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●「片肺 → 休むと復活 → また片肺」の原因は?

nsr250センターシール抜け
選任のための法律知識・



NSRはメインウエポンでありません。
長男の放置バイクを私が自主的に動態管理をしているだけです。
しかし、最近なぜか時間と費用がかかります。
バーハンドル化,PGM修理、フロントスプロケット2枚下げ。
ステアリングダンパー倒立取り付けと「ダイヤル設定」。

乗っていないバイクだから動かすといろいろ整備箇所が出てくるのは仕方がないけど、
そもそも「高回転型のバイク」は性に合わない。
それもこれで終わり。やっとメインのRMXモタードに戻れる。

165号試走で「ダイヤル+1」に決めて、帰りは「165号 → 県道2号 → 163号」で総仕上げ。
ついでに9カ月前の「県道2号・PGM故障」のトラウマ解消も。

★2023.04.13.追記

「片肺 → 休むと復活 → また片肺」の原因は次の三つのようです。

まずは吸気系の不具合
①十字・Y字ジョイントのエアジェット詰まり、ジョイントのキャブレター側の詰まり。
・エア通しだけで費用はかかりません。 → こちら
・キャブレター側のエアスクリューが同じ戻し量になっているかも確認。 → こちら
②エアクリーナーコネクティングチューブの劣化
・嵌合部を接着剤でシールしているような場合は迷わず新品に交換 → こちら
・両方で4000円程度です。

これで、治らなければ覚悟してください。

残るのは、
③センターシール不具合。
15万円コースです。

「部品取りとしてヤフーオークションに出すが、とことん付き合うか」の選択が必要です。
このNSRは後者を採りました。 → その1,その2,その3

1.状況

〇故障まで

ステアリングダンパーのダイヤル選定で165号青山峠を2往復/160㎞。
エンジン快調。
最後の仕上げに「165青山峠 → 県道2号 → 163号」。
しっかり回して青山峠を終わり県道2号へ右折。

9カ月前にPGM故障をした地点を通過。
エンジンは快調に吹け上がり、パワーは充分。

もうすぐ163号の右折信号。
「あれ?エンジンが上まで回らないゾ?」
「燃料詰まりか?」
コックをリザーブに切り換えてしばらく走る。
しかし、症状は変わらない。

〇チェック1

停車してアイドリング。
排気をチェック。
前シリンダー( №1)の排気が弱い。
爆発が途切れる。

右キャブレターのドレンを開けて燃料詰まりをチェック。
問題なし。
「キャブレターのどこかが詰まったのか?このまま走ってみよう。」

163号へ右折。
しかし、エンジンは完全に片肺状態に。
アクセルを開けても回転数は上がらない。
ゆるい昇りでは40㎞/hが精一杯。
なんとか新長野トンネルの入口に到着。
ここで、エンジンを止めてチェック。

〇チェック2

右側チャンパーは熱くないので前シリンダーは点火していない。
後シリンダーは点火しているのでPGM故障ではない。

怪しいのはイグニッションコイルとプラグキャップ。
予備部品を持っていないのでプラグを外し清掃。
キャップとイグニッションコイル端子をしっかりと付け直す。

「こんなことでは治るはずがない。片肺で家まで帰るしかないか…」とキック。

ところがエンジン復活。
「なぁ~んだ。プラグキャップかイグニッションコイル端子の接触不良だったのか!」
長野峠を元気一杯で下り、今までのストレスを発散。
平坦地になってさらに回転アップ。

しかし、しばらくして美里庁舎を超えたあたりでまた片肺に。
グリーンロードに左折してチェック。

〇チェック3

「あれ?キーONでインジケーターが点灯していない。」
電圧計をONにすると、エラーらしき表示が出て「8.1V」。

ヒューズチェック。
異状無し。

「電圧計のどこかがショートしてバッテリー電圧を下げたのか?」
しかし、電圧計は途中にスイッチを付け OFF で走っているのでそんなことはない。
取り敢えず電圧計コードをバッテリーから外す。

もう一度プラグキャップとイグニッションコイル端子をはめ直す。

よく見るとインジケーターのサイドスタンドランプがかすかに点灯している。
緑のニュートラルランプや赤のオイルランプは点灯なし。

ダメモトキック。
なんと、エンジン復活。
キー OFF でエンジンを切り、キー ON にすると緑や赤ランプが鮮やかに点灯。

早速スタート。
今度は「じきに」片肺に。
片肺のときはエンジンがかかっていてもニュートラルの緑ランプはうっすらとしか点灯していない。
片肺とニュートラルランプ点灯に関係あり。

