている → 〇
・ まだら部分はカーボンか?
  しかし、「低速あり、アイドリングあり」で高回転域での状態を正しく表していない
  また、新品プラグを使ったので焼け不足も考えらる
  プラグチョップで正しく判定する必要あり。

b.-極 ( 中回転域 )
・ちょっと古い10円玉の色 → カーボンの堆積なく乾いている、白く粉を吹いたようではない → 〇

c.ネジ表面 ( 低回転域 )
・つや消し黒 → あきらかなカーボンの堆積がなく乾いている、白く粉を吹いたようではない → 〇

d.走行感
・中回転域・高回転域での “ もたつき ” なく、スムーズに回転が上がる → 〇

e.評価
・ 結局、前回のプラグ状態は問題なし。
・ メインジェット 190番は合格。
・ 今後は、190番でプラグチョップにより高回転域のプラグ状態を確かめ、
   195番でプラグ状態を確かめます。

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選任のための法律知識・








3.エァスクリュー,ジェットニードル段数,スロージェットの調整方法


以下が仕入れた情報です。

a.エァスクリュー調整方法

 
・アイドリングを上げる

 ・いったん、エァスクリューを締め込みアイドリングを下げる

 ・そこからエァスクリューを緩めていくとアイドリングが高くなり、一番高くなった所を過ぎるとアイドリングが下がっていく

 ・このアイドリングが一番高くなったところがエァスクリューの最適位置に近い

 ・この位置では通常 “ やや薄め ” になる

 ・この位置を中心にして、吹け上がりが一番スムーズな所を捜す

 ・その位置がエァスクリューの最適位置


b.エァスクリューの最適位置と戻し量 ・ ジェットニードル段数との関係

 
・エァスクリューの最適位置は戻し量 0.5 ~ 2 回転 の中に入っていなければならない ( 1 ~1.5 回転 の中にあるのがベスト )

 ・0.5 ~ 2 回転に入っていない場合はジェットニードル段数を調整して 0.5 ~ 2 回転内に入るようにする

 ・エァスクリュー最適位置が 0.5 回転以下の場合 → エァスクリューでこれ以上「濃く」できない → ニードル段数を下げて「濃く」する → エァスクリュー最適位置を 0.5 回転以上にする
 ・エァスクリュー最適位置が 2 回転以上の場合 →エァスクリューでこれ以上「薄く」できない → ニードル段数を上げて 「薄く」する → エァスクリュー最適位置を 2 回転以下にする
 ・ニードル段数が「真ん中」でエァスクリューの最適位置が 0.5 ~ 2 回転 ( ベストは 1 ~ 1.5 回転 ) に入るのが望ましい

 ・ニードル段数で調整できないときはスロージェットで調整する

 ・エァスクリュー最適位置がニードル段数一番下で 0.5 回転以下の場合 → スロージェットの番手を上げて「濃く」する → エァスクリュー最適位置を 0.5 回転以上にする
 ・エァスクリュー最適位置がニードル段数一番上で 2 回転以上の場合 → スロージェットの番手を下げて「薄く」する → エァスクリュー最適位置を 2 回転以下にする


※ なぜエァスクリューの調整にニードル段数が関係してくるのか ?

現在のところ分かりません。

スロー経路は通常の経路とは別に設けられたものです。
エァスクリューとスロージェットは スロー経路にあり、ジェットニードルはスロー経路とは別の通常経路にあります。

エァスクリューの最適位置を戻し量 “ 0.5 ~ 2 回転 ” 内に入るようスロージェットの番手で調整するのは分かりますが、ニードル段数で調整する理由が分かりません。
そもそも、ニードル段数を変えることによりエァスクリュー最適位置の戻し量が変わるのでしょうか ?

この点は宿題となりました。


c.エァスクリューはアイドリング調整のためだけではない

・調整が上手くいかないとき、天候の急変で設定を変えなければならないときにエァスクリューを “ ± 0.5 回転 ” すると設定がよくなることがある


d.ジェットニードル段数の調整方法

 
・濃くても薄くても同じ症状が出る
 ・ニードル段数を上げたり下げたりしてその症状がなくなるか試してみる

① アイドリングから回転を上げて調整する方法

 ・アイドリングから徐々に回転を上げる

 ・スロットルの動きに敏感に反応する ( 回転上昇が軽い ・ 回転下降も軽い ) → 〇
 ・開け始めに回転上昇 ( 吹け上がり ) が遅い → 濃い → ニードル段数を上げる
 ・回転上昇は早いが回転下降が遅い → 薄い → ニードル段数を下げる

②走行による調整

 ・中回転域 ( 1/8 ~ 1/2 、1/4 ~ 3/4 ) で、
   もたつく・ぼこつく・加速が悪い → 濃い → ニードル段数を上げる
   息つぎ・失速 → 薄い → ニードル段数を下げる

 ・ニードル段数で調整できないときはスロージェットで調整する

※ニードル段数とスロージェットは関係があるらしい。

③プラグ状態による調整

・中回転域は “ -極 ” の状態、ついでに 低回転域の “ ネジ表面 ” の状態もチェック

 ・カーボンがうっすらと乗って、乾いている → 〇
 ・カーボンが堆積して、湿っている → 濃い → ニードル段数を上げる
 ・白い粉を吹いたような感じになっている → 薄い →ニードル段数を下げる

この ①~③を総合して調整する


e.アクセル開度と主な調整箇所.

