FJ1200-4CC 整備資料



 2011.11.07  FJ 1200-チェーン“そのまま交換”





チェーン交換でもっとも簡単なのは
「古いチェーンを切断し、古いチェーンと新しいチェーをつないで新しいチェーンをセットし、新しいチェーンを継手駒でかしめてつなげる」
そのためには、チェーン切断器具とかしめ工具が必要です。
つないである中古チェーンを入手したけど、チェーン切断器具やかしめ工具がない場合はどうするか?
スイングアームを取り外せば、チェーン切断やかしめ作業なしで古いチェーンを外して新しいチェーンを取り付けることができます。
また、エンドレスチェーンを取り付ける場合や、入手したつないであるチェーンの型番が古くて継手駒がない場合にもこの方法を使います。
この頃はかしめ工具をもっていなかったので、スイングアームを取り外してチェーン交換をしました。


入手した中古チェーン
リヤホイール取り外し
スイングアーム取り外しの注意点
外したチェーンと取り付けるチェーンの比較
組み付ける部品
スプロットの比較
チェーン組み付け
取り付けたチェーンの状態
二度目のチェーン交換(2019.09.01)
530VAのチェーンジョイント
チェーンの使用限度についてのマニュアルの記述の意味
三度目の「かし丸君」
取り付けたチェーンの状態


    
1. 恒例の“日曜オークション調達“

a.今回はチェーンが安い

10月30日 ( 日 ) のオークションで調達した部品です。

  今回はチェーンが安かったので落札しました。
・②.カワサキ GPZ 1100 / DID-530-VA -- 110円
・③.ヤマハ XJR 1300 / DID-530-VZM - 1250円
・④.FJ 1200・クラッチマスター--------- 100円
  ※FJ のチェーンは 530-110 リンク。
  ②・③も110リンクです。
・※XJR 1200 のチェーンは 110リンクですが 525 ですのでFJ には適合しません。

・FJ部品を捜している者は多いので、FJやXJRの部品は落札価格が高くなります。
  チェーンはヤマハ以外を狙うのが穴です。

  ※DID チェーン適合表 →→ こちら
  ※RK チェーン適合表 →→ こちら

・④は予備ストックです。



b. “かしめチェーン”には“かしめ工具”が必要

20年前のオフロード車のチェーンはクリップ式。
チェーンの駒をつなぐのはクリップをはめるだけ。

チェーン交換に必要なのは、既成チェーンを適合駒数にするための”ピン抜き工具“だけ。

しかし、最近はオフロード車でも“かしめチェーン“。

チェーンをつなぐためには、そのチェーン専用のジョイントと“かしめ工具”が必要です。

専用ジョイントは一個700円~1000円程度。
かしめ工具が4000円~10000円。信用性の高いDIDのかしめ工具は定価が16695円→→→かし丸君

しかも、かしめ作業は馴れないと上手くいかないとか。


今回調達したチェーンは ②・③ ともつながっています。
※ ②は“かしめ“、③はエンドレス。

そこで、チェーンを切断しないでこのまま取り付けることにしました。


2.古いチェーンの取外し


チェーンを切断しないでそのまま取り外したり取り付けたりするには、リヤホイールとスイングアームを外さなければなりません。

オフロード車では各部品間隔が大きいので、これらの作業は簡単です。
しかし、オンロード車では各部品がギッシリ詰まっていますので簡単ではありません。

マニュアルによると、スイングアームを取り外すには「リンクを外してリヤショックを外さなければならない」とか。
そして、リヤショックを外すためには「タンク、キャブレター、エアクリーナーボックスを外さなければならない」とか。

マニュアル通りにやっていたら大変です。必要最小限でやりましょう。


a.ドライブスプロケットカバー取外し


まずは、このカバーを外すことから。

・矢印はプッシュロッドのオイルシールです。
・このオイルシールはロッドを抜いたあと、
  シール部を引っかけて手前に抜けば外れます。→→→こちら
・取り外したスプロケットカバーの内側です。
・ガスケットは原型をとどめていません。油と泥でコテコテです。
・当然、ガスケット交換 。
  ただし、このガスケットは値段相応の働きをしていません。→→こちら



