FJ1200-4CC 整備資料
2014.01.14. FJ1200 燃料ポンプコントロールリレー(42H)の点検 / マニュアルの点検方法が間違っていた
燃料ポンプをコントロールしているのはリレーです。
燃料ポンプの作動がおかしかったら、まずコントロールリレーを疑わなければなりません。
『リレーは新品純正部品に替えたから大丈夫。』
しかし、その新品リレーの作動をマニュアルの点検方法でチェックしましたか?
リレーをバッテリーに直結して 「1端子と6端子の導通があること」を確認しましたか?
この導通がなければ「要交換」の不良品です。
今回、コントロールリレーを点検して「導通なし」
そこで、新品純正リレーを購入。しかし、そのリレーも「導通なし」 。
クレーム交換で届いた二個目の新品純正コントロールリレーも 「導通なし」 。
新品リレーが二つとも「導通なし」。
42Hコントロールリレーに重大な欠陥があるのか?
サービスマニュアルの 「導通チェック方法」 が間違っているか?
Webikeを介してヤマハと一カ月余、やっと結論が出ました。
答えはなんと、「 マニュアルの点検方法が間違っていた 」!
FJに燃料ポンプを搭載したのは 1988年の3CVから。
それから今まで26年間も間違った点検方法ががまかり通っていたのです。
このコントロールリレー(42H-G8D-04Y)は V-MAX 1200,ビラーゴ1100,FZXにも使われています。
マニュアルの点検方法を確認してください。
ヤマハは現在サービスマニュアルの改訂作業中だとか。
ここでは、ヤマハから示された 「 42Hコントロールリレーの正しいチェック方法 」 を公開します。
・サービスマニュアルの点検方法
・リザーブスイッチの点検と働き
-燃料ポンプコントロールリレーの点検-
★コントロールリレーは「フロント左側の一番手前」
★マニュアルの点検方法で「導通なし」だから「新品購入」
・コントロールリレーの部品番号
★燃料ポンプのチェック/「吐出側を指で押さえるとポンプが止まる」は間違い
★リレー交換前の燃料ポンプの作動状態
・購入した「新品のコントロールリレー」も「導通なし」
・一度目のクレームには「すぐに新品交換」
・クレーム交換で届いた新品コントロールリレーも「導通なし」
・考えられる原因
・測定方法や測定器具にも問題なし
★二度目のクレームから一カ月、ヤマハが「マニュアル表記の間違い」を認め、「新しい点検方法」を開示
★もっと簡単な点検方法がある
・疑問は何も解決していない
・マニュアルの間違いに誰も気付かなかったのはなぜ?
★現在の燃料ポンプの作動状況
★FJ-4CCのメーカー指定燃料は「無鉛レギュラー」
・部品調達メモ
1.自覚症状は信号待ちでのエンジンストップ
「 FJ は燃料ポンプが故障する。」
あちらこちらのサイトで燃料ポンプ故障や交換が紹介されています。
Yahooオークションの中古部品では燃料ポンプが高値で落札されています。
紹介されている燃料ポンプのトラブルは二つ。
一つは、「ポンプが動かなくなってエンジンストップ」。
もう一つは、「ポンプが止まらなくなってオーバーフロー」。
私のFJ は一年くらい前にツーリング中の信号待ちでエンジン停止。
しかし、セルを回すとすぐにエンジン始動、その後はまったく問題なし。
吹け上がりも、高速連続走行も異常なし。
これが一度だけだったので気にしていませんでした。
ところが、最近また信号待ちのアイドリングでエンジン停止。
すぐにエンジンは始動しましたが、これはチョット怪しい。
チョイ乗りコースでもこの巨体が動かなくなったら大変。
健康診断のつもりでチェックすることにしました。
2.サービスマニュアルのチェック方法,ポンプ作動状況,リザーブスイッチ導通チェック
a.サービスマニュアルのチェック方法
チェック方法はサービスマニュアル P7-47 ~ P7-49 に記載されています。
「フュエルポンプが誤作動する。(作動しない) 」場合の点検順序は、
・①ヒューズチェック
・②バッテリチェック
・③メインスイッチ導通チェック
・④エンジンストップスイッチ導通チェック
・⑤リザーブスイッチ導通チェック
・⑥フュエルポンプコントロールリレー導通チェック
・⑦フュエルポンプ作動チェック
・⑧ワイヤハーネス接続チェック
・① ~ ⑧ が正常なら原因はイグナイタの不良→⑨イグナイタ交換。
b.本当に 「燃料ポンプの誤作動」 なのか?
