FJ1200-4CC 整備資料



 2018.11.20-2  FJ1200 頑丈スライダー改良4号まとめ





FJ自作スライダーには「材料費 2200円 の 試作1号」、
材料をグレードアップして、クランクケース前スライダーに補強パイプを取り付けた「材料費 8000 円 の改良2号」、
パンク角を稼ぐためにクランクケース前スライダーを短くした「改良3号」、
そして、さらにバンク角を稼ぐためにクランクケース前スライダーの補強パイプ取り付け位置を内側にした「改良4号」があります。
ここでは「改良4号」だけについてピックアップします。
試作1号からの経緯は →→→ こちら


出来上がりイメージ
材料
直交クランプの加工と取り付け
クランクケース下の突起間スペーサの取り付け
クランクケース前スライダーの取り付け
クランクケース前スライダーの補強パイプの取り付け
リヤスライダー


    
1.出来上がりイメージ


・a.エンジン前スライダー : 足場用 48.6 ㎜Φ を直交クランプを使ってエンジン前に取り付ける。
・b.クランクケース前スライダー補強スペーサ : クランクケース下にある突起間に補強パイプ(3/4×200㎜・ナガニップル)を入れる。
・c.クランクケース前スライダー : クランクケース下の突起の両側にパイプ(3/4×125㎜・ナガニップル)を取り付ける。※bとcは共締め。
・d.クランクケース前スライダー補強パイプ : aとcを25.4㎜Φのパイプでつないで補強する。
・e.リヤスライダー : リヤステップを外してナガニップル二個(1/2・3/4ナガニップル)を取り付ける

※改良3号では下の写真の「aとcをつなぐ補強パイプ d」の取り付け位置が異なっています。



         

2.材料


※材料は「改良3号」のものを使ってください。(改良4号と改良3号の違いは補強パイプの取り付け位置だけです。)

※値段は入手したホームセンターのもの。★はモノタロウ値段。


 
① エンジン前スライダー本体 : 48.6㎜Φ×760㎜ / 48.6㎜Φ×100センチパイプを760㎜に切断…486円  
 ※ハンドル巾 ( 車検車体全巾 ) が 780㎜ で、②キャップが5㎜あるので、770㎜でもよい。

 ★長さについて(2021.03.13追記)
・車検ハンドル巾(車巾)は 780 ㎜ →780 ㎜より長くすることはできない。
・倒れた場合には車体が斜めになるので スライダーがハンドル巾より短くてもハンドルは打撃を受けない。
・左右の突き出しを完全に均等にすることが難しい。
・できるだけ短くした方が目立たない。

・以上のことから「ハンドル巾より「20~40 ㎜」短くてもよい → キャップを付けて760~740 ㎜ → キャップなしで750 ㎜~730 ㎜。
・通常使っているハンドルは「150アップ2型」でウエイトバランサーを付けるとハンドル巾が750 ㎜。これでスライダーを(キャップを付けて) 740 ㎜にしています。
・左右の突き出しは「フレームの外側~スライダー外端」を左右で同じにすれば、「ハンドル端~スライダー外端」が左右でほぼ同じになります。

 ② 48.6㎜Φパイプ用打ち込み金属キャップ2個 : 124円×2=248円  ★モノタロウ…167円×2=334円
 a  48.6㎜Φ×48.6㎜Φ 単管直交クランプ2個…178円×2=356円 ※加工必要  ★モノタロウ…249円×2=498円

 ③-2 クランクケース前スライダー 2個: 3/4×150㎜ ( 27.4㎜Φ×150㎜ )  267円×2=534円  ★モノタロウ…249円×2=498円 ※ステンレス 499円
 ※改良3号( 下記参照 )では 3/4×125㎜ を2個 

 ⑧ 3/4ナガニップル用ねじ込みキャップ4個 : 284円×4=1136円  ★モノタロウ…199円 ※ステンレス平坦 599円

 ⑤-2 突起間に挟む補強用スペーサ : 3/4×200㎜ ( 27.4㎜Φ×200㎜ )  400円  ★モノタロウ…389円 ※ステンレス 639円

 ④-2 M10全ネジボルト630㎜ / M10×100センチ寸切りボルトを切断…250円  ★モノタロウ…299円
 ※改良3号では 565㎜

 ⑥-2 ステップ部スライダー2個 : 3/4ナガニップル×105㎜ ( ⑧キャップを付けると全長115㎜ ) / 3/4×125㎜を切断…248円×2=496円  ★モノタロウ 209円 ※ステンレス 419円
 ※切断しないで125㎜のまま使うのなら、キャップを付けた全長が135㎜となり、⑫のM10ボルトは首下165㎜のものが必要。→→→★モノタロウ 446円

