RMX-SJ13 整備資料



 2018.06.18  RMX④ の フロント倒立フォークのオイルシール交換





SJ13 の整備で今までやっていなかったのがフロントフォークの分解。
整備は不具合が起きて実際の必要が生じないとやりません。

RMX④ は入手したときすでに右フロントフォークにオイル漏れがありました。
しかし、控え選手であるし、オイルシールを交換しても実際に使っていないとシールが劣化してまたオイル漏れを起こす場合があるのでそのままにしてありました。

ところが、正選手のRMX② のフォークオイル交換の必要性を感じ、
以前に入手した部品詰め合わせの中にフロントフォークのシールが1セットあったので、まずはRMX④のフォークのオイルシール交換をやってみました。

FJのフロントフォークの分解・オイルシール交換は三度やっていますが、FJは正立フォーク。
倒立フォークは25年前のCR125だけ。とっくにそのノウハウを忘れています。
結果として、いろいろ失敗しました。オイルシールも二個ダメにしました。

倒立フォークは正立フォークの逆ですから、逆さまにすれば全く同じです。
逆さまにして、正立フォークのオイルシール交換と同じにやれば良いのですが、変に「倒立であること」を意識してしまい却って問題を起こします。

違うのは 「 オイルシールをセットするとき 」 と 「 トップキャップを取り付けるとき 」。
前者ではオイルシールをダメにし、後者では油面調整をもう一度しなければならなくなりました。

倒立フォークのオイルシール交換を初めてする方はじっくりと読んでください。。


倒立フォークオイルシール交換手順
倒立フォークの構成部品
倒立フォークではシール類を入れる順番と方向が正立フォークの逆
倒立フォークのオイルシールはリップが押しつぶされるような力を受ける/インナーチューブに入れるときの工夫
オイルシールの打ち込み方法
油面調整
フォークの組立
RMX②のオイルシール交換/油面調整に3㎜Φ管を使う
フロントキャリパ周りのパイピング


    
1.オイルシール交換手順


①フォークキャップ取り外し

  トップキャップの締め付けトルクは 300~400㎏・㎝ でそれほど大きなものでばありません。
  しかし、Oリングの張り付きなどによりそれ以上の力が必要となりますので
 フォークを取り外してからトップキャップを緩めようとすると万力で固定しなければなりません。

・フォークを取り付けた状態でフォークキャップをゆるめておくことが必要です。
  ※30Mソケット使用。

  ★フォークキャップはフォーク取り外し前にゆるめておく



②ロックナット取り外し


・フォークキャップはインナーロッドにはまり、
  下からダブルナットの要領でロックナットで留められています。
・ロックナットに17Mレンチを入れ、フォークキャップに30Mソケットを当てる。
  これを両手で持って、フォークを立たせたまま緩める。
  締め付けトルクは 200~240㎏・㎝ と小さいのですが、
  ソケットがグラグラするので、力がはいりません。
・こんな苦労をするより、フォークを寝かせてロックナットのレンチを固定した方が簡単です。
  もちろん、オイルが流れ出てきます。
  しかし、オイルはどうせ交換するのだから古いオイルが流れ出ても支障はありません。
・25年前の CR125 マニュアルには、
  「ロックナットを下に押し下げてやれば指で回せる 」 とメモしてありますが…。
  ★ロックナット取り外しではオイルが流れだすのを覚悟



③オイル排出 ・ スペーサ ・ スプリング取り出し

・スプリングとスペーサはピストンロッドからロックナットが外されれば自由になります。
  チューブを傾ければ簡単に出てきます。

・スプリングに上下はありません。
・スペーサの下に付いている樹脂製のスプリングガイドは一定方向にしかはまりません。
  だから、スペーサとスプリングのはまっていた方向を気にすることはありません。

※オイル交換だけならここまでです。→→→ 


④ダストシールとストッパリング取り外し、インナーチューブ取り外し


・ ダストシールを細いドライバーを差し込んでコジって外す。
・ オイルシールを留めているストッパリングを細いドライバーを差し込んで外す。
・インナーチューブを「 コン・コンと引っ張って 」 外す。

