時計・自動巻き 資料
・2012.09.15. CITIZEN・SEVEN STAR-V2 の歩度調整
オレンジモンスターの歩度調整に気をよくして、気になっていた時計の歩度調整をしています。
自動巻きの内部を触るのは初めての入門者です。
入門者以上の方の参考になるようなことは書いてありません。
使用するのは、びぶ朗 と スターグラフ です。
「歩度調整をやってみようかな?」と思っている方は参考になると思います。
今回は、CITIZEN・SEVEN STAR・V2・24石、同型のOH済みV2も測定しました。
・V2-① の状態と調整前歩度グラフ
・V2-① の調整の様子
★V2-① の第一回調整後の歩度グラフ
★V2-① の第一回調整後の歩度と第二回調整後の歩度グラフ
★V2-② (OH済み)の歩度グラフ
★V2-③ (OH済み)の歩度グラフ
1.時計名称など
・CITIZEN・SEVEN STAR・V2・24石 ・「 オーバーホール済み 」 ということで入手。 ・手巻き可、ハック機能あり。 ・リューズを6時下で押して日送り、12時下で押して曜日送り。 ユニークな日付・曜日早送りです。 ・しかし、大幅に遅れるのでそのまま故障ケースへ。 ・ガラス傷が多い。ただし、この手のガラス ( 風防 ) は 軽く2000円 オーバー。 しかも、この風防はムーブメントを外して、ケースの中から交換するもの。 ・まずは、まったくお金のかからない歩度調整を。 ・現在、文字盤上平置き → 「 -4 分 / 12 時間 」 |
2.調整前グラフ
a.文字盤上 | b.12時下 |
・半日で4分遅れるのだから下がるのは当然。 ・歩度数値は 「 -528 秒/日 」だから半日では4.4分遅れ。平置測定値に近い。 ・ 片振りも少なく、きれいな直線。 |
・こちらもきれいな直線。 ・「 オーバーホール済み 」 もあながち‥。 |
c.6時下 | d.9時下 |
・片振りもこの程度なら許容範囲内。 |
・「緩急針をヒゲ持ちから離したら、それで終わり」のよう。 |
・緩急針が ヒゲ持ち にくっつくほど近づいています。 これでは、遅れるのは当たり前。 ・ムーブメント刻印は「 7790 」 |
・調整は少々苦労しました。 ヒゲ持ち を動かすと、緩急針までついて来る。 緩急針を動かすと、 ヒゲ持ち も動く。 ・グラフを見ながら、あれこれやっていたら、『 あっ!直線になった!』 調整後のヒゲ持ちと緩急針の位置に注意。 ・ヒゲ持ち は調整前からほとんど動いていません。 もともと、片振りが少なかったのだから納得。 ・しかし、緩急針が奥へ入りすぎている ここから、反時計回りに90度くらい回したところが正位置でしょう ヒゲ持ちのある位置です。 緩急針の反対側に調整目盛りがあるようになっていますからね。 ・ヒゲゼンマイが短いのか、純正でないのか。 これは確かにオリジナルではない。確かに分解整備をしている。 |
では、どんなグラフになったでしょうか?
★★14
【広告】
電動トライクです。
シニアカーの代わりに。
孫には こちら
a. 文字盤上 | b.12時下 |
・『 いきなり、”片振りゼロ ”じゃないですか!』 ・偶然そうなっただけです。まずはプラスに合わせます。 |
・ちょっと上がりすぎました ・しかし、片振りゼロです。 |
c1.6時下 | |
・『 水平線じゃないですか!』 |
c2.6時下/ 120秒グラフ | c3.6時下 / 300秒グラフ |
・波は現れていません。 |
・少しだけうねってますが、これくらいは許しましょう。 |
d.9時下 | |
・これもプラスです。 ・a文字盤上,b12時下,d.9時下ともプラスで、c1.6時下だけ水平。 だから、この調整では「進みすぎ」になるかもしれません。 ・日常使用をおこなってから再調整が必要。 第一回目の調整はここまで。 |
a.文字盤上 |
b.12時下 |
・あまり変わりません。 ・第一回長威勢では「直線がピッタリとシ重なっていた」のですが、 少し離れてしまいました。 |
・第一回調整よりぐっと追い込みました。 ・この程度の片振りは仕方がないでしょう。 |
c.6時下 | d.9時下 |
・こちらは第一回目より悪くなっています。 ・第一回目は “ 見事な水平線 ” でしたから。 |
・こちらは第一回目より追い込みました。 |
どの姿勢でも「歩度数値 = +30 秒以内 / 日 ”に抑えました。
第一回調整と第二回調整の結果を表にしました。
CITIZEN・SEVEN STAR・V2 | ||||||||
調整前 | 第一回調整後 | 第二回調整後 | ||||||
文字盤上平置 | 三姿勢WM | 日常使用 | 文字盤上平置 | 三姿勢WM | 日常使用 | 文字盤上平置 | 三姿勢WM | 日常使用 |
-4分/半日 | × | × | +38 秒 / 日 | +34 秒 / 日 | × | +35 秒 / 日 | +11 秒 / 半日 | +13 秒 / 半日 |
苦労したわりにはたいして改善していません。
・文字盤上平置きで 「2 秒 / 日」の改善。
・三姿勢WMで 「12 秒 / 日」の改善。
日常使用で「±30 秒 / 日」 をクリアーしているから合格点ですが、このくらいは第一回調整で出たかも知れません。
・0.5×0.8 の Oリングを付けて、モスグリーンの布ベルトに変えました。
|
・今回調整した V2 と同型の V2 です。 ・カットガラスではなく、平面ガラスが付いています。 ・オーバーホール済みです。 ・メンテのできるコレクターから譲り受けました。 ・外出禁止です。 ・ソフト巻きの EILUX に引きこもっています。 ・EILUX では「+2 秒 / 日」の優等生。 ・どんなグラフがでるか試してみました。 |
a.文字盤上 | b.12時下 |
・片振りが少し出ています。 ・最初のV2の二回目調整のときと同程度の二重線です。 ・「このくらいは問題ないのか」と少し安心しました。 |
・少し乱れているのは測定ミス。 ・ピックアップをタオル四つ折りの上に置いているのですが、 どこからか振動を拾います。 |
c.6時下 | d.9時下 |
・全体的に “ マイナス ” に合わせるのが良いのでしょうか。 ・だいたい「6時下」は低い値がでるようです。 |
・優等生の四姿勢での「標準グラフ」が分かりました。 |
・上のV2と一緒にやって来ました。 こちらはカットガラスです。 ・こちらもオーバーホール済みの優等生。 外出禁止は同じです。 ・EILUX に「緑のV2」と一緒に並んでいます。 ・こちらも「EILUXの中」で「+2 秒-α / 日」 です。 ・どんなグラフが出るでしょうか? |
a 文字盤上 | b.12時下 |
・説明は不要です。 | ・見事です。 |
c.6時下 | d.9時下 |
・見事です。 | ・乱れは計測ミスでしょう。 ・ここまで追い込めば “ +2秒/日 ” が出るのですね。 |
つづく。
前へ/ TECHNOS 自動巻きの歩度調整 次へ/ RADO・STARRINER-500 の歩度調整 目次へ SPnet番外TOP SPnet SPnet2