RMX250-SJ13 整備資料



 2011.05.28 RMXその後-初めてのキャブレター清掃





※2019.9追記
   キャブレター清掃としては初歩の初歩です。サンデーメカニックには参考になるようなことは書いてありません。
   参考にできる内容は目次の検索にて捜してください。


1.狂いだすRMX

この前にRMXについて書いたのは2月26日。
もう、三カ月も経ったのですね。

このRMXは始動性が悪く、エンジンをかけるにはエァーエレメントを外しキャブにキャブクリーナーをしこたま吹きつけなければなりませんでした。
いったんエンジンがかかると、中回転~高回転で吹け止まりますがとにかく走れました。

キャブレターを掃除しなければと、キャブを開けていろいろな“穴”にキャブクリーナーを噴霧しました。
始動性は改善。

しかし…。
エンジンがかかると、狂ったように高回転になる。
アイドリングを下げようとアイドルスクリューを回すと、『プス・プス、プスン』と止まってしまう。
エンジンをかけると、また狂いだす。

「一度、キャブのオーバーホールをしなければならないな…。」
「まあ、暇になったらやろう。」とそのままにして、FJにかまっていたのです。


2.RMXのキャブレターオーバーホール

本日は雨。
FJに乗れないので、RMXをかまうことにしました。

これが、一晩灯油に漬けておいたキャブレターの部品です。

  あちらこちら変色していますが、そんなことは気にしない。

  もう一度、ジェット類と“穴”をキャブクリーナーで清掃。

  今回は、ニードルジェットは外しませんでした。


その理由は…。

  写真中央の穴がニードルジェットです。
  この下に、メインジェットがネジ留めされています。

  このメインジェットが固着して、
  メインジェットを外す時にニードルジェットの一部がもげてしまいました。
  ニードルジェットは「下から叩いて、上に抜く」ようになっています。
  しかし、一度叩いたら、再利用できない可能性大。
  部品を取り寄せるのにも時間がかかる。
  ニードルジェットの欠けた部分はメインジェットワッシャーで留まって落ちることはない。
  今回はこのままにして、エンジンの調子をみよう。

  以上の理由から「ニードルジェットを外して清掃すること」を見送り。

  メインジェットの番数もおかまいなく、そのまま使用。
  ガスケット・Oリングもそのまま使用。
  今回のキャブ清掃で調子が悪ければ再度開腹しなければなりませんから…。


  これで組み立て終わり。

  パイプも新品にしたいのだけれど、とにかく金をかけない。



ついでに、油面をチェック。
どこかに、「油面を少し下げたら、RMXがアイドリングで狂いだすことが止まった」と書いてありましたから…。

まず、「キャブレターを左右 0°・前傾 5°に固定」。
左右 0°は水準器で簡単だけど、前傾 5°は少々難しい。

「ちょと傾けたらいいか!」とB型性格。

  サービスマニュアルよると、
  「ドレンスクリューを外し、フューエルレベルゲージ( 09913-10730 )を挿入して測定」とのこと。

  オートバイ屋さんではないので、そんなものは使いません。
  ドレンスクリューの下にあるドレン管にビニールパイプをつないでOK。
  サイフォンの原理から、どこにパイプをつなごうと同じじゃない!
  もしそうでなくても、「そんなに神経質になることはない」とおおらかな性格。


  標準値になっているじゃないですか!

  写真では少々低くなっていますが、
  これは「手前を大きく映す」というカメラのいたずら。
  パイプがやや後ろにあるので、小さく写っているのです。



リードバルブも点検。

  けっこう新しいものが付いていました。

  リードバルブは上下を逆にしても取り付けられますから注意しましょう。

  逆に付けると、キャブレターが装着できません。
  これは私の失敗談。



次に、ジェットニードルの組み立て。

  ネットの質問箱などで「ニードルの取り外し方法が分からない」との質問があります。
  それを写真で説明しようと思い、拡大写真を撮ったのですがすべてダメ。

  ということで、今回は説明省略。
  まあ、いろいろやってみてください。
  ※ 2019.09追記  最近はこの方法でやっています。→→→こちら

  ニードルは「6BGK」、一番上にセットされていたので規定の「上から三段目」にセット。

    ●●     
選任のための法律知識・








※2019.9追記  ジェットニードルの番手

 N型 :  6BGK-1 ( 13383-29E00 / 29E00 標準 ),6BGK-7 ( 13383-29E20 / 29E01 標準 ),R・S型 :  6BGK-8 ( 13383-29E30 / 29E02 標準) 。
違いは、  6BGK-8 を標準とすると、スロットル開度25%~90% で 6BGK-7 が濃くなり、 6BGK-1 が薄くなる。そして、 その違いは50%前後で一番大きくなる。

