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・警備用LEDハンドライト比較・総論(2012.12.14)





4月より県営施設の夜間巡回警備をやっています。
その際に使用する巡回用のハンドライトをいろいろ試してみました。
警備用のハンドライトには「長くて軽く、明るくてその明るさが電池交換なしで3時間程度持続すること」が必要。
また、光を集める方法としてマグライトのように凹面鏡を使ったものと、凸レンズを使ったものでは照射パターンがまったく違います。
それらはには巡回場所による適否があります。
SPnetが選んだのは定番のマグライトではありまんせでした。


比較する警備用ライト4本-凹面鏡タイプ1+凸レンズタイプ3本
警備用ハンドライトに必要とされる要素-持続時間・電源・値段・防御能力
充電池・充電器・スペーサー 購入時の注意-スペーサーの改造
照射パターン-凹面鏡タイプと凸レンズタイプの違い

      
1.比較する警備用ハンドライト


今回と次回の二回にわたって LED 懐中電灯 ・ ハンドライト ( 以下 ライト )  を比較します。
今回は「総論」 、次回が実際の使用レポートです。

総論 では 次の三項目について説明します。
1.警備用ライトに必要とされる要素
2.使用電源-充電池・充電器・スペーサー
3.照射パターンと巡回場所の適合


下の四本が比較するライトです。

・①.MAG LITE LED  3D  ♯ST3D016 / 131 ルーメン ・ 単1× 3 ・ 3480円 ※ https://www.maglite.com/)
・②.TITAN LED FLASH LIGHT ♯2S50 / 160 ルーメン ・ CREE Q3 使用 ・ 単1×3 ・ 4680円 ( 送料別 ※https://titankorea.co.kr/ )
・③.無名A / 180ルーメン ( 自称 ) ・ CREE 使用 ( 自称 ) ・ 単1×4 ・ 2900円 ( Yahooオークション )
・④.無名B / 180ルーメン ( 自称 ) ・ CREE 使用 ( 自称 ) ・ 単3×4 ・ 2480円 ( Yahooオークション )

※③・④は 「 UltraFire 」のロゴ・印字がありますが、 正規代理店からの入手でないため「 無名 」 としました。
https://www.tv-japan.com.hk/https://www.tv-japan.com.hk/UltraFire.htm

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2.警備用 ハンドライト に必要とされる要素


かつての同僚で、柔道五段の 刑務官OB がこう言ったことがあります。
『 最高の護身術は 受け身だよ。』

護身は攻撃者の攻撃をかわしたり防いだりすることだけではありません。
攻撃をかわせなかったり防げなかったりした場合を考えなければなりません。

攻撃者が投げ技を使った場合、
これを防ぐことも大切ですが、防げなかった場合に受け身ができなければ自分の身を護ることはできません。

もちろん、攻撃者の攻撃は投げ技だけではありません。
突き ・ 蹴り ・ バット ・ バール ・ 鉄パイプ・ 刃物 などいろいろな方法があります。
これら攻撃に対する護身を考えるとき、 「 攻撃をどのようにしてかわすか・ 防ぐか 」 に重点がおかれてしまいます。
しかし、 「 攻撃を防げなかった場合に自分を護る準備ができているかどうか」 をまず考えなければなりません。


同様に 護身には 「 攻撃をいち早く察知すること」 も大切です。
「異常や不審者の存在・状態」を早く察知すればするほど、それに対処することが楽になり自分の身を護る可能性が高くなります。

ライトは 異常や不審者の存在 ・ 状態を察知するために不可欠な道具です。
ライトは 自分の身を護る大切な護身用具だと言えます。
警備員は自分の携帯するライトにもっと関心を持たなければなりません。