それはともかく、もう片肺で家までたどり着くしかない。
グリーンロードと市街地を40㎞/h~50㎞/hでトロトロ走ってやっと家にたどり着く。
前シリンダー(№1)はときどき、思い出したように2~3度発火。
エンジン回転数が上がらないNSRほど不格好なものはありません。

〇チェック4

№1イグニッションコイルの抵抗値測定、問題なし。
・端子間 → 0.1Ω(標準値 0.1~0.2Ω)
・端子とキャップ → 9KΩ(標準値 5~12KΩ)
・端子とコード → 3.6KΩ(標準値 3.6~4.6KΩ)

イグニッションコイル♀端子を狭めて♂端子にきつくはめる。

プラグ清掃。プラグキャップをグリグリとはめる。

キック。
エンジン復活。
ノーヘル,サンダル履きで家の付近を走る。
走り出しは問題なし、しかし100mくらいで失速し片肺に。

なお、プラグは№1,№2とも標準の「NGK・BR9ECM」。
新品を付けてから本日まで走行1200㎞ほど。
エンジンは「常に6000rpm以上」を心がけ。

2.まずはプラグを疑う

サンデーメカニック諸兄、以上の状況から片肺の原因を考えてください。

・「PGM ~ №1イグニッションコイル」 → №2が問題なく動いているので問題なし。
・「№1イグニッションコイル」 → 抵抗値から問題なし。
・「プラグコード,プラグキャップ」 → 抵抗値から問題なし。

残るのは「プラグキャップ,イグニッションコイル端子の接触不良」。
だから「付け直すたびにエンジンが復活し、また振動で緩んで接触不良となる」のか。

なるほどそれは考えられる。
しかし、チェック4ではエンジン復活後100mで片肺に。
100m走って端子やキャップが緩むことはない。

「もしかして、プラグ?」
1200㎞しか走っていないけど大量生産品だから不良品はあるでしょう。

№1シリンダーから BR9ECM を外し、
工具箱から以前に付いていた走行距離不明の BR8ECM を付けて家の周りを走る。
「あれ?片肺にならないゾ!」

№2シリンダーにも古い BR8ECM を付けてテスト。
今度はヘルメットと革パンのフル装備。
以前、チョイテストで膝に大怪我をしましたから。

やはりエンジン快調。9000rpmまでストレスなく回る。
雨が降り出したので10分くらいで切り上げ。

●これで「犯人はプラグ」と結論。

家の近くまで来ると「ガリッ、ガリッ」という音。
サイドスタンドがアスファルトを削っているような音。
正体は、

チェーンスライダーがなくなってチェーンがスイングアームに当たる音。
残ったスライダーの残骸は劣化してカチカチ、パリパリ。
テストの続きはチェーンスライダーを交換してから。
「まあ、犯人は特定したから。」

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3.スライダー交換

a.部品入手

チェーンスライダー交換をしないことにはテストができません。

急遽、純正のスライダーと NGK・ BR8ECMと BR9ECM を入手。
・純正スライダー → 52170-kv3-830 (5940円)
・安価な中華がYahooオーションやAmazonに出ていますが
「ゴムなのですぐに消耗する」との評判。
商品説明には「ゴム製」と親切表記。

b.交換手順

RMXのチェーンスライダーはスイングアームに巻いて上下をボルトで留めるだけ。
FJ のチェーンスライダーはスイングアームに差し込んでサイドをボルトで留めるだけ。 → こちら
緩めたり外したりする箇所はありません。

NSRの場合はクランクケースカバーを外さなければなりません。
ステップを取り外し、チェーンを緩めた方が作業がしやすくなりますが必ずしも必要ではありません。

NSR/MC21のチェーンスライダーは
スライダーの前にある穴をスイングアームの突起に差し込んで後端をボルトで留める。

スライダー前の穴に差し込む突起はa(エンジンハンガリンク) の後にあります。
aはcにはまり、b(ハンガリンクボルト) で留められています。

下から見ると、

矢印がその突起。
このままでスライダー前の穴に突起を差し込むのは「できますが」苦労します。
作業はaをずらせて行います。

aを取り外す必要はありません。
aを留めているボルトbを抜けばaを下にずらせられます。
cを触る必要はありません。
aはcに固定されているのではなく、自由に回るようになっています。
※b(ハンガリンクボルト) 締め付けトルク : 4.5~5.5㎏・m