自覚症状はたった二回の信号待ちでのアイドリングストップ。
まずは、燃料ポンプ ( フュエルポンプ ) の作動状況をチェック。
メインキーをONにすると、『 ブ・ブ・ブ・ブ…。』 とポンプが 3~4秒作動して停止。
メインキーOFFにしたあと、さらにONにするとポンプの作動なし。
最初のONでキャブレターに燃料が十分送られているから、二度目のONでポンプが作動しないのは当然。
「ポンプ作動は正常じゃないの?」
いやいや、健康でも検査するのが健康診断。
自覚症状があったから、どこかに問題がないかをチェックするのです。
マニュアルの点検項目を順に行いました。
c.リザーブスイッチ導通チェック
①のヒューズチェックはすぐに終了、問題なし。
②のバッテリーチェックはバッテリーを充電して終わり。13V以上あり。
③メインスイッチの導通 ・ ④キルスイッチのの導通 は省略。
メインスイッチが入って、キルスイッチが機能するからOK。
次は ⑤のリザーブスイッチ導通チェック。
(点検方法) ・リザーブスイッチから出ているカプラを外す。 ・赤/白と赤/緑の導通をテスターでチェック ・プラスとマイナスは関係なし。 ・リザーブスイッチONで導通、OFFで切断(導通なし) 結果はOK。 ※写真撮影のためにカウルとインナーパネルを外していますが、 実際には外す必要はありません。 |
※2019.11.追記.リザーブスイッチの働き
FJはタンク内にある燃料センサーがリザーブ(22リットル満タンから残り5リットルになったこと)を検知すると警告灯を点灯して知らせるとともに、
しばらくすると燃料ポンプを止めて燃料をカットするようになっています。
これは警告灯が壊れている場合に「燃料がリザーブになったこと」を重ねて知らせるためのものです。
この「燃料カット」をあらかじめ止めるのがリザーブスイッチです。
だから、警告灯が点灯したらすぐにリザーブスイッチをONにしないと、しばらくしてエンジンが止まります。
この場合、リザーブスイッチがOFFのままでもエンジンは始動しますが、しばらくするとまたエンジンが止まります。
お節介な安全装置です。車に採用したら事故がおこるでしょう。
続いて、⑥コントロールリレーのチェックを行います。
●●
・フロント周りのリレーは全部で五個。左側に二個、右側に三個。 ・ABSが付いていなければリレーはこの五個と バッテリ傍にあるスタータリレーだけです。 |
・写真の左側が前です。 ・① : イグナイター(※ 4CC-82305-00 /販売終了 ・ 在庫なし) ・② : オイル警告灯リレー。 ※G8D-117Y ・ Omron 2811D2 ※4極 ・ コードは左上から右回りに黒/赤,黒/赤,茶,黒 ※部品番号:3GM-81950-10/販売終了 ・ 在庫なし ・二つとも新品では入手できません。 Yahooオークション相場が上がらない内に入手しておきましょう。 ・なお、黒/赤とはベースが黒に赤線、赤/黒とはベースが赤に黒線。 A色 / B色 = A色 > B色になります。 |
( フロント右側にはリレーが三個 )
・写真の右側が前です。 ・③ : フラッシャーリレー。 ※2511D2 ※3極 ・ コードは左から黒,茶/白,茶 ※部品番号:3YA-83350-00,3YA-83350-10,3486円 ※UR(選択)です。00と10のどちらが適合するのか分かりません。 ・④ : スタータサーキットカットオフリレー ( マニュアル P7-15 ) ※点火・始動系統のリレーです。 ※9極 ・ コードは左上から右回りに 黒/赤,黒/赤,空色,赤/黒,黒/黄,青/黄,青/白(赤/白?),青/白 ※G8R-30Y- A ・ Omron 3011D2 ※部品番号:2UJ-81950-00 ・ 4494円 |
残った⑤が燃料ポンプコントロールリレーのはずです。
当たり!
