RMX250-SJ13 整備資料
2014.07.06 SJ13 トランスミッションの組み立て
・ここではトランスミッションを組み立てる順番を説明します。
・順番としてはベアリングとオイルシールを交換したあとの作業ですが、クランクケースノの分解と関連するので先に説明します。
・「全バラ」状態になっていても組み上げられますのでご心配なく。
・ついでに、トランスミッションの動き(変速の仕組み)も読んでおいてください。トランスミッションの組み立てには関係ありませんがトランスミッションに愛着が湧きます。
・トランスミッション組み立て手順の最新版は印刷して、組み上げるときの手引きにしてください。
・ドライブシャフトギヤの構成部品
・注意① : ドライブシャフトの10番(サードドリブンギヤ) と カウンターシャフトの23番(フィフスドライブギヤ) を間違えないように。
・注意② : サークリップの合い口はシャフト溝の凹部で、ロックワッシャの出っ張りがはまっていないところに合わせる。
・カウンターシャフトギヤの構成部品
・シフトフォークの構成
・ギヤシフトドリブンカムの構成
・変速の仕組み
・トランスミッション組み立て手順①
・トランスミッション組み立て手順②(マニュアル通りのやり方・お勧め)
・トランスミッション組み立て手順/別頁(最新版・保存用)
・トランスミッションを組み立てたあとの手順/別頁
・エンジン組み立て手順一覧(経験者も組み立てる前に一覧すること)
1.ドライブシャフトギヤの構成部品
Yahooオークションで、バラバラになった RMXのトランスミッション部品が出品されていました。
こんな部品を入手したときにも組み立てられます。
そうでなくても、バラバラとこぼれてきますので設計図がないと元に戻すのに苦労します。
ワッシャも何種類かありますからね。
サークリップは一度外したら、再利用しないで新品と交換です。
番号 | PLイラスト番号 | 名称 | 部品番号 | 形状等 |
① | Fig.13/№8 | ドライブシャフト | - | 左側にドライブギヤ |
② | Fig.13/№26 | オイルシール | 09283-28020 | 28×38×6 凹が右側 |
③ | Fig.13/№33 | エンジンスプロケットスペーサ | 27531-28C00 | 凹が右側 |
④ | Fig.13/№35 | Oリング | 09280-21010 | ③に二本入る |
※ | Fig.13/№25 | ベアリング | - | 内径×外径×巾=22×56×15 NTN-SCD4A-73C3 刻印右側 |
⑤ | Fig.13/№18 | ワッシャ | 廃盤 | 22.2×31.8×1.5 (実測) ※他のワッシャより厚い |
⑥ | Fig.13/№10 | セカンドドリブンギヤ | - | 26枚・右側/かみ合い凸、左側/平坦 |
⑦ | Fig.13/№15 | ブッシュ | 09300-25031 | 内径×外径×厚さ=25×28×10 |
⑧ | Fig.13/№19 | スラストワッシャ | 09181-25167-000 | 25×33.8×1.0 (実測) ※内径が⑤より大きい、シャフト①の凸部まで入る |
⑨ | Fig.13/№12 | フォースドリブンギヤ | - | 24枚・両面/かみ合い凸・右側/シフトフォーク溝(シフトフォーク№2) |
⑩ | Fig.13/№11 | サードドリブンギヤ | - | 22枚・右側/平坦・左側/かみ合い凸 |
⑪ | Fig.13/№21 | ロックワッシャ | 09167-25012 | |
⑫ | Fig.13/№20 | サークリップ | 09380-25010 | |
⑬ | Fig.13/№13 | フィフスドリブンギヤ | - | 19枚・右側/かみ合い凸・左側/シフトフォーク溝(シフトフォーク№1) |
⑭ | Fig.13/№17 | スラストワッシャ | 08211-20301 | 20×30×1.0・⑰と外径は同じで内径は大 |
