SPnet  開業編




13.服装届出書の作成       
※各書式のダウンロードは緑字の部分から、一番下で各書式の記載例がダウンロードできます。




「12.護身用具届出書の作成」と同じですが、服装は多数点になるために提出書類の数が多くなります。
特に、最初の届出はあれもこれも届け出なければなりません。

提出書類は一つの服装につき二枚。
添付するのは、標章を付ける服装を着た警備員の正面と側面の全身写真(縦12p×横8p)各一枚。


具体的に説明します。


@服装届出書→→→※「別記様式第9号」「 別記様式第9号word版」

護身用具届出書と同じで、この用紙には書き切れませんので、すべての欄に「別紙のとおり」と記載します。


A服装届出書別紙1→→→「服装届出書別紙1word版」
制服屋さんで制服・制帽を購入した場合、制服屋さん独自の別紙1 を準備してくれます。
これを提出すれば自分で作る必要はありません。


B標章を付けた服装を着た警備員の写真二枚。

縦12p×横8pに切ってそのまま添付しても構いませんが、A4 用紙に貼り付けた方がよいでしょう。
タイトルは「服装届出書別紙2 標章を付けた服装の写真」

めんどうならこちらの用紙を使ってください。→→→→→※「服装届出書別紙2 」
 ・「服装届出書別紙2/ラベル屋さん9版」


簡単に済ませたい方は次の方法


1.別記様式第9号(服装届出書)に届出者の名前、主たる営業所の所在場所・認定番号を書き、残りの欄に「別紙のとおり」と書く。

2.制服屋さんに服装届に必要な書類を送ってもらう。

3.隊員に制服を着せて正面と側面の全身写真を撮って、12p×8pに切り取りA4用紙に貼り付ける。

4.@〜Bのコピーを一枚ずつとる。

5.所轄警察署に提出する。コピーに受領印をもらう。


これで終わりです。

明日からその制服が使えます。



★こだわる方は次の方法で!

『法律上いったい何が求められているのか?  われわれ警備業者にはどんな義務が課せられてどんな権利がみとめられているのか?』

このように考える方は以下の「小難しい文章」を読んで届け出てください。

多分、担当警察官に『ここまでやる必要はないンじゃない…。アンタのところヒマなンだね。』と呆れられるでしょう。

しかし、法律上の義務をしっかり守れば法律上の権利をしっかりと主張できます。
担当警察官の「適切でない指導」を突っぱねることができるのです。


それでは、詳しく説明していきましょう。


【1】警備員の服装について法律で定められていること。



1.警備員の服装の制限--警察官の服装はダメ


警備業法16条で「警察官の服装と同じようなもの」は禁止されています。

※警備業法16条
警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、
    内閣府令で定める公務員の法令に基づいて定められた制服と、
    色、型式又は標章により、明確に識別することができる服装を用いなければならない。」

ここで内閣布令の定めとは警備業法施行規則27条のことです。

※警備業法施行規則27条
「法第16条第1項 の内閣府令で定める公務員は、警察官及び海上保安官とする。」


つまり、警察官と海上保安官の制服と「色・形式又は標章により、明確に識別することができない服装」は禁止されていることになります。

これは、警備員に警察官と同じような服装を認めると、一般人の権利・自由を侵害し干渉する危険があるからです。
過去にそのような事例・犯罪があったのでしょう。

この服装についての制限は、警備業法15条に定める「警備業務実施の基本原則」に由来するものです。

※警備業法15条
警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、
    他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。




警察官の服装と 「 どの程度似ていてはダメ 」 なの?


警備業法16条では、警察官の服装と明確に識別できない判断基準として「色・形式又は標章により」と規定しています。


「色・形式又は標章」とはどういう意味なのでしょうか?