フロントスプロケットの状態は、

・チェーンが引っかかる側 ( 左側 ) の山が右側に比べて減って ( 痩せて ) います。
  交換です。

・もっとも、スプロケットに裏表はないようなので、裏返して使うこともできるでしょう。

・ドライブスプロケットを留めているナットは36㎜です。

・締めつけトルクは 8.5 kg・mですからそんなに固く締めつけられていません。
  大型のモンキーレンチやウォータープライヤで外れます。

・しかし、取付にトルクレンチを使わなければなりませんから、36Mソケットが必要になります。
  1500円程度ですから手に入れておきましょう。


     

b.リヤホイール取外し

リヤアクスルを抜いただけではリヤホイールは外れません。
リヤプレーキ・ディスクがキャリパに引っかかってホイールを後ろへ抜くことができないのです。

リヤプレーキ・キャリパを取り外さなければなりません。
こういうところがオフロード車と違う点です。

・①・②・③を外して、キャリパをどこかへ引っかけておきましょう。
  ※②・③締付トルク 3.5 kg・m 。

・この状態でリヤホイールを外します。
・タイヤと後フェンダーがぶつかってホイールは簡単に抜けません。
  ホイールを左に傾けフェンダーを.曲げて無理やり抜きましょう。
・なお、リヤブレーキディスクがキャリパブラケット ( 写真のD ) に当たりますので、
  ディスクを傷つけないように注意。


マニュアルでは、

・④を外し、キャリパブラケット ( D ) を外す。
・⑤を緩め、コンプレッションバー ( E ) を上方に持ち上げて
  ホイール取外しのジャマにならないようにする。
  タイヤをより斜めにできますからネ。

・マニュアル通りの方がスムーズにリヤホイールを外せるでしょう。

  ※キャリパ取付ボルト ( ④ ) 締付トルク  3.0 kg・m 。
  ※リヤアクスル締付トルク  15.5 kg・m 。



c.リヤホイール点検

・このまま、ドリブンスプロケットを持ち上げれば、
  中にあるクラッチハブダンパを見ることができます。
・わざわざ、スプロケットを外す必要はありません。
  それを知らずにスプロケットを外してしまいましたが‥。
・ハブの中はこうなっています。
・右側のダンパ ( 緩衝材 ) は一対で1040円です。五対必要ですから 5200円かかります。
  損傷がないので、交換しません。

※ドリブンスプロケット取付締付トルク  6.0 kg・m・ネジロック不要(注)
注 : マニュアルP6-7 のイラストでネジロックをスタッドボルトに使用していますが、これはハブにスタッドボルトを取り付ける場合のことでしょう。
    ナットに緩み止めが付いているのでネジロック不要です。


ドリブンスプロケット(リヤスプロケット)の状態です。

・まだ使えそうですが、4421円なので交換することに。


・リヤアクスル穴の両側 ( スプロケット側とディスク側 ) にはオイルシールが付いています。

・オイルシールと名がつくと交換したくなるのが人情です。
  これがスプロケット側のオイルシールの状態です。

・交換したいのはやまやまですが、取外しや打ち込みに苦労しそうです。
  また、オイルシールといってもベアリングのグリース漏出を防ぐだけのもの。
  フロントフォークやブレーキキャリパやクラッチレリーズのオイルシールとは重要性が違います。
  「今回は交換なし」としました。

・なお、このオイルシールの値段は、スプロケ側が482円・ディスク側が242円。
  安いので他の部品を注文するときに注文しておきましょう。

   ★★18     


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d.スイングアーム取外し

まず、スイングアーム取付ボルト ( ピボットシャフト ) を外します。
下の写真のAにはまっているボルトです。

ただし、注意!