・これが外れたインナーチューブ。

・右端のストッパリングは外れていますから、
  インナーチューブがアウターチューブに引っかかっている部分はオイルシールだけです。
  他の部分に干渉していないので、インナーチューブを引っ張って衝撃をかけても問題は生じません。

・アウターチューブを左手に、インナーチューブを右手に持って、
  「 コン、コンコン 」 と引っ張れば外れます。

・インナーチューブに入っているシールは左側がオイルシール、右側がダストシール。
  倒立フォークだから左側が上になります。
  このインナーチューブを半時計方向に90度回転させて、左側を下にすると正立フォークになります。

  ★インナーチューブは「 コン・コンと引っ張って 」 外す


     
⑤構成部品

・ ①アウターチューブ、②インナーチューブ、③フォークキャップ
・ インナーチューブにはピストンシリンダー ( フロントダンパ ) とピストンロッド ( a )がセンタボルトで固定されている。
・ a の先端に取り付けられているのはロックナット。
・ ピストンロッド ( a ) には b1 ( スプリング ) と b2 ( スペーサ ) がはまる。※
スプリング自由長使用限度 : 504㎜以下
・ インナーチューブには、c6 ( スライドブッシュ )、c5 ( ガイドブッシュ )、c4 ( ワッシャ )、c3 ( オイルシール )、c2 ( ストッパリング )、c1 ( ダストシール ) がはまる。
・ 正立フォークでアウターチューブ ( 下側チューブ ) に入っていたものが、倒立フォークではインナーチューブ ( 下側チューブ ) に入っていることになります。

・スプリングスペーサ ( b2 ) には、
  上にアッパワッシャ ( 上の写真で b2の左端に付いている ) と、
  下にスプリングガイド ( 上の写真で右端に付いている ) がはまっている。
  しかし、これらを取り外すとスプリングスペーサが左右対称なので
  スプリングスペーサの上下が分からなくなる。

・ご心配なく。
  樹脂製のガイドを付ける方 ( 下側 ) には点突起が有ります。

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⑥インナーチューブに、ダストシールとストッパリングを先にはめる。

インナーチューブに入れるのは、ダストシール,ストッパリング,オイルシール,オイルシールワッシャ,ガイドブッシュ,スライドブッシュ
これは正立フォークと同じです。違うのはその順番。

正立フォークではインナーチューブをアウターチューブに取り付けてから、インナーチューブにオイルシールやダストシールをはめます。

しかし、倒立フォークでは先にインナーチューブにオイルシールやダストシールをはめてから、インナーチューブをアウターチューブにはめます。
※倒立フォークでインナーチューブをアウターチューブに入れてしまうと、あとからオイルシールやダストシールをはめることができません。

シール類の順番も正立フォークとは逆になります。
正立フォークでは下から、オイルシールワッシャ,オイルシール,ストッパリング,ダストシール。
インナーフォークの上からこの順番ではめていきます。

倒立フォークでは下から、ダストシール,ストッパリング,オイルシール,オイルシールワッシャ。
インナーフォークの上からこの順番にはめていきます。

オイルシールやダストシールの向きも逆になります。
正立フォークではアウターチューブ(油室)が下にあるので、下が凹。
倒立フォークではアウターチューブ(油室)が上にあるので、上が凹

このように、正立フォークと倒立フォークではシール類を入れる順番とその方向が逆になりますが、
これは「倒立フォークは正立フォークを逆さまにしたもの」であることを考えるとすぐに分かります。
迷ったときは、倒立フォークを逆さまにして考えてください。

     
⑦オイルシールをはめる/リップのすぼまりが押し戻されるので注意


イ.凹面を上にして入れると「ハ」が押しつぶされる

倒立フォークでのオイルシールの向きは「上が凹で下が平坦面」。
凹面を上にしてインナーチューブに入れます。

ここで注意しなければならないのはリップの方向。
オイルシールのリップは凹面を下にすると「ハ」の形になって上がすぼまっています。

正立フォークのように凹面を下にしてインナーチューブに入れる場合は、「ハ」の下からインナーチューブが入るので「ハ」は上(すぼまった部分)が拡がるだけです。

しかし、倒立フォークでは凹面を上にしてインナーチューブに入れるので、「ハ」の上からインナーチューブが入ることになり、「ハ」の「すぼまった部分」が中に押し込まれるようになります。

