RMX250-SJ13 整備資料
2014.05.01.エンジン③とキャブレター③入手/ スロージェット取外しにエキストラクターを使ってみたが…。
スロージェットを取り外すときにネジ溝を潰してしまい、エキストラクターを使って外しました。
どのようなXトラクターを使えばいいのか、どこまで打ち込めばいいのかが検討されています。
しかし、スロージェットを外すときはぴったりとしたスロージェト用ドライバーで、ケミカル剤や暖めを使って「一発で」回すこと。
結局、このキャブレターは「スロー不調」となってしまいました。
・入手したエンジン③とキャブレター③について
・キャブレター③の状態
・スロージェット取り外しにエキストラクターを使うときの注意
1.エンジンとキャブレター入手(エンジン③・キャブレター③)
最近、FJにばかりかまっていました。
FJをさわれば乗るのはFJとなります。
広い駐車場でせっせと低速Uターンを練習し、163号線でコーナリングの基礎を習得していました。
こちらの記事はとても参考になりました。
3月30日にYahooオークションで SJ-13のエンジンとキャブレターを入手しました。
出品者の説明
『車体番号: SJ13A-1036***,型式:SJ13A,走行: 17030キロ,
エンジン: 問題なく始動し、吹け上がりも好調でした。
敷地内で軽く走行しましたがこちらもストレス無く走行できました!!』
※取り外した車両の写真
落札価格はエンジン/17300円,キャブレター/3100円
二点同梱で送料4500円。合計24900円。
黄色いプラスチックケースはサービスです。
FJのエンジンと違い、軽いので運送屋さんの手伝いは不要でした
YahooオークションのRMX・エンジン相場は、動けば 軽く 3万円越え。中には6万円スタートというものもあります。( 入札する者はいませんが…)
初期型 ( N型 ) であること、
混合仕様でシリンダーへオイルを直接圧送していなかったからピストンとシリンダーに負担がかかっていること、
これらを差し引いても 17000円なら安いと言えます。
実際に使えるかどうかは内部を見て、さらに使ってみないと分かりませんが、それは 「 当たればラッキーの運試し 」
エンジンについては次回に報告します。
今回はキャブレターについて。
2.入手したキャブレターの状態
アクセルワイヤー切断はチョットもったいない。
パワージェットのパイプは大丈夫。
外すときに折れてしまいましたが…。
・MJ/210番,JN/6BGK7 (標準),JN段数/中央 ( 上から三段目 )
・NJ きれいで付着堆積物なし。
・フロートバルブに白い堆積物
・チョークバルブきれい
・ガスケットからのにじみ ・ ガソリン汚れなし
・エアスクリュー固着。あまり動かしていない。
写真は各部品の洗浄前のものです。
緑色のヘドロや堆積物がまったくなかったので、
しっかり走っていた ( 使っていた ) と推測されます。
フロート室取付ネジが異様に固く、
ショックドライバーでも相当気合を入れないと外れない状態でした。
キャブレターセッティングで何度も開けたものではないようです。
スロージェットの頭が潰れたので番手は不明ですが、
スロージェットが固まっていたことも考え合わせると
多分、メインジェットだけを大きくして後は標準で使っていたのでしょう。
充分使えるキャブレターです。 これで、3100円なら安いと言えます。
サイズを計ってみて納得。
ネジ頭の直径はたったの4㎜弱。
材質は柔らかい真鍮。
どれだけ適合するドライバーを使っても、
ジェットが固着していれば簡単に頭が欠けてしまいます。
古いキャブレター分解 ・ ジェット取外しでは、
ジェットネジ頭にビッタリ合うドライバーを使うだけでなく、
ジェットの固着を緩める手だてを講じなければならないのです。
固着を緩める方法として、
CRC や キャブクリーナーを注入して一晩置いたり、
温めてアルミと真鍮に膨張差を生じさせたりするものが紹介されています。
これらの効果がどのくらいかは分かりませんが、