・右側の写真の矢印の部分にボルト回り留めの突起があります。
・ボルトのフランジの一部が切ってあり ( 写真では5時~6時方向のフランジ部分 ) 、この部分が突起に当たって回り留めとなっています。
・ナットを外す時にボルトが供回りをすると、写真のように突起部を損傷してしまいます。
・この突起はフレームに付いているものなので交換することができません。ボルト頭にレンチを当てて確実に供回りを防止してください。

・締めつけトルクが 9.0kg・m なのに、メチャクチャ固かったので、ナット側のレンチにパイプをつないで緩めていたらこの突起が欠けてしまいました。


スイングアームとリンクを切り離さないとスイングアームは外れません。

・ボルト B を外して、スイングアームとリンクを切り離します。
  ※リンクボルトの締付トルク  6.5kg・m

・これでスイングアームが外れるはずなのですが、リヤショックが邪魔して外れません。

・「スイングアームが外れなくてもチェーンは外れるだろう」 と
  、スイングアームを持ち上げたり横にずらせたり‥。


・しかし、チェーン巾だけの隙間が空きません。あと、5㎜くらいなのですが‥。
・無駄なことはやめましょう。
  時間を浪費するだけでなく、マフラーの裏側にたっぷりと傷が付きます。
・リヤショック下部の取付ボルトを外せば済みます。写真の C です。
・通常はレンチの入りにくい部分ですが、スイングアームが自由になっているので作業は簡単です。


Cを外すとリヤショックが自由になり、スイングアームが 「ゴトン」 と下に落ちます。

・あとは、チェーンをドライブスプロケットから外せばOK。 ・やっとチェーンが外れました。


結局、スイングアームを取り外すための作業は、

・①ピボットシャフト ( A ) を抜く

・②スイングアームとリンクを切り離す ( Bボルトを抜く )

・③リヤショック下部ボルト ( C ) を抜く。

マニュアル手順の 「リヤショック上部ボルト取外し」 は必要ありません。
リヤショック上部ボルトを外そうとすると、タンクやらエァクリーナーボックスやキャブレターを外さなければなりません。

    
3.新旧チェーン比較


取り外したチェーンと中古チェーンを並べてみました。

・①が取り外したチェーン DID530-ZL 。
・②が110円の DID-530-VA 。
・③が1250円の DID-530-VZA。


・同じように見えますが近づいてみると、
  5駒 ( 10リンク ) でこれだけ違いが出ます。

・9駒の長さを計ってみると、
  ①は289㎜、②は283.5㎜、③は284㎜。

・マニュアルによると「使用限度は10リンク長が150.1㎜ 」 。
  しかし、“10リンク”がどこからどこまでか
  イラストではよく分かりません。


チェーンの曲がり具合も比較してみました。

・実際はもっと曲がります。

・なんと、110円の中古チェーンが一番良いではないですか!

・「付け替えるチェーンを②にしようか③にしようか」 迷います。
  ②は普通のシールチェーンで、
  ③ は ② よりランクの高いチェーンですから‥。



4.注文部品決定


注文する部品です。

3CV-17460-00 ドライブスプロケット(17丁) 5880円 ×1
4CC-25438-00 ドリブンスプロケット(38T) 4421円  ×1
93106-30029 リヤアクスル右オイルシール 242円 ×1
93106-35030 リヤアクスル左オイルシール 482円 ×1
36Y-15451-01 ドライブスプロケ・カバーガスケット 725円 ×1
26H-W0098-00 プッシュレバー・シールキット 746円 ×1
93109-08061 プッシュロッド・オイルシール 242円 ×2
93109-12053 シフトシャフト・オイルシール 200円 ×2
46502-KV3-830 フック,リターンスプリング 546円 ×1
46514-KW3-670 スプリング,ブレーキペダル 210円 ×1
46515-MN1-670 チューブ,ブレーキペダルスプリング 131円 ×1
90118-KV3-830 ( ※90118-MY9000 ) スクリュー,パン6×14 157円 ×1