夜間巡回 ・ 機動 の使うライトの定番はマグライトでしょう。
今回は、マグライトとこれとタイプの違う三本のライトを比較してみます。

まず、警備用ライトに必要とされる要素を考えてみましょう。


a. 必要な明るさが必要な時間だけ持続できること


ライトは明るければ明るいに越したことはありません。
しかし、その明るさが持続しなければ意味がありません。

ライトは電源に電池を使うので、その明るさを一定時間だけしか持続できません。
ライトが明るければそれだけ持続時間は短くなります。

警備用ライトにまず必要なのは 「 必要な明るさを必要な時間だけ持続できること」 です。


持続時間の最低限は 「 一巡回にかかる時間+α 」 。
巡回途中で電池交換をしていれば危険です。

交換電池を忘れることもありますので、、
「その日の巡回時間を軽くクリアーすること」が基準になります。

夜間巡回は通常 30分×4~5回 or 1時間×2~3回。
一日の巡回時間合計は 3時間程度。

警備用ライトに求められる「明るさ持続時間」は3時間でしょう。


b. 市販の単3充電池が使えること


イ.乾電池か充電池か


警備用ライトは家庭用ライトと違って毎日使います。
乾電池を使うと経費が高くなります。

乾電池より、充電池を使う方が安上がりです。
充電池自体の値段は高いですが、1500~1800回も充電して繰り返し使えます。
毎日、電池を取り替えても 4年~5年使えることになります。


ロ.専用充電池 か 普通の市販充電池 か


最近の高輝度ライトは専用のリチウム充電池を使っています。
リチウム充電池の電圧 ( 3.7V程度 ) は 、通常の充電池 ( ニッケル水素充電池  1.2V ) の 3倍。
通常の充電池三本分を一本でまかなえ、ライトの小型化・ 軽量化 ができます。

電気容量 ( 電池容量 ) は通常の充電池の 1.5倍ですが、充電回数は 1/6 で 単価は3~4倍です。
※リチウム充電池 : UltraFire NCR-18650A / 3.6V ・ 3100mAh ・ 18.5mmΦ x 65.2mm ・ 充電可能回数 300回・ ネット販売単価 800→→→ 参考 1  ・ 参考2
※ニッケル水素充電池 : SANYO eneloop HR-3UTGB / 1.2V ・ 最大1900mAh ・ 14.5Φ×50.4㎜・ 充電回数 1800回 ・ ネット販売単価 200円 →→→ 参考

「リチウム充電池1本」と 「それと同等の電圧となるニッケル水素充電池3本」を比較すると、
・リチウム充電池×1→ 3.6V ・ 3100mAh ・ 充電回数 300回 ・ 値段 800円
・ニッケル水素充電池×3→ 3.6V ・ 5700mAh ・充電回数 1800回 ・ 値段 600円

どちらも 電圧 と 値段は変わりませんが、ニッケル水素充電池の方が、電気容量が 1.8倍になり、ライト持続時間が 1.8倍となります。
さらに、充電可能回数は6倍。

また、電池サイズは リチウム専用充電池は単3乾電池より大きく、ニッケル水素充電池は単3乾電池と同じです。
ニッケル水素充電池の使えるライトは、通常の乾電池も使えるます。


結局、専用リチウム電池を使ったライトの利点は「 小さくて軽いこと 」 だけ。
警備用ライトは、少々大きくても重くてもかまいません。

警備用ライトには、どこにでも売られていて、充電回数が多く、乾電池でも代用できるニッケル水素充電池が使える方が適しています。
警備用ライトには「専用リチウム充電池ではなく、市販の充電池や乾電池が使えること」が必要です。


ハ. 単1 か 単2 か 単3 か


単1 、単2 、単 3 、単4 は電圧が同じで電気容量が異なります。
※eneloop 単1/5700mAh ・ 単2/3000mAh ・ 単3/1900mAh ・ 単4/750mAh

単3 には 単1・単2 変換スペーサーがあり、単1・単2の代わりに使えます。

最初の写真の① ・ ② ・ ③ は 単1使用ライトです。
これらライトは長いので防御道具としては有利ですが、単1を入れると重くなります。

そこで、「単3 → 単1変換スペーサー」で単3を使って軽くします。
電圧は変わりませんから明るさは変わりません。
しかし、電気容量が 1/3 になるので ライト持続時間が 1/3になります。