 ⑦ リヤ補強用スライダー2個 : 1/2ナガニップル×105㎜ ( ⑨のキャップを付けると全長は115㎜ ) / 1/2×125㎜を切断。…181円×2=362円  ★モノタロウ 169円 ※ステンレス 369円
 ※ステップ部スライダーと長さを揃えるためには 「 +5㎜ 」 必要。→110㎜必要。ニップルそのままを使うと、キャップをつけた全長は135㎜。
 ※切断しないで125㎜のまま使う場合はキャップを付けた全長が135㎜となるが、取り付けボルトは M10×150㎜ボルトでOK。

 ⑨. 1/2ニップルキャップ2個…239円×2=478円  ★モノタロウ…179円 ※ステンレス 259円  ステンレス平坦  469円
 ※中心に10㎜Φの穴を開ける。

 ⑩ クランクケース前スライダー補強パイプ2本 : 25.4㎜Φ×350㎜×2本 / 25.4㎜Φ×100センチを切断…313円 
 ※改良3号では 25.4㎜Φ×370㎜×2本

 ⑪.25.4㎜Φ用打ち込みキャップ4個…130円×4=520円  

 b  48.6㎜Φ×25.4㎜Φ直交クランプ2個…298円×2=596円  
 ※改良3号では48.6㎜Φ×25.4㎜Φ自在クランプ2個

 c  31.8㎜Φ×25.4㎜Φ直交クランプ2個…258円×2=516円  
 ※改良3号では31.8㎜Φ×25.4㎜Φ自在クランプ2個

 d  25.4㎜Φ×19.1㎜Φ自在クランプ2個…208円×2=416円  
 ※平行固定クランプの方がよい。

 ⑫ リヤスライダー取り付けボルト 4本: M10×150㎜…148円×4=592円  ★モノタロウ…119円
 ※リヤスライダーに切断しないナガニップル125㎜を使う場合は、ステップ部がM10×165㎜、補強部がM10×150㎜。両方M10×165㎜でもOK。★モノタロウ ステンレス/446円

 ⑬ ( M10ナット+M10スプリングワッシャ ) 6個…(15円+12円)×6=162円  ★モノタロウ…M10フランジナット  ★モノタロウ 27円、ステンレス 299円/2個

 その他 つや消し黒ラッカースプレー…332円  ★モノタロウ…399円
※ホームセンター入手材料費合計=8193円
※材質はナガニップルもキャップもボルトやナットもすべてステンレスが良いでしょう。ただし、キャップの穴あけはボール盤でないとダメでしょう。

  ●●      
選任のための法律知識・








3.直交クランプの加工と取り付け


48.6㎜Φ×48.6㎜Φ単管直交クランプはFJの角フレーム / 55㎜×32㎜ に取り付けられません。
角フレームに沿うように削らなければなりません。

 単管には、48.6㎜Φ、42.7㎜Φ、31.8㎜Φ、25.4㎜Φ、19.1㎜Φ があります。

 48.6㎜Φと42.7㎜Φは見た目ではそれほど違いません。
 42.7㎜Φが48.6㎜Φに入るくらいの太さの違いです。
 また、42.7㎜Φを揃えていないホームセンターもありますので、一般的な48.6㎜Φを使った方が良いでしょう。

 今回使うのは 48.6㎜Φと25.4㎜Φ。
 エンジン前には一番太い48.6㎜Φを使います。

 48.6㎜Φパイプを取り付けるのが、48.6Φ×48.6Φ単管直交クランプ。
 これをフレームに挟んで取り付けます。
 48.6㎜Φと42.7㎜Φの両方とも取り付けられる 「 共用クランプ 」 というのもありますが、
 「 48.6㎜Φ×48.6㎜Φ直交クランプには42.7㎜Φも取り付けられる 」 とのことです。→→→ こちら

クランプは a,b,cの三カ所を削ります。

 a はエキゾーストクランプと干渉する部分。
 b は角フレームと干渉する部分。※前フレームの内側の角に当たります。
 c は左側のカウリングと干渉する部分。( 左側に取り付けるクランプだけです )
 サンダー使用なのできれいには削れませんが、現物合わせで削る量を調整します。


直交クランプの取り付け位置は、クランプボルトが下側フレームボルトの下端くらいのところ。
フレームが上に広がっているので、これより上に取り付けるにはクランプの別の場所を削らなければなりません。


左側クランプは c部分を削らないとカウリングと干渉します。


※注意
48.6㎜単管の取り付けでは左右長を同じにしなければならないが、
「 クランプから〇〇㎜出す 」 のではなく、「 フレームから〇〇㎜出す 」ように調整する。
これは、左右クランプが同じ向きに取り付けられていないからです。
    ★★29      
選任のための法律知識・