このように、倒立フォークのインナーチューブにオイルシールを入れる場合、オイルシールのリップは「押し戻される・押しつぶされる」ような力を受けることに注意しなければなりません。


ロ.スライドブッシュの段差も超えなければならない)

また、オイルシールが乗り越えなければならないのは、正立フォークのようにインナーチューブの端角だけではありません。

スライドブッシュの溝も乗り越えなければなりません。

倒立フォークでインナーチューブにオイルシールを入れる場合、
オイルシールは 「 リップのすぼまりを押さえ込む方向 」 に押し込まれ、さらに 「 インナーチューブの端角とスライドブッシュの溝を超えなければならない 」 のです。

これを理解しないで、インナーチューブにオイルシールを乱暴に入れるとリップが裏返ったり、リップを損傷したりします。

これを防ぐのは次の三つ。


★スライドブッシュ溝をビニールテープで埋める。
★オイルシールのリップ部分とテープにたっぷりとシリコングリスを塗る。
★副リップが部分的に裏返ったら、オイルシールを前後に動かして裏返りを戻す。


・リップのすぼまりが引っかかるのはチューブの端角とスライドブッシュ溝の二番目。
・スライドブッシュ溝の段差をなくするために
  溝にビニールを巻いてチューブ面と同じ高さにする。
・その上から幅広ビニールテープを一重巻き。
・オイルシールとビニールテープ部分の両方にシリコングリスを塗って、
  さらににフォークオイルでベタベタにしてオイルシールを押し込む。
・リップのすぼまりに逆らって押し込むのですから力が必要です。
・まず、チューブの端角でリップの一部が裏返ります。
  こんなときには焦らずにオイルシールを前後させて裏返りを戻します。


実際の状況です

一度目は 「 すぼまりを押しもどす方向に押し込んでいる 」 ことに気付かず、「 なぜ、こんなに固いのだろう?」

しかも、インナーチューブには「サランラップで巻いてフォークオイルを塗っただけ」。

オイルシール打ち込みのときに 「 リップの一部が裏返っていることに 」 初めて気づき、「 リップが損傷した」 と判断して新しいオイルシールを。


二度目は 「 スライドブッシュの溝も障害物であること 」 に気づきこの溝をテープで埋める。

しかし、フォークオイルを塗っただけなのでチューブの端角でリップの一部が裏返る。

ここで、オイルシールを前後させればリップが元に戻るのだが、「 失敗 」 と判断して新しいオイルシールを。

そして、やっと 「 副リップのすぼまりを押し戻す方向に押し込んでいる」 ことに気付く。


三度目は、シリコングリスをたっぷりと塗り、リップの一部裏返りをオイルシールを前後させて元に戻す。

オイルシールを二個無駄にしました。


⑧ワッシャ,ガイドブッシュ,スライドブッシュをはめる

・ガイドブッシュとスライドブッシュに方向性はありません。

・スライドブッシュををはめるときには拡げるので慎重に。

・ワッシャの上下方向は気にすることのほどのものではないと思いますが、
  平坦面を上、丸角面を下 ( オイルシール側 ) にしました。
  これはワッシャの上側がアウターチューブのオイルシール段差に当たるので、
  その面を平坦面にしてしっかりと当たるようにしたのです。
  逆かもしれません。