ところが、その 1/3の持続時間が 「 必要な明るさを一日の巡回時間 ・ 3時間を満たすもの 」 であれば問題ありません。

単4を単1の代わりに使えば、もっと軽くなります。
しかし、単4を 単3・単2・単1 に変換するスペーサーは一般に市販されていません。
また、単4を単1の代わりに使うと、電気容量が 1/7.5 となり、持続時間が非常に短くなってしまいます。

このように、警備用ライトには 「単3が使えること 」が必要なのです。
単1・単2 は スペーサーで 単3を代用できます。

つまり、警備用ライトに必要な二番目の要素は「 単1・単2・単3 が使えること 」 になります。


今回のテストではすべて 単3 ニッケル水素充電池を使います。
※使用充電池とスペーサーについては後述


c.安くて故障しないこと


「 安いこと 」 は当然です。
一本何万円もするライトを隊員に貸与することはできません。

しかし、値段と信頼性・耐久性は反比例します。
ライトの値段が安くても巡回中に突然消えてしまっては危険です。

LED 光源 は その仕組みが簡単で壊れにくく、その寿命は数万時間と言われています。
LED ライトなら、まず 玉切れ の心配はありません。

しかし、安いライトは製造コストを切り詰めているため、各部品の品質や製造品質が悪くなっています。
ライトで大切なのは光源部分とスイッチ。
ここの部品品質と製造品質が悪いと、故障の原因となります。
この部分がしっかり造られていなければなりません。


「一般受け」 を狙っていろいろな機能を盛り込んでいるライトがあります。
ハーフモード や 自動点滅 がそれでしょう。
これら機能を付加すると部品点数が多くなり、それだけ製造コストが高くなるだけでなく故障の可能性が高くなります。

警備用ライトにハーフモードや自動点滅は必要ありません。
それよりも壊れないことが必要なのです。
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d.不意の攻撃を防げること


ご存じのように、ライトは左手で持って左肩越し ( 左アゴ横 ) に保持します。
これは、「 顔を向けた方向が自然に照らされるようにするため」 と 「 不意の攻撃を防ぐため 」 のものです。

「不意の攻撃を防ぐため」について確認しておきす。

左肩越しに構えたライトの使い方は次の通りです。
・①.相手が上から棒を振り下ろした場合 → 顔の斜め上に挙げて攻撃を受ける。
・②.相手が刃物で突いてきた場合 → 右斜め下に振り下ろし攻撃を受ける。
・③.相手が横から棒を振ってきた場合 → 右下に円を描くように振って攻撃を受ける。

・相手の凶器による攻撃を受けたあとは、
  右手で警棒を抜いて相手の上腕部・ 腹側部、上腿、脛 を打って、相手の攻撃意欲を無くさせる。


ただし、これは「不意の攻撃」であり逃げられない場合のことです。
助サン・格サンではないので、これら防御が成功する確率は非常に低いものです。
まず、逃げましょう。
そして、“ 逃げた ” という言葉の代わりに “ 間合いをとった ” とい言葉を使いましょう。


もちろん、これらは護身のための必要最小限のものでなくてはなりません。

次のものは 攻撃 or 過剰な防御 となりますのでやってはいけません。
・④.相手が突進してき場合 → ライトを打ち下ろして相手の鎖骨を打つ。
・⑤.相手が刃物で突いてきた場合 → ライトで相手の顔・喉元を突く。

もっとも④の場合、
・相手が突進してきたのを「刃物を腰だめにして突進してきた」と錯覚した。
・そこで相手の持っている凶器を打ち落とそうとしてライトを振り下ろした。
・ライトを振り下ろすのが遅れたために、ライトが相手の肩に当たって相手の鎖骨を折った。
これは防御の範囲に入るでしょう。

また、⑤の場合でも、
・相手が刃物で突いてきた。
・相手を牽制しようとライトを相手の眼前に出した。
・相手がそれにひるまずライトに突っ込んできたので、ライトが相手の顔や喉元に当たった。
これも防御の範囲に入るでしょう。


警備用ライトはこれらができるものでなくてはなりません。
警備用ライトは長くなくてはならないのです。

どれくらいの長さが必要でしょうか?