【広告】
趣味にも収益にも。
始めるのなら「早い者勝ち」



4.クランクケース下の突起間スペーサの取り付け



突起間は200㎜。
ここに200㎜のスペーサはなかなか入らない。

200㎜+αに切断したパイプを現物合わせで少しずつ削りながら入れていく。
しかし、チョット削りすぎただけでスコスコになる。
そもそも、サンダーではパイプ軸方向に垂直な切断面が作れない。
また、エキゾーストパイプの間から細いパイプを差し込んでこれをハンマーで叩くので微妙な「 コン、コン 」ができない。

そこで、パイプの軸方向に垂直な面ができている200㎜ロングニップルを使い、微妙な「 コン、コン 」ができるように両側のエキゾーストパイプを外して作業。
※エキゾーストパイプはクランプとチャンバーボルトを緩めれば外れます。

雨天走行をしないでも「ネジ部分」がサビます。ステンレス製を使った方がよいでしょう。

 突起内側の傷は、自作パイプを打ち込んだときにできたもの。  両側のエキゾーストパイプを外すと、ニップルを直接ハンマーで叩ける。
 ニップルは削らないが、そのままでは食いつかないので表面をハンマーで少し叩いて潰す。
 軽くコンコンで両側を食いつかせ、両側を少しずつコンコンと叩いて入れていく。


 突起の巾は27㎜。バイプ外径は27.4㎜Φ。両側に0.2㎜はみ出すことになる。
 このはみ出しが気になるのなら、1/2 ( 22㎜Φ ) のロングニップルを使えばよい。
 しかし、突起の外側に取り付けるスライダーは3/4×150を使うので、
 その力を受け止めるには突起間にも同じ3/4を使った方がよいとも言える。


    

5.クランクケース前スライダーの取り付け


  ・ 3/4ニップルキャップに10㎜Φの穴を開ける。
  ・ これをクランクケース突起の両方に付けてM10全ネジボルトで留める。
   ※ニップルが突起からはみ出していないかを確認して締め上げ。
     キャップの中心に穴が開いていないとニップルが動くので位置決めを慎重に。
   ※はみ出した余分なボルト部分は後で切断。

 穴を開けたニップルキャップが 「 パイプ+ワッシャ 」 でのワッシャの役割を果たします。
 キャップ ( ワッシャ ) がパイプに固定されているのでボルトとパイプの接合力が強くなります。

 但し、このままの状態では次の 「 補強パイプ取り付け 」 がやれません。

 補強パイプ取付のために、このニップルキャップに31.8㎜Φのクランプを取り付けなければならず、
 ニップルキャップに凸部があると、取り付け部直径が大きくなりクランプが取り付けられないのです。
 キャップの凸部を削って平坦にしなければなりません。


 キャップの凸部を削るとこのようになります。
 それでもキャップ外径は34.5㎜Φ。
 しかし、なんとか31.8㎜Φクランプが取り付けられます。
 キャップにば 「 つば 」 のあるものとないものがあります。
 上の a.クランクケース前スライダーの素材見直し に写っている⑧キャップには
 「 つば 」 がありません。別の店で買ったものなのでしょう。
 突起やつばのないキャップもあります。→→→こちら
 
このキャップは外径が32.0㎜だから31.8㎜Φのクランプで簡単に取り付けられるでしょう。

 
余裕をみて寸切りボルト長を 「 +20㎜ 」 にしたのでボルト先端が飛び出しています。
 このままでは脚に引っかかる危険があるので、上からM10袋ナットを取り付けました。

    ●●     
選任のための法律知識・








6.クランクケース前スライダーの補強パイプの取り付け


クランクケース前スライダーに 「 厚いニップルと固定ワッシャとなるキャップ 」 を使ったとはいえ、単にM10ボルトで締めつけられているだけのもの。
これでは転倒の際に簡単に曲がってしまうでしょう。

そこで補強パイプを取り付けることにしました。

 ⑩. 25.4㎜Φ×350㎜×2本 / 25.4㎜Φ×100センチを切断…313円
 ⑪. 25.4㎜Φ用打ち込みキャップ×4個…130円×4=520円
 b. 48.6㎜Φ×25.4㎜Φ自在クランプ
 c. 31.8㎜Φ×25.4㎜Φ自在クランプ

 ⑩をb とc を使って、エンジン前スライダーとクランクケース前スライダーに取り付けます。


・自在クランプを使っているため、
  補強パイプとエンジン前スライダー、
  補強パイプとクランクケース前スライダーの取り付け角度が自由になります。
  補強パイプの長さをとれば、
  取り付け位置をエンジン前スライダーの一番外側にすることもできます。

・今回は補強パイプの長さを370㎜にして、
  エンジン前スライダー外端から50㎜内側に取り付けました。
  いままでエンジン前スライダーの飛び出しが目立っていましたが、これが解消されました。
  見た目も少しパンパーらしくなりました。