・6極 ・コードは左上から右回りに 灰色,赤/黒,赤/緑,緑/赤,黒,青/黒 ・42H/G8D-04Y/Omron 0621D2 ・燃料ポンプコントロールリレーの付いている場所は 「フロント左側の一番手前」となります。 |
b.マニュアルの燃料ポンプコントロールリレーの導通チェックで「不合格」
それでは導通チェックです。※マニュアルP7-48 ~ P7-49
・テスタレンジはΩ×1 ・バッテリの接続 : ( + ) → ③端子、( - ) → ⑤端子 ※赤入る・黒入る ・テスター端子の接続 : ( + )端子 → ①端子、( - )端子 → ④端子 ※赤出る・黒出る ・導通あればOK、導通がなければ交換。 ※回路図では、 ・バッテリを( + ) → ③端子、( - ) → ⑤端子 につなげると リザーブスイッチが入った状態になり、リレーに電流が入った状態になります。 ・②はリザーブスイッチのもう一方、⑥はフュエルセンダユニット,フュエルメーターにつながっています。 ・⑤は燃料ポンプのマイナス側 ・①はイグナイタとつながっています。 ・結果は 「導通なし」。健康診断の結果、「燃料ポンプコントロールリレーに問題あり」。 |
テスターを換えて再チェック
・ホームセンターでΩ×1レンジのあるアナログテスタを入手。 ※sanwa (三和電気計器) ・ CP-7D ・ 3980円/写真左側 ・このテスタでも 「導通なし」。 ・「燃料ポンプコントロールリレー交換」 を決定。 |
★注意★
以上のチェック方法自体が20年間以上間違っていたのです。
このチェック方法で 「 導通なし 」 でも正常品である可能性があります。
必ずあとに挙げる 「 正しいチェック方法」 で調べてください。
c.燃料ポンプコントロールリレーの部品番号はなに?
部品注文にはパーツリストの部品番号が必要です。
部品番号はパーツリストに載っています。
パーツリストで、電装部品は 「 エレクトリカル1」 と 「 エレクトリカル2」 。
そして、 「 エレクトリカル1」 と 「 エレクトリカル2」 のフロント周りには、
・「 エレクトリカル2」 に 4CCイグナイタ。
「 エレクトリカル 1 」 に 次の三つ。
・2UJ (スタータサーキットカットオフリレー)
・3GM ( オイル警告灯リレー)
・3YA ( フラッシャリレー)
燃料ポンプコントロールリレーはありません。
・「 42H,G8D-04Y,FJ1200,フューエルポンプコントロールリレー 」 で検索。 外国サイトで部品番号が分かりました。→→→こちらのサイト ・部品番号は 42H-85740-00 / コントロールユニットアセンブリ / 8915円。 ・パーツリストでの記載場所は 「 エレクトリカル2」 、 バッテリ横にあるのがこれです。 当初のFJではここにあったのでしょう。 ・あるサイトで、 「バッテリ近くを探したけれどなかった。」と書いてあったのはこのためだったのですね。 |
この42Hは、V-MAX 1200,ビラーゴ1100,FZXにも使われています。
Yahooオークションの中古部品でV-MAXやビラーゴの 6極リレーなら、この42Hです。
また、ワイヤハーネスにリレーが付いたまま出品されることもあります。
この場合は 「6極であるかどうか」 は分かりませんが、カプラーに入っているリード線の色で判断できます。
リード線の色が、「灰色,赤/黒,赤/緑,緑/赤,黒,青/黒」ならこのリレーである可能性が高くなります。
他のリレーのリード線には緑がありませんから、緑がポイントとなります。
ただし、これはあくまで 4CCでのことです。
※参考 FJ1200/4CC について
・1984年に1100㏄ の 36Y
・1986年の 1TX から 1200㏄に
・1988年の 3CV から燃料ポンプを搭載
・1991年にフレームを改良した 最終型の 3XW と 3XW を デチューンした 国内仕様の 4CC
※参考→→→こちら
国内向け 1994年 ・ 海外向け 1995年の生産打ち切りまで 10年間。
この間に故障や不具合の情報がたくさん蓄えられ、改良や対策をしたはず。
FJシリーズの集大成が最終型の 3XW や 4CC。
★★
4.燃料ポンプのチェック