・警備員御用達の ノーベル旧規格 ・ ピカピカ・ カチャカチャ 警棒は 長さが 41.5㎝。握り部分を除くと 約30㎝。
・一番使いやすい 「ASP-21in」 は 長さが 51㎝で 握る部分を除くと 38㎝。
だから、
・理想的なライトの長さは、「左肩ごしに保持した場合、ライトを握った手から出ている部分が 30㎝~40㎝ 」あること。

こんな長いライトは マグライト ・ 5D ( 単1×5 ) か 6D ( 単1×6 ) しかありません。
※ 4D ・ 5D ・ 6D の LED 仕様 は未発売
しかし、少しでも長い方が良いのです。


なお、念のために確認しておきます。
特殊警棒をどこに着けていますか?

答えは「後ろに抜くことができる位置」。
相手と接近した場合や相手に組み付かれた場合は、後ろにしか抜けませんからね。

利き手(右手)で後ろに抜くことができる位置は「右腰横,右腰後ろ,左腰後ろ」。
このうち、右腰横と右腰後ろでは、警棒を抜いたあと警棒を振り出さなければなりません。
「抜く → 振り出す → 打つ」の三動作となります。

これに対し、左腰後ろでは警棒を抜くと同時に振り出せます。
そして次の動作で相手の脚を打つことができます。
このように、左腰後ろに装着するのは防御上有利ですが、装着した姿が攻撃的なのでものものしくなります。

とにかく、実戦を想定して装着位置や角度を工夫しましょう。


えっ?『 相手に組み付かれたら警棒を抜いても役に立たない。』ですって?

警棒の使い方は 「 叩く ・ 払う ・ 受ける」 だけではありません。「 締める 」 ことにも使えます。

たとえば、
・相手に組み付かれ場合 → 右手で抜いた警棒を相手の背後に回し、左手で警棒の先を持って両手で手前に引いて相手の胸・ 腹 を締める。
・マウントポジションを取られた場合 → 警棒を相手の首後に回し、両手で相手の首を締める。
もちろん、相手が攻撃意欲をなくしたら締めるのを止めなければなりません。

警棒は警備員の生命を護るためのものです。
日頃から、その使い方を訓練しておきましょう。

警棒を 巡回時にただ着用するだけの装飾品にしてはいけません。
いざというときに自分自身や顧客を護ることができません。

話がそれてしまいました。
警備用ライトに必要とされる要素に話を戻しましょう。

以上、a ~ d の四つの要素をまとめると次のものになります。

・必要な明るさが 3時間程度持続すること。
・単1 ・ 単2 ・ 単 3 電池が使えること。
・安くて故障しないこと。
・不意の攻撃を防ぐことのできる長さがあること。
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3.充電池 ・ 充電器 ・ スペーサー 購入時の注意


今回は、「単3の市販充電池 」と 「単3 → 単1スペーサー」を使います。
これらを入手する場合の注意点です。


a.充電池


(panasonic の eneloop 1800回充電 )

・今回使うのはサンヨーの eneloop です。
  自己放電が少なく「充電したら5年後でも使える」というのが宣伝文句です。  
・松下電気の evolta より人気があります。
  しかし、サンヨーは松下電気に統合されたので、同じ Panasonic です。

 ・eneloop の新製品は 可能充電回数 1800回。以前は 1500回でした。
・新製品と旧製品の見分け方はパッケージの「1500回」と「1800回」。
  どうせなら、新製品がよいので「1800回」を確認しましょう。
・値段 ( 4本set )某ホームセンター → 1580円、ネット通販→ 800~1000円 

・また、eneloop には 電気容量 33% up の eneloop pro があります。
  “プロ” という言葉に釣られてはいけません。  
   電気容量は3割アップでも充電可能回数が500回になり1/3 以下になります。
  普通の eneloop の方がずっと経済的です。
  


(HR-3UTGB と HR-3UTGA)

・1800回充電の 新型 eneloop の型番は HR-3UTGB ( 写真の上 )
・1500回充電の 旧型 eneloop の型番は HR-3UTGA ( 写真の下 )