6BGK-8はストレート部がクリップ一段分長く6BGK-1より中回転で薄くできる。また、テーパーの角度がきついので6BGK-1より高回転で濃くできる。



後は、キャブをエンジンに取り付ければOK。

  オフロードバイクは各部品の隙間が大きいので助かります。

  随分昔にV4のキャブを外したことがありますが、組み付ける時に苦労しました。

  「RMXはどこからか空気を吸うと狂いだす」とのこと。
  取り付けバンドを「これでもか、これでもか」と締めました。

  ここで素朴な疑問。
  「キャブの油面をキャブをエンジンに取り付けたまま測定してはダメなの?」
  だって、「左右 0°・前傾 5°」というのはキャブをエンジンに付けたときの角度でしょう?
  あちらこちらのネットからお叱りの言葉が聞こえてきそうですね。



3.まだまだ、治療が必要なRMX


ふと、リアショックを見ると…。

  下側の部分(名前は知りません、肝硬変のようになった赤茶色の部分です)がボロボロになっていました。
  次は、リアショック交換ですね。


このRMXはエンデュローレースでガンガン使われていたものでしょう。
定番の混合仕樣。
チェーンはクリップ式ではなくエンドレス。
リアフレームは加工されてRMのリアフェンダーが付いています。
そのせいか純正SJのリアフェンダーが付けられません。

ラジェターパイプから冷却水漏れがあります。
パイプ交換は必須、ウォーターポンプもチェックしなければなりません。

「走らせるようにする」にはまだまだ時間がかかります。


4.キャブの調子はどうでしょうか?


混合油は濃いめの20:1。
チョークを引いて、キックペダルを1/3ストロークで2~3回。
圧縮を充分にためて、一気に踏み下ろす。
『バン、バン、バン、バン』。

「パン、パン」ではなくて「バン、バン」が2サイクル・250です。

この音を聴くと、CR250に振り回された20年前が懐かしく思い出されます。

アイドリングも一定して、狂いだすこともなし。
今回のキャブオーバーホールは成功です。

「チョット試乗してみようかな?」
しかし、外は雨。記念撮影をして終了。

  「もう、250に乗ることは無理かなぁ…。」

  実は、このRMXを「売ろう」と思っていたのです。

  書類が無いから公道を走れない。
  オフロードコースに持ち込むにはトランポがない。
  まだまだ金がかかる。


直接の原因は後ろに写っているハイエース。

タイプは「ハイエースワゴン・フルタイム4WD・カスタムリミッティド・3000ディーゼルターボ・平成8年・後期涙目」。
ハイエース持病の「燃料噴射ポンプからの燃料漏れ」もありません。
16万㎞を超えてますます好調。

しかし、エアコンがダメになってしまいました。
前の前のハイエーススーパーロングも最後の二年間はエアコン故障。
二夏をエアコンなしで過ごしたことはありますが、それは10年以上も前の話。

「ハイエースとRMXを売れば、エアコン付きの普通車が買える。」
こう目論んでいたのですが…。

「もう一度だけオフロードを走ってみたい。」
RMXは最近メチャクチャ高いですからね。
手放すのは少々躊躇します。

心は乙女のように揺れています。

     
5.「NSRはどうなったの?」


現在、こうなっています。

  こちらもアイドリングが不調になりました。

  NSRはPGM-Ⅲという電子部品が付いています。
  「アクセル開度やギヤポジションによって最適な出力特性になる」ように  この電子部品でコントロールするのです。

  この部分を見てみると…。
  ギョギョ!リミッターカットが付いている。

  RCバルブもサーボモーターでコントロールしています。
  NSRは現代テクノロジーの固まりなのですね。

  いろいろ、点検するにはバッテリーが必要。
  オークションで安いバッテリーを手に入れて、診察・治療待ち。
  タンクの前に置いてある箱がバッテリーです。

  FJで走るのも面白くなってきたし…。

  NSRについてのレポートはもう少し後になるでしょう。



つづく。




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