⑮ | Fig.13/№9 | ファーストドリブンギヤ | - | 32枚・右側/凹小・左側/凹大 |
⑯ | Fig.13/№14 | ブッシュ | 09300-20037 | 20×24×10 |
⑰ | Fig.13/№16 | スラストワッシャ | 09181-17223-000 | 17×30×1.0 ※ブッシュが入るときは前後にスラストワッシャが入る |
※ | Fig.13/№24 | ベアリング | - | 17×40×12 ※刻印右側 |
⑱ | Fig.13/№29 | キックスターターアイドルギヤ | - | 27枚・左側/凸部 |
⑲ | Fig.13/№30 | シム | 08221-17245 | - |
⑳ | Fig.13/№31 | スナップリング | 08331-31176,09380-17001 | - |
★注意①★
・ドライブシャフトの10番(サードドリブンギヤ) と カウンターシャフトの23番(フィフスドライブギヤ) を間違えないように。
・二つとも歯数は同じですが、平坦部(右側にする方)が 10番は二重円、、23番は二重円になっていません。
・間違って、カウンターシャフトの23番をドライブシャフトにつけるとサークリップとの間に隙間(ガタ)ができます。
・逆に、ドライブシャフトの10番をカウンターシャフトにつけるとサークリップが溝に入らなくなります。
・サークリップを取り付けたのにギヤにガタがあったり、サークリップが入らなかったりする場合はこれを疑ってください。
・なお、これはドライブシャフトとカウンターシャフトのギヤを全部ばらした場合の注意です。
10番と23番はサークリップを外さなければドライブシャフト・カウンターシャフトにくっついていますから組み間違うことはありません。
組み立てるとこうなります。
⑮と⑱の間にベアリングが入ります。
※⑥~⑮はクランクケースの中、⑱はクランクケースの外
②・③・④はクランクケースの外側から交換できます。
★注意② : サークリップの合口とロックワッシャ,スプライン
サークリップは合い口(隙間)がシャフトのスプライン(溝)と合うようにはめます。※スプライン ( spline/はめ合い溝 )
その方がサークリップのはまっている部分が長くなって、しっかり留まるからです。
・左の写真ではサークリップの合い口がシャフト溝と合致。
・右の写真ではサークリップの合い口がシャフト山と合致。
・左の方がサークリップのはまっている部分が長くなります。
次に、ロックワッシャの出っ張りは三カ所、シャフト溝は六ヶ所。
シャフト溝にはロックワッシャの出っ張りがはまっているところと、出っ張りがはまっていないところがあります。
そこで、サークリップの合い口をシャフト溝に合わせる場合、
「ロックワッシャの出っ張りがはまっているシャフト溝に合わせるのか、ロックワッシャの出っ張りがはまっていないシャフト溝にあわせるのか?」が問題となります。
上の左の写真では、サークリップの合い口は「ロックワッシャの出っ張りがはまっていないシャフト溝」に合わせています。
・ロックワッシャとサークリップだけを取り出すとこうなります。
下がロックワッシャ ( ⑪ ) 、上がサークリップ ( ⑫ ) です。
・aはロックワッシャの出っ張りがシャフト溝にはまっているところでサークリップを留める。
・bはロックワッシャの出っ張りがシャフト溝にはまっていないところでサークリップを留める。
・答えはbです。上の写真の左側が正しい位置です。
・つまり、サークリップの合い口はロックワッシャの出っ張りがはまっていないシャフト溝に合わせる。
※KX 125・250 のサービスマニュアル・1993/ P7-10
・理由は「ロックワッシャは出っ張りでシャフト溝にはまっているだけで前後に動ける」ので、
「サークリップ合い口をこの出っ張りに合わせると、出っ張りがサークリップの合い口の端を押してしまい、
サークリップが外れやすくなる」うことになる」ということでしょうか?。
通常の感覚から言えば「サークリップの合い口をロックワッシャの出っ張りに合わせる」ということになるので要注意です。