・単品で購入する場合は 型番をチェックしてください。



b.充電器


(リフレッシュ充電ができる NC-TGR03)

・充電器と充電池のセットが売られています。
  セットで買う方がお買い得です。
・隊員には
  「充電器と充電池セット」と上の「充電池 4本セット」を貸与しましょう。

・充電器も新型 が出ています。→→→ こちら
・新型は 電池残量チェック と リフレッシュ充電ができます。
・新型充電器の型番は NC-TGR03 、充電池4本とのセットは  N-TGR01BS

・リフレッシュ充電できない充電器の型番は NC-TGR01、セットはN-TGR01BS

・ネットで調達する場合はこの型番を確認しましょう。

・左が リフレッシュ充電のできる NC-TGR03
  右が リフレッシュ充電のできない NC-TGR01
・他の機能はどちらも同じです。

・充電池は 全部使い切ってから充電しないと 充電量が落ちてくるとか。
  理屈はよく分かりませんが、
  「腹をペコペコにすかせてから食べた方がたくさん食べられる」ということでしょう。
  ※充電池のメモリー効果  ・ こちらも

・充電池を完全放電させるために、陽極と陰極をショートさせてはいけません。
  電池が高熱となり怖くなります。
  リフレッシュ充電なら、充電池を安全に完全放電させてから充電を開始します。
・ただし、リフレッシュするのには充電するのにかかる時間が必要です。
  7時間でフル充電して、リフレッシュするなら完全放電まで7時間。
  それから、充電開始でさらに7時間。
・毎回ではなく、ときどきリフレッシュ充電すればよいでしょう。

・電池残量チェック機能は警備用ライトの充電池には不要です。
  ライトが暗くなって電池交換するのですから、
  残量が少なくなっていることは分かっています。
・ネット価格→電池とのセットで 2300円程度。



(従来の充電器は使えるか)

・何年か前のサンヨーと松下電気の充電器がありました。
サンヨーの充電器 ( NC - M55 ) は、
  入力 : AC 100V - 240V ( AC 100V - 16VA ・ AC240V - 21VA )
  出力 : 単3 - 565mA ・ 単3急速 - 1275mA ・ 単4 - 310mA
松下の充電器 ( BQ - 390 ) は、
  入力 : AC 100V - 240V / 18VA
  出力 : DC 1.5V ・ 2.2A / 0.86A
・eneloop 充電器新型 ( NC-TGR03 ) は、
 入力 : AC 100V - 240V ( AC 100V - 12VA ・ AC240V - 17VA )
  出力 : 単3 - 565mA ・ 単3急速 - 1275mA ・ 単4 - 310mA
eneloop 充電器旧型( NC-TGR01 ) は、
 入力 : 100V - 120V ~ / 8VA
 出力 : 1.2V ( 単3 - 300mA ・ 単3急速 - 600mA ・ 単4 - 150mA )

・電気の知識がないので、互換性があるかどうか分かりません。
・ eneloop の充電器同士の互換性はあるようです。
  メーカーは 、新しい充電池(HR-3UTGB)+従来の充電器(NC-TGR01)をセット販売しています。

・古い充電器も使えるでしょうが、念のために使うのはやめましょう。
  この際、古い充電器は捨ててしまいましょう。 金属を含んでいるから、「 金属ゴミの日 」 に。

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c.スペーサー


(一個  50円・190円・249円 )

・単3 → 単1 スペーサーは 二個セット。
・ 百円ショップ → 100円
・eneloop ( NCS - TG 1 - 2BP ) → 380円
・panasonic ( BQ 140 / 2B ) → 498円

・どれを使いますか?

