SPnet 選任業務編


2. 法定備付書類--教育計画書・教育実施確認書・指導計画書・指導実施確認書     ※各書式のダウンロードは下の方の緑字の部分から


教育計画書・教育実施確認書・指導計画書が法定備付書類です。
法第45条 の内閣府令で定める書類は、次のとおりとする。
④警備員に対する指導に関する計画を記載した指導計画書
教育期ごとに、警備員教育に係る実施時期、内容、方法、時間数、実施者の氏名及び対象とする警備員の範囲に関する計画を記載した教育計画書
教育期ごとに、警備員教育に係る実施年月日、内容、方法、時間数、実施場所、実施者の氏名及び対象となつた警備員の氏名を記録し、指導教育責任者及び実施者がこれらの事項について誤りがないことを確認する旨を付記した書類」(警備業法施行規則66条1項4・5・6号)

教育と指導

まず、「警備員教育」と「警備員指導」について確認してみましょう。

警備員の教育と指導は警備業者の責務です。

「警備業者は、その警備員に対し、警備業務を適正に実施させるため、
この章の規定によるほか、内閣府令で定めるところにより
教育を行うとともに、必要な指導及び監督をしなければならない。」(警備業法21条2項)

実際に「指導・教育をする」のは指導教育責任者です。

「警備業者は、営業所ごと及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに、
警備員の指導及び教育に関する計画を作成し、
その計画に基づき警備員を指導し、及び教育する業務で内閣府令で定めるものを行う警備員指導教育責任者を、
次項の警備員指導教育責任者資格者証の交付を受けている者のうちから、選任しなければならない。
」(警備業法22条1項)

指導教育責任者の仕事は、警備業法施行規則40条に定められています。

「法第22条第1項の内閣府令で定める業務は、次のとおりとする。
①第66条第1項第4号に掲げる指導計画書を作成し、その計画書に基づき警備員を実地に指導、及びその記録を作成すること。
②第66条第1項第5号に掲げる教育計画書を作成し、及びそれに基づく警備員教育の実施を管理すること。
第66条第1項第号に掲げる書類その他警備員教育の実施に関する記録の記載について監督すること。
④警備員の指導及び教育について警備業者に必要な助言をすること。

教育については警備業法施行規則38条で、
「種類・内容・方法・時間・時期・担当者」など事細かに決められています。
しかし、指導については上に挙げた条文の他、施行規則66条1項4号で「指導計画書を備えつけなければならない」とするだけです。


教育のできる者

指導教育責任者以外の者も教育をすることができます。
「…教育は指導教育責任者または当該教育についてこれと同等の知識経験がある者として国家公安委員会が定める者が行う」(警備業法施行規則38条2項・4項)
「…業務別教育のうち実地教育は2年以上継続して当該警備業務に従事している警備員も行える」(警備業法施行規則38条4項)

そして、平成8年国家公安委員会告示第21号-警備員教育を行う者などを定める規定は「国家公安委員会が定める者」を定めている。

①指導教育責任者資格者証保持者(基本教育・当該業務別教育)
1級検定合格証明書保持者で警備員の指導及び教育について十分な能力を有すると認められる者(基本教育・当該業務別教育)
2級検定合格証明書保持者で、交付を受けた後、継続して1年以上警備業務に従事しており、
かつ、警備員の指導及び教育について十分な能力を有すると認められる者
(基本教育・当該業務別教育).
基本教育を行うについて十分な能力を有する者として公安委員会があらかじめ指定する者(基本教育)
業務別教育を行うについて十分な能力を有する者として公安委員会があらかじめ指定する者(業務別教育)
機械警備業務管理者資格者(機械警備業務に係る業務別教育)

教育のできる者をおおざっぱに言えば、
指導教育責任者、指導教育責任者資格者、検定1級、検定2級+実績1年、実地教育のみ継続2年以上の警備員。


指導のできる者

上にも述べましたが、指導について定められているのは次のことだけです。
・指導教育責任者が指導計画を立てて、計画書を備えつける。(警備業法施行規則66条1項4号)
・指導計画書は指導を実施した日から2年間備えつける(警備業法施行規則66条2項)
・指導教育責任者は指導を行い指導の記録を作成する。(警備業法施行規則40条1項1号)