番号 | PLイラスト番号 | 名称 | 部品番号 | 形状等 |
①-2 | Fig.13/№1 | カウンターシャフト | - | 右側にクラッチ |
※ | Fig.13/№22 | ベアリング | - | 25×52×15 |
23 | Fig.13/№5 | フィフスドライブギヤ | - | 22枚・右側/平坦・左側/かみ合い凸 |
24 | Fig.13/№7 | サークリップ | 09380-25010 | 26と同じ |
25 | Fig.13/№3 | サードドライブギヤ | - | 16枚・右側/シフトフォーク溝 (シフトフォーク№3 ) |
26 | Fig.13/№7 | サークリップ | 09380-25010 | 24と同じ |
27 | Fig.13/№4 | フォースドライブギヤ | - | 22枚・右側/かみ合い溝・左側/平坦 |
28 | Fig.13/№2 | セカンドドライブギヤ | - | 15枚・右側/出っぱり・左側/平坦 |
29 | Fig.13/№6 | スラストワッシャ | 08211-17301 | 17×30×1.0 |
※ | Fig.13/№23 | ベアリング | - | 17×40×12 |
※24サークリップ は 23ギヤを留める。
※26サークリップは27ギヤを右側に入らないようにして、25ギヤが左右に動けるようにする。
※25ギヤは左右に動いて23ギヤと27ギヤにかみ合う。
・ カウンターシャフトのギヤ ( 上 ) と ドライブシャフトのギヤ ( 下
) をかみ合わせた状態です。
・エンジンからの力はクラッチを介してカウンターシャフトの右側から入ります。
・ カウンターシャフトのギヤとドライブシャフトのギヤはかみ合っています。
・カウンターシャフトの 3rdギヤは左右にスライドして、4thギヤ,5thギヤとくっついたり離れたりします。
・ドライブシャフトの4thギヤは 2ndギヤ,3rdギヤとくっついたり離れたりします。
5thギヤは 1stギヤとくっついたり離れたりするだけで、3rdギヤとくっつくことはありません。
このようにして、カンウターシャフトのギヤとドライブシャフトのギヤのかみ合いが変わります。
このかみ合うギヤのギヤ比により、
カウンターシャフトに入ったエンジンの力は変速されてドライブシャフトの左側から出て行きます。
このギヤをスライドさせるのがシフトフォークです。
シフトフォーク突起はドラム ( シフトカム ) の溝に入っています。
シフトカムが回るとシフトカムの溝に入った突起が動き、シフトフォークが左右に動いてギヤをスライドさせるのです。
シフトフォークは三個、それぞれ形が違います。。
280-1A ( ①),280-2A ( ② ),280-3A ( ③ )
の刻印があります。
①と②は長く、③は短い。
①と②では②の方が拡がりが大きい。
これは、スライドさせるギヤの大きさが違うからです。
シフトフォークは ③がシフトカムの真ん中の溝、②が左側の溝、①が右側の溝に入ります。
シフトフォークとギヤのシフトフォーク溝は磨耗します。
許容限度は 「 フォークをフォーク溝に差し込んだときに、隙間が 0.5㎜。
0.5㎜を超えて隙間が大きくなったり、異常な摺動傷があったりすると交換です。
b..カチカチ機構/シフトカムドリブンギヤ
シフトカムをカチカチ動かすのが次の機構です。
正式名称は ギヤシフトカムドリブンギヤ。
以下では分かりやすいように 「 カチカチ機構 」 とします。
カチカチ機構はシフトカムから外すとバラけてしまいます。
ギヤには穴が開いています。
ここにバネを入れ、小さい押し棒でバネを押さえて小さいプレートをセットします。
これが二組あります。
一組は簡単にできますが、その一組を押さえながら二組目をセットするのに苦労します。
一組目がセットできたら、その部分をセロテープで留めて、二組目をセットするのが良いでしょう。
セットしたものを保管するときは、タイラップで外れないようにしておきましょう。