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⑨オイルシール打ち込み



ここでも正立フォークとは違った方法をとります。

正立フォークではオイルシールをセットしたあと、インナーチューブの上から古いオイルシールを入れて重ね、同径の鉄パイプなどで上から打ち込みます。

しかし、倒立フォークではインナーチューブの下側にブラケットがついているので、古いオイルシールも鉄パイプもはめることができません。

重ねる古いオイルシールも鉄パイプも二つに割らなければなりません。


イ.古いオイルシールとダストシールを二分割する

・二つに切断したオイルシールは一個でOK。
  あとは古いダストシールを二つに切断して使います。
・左下は CR125 で使っていたフォークスペーサ。径が合いませんでした。
  最初はオイルシールをフォークスペーサと同じような角度で切断していましたが、
  二つに分割する方が上手く使えることが分かりました。
・右下はCR125で使っていた打ち込み具(オイルシールインストーラ)。
  これは使えました。
・二分割したオイルシールです。
・どちらも平坦面がこちらに向いています。
  この平坦面を新しいオイルシールの平坦面に重ねて打ち込みます。
・左側はリップを取り去っています。リップ同士が当たることを避けるためです。
  そこまでしないでも、新しいオイルシールのリップが損傷することはありません。



ロ.分割したオイルシールをタイラップで締める

タイラップで締め上げないと重ねたオイルシール自体がアウターチューブに入っていけません。

タイラップで締めた古いオイルシールを打ち込み、重ねた分割オイルシールがアウターチューブに入ったら、タイラップを外して更に打ち込み。

打ち込みにくければ、もう一つの分割オイルシールか分割ダストシールを重ねてタイラップで留めて打ち込み。


ハ.フォークを立てて打ち込む

・倒立フォークは正立フォークを逆さまにしただけのものです。しかし、「何か特別なもの」と考えて、フォークを横にしてオイルシールを打ちこんでしまいます。
・左の写真は実際に打ち込んでいる状態です。そして左手でアウターチューブを持ち、右手で打ち込み具を持って 「 ガシ、ガシ 」打ち込みました。
・これでは充分な力が入りません。オイルシールは一部が入って傾くだけ。インナーチューブを引っ張ればすぐに外れる状態。
・これを何度もやっているうちに打ち込み具の角でインナーチューブに傷を付けてしまいました。 幸い、この傷は表面傷で2000番のペーパーで磨き、オイル漏れは起こりませんでした。
・打ち込み具からの傷を防ぐためには、インナーチューブにテープを巻いたり、分割打ち込み具の内側にテープを貼ったりして、打ち込み具からインナーチューブを護ることも必要。
・しかし、フォークを立てて打ち込めば打ち込み具の自重で 「 ゴン 」 と打ち込めます。 打ち込み回数が少なければそれだけインナーチューブに傷を付ける可能性も低くなります。
  ★オイルシールの打ち込みは 「 フォークを立てて、上から ゴン ゴンと 1~2回で 」。 



ニ.オイルシール打ち込み量は 「 止まるまで 」 、テーパー段差が見えたらOK

  左はアウターチューブの段差です。
・一段目がダストシールがはまる部分で 約7㎜。
・その下にストッパリングがはまる溝。
・その下にテーパー部分。
・その下(二段目)がオイルシール段差で、テーパー下部から段差まで 約12.5㎜。

・オイルシール段差(二段目)にはワッシャとオイルシールがはまります。
  ワッシャの厚さが 2.5㎜、オイルシールの厚さが 11.0㎜。
  ワッシャとオイルシールをはめると 高さが13.5㎜ になるので、
  オイルシール上端面がテーパー下部から 1㎜出ることになります。
  これでストッパリング溝と少し隙間ができ、ストッパリングが軽く動く程度にはめられます。

・だから、オイルシールの打ち込み量は 「 止まるまで 」。
  どれだけ打ち込んでも段差で止まるので、打ち込みすぎることはありません。
  しかし、「 止まったかどうか 」 が分からないので、目安は 「 テーパー部が見えたらOK 」。


 これが 「 テーパー部が見えた 」 状態。
 結局、ストッパリングがはめられたらOK。
 ダストシールには 「 ツバ 」 があります。
 打ち込み量は 「 ツバの下の隙間がなくなったらOK 」。
 ツバ上端面とツライチにしようとしてもできません。