スライダーの下側を突起に差し込んでから上側を差し込みます。(下側が内側になる )
スライダーを引っ張って突起が穴の狭いところにくるようにします。
突起にはめる場合は「指で押す」より「ソケットドライバーを当てて叩く」のがよいでしょう。

今回はa(ハンガリンク)をずらさず、手さぐりではめたので時間と苦労がかかりました。

あとはスライダー上側の後端をボルトで留めるだけ。
スライダー下側はアームの小さい凸部に引っかかって飛び出してきません。

ワッシャは通常の平ワッシャでもよいでしょうが純正品なら安心です。
※チェーンスライダーカラー : 52173-kv3-830
残念ながら在庫なし。
汎用の「M6・山座金(シボリワッシャー)・外径20~22 ㎜Φ」を使うとよいでしょう。 → こちら
なお、ボルトはM6×20のフランジボルト。 → こちら

これで「ガリッ,ガリッ」音なしです。
ただし、スプロケットやチェーンが片減りしている場合、
チェーンの緩いところで張りを調整すると、
チェーンのきつい部分がスライダーに当たって「ギシッ、ギシッ」という大きな音がします。

MC21の場合「サイドスタンド使用、チェーン中央部の上下巾は20~30 ㎜」。
チェーンの張りの強いところで調整。
※リヤアクスル締め付けトルク : 8~10㎏・m
※アクスル締め付け後、アジャスト引っ張る方へ増締め。

なお、フロントスプロケットを小さくするとチェーンがスライダーに近づくので、
チェーンがスライダー前部に当たってスライダーを擦ります。
「キュ、キュ」、「キキュー」という音がしますがこれは仕方がありません。
チェーンがスライダーを必要な分だけ削れば音はしなくなります。
※RMXモタードではリヤスプロケットを小さくしてチェーンガイドと干渉しました。 → こちら

スライダーの交換作業は1時間みておけばよいでしょう。

4.プラグとイグニッションコイルは犯人ではない

チェーンスライダーを新しくしたのでテスト走行を再開。

a.プラグが犯人でないことが濃厚に

今までの復習です。
①№1(前シリンダー)/1200㎞走行の BR9ECM ,№2/1200㎞走行の BR9ECM → トラブル

② №1/走行不明の古い BR8ECM ,№2/1200㎞走行の BR9ECM → チョイ乗り → 快調


③ №1/走行不明の古い BR8ECM ,№2/走行不明の古い BR8ECM → 10分 → 快調


今回は③の確認から
④ №1/走行不明の古い BR9ECM ,№2/走行不明の古い BR9ECM → 30分/25㎞ → 快調

⑤ №1/新品の BR9ECM ,№2/新品の BR9ECM
・60分/40㎞ → 快調 → その後「以前の№1片肺症状 」

・電圧計は異状点滅、7.8V
・不調のときはニュートラルランプの緑がはっきりと点灯しない。
・しばらく休むとニュートラルランプの緑がはっきりと点灯しエンジン快調。
・今回はアイドリングで停止することも。
・走行中は低速でもアクセルを開け気味にして、なんとか完全片肺にならずに家まで20㎞。

●新しいプラグでも同じ症状 → 「プラグが犯人でないこと」が濃厚に。

b.プラグとイグニッションコイルは犯人ではない

ネットで検索すると同じような症状のNSR。
プラグ,イグニッションコイル,レギュレーター,PGM,バッテリ,メインハーネス,
パルスジェネレーター,ACジェネレーターを交換したけれど治らなかったとか。
つまり、「原因は点火系ではない」ということ。

症状は「復活 → 再発」の繰り返しと「電圧低下/7V」。
最後はなぜか症状が出なくなり、現在120㎞を快調だとか。
結局、原因不明。 → こちら

「片肺 → 復活 → また片肺」+「片肺のときはニュートラルランプが点灯しない」症状で、
レギュレーター交換で治ったというサイトもあった。 → こちら、
しかし、レギュレーター不調なら両方のシリンダーがダメになり片肺になることはない。
上の事例ではレギュレーター交換では治らなかった。
さらに、「その後どうなったか」の検証がないので「レギュレーター犯人」は信用できない。