バネと押し棒を押さえるプレートは、溝から上端までの巾が大きい方が上 ( ギヤ側 ) になります。
二つのプレートは左右対称となりますから、同じものではありません。
パーツリストでは部品番号が違います。
パーツリスト Fig.13 の№12,№13 は画像の №12 と№11です。
※シフトカムギヤの取付手順については→→→こちら
●●
・もし、「 カウンターシャフトのギヤが 1枚、ドライブシャフトのギヤが 5枚で、
カウンターシャフトの1枚のギヤがスライドして ドライブシャフトの5枚のギヤとかみ合う」のならスッキリするのですが、
5枚ともかみ合っているのでスッキリしません。
・ヒントは「スライドするギヤがある」こと。
スライドするのは カウンターシャフトで 1枚(③)、ドライブシャフトで 2枚(①・②)の合計3枚。
3枚がスライドするのだから、いろいろな組み合わせができます。
その点を詳しく説明します。
・『お願いします。スッキリさせてください。』
・あっ、そうそう、大切なことを言い忘れていました。
・『早速、モヤモヤ解消のヒントですね!』
・そうなるでしょうかねぇ…。
・カンウターシャフトの5枚のギヤとドライブシャフトの5枚のギヤはかみ合っていますが、このかみ合いはギヤがスライドしても外れません。
たとえば、上の画像で、カウンターシャフトの3rdギヤ(③)が右にスライドして カウンターシャフトの5thギヤとかみ合っても、
カウンターシャフトの 3rdギヤとドライブシャフトの 3rdギヤのかみ合いは外れません。
ギヤはスライドしてもギヤ巾の半分がかみ合うようになっています。
・『ということは…、
スライドするギヤは 3枚あるけれど、
それらがどのようにスライドしても、カウンターシャフトの
5枚のギヤとドライブシャフトの5枚のギヤはかみ合ったままということですか?』
・そうですよ。
・『5枚のギヤ同士がいつもかみ合っていたら変速できないじゃないですか! モヤモヤを通り越して一寸先が闇になってしまいましたよ!』
その点を説明していきましょう。
b.空回りするギヤとシャフトに連動するギヤがある
・カウンターシャフトとドライブシャフトのギヤには空回りするギヤとシャフト溝でかみ合ってシャフトと連動するギヤがあります。
カウンターシャフトでシャフト溝とかみ合っているギヤは 2nd,3rd,1st。空回りするのは4th,5th。
ただし、4th,5thは カウンターシャフト上をスライドするカウンターシャフトの3rdとかみ合うと、3rdギヤがシャフトと連動しているのでシャフトと連動することになります。
・ドライブシャフトでシャフトと連動するギヤは 4thと5th、空回りするギヤは 2nd,3rd,1st。
ただし、2ndと3rdはドライブシャフト上をスライドするドライブシャフトの4thとかみ合うと、4thと一体となるのでシャフトと連動することになります。
1stも5thとかみ合ったときはシャフトと連動することになります。
・『なにか希望の光が見えてきました。空回りするギヤと空回りせずシャフトと連動するギヤの組み合わせがカキなのですね。』
・その前に、シフトフォークの動きを説明しておきましょう。
c.シフトフォークの動き
・シフトフォークはカウンターシャフト側に №3、ドライブシャフト側に №2 と №1。
・ №3の突起はシフトカムの真ん中の溝に入り、 №2,№1 の突起はシフトカムの 1段目,2段目の溝に入ります。
・シフトカムが回るとシフトカムの溝に沿ってシフトフォークがシャフト方向(左右)に動きます。
・シフトカムの溝の付け方によって、各シフトフォークの動きが決まります。
・なお、シフトフォーク№3 とシフトフォーク№2,№1 は 90度ずれて設置されています。
※写真はシフトフォークを右クランクケースにつけたものです。手前がクランクケース左となります。
・シフトフォークが動かない位置は、写真の●№2、白○№3、●・白〇の№1です。。
・白〇位置なら、シフトフォーク№2だけが左に動きます。(№3と№1は動かない位置)