※は現在の代替部品番号

① と ⑤ が今回のチェーン交換に必要な部品です。
※ドライブスプロケット・ワッシャを固定するロックワッシャ ( 90215-26241・/ ワッシャ、ロック 47X ・483円 ) も必要ですがストックがあります。

②・③・④・⑧ は交換しないが準備しておく部品です。
⑧ はスプロケットカバーにはまっているシフトシャフトのオイルシールです。

⑦ の交換は→→→こちら

⑦ はクラッチレリーズのオイルシール、予備ストックです。

⑨ ~ ⑫ はNSRのリヤプレーキランプ・スイッチの取付部品です。
※NSRのリヤブレーキランプスイッチを取り付けるには、スイッチとバネの他にこの三個の部品が必要です。


チェーンが“タダ同然”、そして、かしめ工具・ジョイント不要。
とても安上がりなチェーン交換です。

新品チェーンでも規定駒数のエンドレスがあります。
エンドレスチェーンはメーカーでつなぐので各駒の接続部の強度が均一です。

チェーン交換は頻繁に行うものではありません。
高い”かしめ工具“を買い、馴れない”かしめ作業“を行うより、スイングアームを取り外してエンドレスチェーンを付ける方が安上がりで簡単・確実です。

また、古いバイクの場合は時々リヤホイールやリンク・アームの状態を点検することも必要です。
チェーンは 「 スイングアームを取り外して、チェーンを切断せずにそのまま交換した方 」 が整備初級者にとっては得策でしょう。
   ★★19     


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5. 組み付け部品


今回組み付ける部品です。


    

a.②  ドライブスプロケット(フロントスプロケット)

・左が今までのスプロケット、右が新品のスプロケットです。

・計測の必要はありません。片減りをしているし、歯も痩せています。
  新品に交換します。

・このFJ はメーター読みで 22000㎞。
  付いていたチェーンは標準の DID530-ZL・エンドレス で、片伸びしてチェーン引き最大。

・メーターが正しいとすれば、20000㎞でドライブスプロケットとチェーン交換。

・ドリブンスプロケットは
  次回のドライブスプロケットとチェーン交換の時に交換すれば良いでしょう。
  つまり、40000㎞で全部交換となります。



b.①.ドリブンスプロケット(フロントスプロケット)

左の黒いのが新品、右の白いのが今までのスプロケットです

・今までのスプロケットはやや痩せている程度です。

寸法を計ってみましょう。

new old
a 2.5㎜ 2.5㎜
5.5㎜ 5.4㎜
c 14.5㎜ 14.2~14.0㎜
d 10.3㎜ 10.1㎜
e 8.8㎜ 9.2㎜


※ノギスが直接当たらないのであまり信用できません。
※old の b は、境界線が消えていましたから、正確な値ではありません。

old は削れているので、c・d・eの値が new より大きくなり、 b の値が new より小さくなるはずです。
上の計測値では e と b がそうなっていますが、 c と d については逆になっています。これは計測間違いでしょう。

今回は、取り付けるチェーンが中古のこともあり、このまま使うことにしました。


c.③  今回取り付けるチェーン

程度の良い 110 円 のDID-530-VA を取り付けるか、程度のあまり良くない 1250円 の DID-530-VZM を取り付けるか?
人情に負けて 1250円 のVZM を選びました。