これ以外のことについてなにも定められていません。
「いつ、どんな指導をするのか、指導教育責任者以外に誰がやれるのか」は定められていません。
警察庁の解釈・運用基準にも触れられていません。
現在のところ「指導教育責任者が 適宜行う」ことになるでしょう。

もちろん、警備員に対する教育・指導・監督は警備業務の適正な実施を図るためのものですから(警備業法21条2項)、
「適宜」とは「その目的を達するために必要な場合に」ということです。

指導が教育のように「事細かに定められていない」のは、「指導について問題が起こっていない」からでしょう。
「指導について問題が起こっていない」のは、公安委員会が「警備員指導」に本腰をいれていないからでしょう。
「警備員教育をしっかりと定着させる」ことが現在の公安委員会の急務なのでしょう。
要するに、今のところ「指導はやらなくても叱られない」ということになります。

「指導計画書は来月分を今月末までに作成・少なくとも1カ月に一度隊員を指導」
よく耳にしますがどこから出てきたものでしょう。
私は選任の時に、これを信じて、せっせと来月分の指導計画書を作り、隊員を月一度指導しました。
もちろん、指導方法は定められていないので、「営業所で話をした・電話で話をした・一緒に勤務についた」のも指導にしましたが…。


教育計画書・教育実施確認書

教育時間・教育項目・教育方法・教育担当者など「教育に関すること」は警備業法施行規則38条に定められています。
このとおりに教育計画書を作らなければなりません。

定められた教育項目にどれだけの時間を割り振るかは自由です。
しかし、教育計画を作った自分以外の者が教育をする場合もあります。
全項目に均等に時間数を割り振るのが無難です。

実際の教育は教育計画書どおりにやらなければなりません。
教育担当者として教育計画書に記載されていない者が教育することはできません。
記載されていない者に教育をさせるには教育計画書を「変更」しなければなりません。
教育担当者欄に「〇〇〇〇」(平成〇年〇月〇日追加」と書き加えればよいでしょう。

9月に立ち入りがある場合、後期(10月~翌年3月)の開始まで一カ月を切っていますので、後期の教育計画書は出来ていなければなりません。
教育計画書はパソコンにある計画書の日付を変えるだけですから、前期の分をプリントアウトするときに後期の分もプリントアウトしておきましょう。

教育実施確認書は教育が終わったその日に作成しておきましょう。
「やろう、やろう」と先のばしにしていると、「いつやったのか、誰が参加していたのか、何時から何時までやったのか」などを忘れてしまいます。

教育計画書の例

教育実施確認書の例→新任基本1・ 新任基本2・ 1号新任業務別1・ 1号新任業務別2(実地)2号新任業務別12号新任業務別2(実地)1号現任2号現任



指導計画書・指導実施確認書

法律上は指導計画だけ作ってあればそれでよし。
指導計画書に書かなければならない事項など決められていないから、「新年の抱負」のようなものでもよし。

「指導をすること・指導した記録(指導実施確認書)を作成すること」は指導教育責任者の職務だから(警備業法22条1項・施行規則40条)、
指導教育責任者は「指導しない・指導実施確認書を作らない」と警備業法違反となります。
警備業者も「指導教育責任者を通じて指導・教育・監督をしなければならない」(警備業法21条2項・22条1項)ので警備業法違反になります。
罰則はありませんが、警備業法違反である以上「最近5年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規定若しくは処分に違反し…」(警備業法3条3号)に該ります。
指導教育責任者は資格剥奪・5年間の追放、警備業者は認定取り消し・5年間の追放もあり得ることです。

「毎月、指導計画書作成・各隊員を指導」は少々しんどいので、「春・夏・秋・冬で指導計画書を作り・各隊員を指導」が妥当でしょう。

指導計画書の例

指導実施確認書の例


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