・ ●位置なら、シフトフォーク№3だけが左に動きます。(№2と№1は動かない位置)
・ 溝位置の組み合わせは 6種類、
№2・№1・№3→ 中・右・中、 中・中・中、 左・中・中、 右・中・中、 中・中・左、 中・中・右
これが、1st, N, 2nd, 3rd , 4th,
5th に対応しています。
d.力の伝わり方
※もう一度確認。
・カウンターシャフトのギヤ
常にシャフトと連動しているギヤ → 2nd, 3rd,
1st ( 外側二枚と真ん中一枚)
スライドするギヤ→3rd(スライドして4th,5thとかみ合う)
通常は空回り、シャフト溝に入りシャフトと連動しつつシャフト上をスライドする3rdギヤとかみ合ったときにだけシャフトと連動するギヤ →
4th, 5th ( 内側の二枚 )
・ドライブシャフトのギヤ
常にシャフトと連動しているギヤ → 4th, 5th ( 内側の二枚
)
スライドするギヤ→4th,5th。(4thはスライドして両側の2ndと3rdにかみ合い、5thはスライドして1stとかみ合う)
通常は空回り、スライドギヤとかみ合ったときにだけシャフトと連動するギヤ → 2nd,
3rd, 1st ( 外側二枚と真ん中一枚)
・シフト溝位置は№2・№1・№3→ 中・右・中。 №1 だけが右にスライド →ドライブシャフトの5thギヤと1stギヤがかみ合う。 → 1stギヤは5thと一体となってシャフトと連動 ・ドライブシャフトとカウンターシャフトの 他のギヤは かみ合っているが、 一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。 ・カウンターシャフトに入った力は 1st→1st と伝わりドライブシャフトから出力。 ・カウンターシャフト 1st/14枚で ドライブシャフト 1st/32枚 →変速比/2.285 |
・シフト溝位置は№2・№1・№3→ 中・中・中。 シフトフォークはどれも動かない。 ・どのギヤもかみ合っているが、 一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。 ・つまり、 カウンターシャフトに入った力は ドライブシャフトに伝わらない。 これが ニュートラル。 |
|
・シフト溝位置は№2・№1・№3→ 右・中・中。 №2 だけが右にスライド →ドライブシャフトの4thギヤ3rdギヤがかみ合う。 → 3rdギヤは4thギヤと一体となってシャフトと連動 ・ 他のギヤはかみ合っているが、 一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。 ・カウンターシャフトに入った力は 3rd→3rd と伝わり ドライブシャフトから出力。 ・カウンターシャフト 3rd/16枚で ドライブシャフト 3rd/22枚→変速比/1.375 |
・シフト溝位置は№2・№1・№3→ 中・中・左。 №3 だけが左にスライド →カウンターシャフトの3rdギヤと4thギヤがかみ合う。 → 4thギヤは3rdギヤと一体となってシャフトと連動 ・他のギヤはかみ合っているが、 一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。 ・カウンターシャフトに入った力は4th→4th と伝わり ドライブシャフトから出力。 ・カウンターシャフト 4th/22枚で、 ドライブシャフト 4th/24枚→変速比/1.090 |
・シフト溝位置は№2・№1・№3→ 中・中・右。 №3 だけが右にスライド →カウンターシャフトの3rdギヤ5thギヤがかみ合う。 → 5thギヤは3rdギヤと一体となってシャフトと連動 ・他のギヤはかみ合っているが、 一方がシャフトに連動していても他方が空回り →力は伝わらない。 ・カウンターシャフトに入った力は5th→5thと伝わり、 ドライブシャフトから出力。 ・カウンターシャフト 5th/22枚で、 ドライブシャフト 5th/19枚→変速比/0.863 |
ガッテンしていただけましたでしょうか?