 『 隊員用だから 当然、百均 !』

・しかし、百均のスペーサーにすると少し苦労します

『 だったら、eneloop を奮発するか‥。』

・しかし、 eneloop のスペーサーは警備用ライトには使えませんよ‥。
・どのスペーサーも 単3電池を差し込んで使います。

・eneloop と panasonic のスペーサーは -極側から、
  百円ショップのスペーサーは +極側から。

・panasonic と 百円ショップのスペーサーにはフタが付いています。

・ eneloop のスペーサーにはフタが付いていません。
  つまり、「 尻丸出し 」 。
・フタを閉めるとこうなります。

・この状態で 警備用ライトに使えるのは真ん中のpanasonic だけです。

・なぜか 分かりましたね。
・問題はスペーサーにあるのではありません。
・警備用ライトのエンドキャップの -極側接点バネが問題なのです。

・このエンドキャップは 単1を使っているマグライトのものです。
・単1用だから 接点バネの電池に当たる部分が大きいのです。
・この大きいバネが電池スペーサーの -極に当たるのは 真ん中の panasonic だけです。

・もちろん、ライト製造メーカーが悪いわけではありません。
  単1用ライトに 単3を使おうとするから生じる問題です。

・panasonic は こんなところまで考えてスペーサーを作っているのです。
・panasonic のスペーサーが高いのにはそれなりの理由があるのです。

・『 いや、ウチは絶対に百均を使う!
    値段の高い panaconic を使うと隊員を甘やかせることになる!』

・分かりました。百均のスペーサーでも、少し加工すれば使えるようになります。



(百均スペーサーの加工)

①.アルミ板から 10円玉の大きさを切り抜く ②.隊員がケガをしないように丸くする ③.スペーサー取付穴に現物合わせ
・十円玉の大きさがちょうどよい。
・一円玉の大きさでも使えるが、やや小さい。
・丸く切るのは難しいので、ニッパーで多角形に切り取ります。
・多角形の角をヤスリで削って丸くします。
・アルミだから簡単に形を整えられます。
・スペーサーの -極側についている金具を外します。
・スペーサーの内側で曲げてあるだけです。
・現物合わせで印をつけます。
④.穴を開けて、取付金具を差し込む ⑤.取付金具をスペーサーの内側で曲げる ⑥.右側のようにしてもOK
・小さいドライバーを当てて金槌で叩けば穴が開きます。
・円板が歪みますから、ハンマーで叩いて真っ直ぐにします。
・すると、開けた穴が閉じてしまいます。
・これを繰り返していてもきりがありません。
・取付金具を差し込んで準備OK
・これで 百均スペーサーも panasonic 同様。
・こんな加工ができないのは eneloop。
  「 頭 隠して、尻 隠さず」
・以上の作業が面倒なら、
  アルミ板の切れ端を差し込んでもOK。
・しかし、見栄えが悪いのでお勧めしません。
・耐久性も悪そうです。

※加工時間 : 一個 30分程度 ( 馴れれば時間短縮可能 )
※材料 : アルミ板 18㎝×20㎝ / 220円~300円 ( 厚さによる )  ・  銅板 18㎝×20㎝/ 630円~950円 ( 厚さによる )  ・  ステンレス板 20㎝×20㎝ / 320円~380円 ( 厚さによる )
※効果 : 隊員に “手作りの温かさ” を感じさせることができる。


(これを代用してはいけません)

・『 そんな面倒くさいことをしないでも、十円玉や一円玉に穴をあけたらいいじゃない!』
  『 そうだ、そうだ、材料費はたったの 一円! 通電性がよい銅を奮発してもたったの10円!』
・ダメです 通貨変造罪(刑法148条1項)で無期又は3年以上の懲役になりますよ!
・『 ダメ、ダメ、脅かしてもダメ。
    通貨偽造・変造罪は 目的犯、「行使の目的」が必要なの!
    行使の目的とは「偽造・変造した通貨を真貨として流通におこうとする目的」だから、
    スペーサーの加工に使うのなら「行使の目的なし」でおとがめなし!』
・知っていたのか‥。

・しかし、貨幣をスペーサーの加工材料にしては隊員教育になりません。
  警備員の額面年収は: 一年中 仕事があって  250万。
  「暑い・寒い・うっとうしい」 は当たり前。
  基準法を口にしたら仕事なし。
  交通費なし、社会保険なし、有給休暇なし、賞与なし。
  いっぱい食べたら酒はなし。生きていくだけで 希望なし。 
・そんな警備員が お金を踏みつけにしてはいけません。
  警備業者は警備員にお金の大切さを教えなければなりません。