とにかく少しでも固着を緩める努力をするべきなのです。
b.はじめてのエキストラクター
「 スロージェットの頭が潰れるのは珍しいことじゃない。なあに、マイナスドライバーを打ち込んで回せば大丈夫。」
しかし、『 ピキッ 』、『 ピキッ 』 の繰り返し。
とうとうスロージェットのネジ頭がすっかり無くなってしまいました。
こうなったら、エキストラクターを使うしかありません。
さっそく、モノタロウでエキストラクター探し。
①TRUSCO エキストラクター( 角型 ) ・ EX-801K/ 365円 → EX-801K
②TRUSCO エキストラクター( らせん型 ) ・lEX-801 / 297円 → EX-801
角型 も らせん型 も ネジに打ち込んでネジを回すものです。
角型はクサビのように打ち込み、らせん型 は反時計回りにねじ込みます。
ネジへの食い込み力は角型よりらせん型の方が強くなります。
ネジへの食い込み力が強ければ、ネジを外すのにより大きな力を加えられます。
③日立ツールハンドリーマ 3.00㎜
④日立ツールハンドリーマ 2.99㎜
③と④は NSR のキャブレターのパイプ修理のときに入手したものです。→→→ こちら
エキストラクターで外れない場合に
③or④で穴を拡げてネジ部を掘り出そうと予定したのですが出番がありませんでした。
c.角型 と らせん型 のどちらを使うか?
角型 と らせん型 の寸法を計って考えました。
どちらも、先端 1.6㎜Φ ・ シャフト径 3.9㎜Φ で 下穴 2㎜Φ、4.8㎜~6.4㎜ボルト用
しかし、 ②の らせん型はドリルの太い部分が4.7㎜Φもある。
スロージェットのネジ外径が 4.8㎜Φ だから、
らせん型のドリル部分が根元まで入ってしまうとスロージェットのネジ部分を削ってしまう。
これに対し、①の角型は 根元まで打ち込んでも 3.9㎜Φ だから、
スロージェットのネジ部分を痛めない。
もちろん角型 でも まっすぐに打ち込まないと、スロージェットネジ部を傷つけるが、
打ち込みを半分くらいにしておけば大丈夫だろう。
まあ、外す相手が柔らかい真鍮製だから少し打ち込んで回せば簡単に外れるだろう。
ということで、①の角型を選びました。
※この時点で私は大きな思い違いをしていたのです。
ネジ材質が柔らかければ柔らかいほどネジは外れにくいのです。
ネジの方が簡単に変形してしまうからです。
ネジ材質が柔らかい場合は、ネジの食い込み力の強い らせん型 を使うべきなのです。
d.らせん型 はドリルではない
ちょっと驚き
角型で効果がないので、らせん型を使ったときの写真です。
らせん型を打ち込んだあと、反時計回りに 1/4回転。
ネジに食い込んだあと回りません。
ホルダーハンドルにメガネレンチをかけて回すと、エキストラクターの方が変形。
エキストラクターの らせん部 は ドリルのように穴を開けていく機能はないのです。
マムシのような頭が穴を開け進んで行くわけがありません。
それに、この らせんのかたち、木ネジでももっともっと密になっています。
もちろん、このエキストラクターが
外そうとしているスロージェット以外のキャブレターボディに食い込んだ可能性はあります。
しかし、そうであってもこれがドリルであれば簡単に穴を開けていくはずです。
上の 「 角型にするか らせん型 にするか 」 の選択で、
「らせん型が根元まで入ってしまうとスロージェットのネジ部分を削ってしまう 」
という心配は無用だったのです。
もし、根元まで入ることが心配なら、太いらせん部の刃を丸くしておけば大丈夫でしょう。
★今回の失敗で学んだこと - その1
「柔らかいネジを外すときには食い込み力の強い らせん型 を使う。
らせん型エキストラクターで穴は開かない 」
★★22
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50ccでミニカー
原動機付き自転車扱いです。
角型エキストラクターを少し打ち込んでは 『 ピキッ 』、