★★28
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特定小型原動機付自転車にも
アシスト自転車にも該当しません。
画像の面がシャフトの右側面。
画像の面を右側にして、シャフト①の左側から、⑩,⑪,⑫,⑬,⑭,⑯,⑮,⑰の順にセット。
b.カウンターシャフトに 25と23を組む
画像の面がシャフトの右側面。
画像の面を右側にして、シャフト①-2 の右側から、23,24,25,26をセット。
26サークリップの位置に注意。
※サークリップは溝に入る。
c.ドライブシャフトギヤとカウンターシャフトギヤをかみ合わせて右クランクケースに入れる
★コツ① シフトフォーク№1を取り付けておく
・シフトフォーク№1は後からだと入れにくくなるので、この段階でドライブシャフトの⑬ギヤにセットしてしまう。
・そして、シフトフォーク№1が外れないように、シフトフォークシャフトを立てて №1を仮止めする。
・また、シフトフォーク№1を左右に動かして、⑬ギヤがスライドすることを確認しておく。
d.カウンターシャフトはしっかりと差し込む
挿入するときはクランクケースを立てて行う。
クランクケースを寝かせて挿入すると向こう側に出っ張ったシャフトが押し戻されて、各ギヤがかみ合わなくなる。
カウンターシャフトは右画像のように、円柱部がしっかりと出ていなければならない。
挿入が甘いと、かみ合いがうまくいかずギヤが回らない。
カンウターシャフトとドライブシャフトのギヤが軽く回ることを確認して、軽く回らなければシャフトを軽く叩いてしっかりと挿入する。
e.ドライブシャフトは右側から留めてしまう
ドライブシャフトの抜けを防ぐために、右クランクケースの外側(右側)から、⑱キックスターターアイドルギヤ を付けてしまう。
f.残りのギヤとシフトフォークを組む
順番は、
・残りのギヤをセットする。
↓
・シフトフォークをセットする。
↓
・シフトカムを取り付ける。
↓
・シフトフォークの突起をシフトカムの溝に入れる。
↓
・フォークシャフトを立ててシフトフォークを固定する。
左矢印にあるものがカウンターシャフトに、右矢印にあるものがドライブシャフトに組付けられる。
ただし、シフトフォーク№1はすでにドライブシャフトの⑬ギヤにセットされてフォークシャフトで仮止めされている。
画像の面がシャフトの左側面。( 2.カウンターシャフトの構成部品の画像をと裏表が逆になっているので注意。
カウンターシャフトへは画像の面を左側にして、27,28,29の順でシャフト左側からセット。
※27→表/平坦,裏/かみ合い凸、 28→表/平坦,裏/出っぱり。
ドライブシャフトへは画像の面を左側にして、⑨,⑧,⑦,⑥,⑤の順でセット。
※ ⑨→表/かみあい凸,裏/シフト溝、⑥→表/平坦,裏/かみ合い凸。
★注意
ギヤは 27→⑨→28→⑥ と交互に入れていく。
シフトフォークの突起がシフトカムの溝の方に向くように、シフトフォークを取り付ける。
突起が逆になっていたら、シフトフォークを裏返せばよい。
№3は刻印面を右にして、№2と№1は刻印面を左にして組むとよい。
フォークシャフトを取り付けなければ、シフトフォークは自由に動く。
だから、後からシフトカムを取り付けてもフォーク突起をシフトカムの溝にセットできる。
組み付け作業をするときにクランクケースを立てて行ってもよいが、角材でクランクケース右側部分を浮き上がらせて作業してもよい。
立てて行うより作業がずいぶん楽になる。
フォークシャフトをセットすればシフトフォークがシフトカムの溝から外れることはない。
シフトフォークの突起をシフトカムの溝にセットするとき、
シフトシャフトをシフトフォークに入れるとき、
思うようになってくれないのがフォーク№1。
「こうしたら楽かな?」