「・(中黒)」は「二つの単語を並列させる記号」です。

「小・中学校」とは「小学校と中学校」の意味ですが、文の前後関係からみて「小学校又は中学校」の意味にも使います。

では、「色・形式」とは何でしょう。

「色と形式」か「色又は形式」のどちらかです。

これは文の前後関係から判断しなければなりません。


ところが、「色・形式」のあとに「又は標章」という言葉が続いています。

「又は」も「・」と同じく、二つの単語を並列させる言葉ですが、「あるいは」という意味で使われます。


「色・形式・標章」や「色又は形式又は標章」とせずに「色・形式又は標章」としたことを加えて判断すると、
「“色と形式”あるいは“標章”」と解釈するのが適切でしょう。


この解釈で条文を読むと、
『A.警察官の服装と明確に異なることが分かるような「色と形式が異なる」服装か、
    B.警察官の服装と明確に異なることが分かるような「標章(ワッペン)」を付けた服装でないとダメ。』ということになります。

BもOKなのですから、「警察官の服装とそっくりそのままでも警備会社のワッペンを付ければOK」となります。


『そんなこと、警察が認めるわけがないじゃない!執拗な“指導”があるのでしょう?』

驚いてはいけませんよ。

次に説明しますが、警察庁の解釈・運用基準はもっと緩い解釈なのです。



60平方p以上の標章」はどこに定められているの?


だいたい、警備員の制服は警察官の制服と“色と形式”が似ています。

当然、標章で「警察官でない」とはっきり分かるものでなくてはいけません。(上記B)


ところが、警備業法と警備業施行規則には「どんな標章を付ければ警察官でないとはっきり分かるか」が定められていません。


そこで「警察庁の警備業法の解釈・運用基準」という第三の法律が登場します。


次にあげる 「 解釈・運用基準の14 」をまず読んでください。


※第14 服装(法第16条関係)

1「明確に識別することができる服装」

法第16条第1項中「明確に識別することができる服装」とは、一般通常人が一見して警察官等と誤認しない程度に異なっている服装をいい、
具体的には、次のいずれかに該当するものをいう

(1) 当該服装の色彩が警察官等の制服の色彩と明らかに異なるもの
(2) 当該服装の型式が詰襟その他警察官等の制服の型式と明らかに異なるもの
(3) 警備員であることを示す相当程度の大きさの標章を当該服装に見やすい場所に付けているもの

なお、(3)の運用に当たっては、
警備業者の名称を表示した標章(60平方センチメートル以上のもの)を上衣の胸部及び上腕部に付けるように指導するものとする。

2.「内閣府令で定める公務員の法令に基づいて定められた制服」

警察官の制服については、
警察法(昭和29年法律第162号)第70条の規定に基づき、警察官の服制に関する規則(昭和31年国家公安委員会規則第4号)に定められている。

なお、警察官の出動服は、ここにいう制服ではないためこれと同一の服装を用いても公安委員会の指示等は行い得ないが、
警備員等が警備業務を行うに当たって警察官の出動服に類似した服装を用いることのないように、上記1に準じて指導するものとする。

--後略--



この原文を読んで内容が理解できる方は検定2級や指導教育責任者資格など簡単に合格できます。

そうでない方のために説明していきましょう。


上にあげたことが、警備業法16条の「色・形式または標章により明確に識別できる」の警察庁解釈です。


次の三つの具体例を上げて「このどれかであればOK」としています。

@警察官の服装と色がまったく違えばOK。
A警察官の服装と形式がまったく違えばOK。
B警備員であることが分かる、相当程度の大きさの標章を見やすいところにつけていればOK。


警察庁は「色・形式又は標章」を「色又は形式又は標章」と解釈していることになりますね。


それでは、警察庁がOKを出す警備員の制服を具体的に考えてみましょう。

@の具体例
・警察官の服装とデザインがまったく同じ、ワッペンも警察官のものとまったく同じ(ワッペンは形式に入るでしょう)、
     しかし、色がまったく違う。たとえばエンジ・モスグリーン。

Aの具体例
・警察官の服装と色がまったく同じだが、デザインがまったく違う。たとえば忍者の装束。
これは考える意味がありませんね。

Bの具体例
・警察官の服装とデザインと色がまったく同じで警備会社のワッペンを付ける。
    警察官のワッペンと同じデザイン・同じ色でも構いません。警備員と分かるようなものであればOKです。