燃料ポンプコントロールリレーに問題があることが分かりました。
しかし、そのことと 「燃料ポンプ自体に問題があるかどうか 」 は別です。
マニュアルに従って、燃料ポンプの作動チェックをします。
a.バッテリ直結で燃料ポンプは止まらない
燃料ポンプ不調で苦労している方には“憎い部品”でしょう。
しかし、憎む相手が違っているかもしれませんよ。
それはともかく、ガソリンは手前の入口から入って、奥の出口からキャブレターへ圧送されます。
点検方法は、 ・フュエルポンプカプラーを取外す。 ・青/黒端子 → バッテリ +、黒端子 → バッテリ - を接続。 ・作動すればOK、作動しなければポンプ交換。 ・結果は「作動する」でOK。 |
ここで注意してほしいのは、「 サービスマニュアルには “作動する” とだけしか書いてないこと 」。
ポンプは動き続けます。
FJサイトでよく紹介されているのが、
「 正常なポンプは、ポンプのキャブレター側 ( 燃料出口 ) を指で押さえるとポンプが止まる 」。
このことについての信憑性は不明ですが、
これは多分、リレーを経由した場合の燃料ポンプ作動状態についてのことでしょう。
バッテリー直結では燃料ポンプは動き続けます。
これをコントロールしているのがコントロールリレーです。
あるサイトで次のようなことが書いてありました。、
「中古燃料ポンプを入手し、バッテリ直結でチェックしたら動き続け、キャブ側を押さえても止まらなかった。
不良品である可能性が高いが装着してみた。
しかし、やはり燃料を送らなくなった。FJの燃料ポンプは中古ではダメだ。」
燃料ポンプはまったく正常ですよ!
問題はリレーですよ!
b.リレー交換前のポンプの作動状態
(バッテリ直結の場合)
・作動し続ける。
・燃料出口や燃料入口を指で押さえても止まらない。
(コントロールリレー経由の場合 / ハーネスに接続、キャブレターとの接続なし )
・メインスイッチONで3~4秒 作動して停止。
・停止後、リザーブスイッチをONにしても作動しない。
・作動中に燃料出口や入口を指で押さえても停止しない。指で押さえても押さえなくても 3~4秒したら停止。
(コントロールリレー経由の場合 / ハーネスに接続、キャブレターとの接続なし、燃料出入口にパイプをつなげ、ガソリンを循環 )
・ガソリン循環なしの場合と同じ。
これが導通のないコントロールリレー経由のポンプ作動なのでしょう。
導通のある正常なコントロールリレーに換えたら、「燃料出口側を押さえてポンプに圧をかけるとポンプが止まる」のでしょう。
新品コントロールリレーの到着を楽しみにして年が明けました。
★注意★
あとで分かったことですが、ヤマハによると 「 このようなポンプの作動状況はまったく正常。ポンプもリレーも問題なし。 」 とのことです。
私は 「 正常な燃料ポンプでは燃料出口側を指で押さえてポンプに圧をかけるとポンプが止まる 」 という“巷の通説”と、
マニュアルに記載された誤ったチェック方法により、正常なコントロールリレーを 不良品だと判定していたことになります。
●●
・新品のコントロールリレーが届きました。 左が新品、右が「導通なし」の今までのもの。 オムロンの部品番号は違いますが、型式は同じ42H/G8D-04Y です。 ・『さてさて、Ω×1レンジでどうなるのかな?』 そんなワクワク感に知らん顔。テスタの針はピクリともしない。 もちろん、もう一台のテスタでも「導通なし」。 『えっ?新品部品が故障しているの? それともマニュアルのチェック方法が間違っているの?』 |
b.一度目のクレームには「すぐに新品交換」
・1月5日
Webike に「不良品交換」をフォームへ書き込み。
・1月6日
Webike営業開始。
その日に、Webikeから『すぐにメーカーに問い合わせて対処する』との返答。
・1月8日
Webikeから『ヤマハに直接状況を説明してもらった方が対応が早くなるので、直接問い合わせて欲しい』との”提案“。
教えられた販売店向け相談センターに状況説明を FAXして、確認の電話。
しかし、『こちらは販売店向けの相談センターですから、一般ユーザーからの相談には応じません。』と門前払い。
全然、話が通っていないじゃない!