「やっぱりダメだ…。」
「それなら、こうしてみよう!」
いろいろ工夫してください。
フォークシャフトを立てたらトランスミッションの組み立ては終了です。
・ドライブシャフトに⑤~⑫とシフトフォーク№2を組む。 ・シフトフォーク№2は刻印が左側(クランクケースの外側 ) ・奥に入れるシフトフォークは先に取り付ける。 |
・クランクケースを立ててドライブシャフトを挿入。 ・ドライブシャフトが下を向くと先にあるギヤが外れてしまう。 ・シフトフォークはシャフトで仮止。 |
・カウンターシャフトギヤを全部組む。 |
・クランクケースを立てて先にあるギヤが外れないように挿入。 ・ドライブシャフトの三枚のギヤとかみ合わせながら挿入。 |
・ドライブシャフトに 残りの二枚のギヤ( ⑬,⑭,⑮,⑯,⑰ ) を組む。 ※画像の面が右側。 ★ほんとうは⑬だけ取り付けて、 後はシフトフォーク突起をシフトカムの溝に入れてから取り付け。 |
・ドライブシャフトとカウンターシャフトの五枚のギヤが噛み 合って動くか確認。 |
・シフトフォーク№1 ( 刻印下側/左側 ) をセットして シャフトで仮止め。 ・シフトフォーク№3 ( 刻印上側/右側 ) をセットして シャフトで仮止め。 |
・シフトカムと ニュートラルスイッチスペーサを挿入。 ・シフトカムは出っ張り大の方が左。 ・スペーサは凸部がカムの中に入り、 カムのピンとスペーサの切欠きが合う。 |
・シフトカムの溝にシフトフォークの突起をはめて シャフトを立てる。 ・下の溝から№2,№3,№1。 ★こつがあります。 |
★シフトカムの溝にシフトフォークの突起をはめるコツ
・ドライブシャフトの一番上のギヤ ⑮を外す。( 始めから取り付けない方が良かったのです。)
↓
・クランクケースを膝の上に置く ( ひざまくら )
↓
・フォーク№2のギヤを上に浮かせながら、フォーク№2の突起を一番下の溝にはめて、シャフトで仮止め。
・シフトカムを回して、フォーク№2とギヤが軽くスライドするか確認。
↓
・フォーク№3のギヤを上に浮かせながら、突起を真ん中の溝にはめて、シャフトで仮止め。
・シフトカムを回して、フォーク№3とギヤがスライドするか確認。
・シフトカムの溝とシフトフォークの突起は 『 カシャ、カシャ 』 と音を立てます。
↓
・フォーク№2を仮止めしているシャフトを外して、フォーク№1のギヤを浮かせて突起を一番上の溝に入れ、シャフトで仮止め。
※このときシフトフォーク№1がシフトカムから外れてしまうので、突起がカムの溝から外れないように押さえる。
・シフトカムを回して、シフトフォーク№2,№3,№1が 『 カシャッ、カシャッ 』 と動くか確認。
↓
・№2,№1のシャフトと№3のシャフトを奥まで挿入してシフトフォークを固定。
※各ギヤが噛み合っていないと『カシャッ、カシャッ』とスムーズに動かないし、ドライブシャフトが抜けてくると(外れてくると)ギヤの噛み合いがずれる。
『カシャッ、カシャッ』と動かないときは、ドライブシャフトをプラスチックハンマーで少し叩き、各ギヤを回して噛み合わせる。
また、クランクケースを立てないと、各ギヤの重みで『カシャッ、カシャッ』がスムーズにいかない。
・ここで、ドライブシャフトに⑭,⑮,⑯,⑰を取り付ける。 |
・上から左クランクケースを乗せて合わせます。 ・ここで右クランク引き込みのために インストーラーを使います。 ・あとは、左側からクランクケースをボルト留め。 ダイナモ取り付け。 |
・右側の部品を取り付けて、カバーを付けたら終了。 ・クランクケースの分解はここからスタート。 |
★ ガスケットはクランクケースを結合してから切る
・クランクケースのガスケットは、インテークマニホールドの部分とシリンダー部分がつながっています。
・この部分は クランクケースを結合した後に取り去ります。