ちょっと怖いですねぇ…。
あちらこちらで警察官もどきが出没しますよ。



さてさて、「60平方p以上の標章」です。

警備員の教育や講習で教えられますが、その根拠を聞いたことがありません。
ここに根拠があったのです。


警察庁は警備業法16条の「色・形式または標章で明確に識別できるもの」を、
@色で明確に識別できるもの。
A形式で明確に識別できるもの。
B標章で明確に識別できるもの。
と解釈し、

Bの「標章で明確に識別できる」の基準として「警備員の標章の条件」を上げています。

それは、次の三つです。
イ.警備員であることが分かる標章。
ロ.相当程度大きい標章。
ハ.見やすいところに標章を付けること。


そして、この三点につき「次のように指導せよ」としています。
イ→警備会社の名前が入っていること。
ロ→大きさが60平方p以上。
ハ→上腕部と胸部に付ける。


やっと出てきましたね。


『えっ? 60平方p以上とは単なる指導なの! 法律で決められたものじゃなかったの!』


そうですよ。ワッペンに警備会社の名前を入れるのも、上腕部と胸部に付けるのも単なる
「シ・ド・ウ」なのです。

警備員の検定講習や指導教育責任者講習で、講師が『これは単なる警察の指導だよ』と説明するわけがないでしょう。

みぃ〜ンな、知っているんですよ。知らなかったのはあなただけなのですよ。


しかし、この指導は適切なものだと思います。

『警備員だと分かればいいンだ」とワッペンに『警備員だよ〜ン』と刺繍したら顧客に信用されませんネ。

警備会社の名前を入れることは宣伝にもなるし、何より隊員の帰属意識を高めます。


「60平方p」もそんなに大きなものではありません。

外国のポリスはもっと大きなワッペンを両方の上腕部に付けています。

どこの警備会社のワッペンも70平方pくらいあります。


上腕部と胸部以外にワッペンをつける適当な場所はありませんね。

背中や太股に付けるわけにはいかないでしょう。


この指導に逆らっても回りから笑われるだけでしょう。

しかし、ワッペンのデザイン上、どうしても60平方pより少し小さくなる場合があるでしょう。

こんな時に「60平方p以上」は「単なる指導」だと思い出せば、OKを取ることができるでしょう。



警察官の出動服はOKされませんよ。


警察庁の解釈・運用基準をもう少し読んでいきましょう。

あれあれッ?「出動服」を認めないように「指導せよ」とありますよ。


「警察官の出動服」とはどんなものでしょう。
機動隊の制服のようなものですかね。詳しくはネットで検索してください。


警察庁の解釈・運用基準では「警察官の出動服は警備業法・警備業法施行規則でダメではないが」と認めておきながら、
「それに似た服装を使わせないように指導せよ」としています。

建前と本音を示して、現場の警察官に本音を指導させるのですか…。
現場の警察官は苦労しますね。


警備業者の皆様、担当警察官の顔を立てるようにしましょう。


後で出てきますが、SPnetでは制帽として機動帽を採用しました。
パトカーに乗っている警察官が使っているものです。

制服屋サンに『これ大丈夫なの?』と聞いたところ『関係機関のOKをもらっている。最近採用する警備会社が増えた。』とのことでした。
出動服ではなくて出動帽子だからOKが出たのでしょうか?

しかし…。



そろそろ「警察官もどき」を卒業


平成21年末で全国の警備員数は54万人・警備業者数は9000です。


警察官が30万人程度、自衛官が26万人程度です。

警備員は警察官と自衛官を合わせた数と同じくらいになっています。

「水と安全がタダではなくなった」現在、警備業に対する社会の期待は高まってきています。
警備員はそろそろ、「警察官もどき」を卒業してもよいのではないでしょうか。


警察官と自衛官と消防隊員はその職務が違い、はっきりと異なる制服を着ています。
そして、その職務と制服に誇りを持っています。

警備員も警察官・自衛官・消防隊員と職務が違うのですから、彼らとはっきりと異なる制服を着るべきでしょう。

そして、警備員の職務と制服に誇りを持つべきでしょう。


警備員が「もどき」や「擬態」である限り警備員の質の向上はないと思うのですが…。

警察官の拳銃吊りをまねたモール、軍隊儀礼正装のネクタイや白手。

あちらこちらに擬態して「チンドン屋さん」みたいな格好になっていますね。(”チンドン屋さん”って分かります?)