また、キャブレターソレノイドの配管損傷の事例もあったがその後の検証がない。 → こちら

しかし、点火系が原因でなければ原因は吸気系。
吸気系で怪しいのはキャブレターソレノイド。
ここには電気も絡んでいる。

左上にあるのがキャブレターソレノイド。
一般のキャブレターのエア調整は手動のエアスクリュー。
これに加えて、エンジン回転数に応じて電気的にソレノイド(バルブ)を開閉し
キャブレターに流れるエアを自動調整するのがこの機構。

ソレノイド自体の故障なら№1シリンダーと№2シリンダーの二つが不調になる。
※ソレノイドは№1と№2の二つあるが、この二つの流量合計でキャブレターへの流量を調整。
№1ソレノイドが№1キャブレターを、№2ソレノイドが№2キャキャブレターを調整しているのではない。 → こちら

今回は№1シリンダーだけの不調だから、ソレノイド自体の不具合は原因とならない。
原因となるのは「ソレノイドから№1キャブレターべのパイプの損傷や詰まり」。
しかし、一見してそんな損傷はない。

取り敢えず、エアクリーナーボックスを付け直す。
ここで、「キャブレターへのエアダクト ( コネクティングチューブ ) の溝に
エアクリーナーボックスがしっかりと差し込まれていない」のを見つけ、しっかりと差し込む。

キャブレター清掃も必要だろうが後回し。
そもそも、キャブレターへの配管やキャブレター自体に原因があるのなら
「不調 → 休んで快調 → しばらく走ってまた不調」を繰り返すことはないだろう。
また、キャブレターはPGM故障のときに清掃している。

№1のイグニッションコイルは抵抗値は合格だが作動させると不調になるのかもしれない。
№1イグニッションコイルと№2イグニッションコイルを入れ換え。
№1コイルが原因なら№2シリンダーが不調になるはず。

⑥№1/新品の BR9ECM ,№2/新品の BR9ECM ( ⑤で「復活 → 不調」のセット)。
   №1と№2のイグニッションコイル入れ換え。
   キャップは№1には№1用,№2には№2用を付ける。

・1時間/70㎞走行。快調そのもの。

●結論
・プラグは犯人ではない → 前回不調、同じプラグで今回快調。
・イグニッションコイルは犯人ではない → №1コイルが犯人なら⑥で№2シリンダーが不調になる。
・ソレノイド,ソレノイド配管,キャブレター自体 → 触っていない → 快調 → 犯人ではない。

●推測
・➄から変わったのは
「エアクリーナーボックスにコネクティングチューブしっかりとはめた」こと。
・インテークマニホールドからエアを吸うのならまだしも
   エアクリーナーボックスの隙間からエアを多く吸い込んでも不調にならないだろう。
   しかもそれが原因なら「不調 → 復活快調 → また不調」を繰り返すだろうか?
   これが犯人だったとは考えられない。
・片肺で「プラグ,イグニッションコイルがOK」なら原因は吸気系しかないだろう。

●今後やること
・1時間/70㎞で「治った」と考えるのは早い → もっとテストが必要。
・イグニッションコイルを元に戻して1時間/70㎞以上をテスト。
・ソレノイド~キャブレターのエア通し、キャブレターの清掃。特に右側。
・レギュレーターチェック
※「片肺 → 復活 → また片肺」+「片肺のときはニュートラルランプが点灯しない」で、
   レギュレーター交換で治ったというサイトもあったから。
・そして「こわい・怖いセンターシール抜けのチェック」。これは避けては通れない。
   「センターシール抜け」なら私も放置です。こんな神経質なバイクにかまっていられない。

複雑・緻密な機構でクラス最高性能。
しかし、複雑・緻密になればなるほど故障が多くなる。
一般ユーザーにはレースのようなクラス分けがない。
「複雑・緻密でクラス内高性能」より「単純・大排気量で高性能」を選んだ方が簡単で安心。
NSRファンは怒るだろうけど「NSRの高性能はHONDAの自己満足」のような気がします。

c.その後

⑦イグニッションコイルを元に戻す。
・№1シリンダー → 元の№1コイル,№2シリンダー → 元の№2コイル
・№1/新品の BR9ECM ,№2/新品の BR9ECM (⑥で使用)
・1時間50分・86㎞・快調

・高回転の後、アイドリング(設定1500rpm)に戻らない。2500rpmから下がらない。
・キーOFFで再始動。アイドリング1500rpmからしばらくすると3000rpmに上がってそのまま。
・アイドリングが下がらない場合はキャブレター清掃が必要。
・やはり、原因は吸気系か?

