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2011.11.07  FJ 1200整備初級編--チェーン“そのまま交換”  その 1



1. 恒例の“日曜オークション調達“


a.今回はチェーンが安い

10月30日 ( 日 ) のオークションで調達した部品です。


今回はチェーンが安かったので落札しました。

② カワサキ GPZ 1100・DID-530-VA -- 110円
③ ヤマハ XJR 1300 ・DID-530-VZM - 1250円
④ FJ 1200・クラッチマスター--------- 100円

FJ のチェーンは530-110リンク。
②・③も110リンクです。

なお、XJR 1200 のチェーンは110リンクですが525ですのでFJ には適合しません。

FJ 部品を捜している者は多いので、FJ やXJRの部品は落札価格が高くなります。
チェーンはヤマハ以外を狙うのが穴です。

※DID チェーン適合表 →→ こちら
※RK チェーン適合表 →→ こちら

④は予備ストックです。


b. “かしめチェーン”には“かしめ工具”が必要


20年前のオフロード車のチェーンはクリップ式。
チェーンの駒をつなぐのはクリップをはめるだけ。

チェーン交換に必要なのは、既成チェーンを適合駒数にするための”ピン抜き工具“だけ。


しかし、最近はオフロード車でも“かしめチェーン“。

チェーンをつなぐためには、そのチェーン専用のジョイントと“かしめ工具”が必要です。

専用ジョイントは一個700円~1000円程度。
かしめ工具が4000円~10000円。
信用性の高いDIDのかしめ工具は定価が16695円→→→かし丸君

しかも、かしめ作業は馴れないと上手くいかないとか。


今回調達したチェーンは②・③ともつながっています。
※ ②は“かしめ“、③はエンドレス。

そこで、チェーンを切断しないでこのまま取り付けることにしました。


2.古いチェーンの取外し


チェーンを切断しないでそのまま取り外したり取り付けたりするには、リヤホイールとリヤアームを外さなければなりません。

オフロード車では各部品間隔が大きいので、これらの作業は簡単です。
しかし、オンロード車では各部品がギッシリ詰まっていますので簡単ではありません。

マニュアルによると、リヤアームを取り外すには「リンクを外してリヤショックを外さなければならない」とか。
そして、リヤショックを外すためには「タンク、キャブレター、エアクリーナーボックスを外さなければならない」とか。