もう少し打ち込んでも 『 ピキッ 』
『 根元まで打ち込んでもネジ部は大丈夫だ。
しかし、斜めに入っているけど…。ええい、構わない!』
最初は、ドライバーの柄で 「 コンコン 」 、この頃はハンマーで 「 ゴンゴン 」。
衝撃で フロートのニードルバルブが外れてくる。
最後はスロージェットのネジ部がなくなって、ネジ部から先がクルクル回るだけ。
千枚通し の先を曲げて、スロージェットの残骸を引っかけて無理やり取り出し。
写真の残骸は左右が逆になっています。
残骸の右側がスロージェットの先端 ( 左端 ) です。
エキストラクターがスロージェットの先端を突き破っています。
残骸を裏から見ればその損傷の激しさがよく分かります。
ゴンゴン、ピキピキ、グリグリ。
細いドライバーまで動員しましたからね。
結局、スロージェットは外れました。
新しいスロージェットがはまったので、
ネジ部の損傷も致命的なものではなかったのでしょう。
f.スロージェットの納まっている筒は空洞じゃない
スロージェットの納まっている穴を上から見ると、真鍮色の部分が見えます。
これはスロージェットの残骸だと思っていました。
しかし、残骸を取り出してもまだ見えます。
スロージェットが納まっている筒は スロージェットをはめるだけの筒ではないようです。
スロージェットの先端部にエキストラクターやドライバーを打ち込もうと ゴンゴン したことで
スロージェットから先にある構造をこわしてしまったかもしれません。
エキストラクターやドライバーを打ち込むときは、
打ち込み限度をまもらなければなりません。
筒先端~スロージェット=18.4㎜
スロージェット長さ=13.5㎜
だから、打ち込み限度は 31.9㎜。
筒先から 31.9㎜以上打ち込んではいけないのです。
ドライバーやエキストラクターを打ち込むときは印をしておきましょう。
★今回の失敗で学んだこと - その2
「 やけになってエキストラクターを打ち込むときも 32㎜ だけ 」
また、シャフト径5㎜Φのマイナスドライバーを削って、
スロージェットネジ頭にピッタリ合うようにしたものも作っておくとよいでしょう。
しかし、シャフト径4㎜Φや5.5㎜Φはあっても、5㎜Φのものはなかなか見つかりません。
ちょっと気になったので計ってみました。
このドライバーを根元まで打ち込んでしまったからです。
スロージェットの先端にドライバーを食い込ませてスロージェットを外そうとしたのです。
ドライバーの根元までが 28㎜で限度内。
32㎜ の所までは打ち込んではいません。 一安心です。
しかし、それではこのドライバーがベンチで回してもまったく動かなかったのはなぜでしょう。
何かに突き刺さったようで、まったく動かなかったのです。
どこかを損傷しているに違いないと思うのですが…。
4.使ってみなければ分からない
今回のスロージェット取り外しで、
スロージェット筒の仕組みを壊したかどうかは使ってみなければ分かりません。
とにかく、現在使っている分離給油設定でセットしました。
・PJ / 32.5
・MJ / 195
・JN / 上から1段目 ( 最上段 )
・AS / 1.5回転戻し
・ニードルバルブOリング交換
・AS は程度の良いものと交換、AS Oリング交換
・ガスケット交換なし
・パワージェット交換
左が、今回の 「 使ってみなければ分からない 」 TM30 - 29E00。
右が、ストックの TM30 - ボディのみ29E02
。
右側と左側の違いは 「 オイル給油ニップルが完全かどうか 」。
右側の ボディのみ29E02 を分離給油で使うためには
オイルニップルを修復する必要があります。
もし、今回の 29E00 がスロージェット筒損傷で使えない場合は、
ニップル部分を移植しようかと思っています。
これは “ろう付け” してあるのでしょうかねぇ…。
また、なにか失敗をしそうな予感がします。
つづく
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