・1月9日
Webikeに「門前払い」の経緯を説明。Webikeからヤマハへ直接問い合わせ。
・1月10日
Webikeから「ヤマハの回答と代替品を準備している」との連絡。
ヤマハの回答は、『商品製造時に製造不良が生じてしまい、今回の不具合が発生してしまいました。』
普通なら不良品をメーカーに送り、メーカーが不良を確認してから結論を出すのでしょうが、この回答。
このリレーについてはよくあることなのでしょうか?
・1月11日
Webikeより代替品発送の連絡。
・1月12日
代替品が到着。不良品は宅配業者が回収。
c.二つ目の新品コントロールリレーも 「 導通なし 」
届いた二つ目の新品リレーは 42H/GBD-04Y/0642D2 で前回のリレーとまったく同じ。
1月14日、『ヤマハさんは、ちゃんと導通チェックをしたものを手配してくれたのでしょうね…。』
おそるおそるバッテリにつなぎテスターをセット。
この不安は的中、テスターの針はピクリともしない。
新品二つ目のコントロールリレーも「導通なし」!
いったい何がどうなっているのか!
これは頭から 『コントロールリレーが不良品だ』 とは決めつけられないぞ…。
d.「導通がない」原因で考えられるものは?
次の四つ。
・①新品リレーの不良
・②マニュアルの導通チェック方法に改訂があった。
・③マニュアルの導通チェック方法の説明不足。
・④マニュアルの導通チェック方法の間違い。
・⑤測定器具 ・ 測定方法の不備
1月14日 13時、ヤマハの個人向け相談室に「マニュアルの導通チェック方法」について問い合わせ。
・回答は、「サービスマニュアルP7-49通りでチェック方法に変更・改訂はない。」
・そして、「クレームのあった部品の代替品を出荷するときは、正常稼動をチェックしているはず。」
・最後はお決まりの、「そのコントロールユニットが正常かどうかは、この電話では分からない。Webikeを通じての対応となる。」
これで、②「マニュアルの導通チェック方法に改訂があった 」 が消えました。
残るは、①新品リレーの不良, ③導通チェック方法の説明不足, ④導通チェック方法の間違い, ⑤測定不備
①の新品リレーの不良でしょうか?
・しかし、新品の純正部品が二個とも不良品である可能性は低いでしょう。
こんな確率で不良品が混ざっているのなら、もはや「商品製造時の製造不良」というレベルではなく、リコールの対象でしょう。
・それに、お客様相談室の言う通り、メーカーも出荷段階で正常稼動をチェックしているはずです。
クレーム交換の代替品をチェックなしで出荷しているとしたら、ヤマハの商品管理態勢が疑われます。
※ あとで分かったことですが、ヤマハは代替品をチェックせずに二個目のコントロールリレーを発送していました。→→→こちら
③のマニュアルの導通チェック方法に説明されていないことがあるのでしょうか?