●センターシール簡易チェック
・アイドリングで右マフラーを塞ぐ → アイドリングが下がらない。
・アイドリングで左マフラーを塞ぐ → アイドリングが下がる。
・これはセンターシール損傷の徴候らしい → こちら
   ただ、なぜ左マフラー(後シリンダー)のときだけアイドリングが下がらないのか理解できない。

●現在の状況
⑥と⑦で156㎞ 問題ありません。謎の片肺症状は出ていない。
原因は特定できなかったけどこれで治ったのかもしれない。
№1シリンダーへの吸気経路・燃料経路に詰まりがあってそれが自然に解消されたのだろうか?
あとは、ソレノイドからのパイプとキャブレターを清掃。
そして、もう少しテスト走行。

しかし、センターシール損傷の徴候が出ている。
もしセンターシール損傷なら修理に〇十万かかるので「放置処分」にする予定。
そんなバイクにキャブレター清掃やテスト走行をして手間隙をかける必要はない。
まずは、センターシールがOKかどうかを確認することが必要。

●今後は
季節が良くなってきたのでRMXモタードとFJがイライラ。
とくにメインウエポンのRMXは爆発寸前。
NSRは昨年10月に13222㎞でPGMが故障し、現在14693㎞で 1471㎞走行。
RMXはその間「0㎞」、もう1年近く走らせていないので怒るのは当然。
NSRは故障車とし、RMXとFJの合間の暇なときに。

●2021.09.15
RMXのイライラを少しでも解消するべく久しぶりに165号へ持ち出しました。
なぜか疲れて二往復目をする気になれず、このあと帰宅。
走行距離はたったの125㎞。
高回転のあとアイドリングへの戻りが悪いのでキャブレター清掃が必要。
久しぶりに振り回されたのか「腰」に来ました。
翌日は「もう一度RMXかFJ」と予定していましたが外へ出る気がしませんでした。

RMX
『シングルだからギクシャクするからネ。モタードだから左右の移動が大きいからネ。
でも、シンプルだから誰かさんのように故障はしないからネ 。
それはそうと、そろそろPJかRJのエンジンに換えてくれない?」

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5.センターシールのチェック

a.センターシールとは

クランク室には機密性を保つためにクランクベアリングの外側にオイルシールが取り付けられています。こちら
NSRは二気筒なので真ん中のクランクベアリングの横にもオイルシールが取り付けられています。
これがセンターシールと呼ばれているものです。

NSRのクランクケースを分解したことがないので実物を見たことはありませんが、
MC18以前ではシールがベアリングと別々、MC21以降ではシールとベアリングが一体となっているとのこと。
どちらのセンターシールもベアリングの右側にあります。※こちらのサイトに画像があります。

このシールが損傷するとどうなるでしょうか?

2サイクルではピストンの上とピストンの下で別々の動作をします。

〇ピストンが上がる
・ピストンの下 : ピストンが上がりピストン下が広がり負圧になる → 混合気をリードバルブから吸い込む
・ピストンの上 : 前行程で入ってきた混合気を圧縮する

〇爆発してピストンが下がる
・ピストンの下 : 前行程で吸い込んだ混合気をピストンの下がる力でピストンの上に圧送する
・ピストンの上 : 燃焼ガスの排気、ピストンの下から圧送された混合気が流れ込む
※もう一度2サイクル

このときにシールが損傷していると、

ピストンが上がるとき

・ピストン下 : 混合気以外のものを吸い込む。
※クランクケース室 → エアー
※隣のクランク室 → 混合気。(隣のピストンは下がり工程で混合気を正圧で圧送している)

・ピストン上 : ピストンが吸入孔を過ぎるまではクランク室とつながっているので圧縮圧が抜ける。
※クランクケース室へ → 圧縮中の混合気
※隣のクランク室へ → ピストンは下がり工程でピストン下のクランク室は正圧 → それほど圧縮は抜けない。

ピストンが下がるとき

・ピストン下 : ピストンの上へ圧送する混合気が外へ抜ける。圧送圧が下がる。
※クランクケース室へ → 圧送している混合気。
※隣のクランク室へ → 圧送している混合気(隣ピストンは上がり工程でクランク室は負圧になっている)

・ピストン上 : 排気工程なのであまり関係なし。

この中でセンターシール損傷が原因で出てくる不具合は

ピストンが下がるときのピストン上への混合気圧送が弱くなる → 吸い込んだ混合気が他へ抜けて薄くなる。
これが「一次圧縮が抜ける」と説明されているものです。
混合気が薄いので爆発が弱くなります。

b.センターシールのチェック

●チェック方法

いろいろなサイトで説明されています。

①右チャンバーと左プラグを外す。(シリンダーやピストンを外す必要はありません。)
②左クランク室(後エンジン)にガソリンを入れる。
③センターシール損傷なら右クランク室にガソリンが入ってくる。
④また、キックをすると右シリンダーの排気孔からガソリンが飛び出す。

