NSR 250-MC21 整備資料
2011.06.04.NSR試走前点検2-オイルポンプコントロールレバー・RCバルブ・キャブレター
長期放置のNSRを走らせるために点検をしています。
サービスマニュアル通りに点検しているだけでサンデーメカニックの参考になるようなことは書いてありません。
今回は、オイルポンプコントロールレバーの点検、RCバルブの作動点検、キャブレターの清掃を行いました。
・オイルポンプ コントロールレバーの点検
・RCバルブの作動点検
・キャブレターの同調 ①
・キャブレター清掃
2.オイルポンプ コントロールレバーの点検
NSR診察の続きです。
問題はないと思うのですが、一応サービスマニュアル通りにチェックしています。
・「左キャブ・スロットルバルブの合わせマークとキャブレター・ボア上端が合った時に、 オイルポンプ・コントロールレバーの合わせマークがボディの合わせマークと合えばOK」 ・問題なく、合っています。 ・こう書くと手際よくやっているようですが、 この「オイルポンプ・コントロールレバーの合わせマーク」がどこにあるのか分からない。 ボディの合わせマークなんかどこにもないぞ…。 マニュアルのイラストを逆さにしたり90度回転させてみたり。 |
ふと、斜め前を見るとあるじゃないですか!
次の写真の矢印の所にありました。
・私が、コントロールレバーだと思っていたのはスロットルレバーだったのです。 合わせマークなどあるはずはありません。 ※上の写真では3wayジョイントの一つが 違うパイプ(クリップのないパイプ)に付いていますが、 これはゴミガ入らないようにしているだけ、本来のパイピングではありません。 |
3.RCバルブの作動点検
前回、RCバルブ・コントロールケーブルの点検をしましたが、今回は「RCバルブが決められたように動くかどうか」のチェックです。
またまた、何やらややこしいことが書いてあります。
・①.エンジンをかけ、2500 回転前後に上げて 2~3秒保ち、その後アイドリング状態にする。
・②.回転数を徐々に上げ、「約 1800 回転でRCバルブ・プーリーが反時計方向に動いて・Low の位置で止まる」ことを確認する。
・③.回転数を約 2000 回転から徐々に下げ、「約 1600 回転で時計方向に動き、Low-High の中間位置で止まり、アイドリングでも同じ位置である」ことを確認する。
RCバルブ・プーリーとは前回黒マジックで着色したあの部分です。
その部分を見ようとすれば回転計が見えない。
Low 位置 と High 位置 がどこなのかがはっきりと書いてない。
めんどうくさいなぁ…。
とにかく「回転を上げれば反時計方向に動き、回転を下げれば時計方向に動いて、中間位置になり、アイドリングでそのまま」ならいいのでしょう?
めんどうくさくなると、大雑把な性格が助言してくれるのです。
一応、そのように動いているからOK。
写真は省略。
前回「突起部分の先端を苦労して合わせマークに合わせました」が、突起部が止まる Low - High の中間位置は合わせマークの所ではありません。
しかし、合わせマークで止まってもらわないと少々心配です。
前回の調整が間違っていたのかな?
まあ、先に進みましょう。
4.キャブレターの同調 ①
FJの同調のために手に入れた負圧計の登場です。
負圧計をつなぐのはこの部分です。
・このボルトを外し、負圧計に付属のノズルをねじ込み、 これに負圧計のパイプをつなげます。 ・右に負圧計のノズルを装着。 |
・次は左です。 ・しかし…。このボルトが外れない。 ・「外れない」のではなくてドライバーが届かない。フレームが邪魔をするのです。 |
もう少しどちらかに振ってくれれば届くのにネェ…。まったく整備性が悪いなぁ…。ブツブツ言いながら、何とか外す。
しかし、ドライバーが届かない場所に負圧計のノズルなど届くはずがない。
次の写真の右上の部品がノズルです。
・負圧計のノズルを切って、パイプにつなぎ何とか左キャブにノズルを設置。 ・エンジをかけアイドリングにして測定開始。 「あれ・れ・れ…。」 負圧計が0の付近でピクピクするだけ。 ・ノズルをパイプにつなぐ時に径が合わなかったので、 ノズルにセロテープを巻いてつないだから? ・それとも、買った負圧計が安い方だったので、低い値が測定できないから? どちらにせよ、専用のジョイントノズル(16214-MB0-000)を取り寄せて再測定しましょう。 ・しかし、なんでもかんでも専用工具ではたまりません。 |
文句を言いついでにもう一つ。
・矢印はエアスクリューの位置。 ・左のエアスクリューにドライバーが届きません。 この隙間に入るドライバーなんかありますか? ・ショックドライバーの先端部を外して何とか回したけれど、 真っ直ぐに入らないからどこが最終点なのか分からない。 ・隙間の大きいオフロードバイクばかり触ってきた私には腹が立つやら呆れるやら。 しかし、高性能バイクだから許されるのでしょう。 |
・突然、画像が大きくなりましたがご容赦ください。 ・集中治療室の患者のように あちらこちらにケーブルやパイプがつながっています。 ・組み立ての際に楽なようにいろいろ写真を撮りました。 ・さて、開腹です。 |
げっ!
・中はサビサビ、ドロドロ、腐りかけ。 |
・右キャブには泥のようなものも溜まっています。 こんな状態でアイドリングなど安定するはずがない。 突然狂いだすのも無理はない。 ・ここまで放置しておいて、 「整備性が悪い」だの「何でもかんでも専用工具」だの…。 深く反省。 ・とりあえずジェット類を外します。 |
・人間なら「あと3カ月の命」でしょう。 ・しかし、キカイダーは違います。 |
・キャブクリーナーをかけただけでこのとおり。 ・今回は Holts のキャブクリーナーを使いました。 いつもの KURE と同量で 200円 安かったからです。 ・これが強力。 ムースが一瞬で緑青を溶解、液は緑色に。 |
・こちらも瞬く間にこのとおり。 ・でも…。 捨てた廃液がサンダルのゴム部に付き、 ゴム部が溶けたのかヌルヌルになりました。 アンモニア臭も漂っています。 人体に悪影響はないのでしょうネ。 ・仕上げにブレーキクリーナーで各所を吹いておきました。 |
今回のキャブ清掃はこれで終わり。
チョーク部分やスロットルバルブ・ニードル部分には手を着けません。
これだけメチャクチャになっていたのだから、今回の清掃で調子が戻るはずです。
それに、このキャブのスロットルバルブ・ニードル部分は複雑な構造をしています。
分解するのに特殊ネジがあり、トルックスドライバ(07703-0010500)が必要です。
マニュアルにも「不必要な分解はしないこと」と書いてあります。
油面チェックも省略。
ガスケット・Oリングもそのまま使用。
完全オーバーホールはこの次にしましょう。
さて、キャブを取り付けてエンジン始動。
日が暮れましたので、それは明日のお楽しみ。
つづく。
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