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フォークオイルの油面調整


イ.必要なもの

a.フォークオイル
・指定オイル :ショーワSS-8 ( 粘度 10W )
・メーカーによって細かい違いはあるでしょうが、10Wであれば問題ないでしょう。→こちら こちら
・今回はカワサキ,ヤマハ,ホンダ,スズキの中で一番安かった スズキ10G を使いました。→こちら
・片側 605㏄ ですから 1リットル缶が二本必要です。

b.②百均計量カップ 1㍑
・油面調整をしますから入れるオイル量はだいたいでOK。メスシリンダーは不要。

c.油面調整具 
・油面はフォークを一番縮めた状態で、アウターチューブ上端から 左 / 121㎜、 右 / 111㎜
・5㎜Φの真鍮パイプを30㎝くらいに切断し、これにビニールホースと 30㏄浣腸器を接続。
・真鍮パイプをスコヤに取り付けて直角を出す。

d.インナーロッドホルダ(次の写真右の一番下に写っているロッド)
・フォーク組立で、インナーロッドを引き上げるためのもの。
・部品詰め合わせセット(こちら)の中に入っていたもので、
  外径12㎜Φ×250㎜のパイプにM10の雌ネジが切ってある。
  インナーロッドに針金をつないでもよいし、ビニールパイプなどでも代用できるでしょう。


・「スコヤの厚い側をアウターチューブ上端に載せたらパイプの垂直を出しやすい」
  とこの形。
・しかし、このアウターチューブ上端の両側に載せられない。
・これならアウターチューブの上端の両側に載せられるが、
  アウターチューブ上端面と接する部分が狭いので安定せず
  パイプがチューブ中心線に平行になっているか(真っ直ぐに下りているか)が怪しい。
・パイプはタイラップで取り付けた方が良い。
・パイプの長さの測定はノギスより物差しの方が使いやすい。
・もう少し改良が必要。


ロ.油面調整

・ オイルを入れる前に、灯油で内部をさっと洗っておく。

・ ロッドを引き上げて半分量 ( 300㏄程度 ) を入れる。

・ フォークを立て、アウターチューブの上端面を手のひらで押さえて、圧縮と伸縮を2~3回行う。
  ※もちろん、手のひらを当てているのは圧縮のときだけ。
  ※25㎝以上引き出すとインナーチューブからオイルが出てくるので25㎝以上伸ばさない。事前に 「 25㎝ はどれくらいか 」 を確認しておく。

・ ピストンロッドの先を親指でふさぎピストンロッドを握って、ゆっくり上下させるのを10回。
  ※案外圧がかかっていないので、「 ゆっくり 」 が難しい。

・残りのオイルを少しずつ注入し、フォークの圧縮・伸縮とロッドの上下作業を、オイル表面に気泡が出なくなるまで行う。
  ※気泡なんか初めから出てきませんが?

・ 10粉間待ってオイルレベルを安定させる。

・ 油面高さ調整、

※以上、「 灯油で洗う 」 以外、マニュアルより。


※解決するべき点

・ パイプが油面の中心に降りていないので、チューブを真っ直ぐ立てていないと油面が傾き、正確な油面高さが出ない。→チューブを真っ直ぐに立てる方法。
   ※チューブの中心にはインナーロッドがあるので、パイプをチューブの中心に降ろすことはできない。

・ スコヤのチューブ上端面に当たる部分が薄いので、パイプが真っ直ぐ降りているかどうか不確か。→チューブ上端面に当たる部分を厚くしてパイプを真っ直ぐ降ろす方法。

・ 5㎜Φ パイプはロッドとスペーサの間に入るが、スペーサとアウターチューブの間には入らない。
   スペーサとアウターチューブの間に入れられたら垂直が出しやすい。もっと細いパイプが良い。→3㎜Φパイプの検討。

    
ハ..2018.11.07 追記  RMX②のフォークオイル交換-油面調整に3㎜Φの真鍮管を使う

正選手のRMX②は入手したときからフロントフォークを触っていません。
2011年8月にデビューしてから7年以上そのままです。

あれだけ走っているのにオイル漏れの気配すらありません。
ダートを走らないのでオイルシールへの負担が少ないからなのでしょう。

さすがに「フォークオイル交換」の必要性を感じました。

・排出したオイルは粘度がなくくすんだ黒色。
・フォーク内のチューブには黒い煤のような汚れが付いていました。
・ただし、FJのように「強いアンモニア臭」はありませんでした。