・『 警備業者の方がもっと苦しいけど‥。』


※一円玉や十円玉に穴をあけること自体に貨幣損傷等取締法の適用が問題となります。
  しかし、その立法趣旨と可罰的違法性の点から、アタッチメントとして少数枚を損傷することは問題ないでしょう。
  一円玉に穴をあけたものを「スペーサアタッチメント」などと称して一般に売り出せば別です。



( スペーサーの組み合わせ )

・eneloop のスペーサーは ライトの最後尾には使えません。

・百均のスペーサーは そのままでは最後尾には使えません。
・百均のスペーサーを最後尾に使うには上に述べた加工が必要です。
・加工は時間がかかり、材料費もかかります。
・時間と材料費を節約するために一円玉や十円玉を使うと隊員教育になりません。

・panasonic のスペーサーはどこにでも使えますが値段が高いです。

・写真は上が「単1×3本 」の例。下が「単1×6本」の例です。

・組み合わせはお好みでどうぞ。

・なお、「単3 → 単2」スペーサーは百均のものでも「尻丸出し」なので加工できません。

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4.照射パターン と 巡回場所 の適否


光源から出た光はそのままでは均等に拡がってしまいます。
ライトはそれを目的とする場所に集める道具です。

光源の光を集める方法には二種類あります。
この方法の違いによって、光の集め方 ( 照射パターン ) に大きな違いが出ます。

警備用ライトでは巡回場所に適した照射パターンのものを選ばなければなりません。


a.光を集めるための二つの方法

・光を集める方法の第一は、反射板(凹面鏡)を使う方法です。
・写真の左がそれです。※最初の写真の ①マグライト

・第二の方法は、凸レンズを使う方法です。
・写真の右がそれです。※最初の写真の ④無名B

・最初の写真の ②・③ も凸レンズを使う方法で光を集めます。



b.凹面鏡(反射板)タイプ の照射パターン(マグライト)


(構造)

・このタイプでは、一番前にあるレンズは平板です。
  単なるガードで照射パターンには影響しません。

・光源から出た光は凹面鏡で一定の場所に集められます。
・光源と凹面鏡の距離を変えれば、その場所を移動させることができます。

・光源と凹面鏡の距離を変える方法には、
  光源を固定して凹面鏡を移動させる方法と、凹面鏡を固定して光源を移動させる方法があります。

・写真のマグライトでは凹面鏡を移動させます。

・凹面鏡の形や大きさ、光源との距離 によって、
  「 どこに どれだけの光を集めるか 」 が決まります。
  これが 製造メーカーの味付けとなっています。

・しかし、照射パターンは凸レンズタイプとまったく違います。



(照射パターン)

・三つの 照射円が現れます。
以後の説明では、中心の照射円 を “中心円1” 、 二番目の照射円を 、“中心円2” 、一番外側の照射円を “外側円” と表記します。

今回のテストでは凹面鏡タイプはマグライトだけです。
以下の説明は マグライト社が味付けをした照射パターンです。
マグライト以外の凹面鏡タイプでは、以下の説明と異なる場合があることをご承知ください。

①.一番遠くに光を集めた場合 ②.遠くに光を集めた場合 ( ①よりやや近め ) ③.一番近くに光を集めた場合
・中心円1と中心円2の大きさの差が一番小さい。
・二つが力を合わせて、遠くに光を集めている。
・中心円1が照らす場所は100m以上先。
・外側円の大きさと明るさは ①・②・③とも常に一定。
・外側円は相当大きい。

・中心円1が一番小さくなる。
・中心円1の照らす場所は 100m~。
・中心円2の照らす場所は 50m~100m。
・感覚的には 中心円1の範囲を拡げているようになる。
・遠くのを照らす円が一番広く、
  このパターンが使用の中心となる。
・②から光を近づけると
  中心円2が拡がり、外側円に近づいてくる。
・中心円1はなくなり、黒点が現れそれが大きくなってくる。
・「中心円1が中心円2に力を貸し、
    中心円2が外側円を助けて近くを明るくしている」
     イメージとなる。
・中心円2と外側円は完全に重ならない。
・中心の黒点はこれ以上大きくならない。