・クランクケースを結合させるときにガスケットがずれることがありますが、
ガスケットがつながったままだと簡単にそのずれを直すことができるからです。
・写真ではマニホールドの部分はつながったままですが、シリンダーの部分は取り去ってあります。
シリンダーの部分もつながった状態でクランクケース結合作業に入ってください。
7.左右のクランクケースを結合させたあとの手順は→→→こちら
★★29
★エンジン組み立て手順一覧/ベアリング・オイルシールを交換したあとの手順★
﹅クランクケースを組み立てるときは、手順をもう一度一覧しておくこと。
﹅手順通りにやらないと、二度手間になります。
(初めに)
1.クランクケースのオイルシールは組立前に挿入しておく。
左クランクケース→クランク左,ドライブシャフト(スペーサとOリングは組立後に挿入),ギヤシフトアーム
右クランクケース→クランク右,キックアーム
(クランクケース左を組む)
2.クランク左引き込み
※引き込み過ぎ注意。抵抗があったらそれで終了。
3.トランスミッション組立
4.クランクケースガスケット,接合カラー2個取り付け
※接合カラーが別の穴に入っていないか確認。
(クランクケースの接合)
5.クランク右引き込み
※引き込み過ぎ注意。抵抗があったらそれで終了。
クランクの引き込みで左右のケースは完全に接合しない。クランクの引き込みとクランクケースの接合は別のもの。クランクケースの完全接合は次の接合ボルトで行う。
6.クランクケース接合ボルト(13本)を締めて、ケースを完全接合。
※クランクがスムーズに動くか確認。渋い場合は引き込み過ぎだから、プラスチックハンマーでクランクを少し叩き戻す。
7.クランクケースガスケットの余分を切り取り
(クランクケース右を組む)
8.シフトカム取り付け(ネジロック使用)
9.ギヤシフトシャフトを取り付け、ギヤシフトがスムーズに行えるかチェック
10.キックギヤ取り付け
※バネは時計回りに巻き付けてセット。
11.ドライブシャフトにキックアイドルギヤ取り付け
12.クランク右ドライブギヤ取り付け(ネジロック使用)
※スペーサの中のOリング交換
13.クラッチ組立・取り付け
※クラッチ取付は最後です。
14.ギヤシフトシャフトのギヤ(谷が5)とシフトカムギヤ(山が5)の中央が合っているか確認
※シフトシャフトのギヤの下から三つ目の谷にシフトカムの下から三つ目の山が入っていればOK。
合ってなければシフトシャフトを浮かせてセットし直す。
15.排気バルブシャフト下側セット
※カラーは新品に交換。
16.ガバナセット
※ベアリングは内側(トランスミッション側)
17.キックギヤ,クラッチハウジング,クランク,ガバナなどの各ギヤがスムーズに動くか確認
18.クラッチカバーガスケット,接合カラー2個取付
19.クラッチカバー接合ボルト(12本)で接合
※クラッチアームを動かしてウォームギヤが噛み合っていることを確認。
※ウォーターポンプの冷却水入口に指を入れて、クランクを動かしインペラが動くことを確認
(ジェネレーター取付)
20.コイル,ローター取付(ローター取付にはネジロック使用)
21.ジェネレーターカバー取付
(ピストン・シリンダー取付)
22.クランクケースコンロッド部とリードバルブ部をウエスで塞ぐ
※小さいボルトやナットを落とし込んでしまったら再度クランクケース分解と組立。
23.ピストン取付
24.シリンダー取付
25.リードバルブ,マニホールド取付
26.ドライブシャフトのスペーサとOリング取付
※スペーサからドライブシャフトのクリップ溝まで10㎜必要。
27.エンジン搭載
28.シリンダーヘッド取付
つづく
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