「これこそが警備員の服装だよ!」と言えばそれまでですが、どこか情けないと思いませんか?


いっそのこと、全国54万人の警備員が同じ服装をしてはどうでしょうか?
もちろんワッペンは違いますが。

警備会社を移っても今までの制服が使えますよ。

制服屋さんは儲からないでしょうが…。


警備員の服装に対する制限についてはこのくらいにして、服装届について説明していきましょう。



【2】服装届について法律で定められていること


警備員の服装についていろいろ制限を加えても、それをチェックできなければ意味がありません。

公安委員会が警備員の現場を回り、いちいちチェックすることはできません。

そこで事前に届けさせて水際でチェックすることにしたのです。


服装についてどんな事柄を届け出なければならないかは警備業法16条2項と警備業法施行規則28条・29条・30条に定められています。

これについては「護身用具届出書の作成」で説明しましたが、もう一度条文をあげておきます。

※警備業法16条2項
「警備業者は、警備業務(-略-)を行おうとする都道府県の区域を管轄する公安委員会に、
当該公安委員会の管轄区域内において警備業務を行うに当たつて用いようとする
服装の色、型式その他内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。
この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。」

※警備業法施行規則28条
法第16条第2項 -中略-に規定する届出書の様式は、
服装の届出に係る届出書にあつては別記様式第9号のとおりとし、--以下略--。

前項の届出書は、--中略--警察署長を経由して、当該警備業務の開始の日の前日までに提出しなければならない。

※警備業法施行規則29条
法第16条第2項 の内閣府令で定める事項は、
服装の届出にあつては当該服装に付ける標章の位置及び型式並びに当該服装を用いて行う警備業務の内容とし、以下略。」

※警備業法施行規則30条
「法第16条第2項 の内閣府令で定める書類は、
服装(制服でない服装にあつては、標章を付けるものに限る。)の届出に係る届出書にあつては、
服装の種類ごとに
当該服装を用いた警備員の正面及び側面の全身の縦の長さ12センチメートル、横の長さ8センチメートルの写真(無背景で色彩を識別することのできるものに限る。)各一枚とし、以下略。」

ついでに、
警察庁の解釈・運用基準もあげておきましょう。

府令第29条の当該服装を用いて行う警備業務の内容としては、
服装届出書(府令別記- 17 -様式第9号)の記載要領に示すとおり、
当該警備業務の具体的な内容(例えば、「道路工事現場における車両の誘導」、「高層ビルにおける常駐警備」等)の外、
当該警備業務が海上に及ぶ場合にはその旨を記載することになっているが、
「警備業務が海上に及ぶ」とは、法第2条第1項に規定する警備業務を船舶を利用して行うことをいい、
この場合には、海上保安官の制服と明確に識別できるものであるか否かを慎重に判断するものとする



【3】条文深読み


a.何を届け出るのか

・警備業務を行うに当たって用いる服装


b.どんな事項を届け出るのか

・服装の色
・服装の形式
・服装に付ける標章の位置
・標章の形式
・その服装を用いて行う警備業務の内容


c.どんな届出用紙を使うのか

・別記様式第9号のとおり


d.何を添付するのか

服装の種類ごとに、その服装を用いた警備員の全身写真(正面と側面、無背景、縦12p×横8p)



1.何を届けるのか--服装を届け出る


着る服を届け出るのではありません。
服装を届け出るのです。


服装届は「警備員の服装の制限が守られているかどうか」をチェックするためのものです。
「どんな格好で仕事をするのか」を知るためのものです。

服装届の服装とは着ている服だけでなく制帽・ヘルメット・雨カッパ・発光ベスト・階級章などすべてを含んだものです。
つまり、「その仕事するときの格好」が服装届の対象です。