「 あの曲がり具合で、どの程度のチェーン引きをしなければならないのか 」 も知りたかったからです。

程度の良い 110 円 のDID-530-VA は 40000㎞までに出番が回ってくるでしょう。  

なお、ドライブスプロケットは裏返して使えますが、ドリブンスプロケットは裏返して使えません。
もちろん、使おうと思えば使えないことはないでしょうが‥。


d.④  ホイールとスイングアームの塗装

スイングアームを取り外したので、今まで気になっていたサビ止めと塗装をしました。

・塗装をペーパーで擦ると、出るは出るは。表面の状態の5倍くらいサビていました。

・サビチェンジで赤サビを黒化皮膜に。
  表面をならしてシルバースプレー。
  仕上げを良くしようと、塗っては乾かしペーパーでならして更にスプレー。

・最後の段階でスプレーが残り少なくなってトラブル発生。
  シルバースプレーは最後の方になると混ざっている金属粉がたくさん出てくるのですね。
  むらになったので、シンナーで溶かしたり、ペーパーでならしたり。
  結局、仕上がりは見にくいものになってしまいました。

・リヤホイールもアルミ腐食で汚くなっていましたので塗りました。こちらは刷毛塗りです。
  表面が梨子地になっていますから、刷毛塗りでもきれいになりました。

・ついでにリンク部分のグリスアップとリヤショックバネの錆止め・塗装をしておきました。

  ●●     
選任のための法律知識・








6.チェーン組み付け



以下では手順と気がついたことを紹介します。

a.組み付け手順

“チェーン取外し”と逆の手順となります。
しかし、取り外すのと取り付けるのでは手順が前後する部分があります。


手順は次のようなものになりました。

・①チェーンを引っかけてスイングアームを入れる。

・②リヤショック下部とリンクをボルトで留める。6.5kg・m

・③チェーンをドライブシャフトに引っかけて、ピボットシャフトを入れてスイングアームをフレームに取り付ける 。9.0kg・m

・④スイングアームから出ている二本の腕 ( 正式名  アーム 1 ) とリンクをボルトで留める。6.5kg・m

・⑤リヤホイールをスイングアームに入れる。

・⑥チェーンをドライブシャフトから外し、ドリブンスプロケットにかける。

・⑦リヤホィールカラー左 ( 穴大 )、チェーンアジャスター左、リヤホィール、リヤホィールカラー右 ( 穴小 )、キャリパブラケット、チェーンアジャスター右をリヤアクスルで仮止め。

・⑧リヤホィールを精一杯前に出し、チェーンをドライブスプロケットにセットしたままドライブシャフトにはめる。

・⑨ギヤをローに入れて、ドライブスプロケットとロックワッシャを36㎜ナットで留める。8.5kg・m

※マニュアルでは 「 ドライブスプロケット・ナットを緩める時はギヤをローに入れる、締める時はリヤブレーキをかける 」 となっています。
  こうしないとギヤを損傷するのかも知れません。
  しかし、この段階ではリヤブレーキが使えませんので、ドライブスプロケットの本締めは最後にやった方が良いでしょう。
※ロックワッシャの爪を立てるのを忘れずに。

・⑩コンプレッションバーをスイングアームに取り付ける。3.0kg・m

※コンプレッションバーの取り付けボルトは二本。前が外側から、後ろが内側から挿入。
  スイングアームをフレームに取り付けてしまうと、前のボルトが外側から挿入できません。
  右ステップ・プレート ( 正式名  フートレストプレート ) のボルトを外してプレートを自由にさせればOKです。
※コンプレッションバーをスイングアームに取り付けてから、スイングアームを入れるという方法もありますが、②・③の作業でコンプレッションバーが邪魔になります。
  また、次でリヤキャリパーをディスクに取り付ける時に、フートレストプレートが自由になっていた方が作業が楽です。

