FJ1200-4CC 整備資料



 2011.10.08. FJ 1200のチェーンスライダー寸法、バッテリー下のゴムマット自作,スプロケットカバーのガスケットについての疑問





FJ1200のチェーンスライダー(純正部品)は、FJの発売当時が2900円、それが現在では7000円です。
XJR1200・1300 のチェーンスライダーは現在2000円~2500円。
XJR1200・1300ののチェーンスライダーはFJのものと形が似ていますが互換性はありません。
FJにはこの「驚くほど高いチェーンスライダー」を取り付けなければなりません。
代替品検索のためにこのチェーンスライダーの寸法を測りました。
バッテリー下のゴムマットは純正部品で3287円。これは800円のゴムマットで作れます。
また、スプロケットカバーのガスケットについての疑問も書いてあります。


7000円のチェーンスライダーの寸法
カウル差し込み部のグロメットは三種類
バッテリーケース下のゴムマット寸法と自作
スプロケットカバー(クランクケースカバー)のガスケットはなんのため?


       

1.驚くほど高いチェーンスライダーを取り付ける


a.注文していた部品が届きました


・6日(木)発注で8日(土)到着。
  早いです。割引してくれます。送料安いです。
  純正部品の注文ならお勧めです。→→→二輪館にしむらサン
  ただし、ホンダとヤマハの純正部品だけです。
  スズキも扱ってくれると助かるのですが。

34L-83550-01
※34X-83550-02
スピードメーターケーブル
・アッセンブリー
1712円 1
2KT-22151-00 シールガード
(チェーンスライダー)
6972円 1
90480-13398
※90480-13014
グロメツト(51L) 105円 2
90480-01401 グロメツト (41Y) 116円 6
90480-13163 グロメツト 95円 2
90150-05023 スクリユ,ラウンドヘツド 105円 6
90215-26241 ワツシヤ,ロツク(47X) 483円 1

本命部品は②のチェーン・スライダーです。
他の部品はついでに注文しました。

・③ ④ ⑤ はカウル取り付け部のゴムです。
・⑥はスクリーンを取り付けるプラスチックビスです。
・⑦はドライブスプロケット固定用の座金です。( 前後スプロケ・チェーン交換の時に使います。)


b.チェーンスライダーがなぜ7000円もするのか?

②のチェーンスライダーはチェーンがリヤアームを擦らないようにするゴム製の干渉材です。
2000円~3000円程度の部品です。
それが、7000円とはチョット不思議です。

1991年2月現在の価格表がありましたので当時と値段を比較してみました。

機種 部品番号 1991年の値段 2000年の値段 現在の値段
FJ 1200 2KT-22151-00 2900円 × 6972円(税込み)
XJR 1200・1300 4KG-22151-00 × × 2499円(税込み)
XJR400
4HM-22151-10
× × 1974円(税込み)
FZR250
2KR-22151-00
× × 1712円(税込み)
ホンダ・NSR-MC21 52170-KV3-830 × 1850円 ×

※ヤマハ・純正部品検索より( ヤマハはパーツリストがなくても部品検索ができます。)→→こちら

NSR と比較してXJR 400 や FZR 250 のチェーンスライダーは同じような値段です。
(NSRののチェーンスライダーも現在ではもう少し高くなっているでしょう。)
FJのチェーンスライダーも、FJ の発売時点では、XJR 1200・1300 のチェーンスライダーと同じような値段です。

この点から「ヤマハの純正部品は高い」ということはありません。

FJ の部品が高いのは、FJが製造中止になってから年数が経っているからではないでしょうか。
20年前のバイクですから、「部品が手に入るだけでもありがたい」と思わなければならないのです。

XJR や FZRのチェーンスライダーも、XJR や FZR が製造中止になって、年数が経てば二倍以上の値段になるでしょう。
長く乗るつもりなら、消耗部品は早めに手に入れておきましょう。
特に製造中止になった場合は、即入手です。


c.FJ にXJR1200・1300ののチェーンスライダーを流用できないか?


イラストを見ると、同じような形をしています。
「XJR 1200・1300 のチェーンスライダーを試しに注文してみようか」と思いましたが、2500円がもったいないのでやめました。
誰か試してみてください。
※2019.11.追記 : XJR1200 の チェーンスライダーの中古部品を入手しましたが、全体的に小さく互換性はありません。


今回はFJ のチェーンスライダーの寸法を上げておきます。






d.チェーンスライダーの取り付け

・新旧部品です。
・取り付けは、リヤアームに差し込んでネジをとめるだけ。
・チェーンスライダーのネジ穴にはカラー ( 90387-06681 )が入っています。
  取り外すときに無くさないようにしてください。


    