たとえば、制服が「警察官と明らかに異なるもの」であっても、雨カッパとヘルメットが警察官のものとまったく同じなら、
雨の日は「警察官の服装と明らかに異なるもの」になりません。
発光ベストも階級章やバッヂも同様です。


では、作業服やジャージを制服にした場合はどうでしょうか。


「私どもはこんな服装で警備業務を行います。決して警備員の服装制限にひっかかる服装ではありません。」と届けなければならないでしょう。

そうでないと、公安委員会は「その警備会社がどんな格好で仕事をしているのか」分からないからです。


しかし、これは服装の事前届け出を定めた趣旨(立法趣旨・制度制定趣旨)からの判断です。


法解釈の中心は条文です。

まず、警備業法・業法施行規則のどこにも「作業服やジャージは届け出なくてもよい」と定めていません。

次に、添付書類に関する警備業法施行規則30条に、
服装(制服でない服装にあつては、標章を付けるものに限る。)の届出に係る届出書にあっては、…」と書いてあります。

制服とは私服に対するもので、皆が同じ服装をする場合の服装の意味でしょう。

そうなると、この条文の意味は「私服でも標章を付ける場合は写真を添付しなければならない」というものになります。
もちろん、服装届は必要です。服装届が必要ないのなら写真添付の要・不要に言及する必要はないからです。

結局、写真を添付して服装届をしなければならないのは「標章を付けた制服・標章をつけない制服・標章を付けた私服」となります。


これらを総合すると、
「作業着やジャージでも同じものを着せる場合はワッペンを付けなくても写真を添付して服装届をしなければならない」ということになります。


次に問題になるのが私服保安や私服の身辺警護です。

仕事で用いる私服の服装届が必要かどうかです。


立法趣旨・制度趣旨から言えば、作業服やジャージを制服にしたときと同じで、届け出る必要があります。

自前の黒スーツで身辺警護をする警備員が警視庁SPのバッジと同じようなものを付けていたら、一般人は警察官と間違いますね。
「当社の私服身辺警備員は本物のSPと見間違うような格好をしていません。」と届け出る必要があります。


次は条文の解釈です。

どこにも「私服は服装届から除外する」とは書いてありません。

ところが、上に説明したように警備業法施行規則30条が「私服は服装届から除外することを前提にしている」と解釈できます。

ただ、「私服でも服装届はしなければならない。ただ写真添付は私服で標章を付けた場合だけでよい」としているとも解釈できます。

これは「50:50」で勝敗なし。


立法趣旨・制度趣旨があるので「私服は届けなくてもよい」は判定負けになります。

しかし、警備業法16条2項は「服装の色、型式その他内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない」としています。
これは服装届の対象となる服装は「色・形式」が定まっていることを前提にしています。

つまり、服装届の服装は皆が同じものを着る場合(制服)であり、服装の色・形式が定まっていない私服は含まれないことになります。


少しポイントを稼ぎました。

結果は50:50で引き分け。

あとは、警察庁の判断です。


私のところの担当警察官は「私服は届けなくてよい」と判断しています。


結局、服装届をしなければならないのは、「警備業務を行う際の格好で、皆と同じもの」となります。

会社が隊員に貸与する装備品で外から見えるものはすべて服装届の対象となります。

ヘルメットや雨カッパも当然服装届の対象です。

もちろん、それらが会社が一律に色・形式を定めているものでなければ届け出る必要はありません。

会社のマークが入っているものなら「一律に色・形式を定めていること」になりますから届け出なければなりません。
雨カッパの透明ポケットに標章を入れる場合は当然届け出なければなりませんネ