・⑪リヤキャリパーをキャリパブラケットに取り付ける。3.5kg・m

・⑫チェーン引き、リヤアクスル本締め。15.5kg・m

※15.5kg・mは相当強いトルクです。手持ちのトルクレンチの最高トルクは13.5kg・m。今までこれ以上のトルクで締めることはありませんでしが、さすがは1200。
※チェーン弛みは中央部で1.5~2.0㎝。


b.手順 ② の 「 リヤショック下部とリンクのボルト留め 」 に苦労


マニュアル手順の省略で、リヤショックを外していません。リヤショックはフレームに付いたままです。

リヤショックにはバネ圧がかかっているので、簡単にはボルト穴とリンクのボルト穴が合いません。

リンクを持ち上げ、リヤショックを前に押してボルト穴を合わせるのですが、手が二つしかありませんので合わせたボルト穴にボルトを差し込むことができません。

そこで、ジャッキをリンクの下に置いてリンクを持ち上げました。

写真はボルトを留めた状態です。

・写真のCがリヤショック下部とリンクを留めるボルト。
・ジャッキはリンクの高さを調整するだけのものです。

・スイングアーム前部にハンマーを噛ませ、後部をモトクロススタンドで持ち上げて適当な高さにする。
  リンクをジャッキで適当な高さにする。この“適当”が難しい。

・左手にボルトを持ち、右手でリヤショックを前に押してボルト穴を合わせてボルトを挿入。
  力と根気も必要です。
  しかし、マニュアル通りにやるとキャブレターまで取り外さなければなりません。
  それを思えば少々の苦労なんか。

・作業は左側から行います。
  バイクの向こうに安全靴が写っていますが、これは置いてあるだけです。
  私が履いている靴ではありません。

・私は左側からこの写真を撮っています。
  「もしかして、“もう一人”居るの?」と不思議がらないでください。



c.手順 ④ の「スイングアームから出ている二本の腕 ( 正式名  アーム 1 ) とリンクのボルト留め」で気づいたこと


上の写真の矢印Bの右側がスイングアームから出ている二本の腕 ( 以下ではアーム )の片側(左側)です。右側はその横にあります。

アームの上部はスイングアームに取り付けられています。

スイングアームを取り付けてしまうと、スイングアーム上部ボルトにトルクレンチが使えません。
あらかじめアームをスイングアーム上部に取り付けておきました。


Bのボルト穴を合わせるのは簡単ですが、二つのアーム位置が揃っていなければボルトが貫通しません。

二つのアームをスイングアーム取り付ける時に、このことを忘れていました。

そこで、メガネレンチでアーム上部のボルトを緩めて、位置を合わせました。

当然、アーム上部のボルト締めにはトルクレンチは使えません。
メガネレンチの感覚トルクレンチとなりました。

あらかじめアームをスイングアームに取り付けておく場合は、二つのアーム位置を合わせるようにしておきましょう。

     
 
d.1250円のXJRチェーンの程度

こんな状態です。

・チェーン弛みは規定値の「中央部で上下2.0㎝ 」。

・チェーンはまだ3割ほど引くことができます。

・片伸びも少々ありましたが、それほど気になるものではありません。
  15000㎞くらい使ったチェーンでしょう。
  あと5000㎞くらいは大丈夫でしょう。

・なお、リヤアクスルはボルトを右側から挿入して、ナットは左側。
  通常のバイクとは逆です。
  ついつい左側から挿入して右側のナットをはめ、
  締めつけトルク確認のためマニュアルを見たら「右側から挿入・ナットは左」の写真とイラスト。
  注意しましょう。



e.2011.11.20  追記

本日、42号線-尾鷲・熊野にて300㎞程度走りました。

チェーンとドライブスプロケットを交換したせいか加速・減速がなめらかになりました。

タイヤを新品にすればもっと楽になるでしょう。


今までの油圧クラッチは、レリーズがあまり効果を発揮していなかったので“手圧クラッチ“。

油圧クラッチのストロークが短いのには驚きました。
今までの癖でクラッチレバーを力任せに握るので、レバーが薬指に当たり痛い思いをしました。


コーナリングはなかなか上達しません。

ハンドルに力が入ってしまいます。
『腕から力を抜いて、上体をリラックス!』 とつぶやきながら曲がりました。

「上体 ( 頭 ) をバイクから取り残されないようにすること 」 、
「 曲がろうとするカーブをイメージすること」、「そのイメージに下半身でバイクを誘導すること 」、
「 登坂車線の外側の走行車線より、登坂車線の方が内側なので早く走れること 」 を感じました。
「 下り・360度・右コーナーをスムーズに走れること 」 が次回の課題です。