マニュアル通りにやっていたら大変です。
必要最小限でやりましょう。


a.ドライブスプロケットカバー取外し


まずは、このカバーを外すことから。



矢印は前回苦労した、プッシュロッドのオイルシールです。
このカバーを外せば簡単にオイルシール取外し・取付ができたのですね。

オイルシールを無理やり打ち込んだのでボロボロになっています。
新しいオイルシールを注文してやり直す予定です。


ドライブスプロケットの状態です。



チェーンが引っかかる側 ( 左側 ) の山が右側に比べて減って ( 痩せて ) います。

交換です。

もっとも、スプロケットに裏表はないようなので、裏返して使うこともできるでしょう。


なお、ドライブスプロケットを留めているナットは36㎜です。

締めつけトルクは 8.5 kg・mですからそんなに固く締めつけられていません。
大型のモンキーレンチやウォータープライヤで外れます。

しかし、取付にトルクレンチを使わなければなりませんから、36㎜ソケットが必要になります。
1500円程度ですから手に入れておきましょう。


取り外したスプロケットカバーの内側です。



ガスケットは原型をとどめていません。
油と泥でコテコテです。

当然、ガスケット交換 ( ?)。

※ただし、このガスケットは値段相応の働きをしていません。→→こちら


b.リヤホイール取外し


リヤアクスルを抜いただけではリヤホイールは外れません。
リヤプレーキ・ディスクがキャリパに引っかかってホイールを後ろへ抜くことができないのです。

リヤプレーキ・キャリパを取り外さなければなりません。

こういうところがオフロード車と違う点です



 
①・②・③を外して、キャリパをどこかへ引っかけておきましょう。

※②・③締付トルク 3.5 kg・m


この状態でリヤホイールを外します。


タイヤと後フェンダーがぶつかってホイールは簡単に抜けません。
ホイールを左に傾けフェンダーを.曲げて無理やり抜きましょう。

なお、リヤブレーキディスクがキャリパブラケット ( 写真のD ) に当たりますので、ディスクを傷つけないように注意してください。


マニュアルでは、




④を外し、キャリパブラケット ( D ) を外す。
⑤を緩め、コンプレッションバー ( E ) を上方に持ち上げてホイール取外しのジャマにならないようにする。

タイヤをより斜めにできますからネ。

マニュアル通りの方がスムーズにリヤホイールを外せるでしょう。


※キャリパ取付ボルト ( ④ ) 締付トルク  3.0 kg・m
※リヤアクスル締付トルク  15.5 kg・m


c.リヤホイール点検




このまま、ドリブンスプロケットを持ち上げれば、中にあるクラッチハブダンパを見ることができます。

わざわざ、スプロケットを外す必要はありません。
それを知らずに外してしまいましたが‥。

※ドリブンスプロケット取付締付トルク  6.0 kg・m / ネジロック使用

中はこうなっています。



右側のダンパ ( 緩衝材 ) は一対で1040円です。
五対必要ですから 5200円かかります。

損傷がないので、交換しません。


ドリブンスプロケットの状態です。


まだ使えそうですが、4421円なので交換することに。


リヤアクスル穴の両側 ( スプロケット側とディスク側 ) にはオイルシールが付いています。

オイルシールと名がつくと交換したくなるのが人情です。

これがスプロケット側のオイルシールの状態です。



プッシュロッド・オイルシール交換で苦労したことを思い出しました。

交換したいのはやまやまですが、取外しや打ち込みに苦労しそうです。

また、オイルシールといってもベアリングのグリース漏出を防ぐだけのもの。
フロントフォークやブレーキキャリパやクラッチレリーズのオイルシールとは重要性が違います。

「今回は交換なし」としました。

なお、このオイルシールの値段は、スプロケ側が482円・ディスク側が242円。
安いので部品だけ注文しておきましょう。


d.リヤアーム取外し


まず、リヤアーム取付ボルト ( ピボットシャフト ) を外します。

下の写真のAにはまっているボルトです。




ご注意 !