・なお、自在クランプは首振り自由なので、取り付けボルトを締めてもガタつくことがあります。
  そんな場合はクランプを内側か外側に叩いて少しずらして、
  クランプ同士の接合部にストレスをかけてやればガタばなくなります。
  ガタがなくなった状態でボルトを締めればしっかりと取り付けられます。



バンク角を稼ぐために補強パイプはクランクケース前スライダーの一番内側に取り付けます。


 この違いは「補強パイプのクランプとフレームとの隙間」の違い。
 右側はフレームから充分に離れています。
 左側は「接触するかしないか」という状態。
 フレームとの隙間がもう少しあった方が「なぜか安心」。


 補強パイプの長さ 370㎜ を目一杯使うと、
 補強パイプのエンジン前スライダーへの取り付け位置は
 「クランプ外側~スライダー外端=60㎜」 で、前より「10㎜内側」に。
 左側も「外端から60㎜」
 補強パイプの取付位置をもっと内側にして
 エンジン前スライダー取付クランプに近づけた方が強度は上がるけれど、
 ここは「デザインの好み」により位置決め。


 クランクケース前スライダーへの補強パイプの取り付け位置を内側に移動したので
 その分だけクランクケース前スライダーの補強強度は減少します。
 しかし、「補強パイプ取り付けクランプ中央~クランクケース外端=60㎜」。
 スライダー長さ=ガニップル+キャップ取り付け増加分=125+15=140㎜。
 スライダーの 根元ではなく 3/7 の所に補強パイプが取り付けてあることになり「少し安心」
 補強パイプを40㎜程度内側へずらせたことで以前よりバンク角が増えたことでしょう。
 これでもまだ補強パイプの下端が先に接触するなら、
 補強パイプを取り外すしかありません。
 補強パイプがなくても、「市販のスライダー」と同等以上の強さはありますから…。

   ★★30      
選任のための法律知識・

【広告】
まずは、プレスとスクワット。
ホームジムならこれで孫の代まで。



7.リヤスライダー


 ⑥-2. ステップ用 : 3/4ナガニップル×105㎜ / 3/4×125㎜を切断…248円×2=496円
 ※ステップ取り付け部の厚さは 15㎜。
   取り付けボルトがM10×150㎜しかなかったので、ニップル長をキャップを含めて 115㎜ とした。
 ※ 3/4×125㎜ をそのまま使うと、キャップを含めて135㎜となるので、
    M10ボルトの必要長=ニップル全長+取り付け部厚+ナット・ワッシャ+α=135+15+10+5=165㎜。
    ホームセンターでは品揃えがないのでモノタロウから入手しましょう。→→→こちら
 ⑧. 3/4ナガニップル用キャップ…284円×2=568円
 ※中心に10㎜Φの穴を開ける。
 ⑦. 1/2ナガニップル×105㎜ / 1/2×125㎜を切断。…181円×2=362円
 ※ニップルそのままを使うと、キャップをつけた全長は135㎜。
   しかし、こちらは取り付け部が薄いので、 M10×150㎜ボルトで取り付け可能。
   今回はステップ側を全長115㎜としたために、同じく105㎜で切断してキャップつき全長を115㎜とした。
 ※なお、取り付けステーが内側に傾いているので 「 ⑦は⑥-2より5㎜長く 」 した方がよい。
   同じ長さにすると、⑦と⑥-2の先が揃わない。
 ※なお、キャップ取付後の全長 115㎜ はリヤステップ長と合わせたもの。
 ⑨. 1/2ニップルキャップ…239円×2=478円。
 ※中心に10㎜Φの穴を開ける。
 ⑫. M10×150㎜ボルト…148円×4=592円
 ⑬. M10ナット…15円×4=60円。
 d. 25.4㎜Φ×19.1㎜Φ自由クランプ…208円×2=416円
 ※ホームセンターに自由クランプしかなかったのでこちらを使ったが、固定クランプの方がよい。


・19.1㎜Φのクランプは1/2ナガニップルに、
  25.4㎜Φのクランプは3/4ナガニップルに取り付け。
・1/2ナガニップルは22.0㎜Φ、3/4ナガニップルは27.4㎜Φ、
  どちらもクランプ可能取り付け直径を超えているが、
  ウォーターポンププライヤーでクランプを変形させれば取り付けられます。
・リヤステップの部分のスライダーがメイン、後のスライダーが補強用のサブ。
・リヤスライダーは取り付け部の厚いリヤステップの部分に取り付けるのがベスト。



8.出来上がり


遠目には「何か付けているな?」程度であまり目立ちません。



ただし、スマートさはまったくありません。



どれくらい効果的なのか、小旋回やUターンの練習でコケていませんので不明です。



つづく




前へ/FJ1200頑丈スライダー自作   次へ/ハンドルを「150アップ2型」に交換   目次へ   SPnet番外TOP   SPnet   SPnet2