・サービスマニュアルは整備知識・技能のある整備業者を対象にして書いてあります。これらの人が「当然のこととして」分かっていることは書いてありません。
導通チェック方法も単に各端子にバッテリーやテスターをつなげるだけでは不足なのかも知れません。何か、プロのやり方やコツがあるのかも知れません。
⑤の測定不備でしょうか?
・私の使っている測定機材や測定方法に不備・不具合があるのでしょうか?
・しかし、リード線の導通やワニグチの接触を何度も調べ、導通測定は何度も行っています。
・バッテリーも13V で十分、
・テスターも新品のSANWA-CP7Dだし、ゼロ調整もしています。
・それに、、別のデジタルテスターでもチェックしています。
なお、この新品リレーを経由させた場合、ポンプは、
・メインスイッチを入れると3~4秒間作動して止まる。吐出側を指で押さえても止まらない。
これは以前に付いていた導通のないリレーの場合とまったく同じ。
この点から判断すると、「新品リレー不良」の疑いが濃くなります。
いったい、どれが問題なのでしょうか?それともまったく別の問題があるのでしょうか?
1月14日、Webikeへ二回目のクレーム。
ここから一カ月間の第二ラウンドが始まりました。 詳細は→→→こちら
Webikeを通じてヤマハと「すったもんだのやりとり」。
ヤマハが「マニュアルに誤表記の可能性がある」と認めたのが2月3日。
そして、ヤマハが「マニュアルに誤表記があった」と認めたのが2月13日。
それまでに、いろいろな検証をしました。
e.測定方法の不備を検証
1月20日、⑤の 「 測定機器・測定方法の不備 」 を検証。
リレーの導通チェックはポンプコントロールリレーだけではありません。
マニュアルには、スタータサーキットカットオフリレーの導通チェック ( P7-16 )、オイル警告灯リレーの導通チェック ( P7-44 ) が記載されています。
どちらも、端子にバッテリーをつなぎ、テスターで導通をチェックするもので、コントロールリレーの導通チェック方法とまったく同じです。
これらのリレーを、コントロールリレーの導通チェックをした機材でチェックをして導通があれば、 「測定機材や測定方法に不備はない」ことになります。
また、マニュアルに記載された方法だけで導通チェックができたことになり、「マニュアルの説明に不足はない」ことになります。
つまり、d で挙げた、「導通がないことの原因で考えられるもの」のうち、
・③「マニュアルの導通チェック方法の説明不足」 と ⑤「測定機材 ・ 測定方法の不備 」が消え、
・①「新品リレーの不良」と ④「マニュアルの導通チェック方法の間違い 」 が残ることになります。
イ.スタータサーキットカットオフリレーの励磁コイル抵抗値の点検 ( マニュアル P7-15 )
・テスタレンジ Ω×100 ・④端子 → テスタ + ( 赤リード線 ) ・⑨端子 → テスタ - ( 黒リード線 ) ・規定抵抗値=203Ω~248Ω ・規定抵抗値以外→交換 ・測定結果は、アナログテスタ も デジタルテスタも 220Ω→OK。 |
ロ. リレー接点点検 ( マニュアル P7-16 )
・バッテリをつないでの導通チェックです。 ・テスタレンジ Ω×1 ・④端子 → バッテリ + ・⑨端子 → バッテリ - ・⑥端子 → テスタ + ( 赤リード線 ) ・⑦端子 → テスタ - ( 黒リード線 ) ・「導通なし」 → 交換 ・アナログテスタの針は大きく 0Ωまで振れました。デジタルテスタはピープ音。 ・各端子にバッテリとテスタをつなげるだけです。なんのコツもプロのやり方も必要ありません。 |
ハ. オイル警告灯リレーの導通点検 ( マニュアル P7-44 )
これも同じです。 ・テスタレンジ Ω×1 ・②端子 → バッテリ + ・④端子 → バッテリ - ・①端子 → テスタ + ( 赤リード線 ) ・③端子 → テスタ - ( 黒リード線 ) ・「導通なし」 → 交換 ・アナログテスタの針は大きく振れて 0Ωへ。デジタルテスタからはピープ音。 ・導通チェックの方法はこんなに簡単で、その結果はこんなに明瞭なのです。 |