出発前にエァスクリューを規定の 「 2+1/2回転 戻し 」 にして、キャブレターの同調をしました。
250㎜Hg くらいに揃えることができました。
今までの 「 2回転戻し 」のせいか、プラグは黒くなっていました。 ( 今まで規定が2回転戻しと誤解していました。)

出発が遅くなり夕方の寒さがこたえました。
   ●●     
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7.二度目のチェーン交換(2019.09.01)


今付いているチェーンは 2011.11 / 22000㎞ で交換したもの。もちろん中古です。

現在、オドメーターは31141.0㎞、9000㎞強走っています。

“片偏り ( 場所によってチェーンの張りが強くなったり弱くなったりする)”の症状。そろそろ、交換時期。

そう言えば、程度の良いチェーンがあったな…。※上で説明した「②.カワサキ GPZ 1100 / DID-530-VA -- 110円」のことです。
ついでに、ドリブンスプロケットも交換しようか。

    
a.530VAのチェーンジョイント


・ドリブンスプロケットはストックの新品。
・ナットは M10/P1.25細目 ・ フランジ(セレートなし) ・ Uナット(緩み止めナット)→→→こちら
  ホームセンターが揃えているナットは、Uナットでもフランジがなかったり、
  フランジナットでもセレート(ギザギザ)が付いていたりします。

・チェーンは DID-50VA(530VA)-110リンク。

・問題はチェーンジョイント。
  「同じメーカー、同じサイズでも型番が違えばジョイントは適合しない」のが通念。
  DIDのラインアップには Vシリーズ があるけれど50(530)サイズがない。→こちら


・530Vのジョイントをあちらこちらで捜してやっとモノタロウ。
  「Vシリーズ用ジョイント / 399円」がありました。→→→こちら

・しかし、ジョイントに 530V-ZJ と 530VM-ZJ の二種類。
  チェーンは 530VA。

・どちらが適合するのかをDIDに問い合わせ。 すぐに回答がきました。
  「50(530)VAは10年前に廃盤。ジョイントは型番が同じでないと適合しないので 530V-ZJが適合。
  ZJ とはカシメジョイントの意味。」

・モノタロウは「 3000円以上で送料無料」。
  プリンタインクや ナット、SJ13キャブレターのドレンボルトなどで3000円をクリアー。

・パッケージ表記は 「530V-ZJ」 ですが、
  プレートには 「50VA」 の刻印がありました。※下記dの画像
  同じVシリーズの 530VA と 530VM の違いは判りませんが、
  「530V=530VA」 ということは確かです。

     

b.チェーンの使用限度


 ( チェーンのたわみ )
 上が今回取り付ける「GPZ1100用のDID.530VA / 110円」
 下が今まで付いていた「 XJR1300用のDID.530VZM / 1250円。で 9100㎞走行。
 上の方が程度が良いことは明白です。

 ( チェーンの使用限度 )
 FJマニュアルP6-54には「ドライブチェン 10リンク の長さ使用限度=150.1㎜」
 リンクとは内側と外側にあるひょうたん形の駒のことなので、「ひょうたん駒10個の長さ」ということでしょうか?
 しかし、イラストではそうなっていません。

 通常チェーンの使用限度として上げられるのは「ピン~ピンの長さ=ピッチ」
 ピッチには規格があり♯50チェーンでは 15.875㎜。
 例えばSJ13では「20ピッチ(21ピン)間の長さ=324㎜」。(SJ13マニュアルP3-17)
 SJ13のチェーンは520なので、1ピッチ=15.875㎜。
 つまりSJ13での 1ピッチ使用限度=324÷20=16.2㎜、伸び=16.2-15.875=0.325㎜。