・今回は油面調整に外径3㎜Φの真鍮管を使いました。

・油面調整のときはスプリングとスプリングスペーサ ( b2 ) を外しているから、
  インナーチューブに入っているのは ピストンロッド とピストッロッドが収まるシリンダー 。
  上から見ると、中心からピストンロッド、シリンダー、インナーチューブ。

・油面調整に5㎜Φの真鍮管を使うと、
  真鍮管は外側のインナーチューブとシリンダーの間にしか入らない。
  しかし、3㎜Φの真鍮管を使うと、内側のシリンダーとピストンロッドの間に入る。

・真鍮管がピストンロッドに近づけばそれだけ油面の中心に近づくので、
  フォークの傾き(フォークが垂直ではなく油面が傾いていること)の影響が少なくなる。

・ただし、内側の「シリンダーとピストンロッドの間の油面」と
  外側の「インナーチューブとシリンダの間の油面」が連動していないようなので、
  内側の油面を調整してから、さらに外側の油面を調整しました。
  しかし、両方の油面は連動して同じになるはずなので、これは思い過ごしかも知れません。


また、外径3㎜Φの真鍮管を使うとフォークオイルを吸い込むシリンジに付けたパイプ径との差が大きくなり、フォークオイルを吸い込むのにより強い力が必要になります。
容量30㎖の浣腸器を使いましたが、より小さく吸い込み口の細いシリンジを使う方が良いでしょう。

※油面調整具は少し改良しました。(2018.07.01)→→→こちら
   ★★04    
選任のための法律知識・

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組立

・インナーロッドにホルダを取り付けてインナーロッドを延長させる。( ロッドに針金を付けたりビニールパイプをつないだりしても可 )

・スプリングを入れる

・インナーロッドを一杯に引き上げて、上からスペーサを入れる。

・ホルダーを引き上げて、スペーサからロッド先端を出し、ホルダーをロッドから取り外す。
  ※このとき、ロッドの先端がスペーサの内部に入らないように、ロッドの先を左手の親指と人指し指でつまんで手のひらでスペーサを下に押しつける。
  ※ここで、ロッドの先端がスペーサの内部に入ってしまうと、もう一度、「 オイル注入→油面調整 」 をやらなければなりません。

・左手でロッド先端を保持したまま、右手でロックナットを取り付ける。
  ※ロックナットは予め近くに置いておくこと。
  ※ロックナットは丸 ( 広い側 ) が下、スパナがかかる方が上。

・ ロックナットの上から出るロッドネジ部の長さ ( 出代 ) は 「 14㎜ 以上とる 」 と指定されているが、手で一止まるまで締めれば 15.5 ㎜ くらい出る。

・ フォークキャップを取り付ける。
  ※ロックナットとフォークキャップをお互いに締める。締め付けトルク : 200~240㎞・㎝。
  ※フォークキャップのOリングは新しいものにする。結構伸びている。
  ※Oリングの周りにフォークオイルを塗る。

・ アウターチューブにフォークキャップを取り付ける。
   ※300~400㎏・㎝

★注意点
・スプリング長+スペーサ長 > インナーロッド の長さ
  だからインナーロッドを延長しないとスペーサを取り付けることができない。

・インナーロッド引き上げに失敗すると、
  スペーサを外し、何らかの方法でロッドをつまんで引き上げなければならない。
  しかし、スペーサは一旦オイルに漬かっているので、
  外したスペーサに付着していたオイルが減ったことになり再度油面調整をしなければならない。

・何らかの方法でロッドが引き上げられないと、
  チューブを少し傾けてオイルを排出しロッドが出てくるようにしなければならない。
  当然、再度の油面調整が必要になる。


いろいろと失敗しましたが、それがノウハウとなって次回につなげられます。


    
⑫.フロントキャリパ回りのパイピング

いつもまごつきます。

・メーターケーブルは、フロントフォークの前からスピードメーターギヤに入る。
・ブレーキホースは a、b、c の三カ所留められる。



・bの金具は曲がっている方がこちら側
・aの金具は長い辺が外側、肉抜きが外側から内側に並ぶ。



つづく




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