これで、「私の測定方法に問題がない」ことがはっきりしました。
また、「マニュアルの導通チェック方法の記載に説明不足はない」こともはっきりしました。
残るは、「二個目の新品コントロールリレーも不良」 か 「 マニュアルの間違い 」 か。
さあ、強気でいきましょう。
※このあとのWebikeとヤマハに対する応酬詳細は→→→こちら
●●
・コントロールリレーをカプラーに接続したままチェック。 ・バッテリーはメインハーネスの端子に接続。 ※要するに「コントロールリレーを回路につなげた状態で測定する」のです。 ・テスタ プラス → ④の青/黒 端子、テスタマイナス → ⑤の黒端子 ・カプラー側からテスタ端子を挿入。 ・テスタレンジは DC 20V ・メインスイッチON → 5秒以内に 12V電圧を測定 ・電圧あり → 正常 ・電圧なし → 不良 → 交換 ・以前のチェック方法と 「 とんでもなく違う 」 じゃないですか! 他の電装部品のチェック方法は大丈夫なのでしょうね? |
・燃料ポンプのカプラーは取り外しても取り外さなくてもかまいません。 燃料ポンプが接続してあればポンプが動くだけです。 リレーのチェックですから、ポンプを回路から切り離した方がそれっぽくなります。 ・コントロールリレーをカプラーに接続する。 ・カプラーの 青/黒 と 黒 に テスターのプラスとマイナスの端子を突っ込む。 テスター端子を持っている必要はありません。テスター本体は見やすいところに置いておきます。 ・メインスイッチ ON、テスターの電圧針が12V くらいを指せばOK。 バッテリー 13V で 11V くらいを指します。 メインスイッチONで回路に電流が流れ、ライトも点灯するから電圧が下がるのは当然。 ・おもしろいのは、「ちゃんと 5秒間通電する」こと。 テスターの針が11V を指してから、5秒経つと針が0に戻ります。 |
e. ダメになっていた 今までの 42H
次の三個をチェックしました。
・①は 二個目の新品リレー ・②は4CCの中古メインハーネスに付属していた リレー ・③は 今まで使っていたリレー。 ・① と ② は、メインスイッチON で 電圧 11V が5秒間、 ポンプ作動が 3秒間。 ・しかし、③は 電圧ゼロ、ポンプ作動なし。 ③は、最初に導通チェック ( マニュアルの以前の方法 ) のときに メインスイッチONで 3秒間くらいポンプが作動して停止していたはず。→→→こらら |
つまり、③はこの一カ月間のうちにダメになったということ。
「 ちょうど寿命が来た 」 とも考えられますが、あちらこちらの端子に通電させたことが原因かもしれません。
③は マニュアル通りのチェック方法で導通がなかったので、バッテリ接続やテスター端子の接続をいろいろかえてチェックしています。
それが原因でリレー内部に不具合が生じたのかもしれません。
リレーは電子部品ですから、むやみやたらに電圧をかけてはいけないようです。
①は「今までの方法」で導通チェックをしているので、赤/緑端子 と 黒端子に電圧をかけています。
今回入手した ②リレーにも「今までの方法での導通チェック」をしてみようと思っていましたが、ダメにするといけないので止めました。
★★20
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まずは、プレスとスクワット。
ホームジムならこれで孫の代まで。
9.現在の燃料ポンプ作動状況
・キャブレター内の燃料とキャブレターまでの燃料を空にした場合、
「メインスイッチON→ポンプ作動3秒→メインスイッチOFF」を二回行うとキャブレターのドレンから燃料がでる。
つまり、ポンプ作動2回(ポンプ作動6秒間)で燃料が行き渡る。。
・メインスイッチONでポンプは3秒間しか動かない。
燃料が行き渡るまでポンプが動くのなら6秒間動き続けるはず。
・燃料が行き渡った後、メインスイッチをONにするとポンプがまた作動する。
ただし、オーバーフローはしない。
燃料ポンプの圧送力はフロートバルブが燃料を止める力より強くないのか?