 ではFJマニュアルの「10リンク」とは「10ピッチ」の誤記なのでしょうか?
 10ピッチ(11ピン間の長さ)=15.875×10=158.75㎜ なので、使用限度=150.1㎜と矛盾します。

 どうも「9ピッチ(10ピン間)の長さ」のようです。
 使用限度が9ピッチ=150.1㎜なら、1ピッチ=150.1÷9≒16.68㎜
 SJ13の使用限度1ピッチ=16.2㎜より大きい値ですが、
 使用限度にはチェーン巾、スプロケットの大きさ ・ 距離、予想される使用状況が考慮されるので問題はなさそうです。

 多分FJマニュアルは「ピン数」を「リンク数」と誤記したのでしょう。
 つまり、「10リンクの長さ」=「10ピンの長さ」=「9ピッチの長さ」

 ( チェーンの伸び )
 a は 10ピッチ、b は9ピッチ。
 bを測定すると、今まで付いていたチェーン(上)=144㎜、交換するチェーン(下)=143.5㎜
 測定誤差は±0.5㎜くらいあるだろうから、殆どかわらないということになりました。 

「今回取り付けるチェーンは今まで付いていたチェーンより格段に程度の良いもの」とい期待はあっけなく崩れてしまいました。


c.スプロケッ交換は次回に延期

 「交換するチェーンがそれほど程度の良いものではない」 ことで
  スプロケット交換の意欲がなくなりました。

・左が新品スプロケット、右が使用中のスプロケット。
  「まだまだ、大丈夫じゃない!」
  スプロケット交換は次回のチェーン交換の時に延期しました。

・しかし、前回のチェーン交換は7年半前。
  同じ使い方( 7年半で9100㎞-1200㎞/年)なら次回交換は7年後の 2026年。
  私は75歳。
  もう一度チェーン交換をする必要があるでしょうか?
  もう一度チェーン交換ができるように頑張ってFJに乗ることにしましょう。

   

d.三度目のかし丸くん

・チェーンカバーを外すのが面倒なのでチェーン下で作業。
  RMXのようにリフトスタンドが使えないのでメインスタンドで。

・地面との距離が短いのでレンチを両手で使うことができず少々苦労する。
  また、チェーンを取り付けたままの作業なので、
  チェーン駒の固定がずれたり、プレートがホルダーから外れたりして手こずりました。

・しかし、駒とプレートを固定してしまえば、圧入やカシメは簡単。
  プレート圧入では「固くなったら終了」で外側プレート間=22.0㎜ で他のリンクと同じ。

・カシメでは「突然固くなったら終了」でカシメ外径=5.8㎜Φ で 「5.7㎜Φ以上」をクリアー。

  かし丸くんは良くできたツールです。
 


    
e.出来上がり

・こちらが今まで付いていたチェーンの「チェーン引き量」
※このチェーンをつけたときの引きはこちら
・なんと9000㎞で引きの増加が4㎜弱。
・こちらが今回取り付けたチェーンの「チェーン引き量」
・少しだけ引き量が少ないようです。


チェーン引き目盛りは「1目盛り=5㎜」。
あと10㎜引くことができます。
このことを考えれば、「使用限度は9ピッチ150.1㎜」なのでしょう。

チェーンの弛みは「前後スプロケットの中間で15㎜~20㎜」。
前後スプロケット間は66㎝程度だから、後輪スプロケット中心から33㎝程度前。
だいたい、チェーンスライダーバンドから3㎝程度後になります。

一番きつい所で2㎝程度にしました。
チェーン弛み巾は「2.0~3.0㎝弱」で交換する前より少し改善されました。

しかし、チェーン交換は「新品交換」、さらに「前後スプロケット同時交換」が最適であることを痛感しました。



つづく




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