(照射イメージ)

・① ・ ② では 中心円 1 と中心円 2 が一つのビームとなって、50m~100mに集まる。
・外側円は足元 を広く照らす。


(長所・短所)

長所 - 遠くを見るのが楽
・遠くだけでなく 近くも照らす。遠くに光を集めても足元は暗くならない。
・常に遠くを照らしている。

短所 - 近くが見づらい
・① ・ ② のままで近く ( ~10m ) を照らすと、中心が明るすぎて見づらい。
・① ・ ② のままで 近く ( 10m~15m ) を照らすと、ビームとなっている中心光がどこかに反射する。
  その反射光が光の筋となって、自分が照らしている方向とは別の方向から現れる。
  その方向にライトを持った誰かがいるような錯覚に陥る。
  それが錯覚なら問題ないが、錯覚でなければ危険である。
  「 これはいつもの反射光なんだ」 という思い込みが不審者発見の機をなくする。

・③ では 中心光のビームはなくなるので反射光による光の筋は現れない。
  また、近くが広く 均一に明るくなる。
  しかし、中心に黒点があるので見づらくなる。


(用途)

・50m先を見るのに適している。
・屋外施設での不審者発見に適する。
・屋外施設でも施設の状態を見るのには適さない。
・屋内巡回には適さない。
・警察用ライト。
     ★★02       
選任のための法律知識・

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c.凸レンズタイプの照射パターン


(構造)

・このタイプでは一番前に分厚い凸レンズがはまっています。
・光源から出た光はこの凸レンズで一定の場所に集められます。

・光源と凸レンズの距離を変えれば、その場所を移動させることができます。

・光源と凸レンズの距離を変える方法には、
  光源を固定して凸レンズを移動させる方法と、凸レンズを固定して光源を移動させる方法があります。
・写真のライトでは光源を移動させます。

・凸レンズの厚さや大きさ、光源との距離 によって、
  「 どこに どれだけの光を集めるか 」 が決まります。
  これが 製造メーカーの味付けとなっています。

・しかし、照射パターンは凹面鏡タイプとまったく違います。



(照射パターン)

・照射円は一つです。
・その円が大きくなったり小さくなったりするだけです。

①.一番近くに光を集めた場合 ②.中距離に光を集めた場合 ③.一番遠くに光を集めた場合
・照射円が一番大きくなる。
・照射円内の明るさは均一。
・円内が昼間となる。
・このパターンが使用の中心となる。
・照射円は小さくなり、
  それだけ光が凝縮されて遠くを照らす。
・凝縮された光エネルギーは
  遠くを照らすことに使われるので、
  感覚的には円内の明るさは変わらない。
・照射円はさらに小さくなり、
  光エネルギーが更に凝縮されて更に遠くを照らす。
・照射円を小さくするのには限界がある。
・凹面鏡タイプのように
   “イチロービーム”になることはない。
・照射円周囲ににじみが出て見ずらくなる。



(照射イメージ)

・暗闇を照射円で切り取る。


(長所・短所)

長所 - 近くが見やすい
・5m 離れたら建物全体が照射円の中に入る。そして明るさは均一。その部分の異状がすぐに分かる。
・光が反射することはない。

短所 - 遠くに光を集めると足元が危ない
・不審者の気配を感じ、② や ③ の照射円にして不審者を見つけた。
・不審者が逃げたので、照射円で不審者を捉え不審者を追った。
・溝に足元を取られて転倒、大怪我をする。


(用途)

・50m以内を見るのに適している。
・屋内巡回、屋外施設での施設状態チェック。
・警察用ライトではなく消防用ライト。


以上、これら二つをたとえると、

凹面鏡を使ったライトは 遠いものを狙って撃つライフル銃
凸レンズを使ったタイプは 近いものを腰だめで撃つショットガン

この違いを理解して 巡回場所 ・ 巡回目的に適したライトを選ばなければなりません。


つづく。




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