燃料ポンプは空回りのような状態になっているのか?
・エンジンをしばらく動かしたあとエンジンを停止し、すぐにメインスイッチをONにしても燃料ポンプは作動しません。
★★21
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国産ではないけれど「いい味」。
※トライクの法的取り扱い
・購入先:ワイズギアオンラインショップ ・商品名:オーナーズマニュアル FJ1200/A 4CC1/2 ・B6 ・ 全51頁 ・価格:\1,313、送料:630円。 ・この取扱説明書の中古がYahooオークションで5000円くらいスタートで出品されています。 新品で買っても1313円なのに…。 |
指定燃料は?
P26に書いてありました。
・これでは答えになりません。「無鉛レギュラー」なのか「無鉛プレミア」なのか? これでは1943円の値打ちがありません。 ・コントロールリレーの件を問い合わせるときについでに質問しました。 ※ヤマハお客様相談室(国内専用) / 0120-090-819 (月~金 ・ 9時~12時,13時~17時 ) ・答えは、『 無鉛レギュラーです。』。ここに書いてある「無鉛ガソリン」とは「無鉛レギュラー」のことだそうです。 ・FJ1200-4CC のメーカー指定燃料は無鉛レギュラーです。 ・一つ疑問が解消されました。 ・なお、4CC は馬力規制とスピード規制のかかった国内仕様です。 逆輸入FJの指定燃料は取扱説明書とお客様相談室で調べてください。 |
11.久しぶりの FJ 部品落札
Yahooオークションに毎週 2000~3000点 を出品し、百円スタートで売り切る ミヤビー ( Miyabee Plus ) さん。
最近、メジャーになってきたので、今までのように 『 100円!200円!』 とはいきません。
しかし、まだまだ 「 超ヤス 」 です。
程度のよい 4CC の解体部品が出ていましたので落札しました。
次の10点を落札しました。
・①4CC-イグナイター CDI、ECU / 1260円 ・②4CC-メインハーネスAssy / 690円 ・③4CC-エアインテークダクト左右セット / 110円 ・④4CC-クラッチマスター&レバー / 260円 ・⑤4CC-リアブレーキキャリパー / 240円 ・⑥4CC-ステップ左右セット / 310円 ・⑦4CC-シフトペダル / 1210円 ・⑧4CC-リアホイールハブダンパー / 245円 ・⑨4CC-オイルクーラーユニット / 520円 |
狙ったのはこちらです。
・「 販売終了・在庫なし 」 の 4CC イグナイタ です。 ・メインハーネスは それに付属しているリレーが目当てです。 42Hはもちろん、フラッシャリレー、スタータサーキットカットオフリレー、 そして、もう一つの 「 販売終了・在庫なし 」 の オイル警告灯リレー。 ・ハーネス被覆の状態の良さが、各リレーの程度の良さを物語っています。 ・イグナイタ と ハーネス 以外は 「 安ければ手あたり次第 」 です。 手持ちに同じものがあるかどうかなど関係ありません。 しかし、現物を見たらどれも程度がよくてビックリ。 |
・⑩4CC-エンジン / 3530円 ・走行 26907㎞、平成4年 ( 1992年 ) 登録、4CC-0004※※※、絶好調 ・別にエンジンを載せ換える予定はありません。現在のエンジンはすこぶる健康です。 ・ただ なんとなく落札してみたかったのです。 ・程度のよいRMX( SJ13 か PJ12 ) のエンジンがなかなか手に入らないのも関係しているでしょう。 ・それにしても安いです! RMXのエンジンなら、動くだけで 軽く 3万円を越えます。 ・送料は、「 受取人の荷下ろし協力 」 必須で 8580円。 ・それにしても重いです!この状態にするのに 1時間以上かかりました。 |
つづく
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