2.グロメット( カウル差し込み口のゴム )とスクリーンビス


a.グロメット

ゴムは三種類です

・③(エアダクトカバー取り付けゴム) と⑤(リヤカウル取り付けゴム)は、
  これらのカウルを外すことがあまりないので、それほど交換の必要性はありません。

・しかし、サイドカウルは頻繁に外しますので、④は新しいものにした方がよいでしょう。
  安価ですから、何かの部品を注文した時に手に入れておきましょう。

・なお、⑤のゴムはカウルの突起にはめてから、取り付け部に差し込んだ方が楽です。



c.スクリーンビス

・スクリーンを留める 6本のビスはプラスチック製です。
  鉄ビスで留めるとスクリーンが負けてしまいます。

・ただし、プラスチック製なので強く締めると「ポキン」とねじ切れてしまいます。

・同様のプラスチックビスはホームセンターでも入手できます。

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3.バッテリー下のゴムマット作成


バッテリーケースの下のゴムマットは取り外す時にパリパリと壊れました。

このゴムマットは新品部品でいくらすると思いますか?
品番 3XW-2172G-00  パネル3 / 3287円

単なる下敷きなので自作してみました。

材料は30㎝×30㎝・厚さ3㎜のゴムマット 800円。
現物は31㎝×31㎝です。

・白枠は作成材料となる30㎝×30㎝のゴムマットです。
・現物の左側端より1㎝右に寄った、白線が材料の左端になります。左右の寸法はこの白線からになります。
・青線はカットする線です。

・C部分の曲線部はリヤフェンダーに沿いますので、
  現物合わせをしてください。
・A部分には燃料ポンプ、
  B部分にははリヤブレーキ・リザーバータンクが入ります。
  現物合わせをした方が良いでしょう。

・①と②の穴は下にステーがありますので、
  下からマークして現物合わせをしてください。

・②の穴には燃料タンクからのホースを挿入します。
  燃料タンクとバッテリーケースの間になります。
・②の穴はバッテリーケースの下になり、
  バッテリーケースの底にある小さい穴と一致します。

・③の穴は何に使うのか不明です。
  ここもバッテリーケースの下に隠れてしまいます。

・④と⑤の穴に下からタイラップを入れて、
  エァクリーナーダクトとスターターモーター・リード線を結束。
  ※マニュアルP2-14のF・H
・④と⑤の間は現物では30㎜です。
  エァダクトの巾は50㎜。④と⑤の間は現物合わせをしてください。

・⑥の穴はラバーマットをタイラップでフレームパイプに結束する穴です。  これも現物合わせが良いでしょう。

・⑦の長方形穴は、下からマイナス・リード線が入ってきます。
  ※マニュアル P2-15 のR )
・このリード線には四角いカプラーが一緒に付いていますので
  長方形穴になっているのです。

・⑧の穴は何に使うのか分かりません。

・⑨の穴は⑥と同じく、ラバーマットを
  タイラップでフレームパイプに結束する穴です。
  現物合わせが良いでしょう。


実際に作ったゴムマットです。

・上の寸法表通りにカットしてありません。

・上の寸法表はこれを作ってから、
  取り付ける時にマニュアルのパイピング説明を検討して決めたものです。
  つまり、上の寸法表は「実証済み」ではありませんので、
  寸法表通りに作って上手くセットできなくても責任は負いません。

・それにしてもヤマハのパイピングイラストと説明はよく分かりません。
  ホンダのマニュアルのイラストは緻密でよく分かりますよ。


ゴムマットをセットした状態です。

  少々パイプ穴がずれていても、縦横の長さが短くても、ゴムマットの上にはバッテリーケースが上に載るので外目にはわかりません。

   ★★17       
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4.スプロケットカバーのガスケットは何のため?


ドライブスプロケット前カバーのガスケットについてのことです。

・スプロケットを覆っているカバーです。

・プッシュロッドCOMPのピストンを止める役割もしています。→→→こちら

・このカバーのガスケットは、
・36Y-15451-01・クランクケースガスケット・725円

・当然、「必要なもの」として注文します。


しかし、このカバーの相手側はこちらです。

・赤線の上の部分がカバーに接します。
・接する部分の巾(厚さ)は4㎜。
・ガスケットはこのようにセットされます。
・ガスケットとしての役割を果たすのは赤線の部分だけで、黄線の部分は何の役にも立ちません。


それではガスケットをカバーに合わせてみましょう。
※写真は説明が分かりやすいように左右を逆転させています。

・ガスケットの黄線の部分はクランクケースと接しません。
  ただカバーにくっついているだけです。
・また、赤線が途切れている部分にはカバーにくぼみがあり、
  クランクケースと接しません。

・結局、ガスケットの役目を果たしているのは「赤線の長さ×4㎜ 」の面積分だけ。

・そもそも、このガスケットは 「何が漏れる」のを防ぐものなのでしょうか。
  単に「 クランクケースとカバーの間に挟んで、直に接触することを防ぐ」ためのものでしょうか。
  それだけの役割しか持たないガスケットに 725円を支払うのはもったいないことです。

・しかも、ガスケットの厚さは 0.5㎜。ペラペラです。
  接着剤でカバーに貼り付けておかないとボルト穴が合いません。
  ボルト穴が合わないと簡単にちぎれてしまいます。(写真11時の方向 )

・こんなガスケットなら、赤線の部分に液体ガスケット剤を塗っても同じでしょう。



つづく。




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