2.どんな事項をどの用紙を使って届け出るのか


これははっきりと定められていますので問題は生じません。


法律で定められた届け出事項は五つ。

服装の色、服装の形式、服装に付ける標章の位置、標章の形式、その服装を用いて行う警備業務の内容。


用紙は「別記様式第9号のとおり」。

「とおり」だから、word版に入力して少々文字がずれ、お上のpdf用紙に手書きした場合と活字の位置がずれても構いません。


別記様式第9号には届け出る五項目について、こう書きなさいという指示がしてあります。
この指示(記載要領)は別記様式第9号の内容ですから、この指示通りに書かないと「別記様式第9号のとおり」の用紙で届け出たことになりません。


その指示を説明していきます。


@「服装欄には服装の種類ごとに記載すること」


「色・形式・標章の位置・標章の形式・警備業務の内容の五項目を服装一個ごとに書け」ということです。

まとめて書かれると何が何やら分からなくなるからです。

結局、届け出る服装一個につき、この別記様式第9号一枚を使わなければなりません。


しかし、書くことが多いので、一個の服装についてもこの用紙では足りません。

そこで、「所定の欄に記載しえないときは、別紙に記載の上これを添付せよ」と指示しています。

一部を書いて一部を別紙に書くと読む方がややこしいので、
別記様式第9号の方にはすべての欄に「別紙のとおり」と書いて、別紙に五項目を書くことになっています。

そうすると、服装一個について、「別紙のとおり」と書いた別記様式第9号と別紙が必要になり、
届け出る服装の数だけ「別紙のとおり」と書いた別記様式第9号と別紙を提出することになります。

別紙の数が多いのは仕方がありませんが、「別紙のとおり」と書いた別記様式第9号が何枚もあっても邪魔なだけです。

そこで、「別紙のとおり」と書いた別記様式第9号が一枚、あとは服装の数だけの別紙を提出することになっています。


なお、別紙は服装一個につき一枚作る必要はありません。

服装一個について分けて書いていけば、別紙一枚に服装何個分を書いても構いません。

制服屋さんが用意してくれる別紙は何個分かが書かれています。


ただ、服装一個について別紙を一枚作った方が後々便利です。

服装を変えた時・追加した時・一部を変更した時などには変更届をしなければなりません。

この時に、「何を、どういう内容で届けてあるのか」を知らなければなりません。

そんな場合に、服装一個につき別紙一枚であればすぐにそれを知ることができます。


A「形式欄には図示して記載せよ」


言葉であれこれ書かれると読む方が面倒です。

下手な文章ではイライラしてきます。

そこで、図を入れてくれと要求しているのです。


写真ではダメなのでしょうか。

図より写真の方がよく分かります。


書類を作る方も図を描くより写真を撮って貼り付けた方が楽です。

デジカメやパソコン処理が普及していますので画像を用紙に乗せるくらい小学生でもできます。


警備業者があとあと参考にする場合も写真の方が分かりやすくなります。

書類はすべてパソコンで処理した方が保存・管理・参照が楽です。

自社で統一した別紙を作っておけば、変更届の別紙も誰でも簡単に作れます。


私は図は写真(画像)でも構わないと判断して、今回の服装届けの別紙は画像を使いました。


ある警備会社の服装届けに三歳児が書いたような制服上衣の図が描いてありました。
苦労して描いたのでしょうね。


B「標章についてはその大きさを明示すること」


あの「60平方p以上」をクリアーしているかどうかチェックするためのものです。

もちろん、「縦5p×横10pの面積50平方p」と書いてもOKです。

別記様式第9号の「その大きさを明示すること」には反していません。

これを見た、担当警察官の指導があるだけです。


C「当該服装を用いて行う警備業務の内容欄には当該警備業務の具体的な内容を--略--書くこと。」


その服装がその警備業務内容に合っているかどうかチェックするのでしょうか?