アイドリング~1/8 1/8~1/4 1/4~3/8   3/8~1/2    1/2~5/8  5/8~3/4   3/4~7/8   7/8~全開
エァスクリュー
戻し量
ジェットニードル
ストレート径
ジェットニードル段数 メインジェット番手
スロージェット径 ニードルジェット番手            

※注意
 ・スロージェットを換えるとメインジェットの設定が変わる
 ・「 高回転域はOKだが、中回転域が薄い・低回転域が濃い 」 がよくある → 高・中・低回転の全域で回転の上がり下がりがスムーズになるように調整
    ★★07      
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4.調整の実際


以上を参考にエァスクリューを調整しました。


a.アイドリングが一番高くなるところを捜す


回転計があれば楽ですが耳で判断するのは難しいものです。

回転が上がったところを基準にして、 「 - 0.5回 」 と比較する。
そこが 「 - 0.5回 」 より高ければ、 「 + 0.5回」 と比較する。
少しずつ比べていくのがよいようです。

なお、耳では 「 ±0.25回 」 の違いは判りません。

また、アイドリングを高くすると 「 回転の変化 」 が判りにくいので、アイドリングを少し低くした方がよいでしょう。
エァスクリューを緩めてもすぐには回転は上がりません。
回転が上がるまで少し待ちましょう。

 ・アイドリングが高くなった 「 2.0回 」 を基準に 「 -0.5 回 」 と比較

 ・ 「 2.0回 」 の方がアイドリングが高い

 ・ 「 +0.5回 」 と比較

 ・ 「 +0.5回 」 の方が高い ( ただし、エンジンは 「 ビビン・ビビン 」 と不規則に脈打つ )

 ・ 「 2.5回 」 を基準とする

 ・ 「 +0.5回 」 の 「 3.0回 」 にしても変化がないので、 「 2.5回 」 を一応の最適位置とする

 ・ 「 少々薄くなる 」 ことを考慮して、
    「 2.5回-α 」の 「 エァスクリュー・マイナスネジが真上を向く状態 」 にする



b.アクセルへの反応


以前より回転上昇が軽くなったような気がします。
回転の下がりも問題なし。

※以前は標準の 「 1 + 3/4 回転 」


c.エァスクリューの最適位置が 「 2回転以上 」 になってしまったが‥


ニードル段数を上げて、エァスクリューの最適位置を 「 2回転以下 」 にする必要があります。

しかし、ニードル段数はすでに最上段。

ニードル段数で調整できなければスロージェットの番手を下げて調整しなければなりません。

問題はスズキの標準オプションに異なる番手のスロージェットがないこと。
他からいろいろ出ているようですが、キャブレター設定入門者としてはできるだけ簡単にやりたい。

それに、エァスクリュー戻し量が 「 2.5回 」 でも別に構わないじゃない。
レースでサーキットを走るわけじゃなし‥。


そんなことを考えていると、一つの疑問が浮き上がってきました。

「 そもそも、エァスクリューとスロージェットは健全なのかな ? 」

前回のキャブレターメンテで新品に取り替えたのはジェットニードルとニードルジェットだけ。
エァスクリューとスロージェットはキャブクリーナーできれいにしただけ。

まずは、この二つを新品に取り替えてからエァスクリューの最適位置を捜さなければ意味がない。


ということで、エァスクリューの調整は部品待ちの仕切り直し。


d. 「 とりあえず、ちょっと走ってみましょう 」


新たな問題が発生。

「 あれっ ? 」

  リヤホイールのスポークが折れているじゃないですか!

  左側に一本、右側に一本。
  右側で緩くなっているスポークを動かしたら、簡単に外れてしまいました。

  左側は①~④の四本、右側に一本。
  これではテスト走行はできません。

  エァスクリュー調整の走行テストはスポーク取り替え後となりました。


  ということで、RMX は新年から安静・謹慎。
  せっかく元気が出てきたのに、もったいない・ つまらない。
  同じ 「 黄色い 2サイクル 」 だから、こちらを触ってみようかな‥。



つづく。




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