矢印の部分にボルト回り留めの突起があります。

ボルトのフランジの一部が切ってあり ( 写真では5時~6時方向のフランジ部分 ) 、この部分が突起に当たって回り留めとなっています。

ナットを外す時にボルトが供回りをすると、写真のように突起部を損傷してしまいます。

この突起はフレームに付いているものなので交換することができません。

ボルト頭にレンチを当てて確実に供回りを防止してください。


締めつけトルクが 9.0kg・m なのに、メチャクチャ固かったので、ナット側のレンチにパイプをつないで緩めていたらこの突起が欠けてしまいました。


リヤアームとリンクを切り離さないとリヤアームは外れません。



ボルト B を外して、リヤアームとリンクを切り離します。
※リンクボルトの締付トルク  6.5kg・m


これでリヤアームが外れるはずなのですが、リヤショックが邪魔して外れません。

「リヤアームが外れなくてもチェーンは外れるだろう」 と、リヤアームを持ち上げたり横にずらせたり‥。



しかし、チェーン巾だけの隙間が空きません。

あと、5㎜くらいなのですが‥。

無駄なことはやめましょう。
時間を浪費するだけでなく、マフラーの裏にたっぷりと傷が付きます。


リヤショック下部の取付ボルトを外せば済みます。

下の写真の C です。
通常はレンチの入りにくい部分ですが、リヤアームが自由になっているので作業は簡単です。




Cを外すとリヤショックが自由になり、リヤアームが 「ゴトン」 と下に落ちます。



あとは、チェーンをドライブスプロケットから外せばOK。

やっとチェーンが外れました。


結局、リヤアームを取り外すための作業は、

①ピボットシャフト ( A ) を抜く→②リヤアームとリンクを切り離す ( Bボルトを抜く )→③リヤショック下部ボルト ( C ) を抜く。

マニュアル手順の 「リヤショック上部ボルト取外し」 は必要ありません。

リヤショック上部ボルトを外そうとすると、タンクやらエァクリーナーボックスやキャブレターを外さなければなりません。


3.新旧チェーン比較


取り外したチェーンと中古チェーンを並べてみました。



①が取り外したチェーン DID530-ZL 。
②が
110円の DID-530-VA 。
③が1250円の  DID-530-VZM 。


同じように見えますが近づいてみると‥、



5駒 ( 10リンク ) でこれだけ違いが出ます。


9駒の長さを計ってみると、

①は289㎜、②は283.5㎜、③は284㎜。


なお、マニュアルによると 「 使用限度は10リンク長が150.1㎜ 」 。

しかし、“10リンク”がどこからどこまでかイラストではよく分かりません。


チェーンの曲がり具合も比較してみました。



実際はもっと曲がります。

なんと、110円の中古チェーンが一番良いではないですか!


「付け替えるチェーンを②にしようか③にしようか」 迷います。

②は普通のシールチェーン、③は②よりランクの高いチェーンですから‥。


4.注文部品決定


注文する部品です。

1 3CV-17460-00 ドライブスプロケット(17丁) 5880円 ×1
2 4CC-25438-00 ドリブンスプロケット(38T) 4421円  ×1
3 93106-30029 リヤアクスル右オイルシール 242円 ×1
4 93106-35030 リヤアクスル左オイルシール 482円 ×1
5 36Y-15451-01 ドライブスプロケ・カバーガスケット 725円 ×1
6 26H-W0098-00 プッシュレバー・シールキット 746円 ×1
7 93109-08061 プッシュロッド・オイルシール 242円 ×2
8 93109-12053 シフトシャフト・オイルシール 200円 ×2
9 46502-KV3-830 フック,リターンスプリング 546円 ×1
10 46514-KW3-670 スプリング,ブレーキペダル 210円 ×1
11 46515-MN1-670 チューブ,ブレーキペダルスプリング 131円 ×1
12 90118-KV3-830 ( ※90118-MY9000 ) スクリュー,パン6×14 157円 ×1

※は現在の代替部品番号

( 内訳 )

1・5が今回のチェーン交換に必要な部品です。
※ドライブスプロケット・ワッシャを固定するロックワッシャ ( 90215-26241・ワッシャ、ロック 47X ・483円 ) も必要ですがストックがあります。

2・3・4・8は交換しないが準備しておく部品です。
8はスプロケットカバーにはまっているシフトシャフトのオイルシールです。

7の交換は次回にアップします。

6はクラッチレリーズのオイルシール、予備ストックです。


9~12はNSRのリヤプレーキランプ・スイッチの取付部品です。

NSRのリヤブレーキランプスイッチを取り付けるには、スイッチとバネの他にこの三個の部品が必要です。


チェーンが“タダ同然”、そして、かしめ工具・ジョイント不要。
とても安上がりなチェーン交換です。


新品チェーンでも規定駒数のエンドレスがあります。
エンドレスチェーンはメーカーでつなぐので各駒の接続部の強度が均一です。

チェーン交換は頻繁に行うものではありません。
高い”かしめ工具“を買い、馴れない”かしめ作業“を行うより、リヤアームを取り外してエンドレスチェーンを付ける方が安上がりで簡単・確実です。

また、古いバイクの場合は時々リヤホイールやリンク・アームの状態を点検することも必要です。

チェーンは 「 リヤアームを取り外して、チェーンを切断せずにそのまま交換した方 」 が整備初級者にとっては得策でしょう。



つづく



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