しかし、どこまで具体的に書けばよいのでしょう。


ある警備会社の服装届には、
「〇〇・△△ビルなどの屋内で実施する施設警備業務及び施設に付随する屋内・屋外の駐車場で実施する交通誘導警備業務、
道路工事現場などにおける交通誘導警備業務」と書いてありました。

読む方が苦労しますね。


警察庁の解釈・運用基準では具体的記載の例として、次のものをあげています。

「道路工事現場における車両の誘導」、「高層ビルにおける常駐警備」等

この程度でOKです。


3.何を添付するのか--縦12p×横8pの写真


届け出た服装を用いた、警備員の、正面と側面の、無背景の、カラーの、全身写真で縦12p×横8pのもの。

届け出なければならない服装は、その警備業務をおこなう格好ですから、
ワッペンをつけた制服だけでなく制帽・ヘルメット・発光ベスト・雨衣の写真も添付しなければなりません。

もちろん、作業衣やジャージを制服にした場合で標章をつけなくても写真を添付しなければなりません。

私服で標章を付ける場合も写真添付が必要です。

私服は写真添付は必要ありません。


問題は、警備業法施行規則30条が「服装の種類ごとに…」と規定していることです。

まさか、「ヘルメットだけをかぶった全身写真、制服だけを着た全身写真、雨カッパだけを着た全身写真」の意味ではないでしょう。

服装届が「どんな格好で仕事をするか」を知るためのものであることから考えると、

「交通誘導なら交通誘導を行うときの服装・装備品を付けた全身写真、施設警備ならその業務を行う時の服装をした全身写真」という意味でしょう。

「服装届をした服装をすべて付けて一枚の写真で済ませる」なと解釈するのが適切だと思います。



【4】服装届の例

ここまでお付き合いしていただいてありがとうございます。

なぜ、ここまでこだわるのでしょうね。


「警備員は現場に立ってナンボ・手と旗を振ってナンボ」で、能書きをたれていても金にはなりません。

しかし、法律の条文を読み込んで『あれっ?そんなことする必要はないンだぞ!』と発見することは楽しくて仕方がありません。

これは趣味ですね。


最後に今回届け出る服装届を参考に上げておきます。

あくまで参考で、この通りに届出書を作成して受理されなかっても一切責任は持ちません。
予めご了解ください。


服装届出書別記様式第9号


※下に添付する文書を書いておきます。

★ラベル屋さんver.9版★

※ ファイルを開くためにはA-oneの「ラベル屋さん9という無償ソフトが必要です。
    怪しいソフトではありません。こちらからダウンロードしてください。→→→A-one ラベル屋さん9
※写真を差し替えたり文を変更したりして作成してください。

別紙1-1別紙1-2 別紙1-3別紙1-4別紙1-5別紙1-6別紙1-7 別紙1-8

別紙2-1 別紙2-2別紙2-3別紙2-4

別紙2用紙


★ラベル屋さん ver.8版★

・ ラベル屋さん8 はダウンロードサービスが終了していますので、新たにインストールすることはできません。
・ IE(インターネットエクスプローラ)が新しいと、「右クリック→開く」では開けません。
  「右クリック→保存」でファイルを保存したあと、ラベル屋さん8 を起動させ「ファイルを開く」でそのファイルを開いてください。

別紙1-1別紙1-2別紙1-3 別紙1-4別紙1-5別紙1-6別紙1-7 別紙1-8

別紙2-1別紙2-2別紙2-3別紙2-4

別紙1用紙@別紙1用紙A別紙1用紙B

別紙2用紙




【5】届け出報告


上の届け出書類はすべてOKでした。

別紙1の図について「図の代わりに写真(画像)でよいか」と確認したところ、『図より写真の方がよく分かるからOK』とのこと。

今回、ワッペンを透明ポケットに入れた雨カッパも服装届をしました。

この点につき服装届の必要性を確認したところ『やはり届が必要ですね。』との答えでした。


なお、同時に護身用具届もしました。

警備業界では「お上御用達のノーベル工業製警棒」が幅を利かせています。

今回はASPを届けましたので、何か言われると思い念のため現物を持っていきました。

しかし、ASPについて「信用性のある警棒なのか」など一切聞かれず、見物を見せる必要もありませんでした。


護身用具届け出ASPが受理されたのはいいけれど、これは高いからそうやすやすと隊員に貸与するわけにはいきません。

護身用具については自前にするつもりです。

「SPnetに入ったらASP-F26-エァウエイトが貸与されるゾ!」と期待して求人に応募しないでくださいネ。



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