〇右チャンバーは必ず外す

・排気孔はプラグ孔よりクランク室に近いので、シリンダーに送られたガソリンはまず排気孔から出ます。
   プラグを外しただけだとチャンバーの中にガソリンが溜まります。

・左チャンバーを外す必要はありません。
   左シリンダーはクランク室の上にあるので
   マニホールドオープンでキックをしてもシリンダーにガソリンは送られません。
   だから、排気口にガソリンが流れ込むこともありません。
   ただし、左チャンバーを外さない場合は「圧抜き」のために左プラグを外してください。

〇右プラグは外す必要はありません

・外しても別に問題はありません。ガソリンがプラグ孔からも出てくるだけです。

・もちろんプラグを付けたままの場合は安全のためにプラグキャップを外してください。

〇マニホールドを塞ぐ必要はありません。

・クランク室に入っているのは圧縮性のある混合気ではなく圧縮性のない液体のガソリンです。
   マニホールドを塞がなくても下がってくるピストンに押されてシリンダーに送られまず。
   もっとも「ウエスを詰めたくらい」では気密性を保てないので何の効果もありません。

〇左クランク室にガソリンを入れる理由

・右エンジンと左エンジンのクランク室は水平位置にありますが、
   右シリンダーはクランク室の下部にあり、左シリンダーはクランク室の上部にあります。
   そのため、右クランク室に入ったガソリンは右シリンダーの排気孔から簡単に出てきますが、
   左クランク室に入ったガソリンは左シリンダーの排気孔から簡単には出てきません。

・センターシール損傷の場合ガソリンを右に入れても左に入れても隣のクランク室にガソリンが流れ込みます。
   しかし、右に入れるとキックした場合ガソリンが右シリンダーの排気孔から流れ出てしまいます。
   さらに、右クランク室から左クランク室に流れ込んだガソリンが左シリンダーの排気孔から出てこないので
   左クランク室に流れ込んだかどうかが分からずセンターシール損傷の有無が分かりません。

   これに対し、左に入れると左クランク室のガソリンは左シリンダーの排気孔から流れ出ません。
   そして、左クランク室から右クランク室に流れ込んだガソリンは右シリンダーの排気孔から簡単に出てくるので
   センターシール損傷の有無が分かります。

・なお、左クランク室のガソリンはキックだけでは左シリンダーに送られず左排気孔から出てきません。
   シリンダーを外さない場合は、ホースで吸い取ったあと蒸発させなければなりません。

〇「50:50の混合油」を入れる必要はない

・多くのサイトでこう説明されています。多分「ベアリングの潤滑不足」を心配するからでしょう。

・しかし、一度目に500㏄、確認のために500㏄、驚いてもう一度、「そんなはずはない」ともう一度。
   50:50なら1ℓのエンジンオイル缶が空になります。
   もったいないし、いちいち作るのも面倒なので。生ガソリンで大丈夫です。
   ベアリングが心配なら最後の最後に濃いめの混合油を使えば良いでしょう。

   もっとも、「センターシール抜け」ならエンジンOHで「ペアリングも交換」ですから
   ベアリングを心配する必要はありません。

●チェックの実際

〇クランクケース左側から勢いよく漏れる

左にガソリンを500㏄入れたら、すぐにクランクケース左側から漏れてきました。
追加で500㏄入れてもすぐに漏れ出て左クランク室にガソリンが溜まりません。

漏れ出ている場所はジェネレーター付近。
ここから漏れるのは「左クランクオイルシールか左ベアリングの損傷」。
写真を撮ろうとするときには全部漏れ出てしまう程度だから損傷は大きいでしょう。
NSRはクランク左右のオイルシールを外から交換できません。クランクケースを割る必要があります。

〇右クランク室はすぐに床上浸水

左からの漏れを少なくするために車体を立て、左クランク室へ一気にガソリンを入れる。。
左マニホールドの上部までガソリン面が上がってくる。
そして、「スー」とガソリン面が下がっていく。
同時に右マニホールドにガソリン面が上がってくる。
これではセンターシールなど「ないのと同じ」。

右排気孔からはガソリンが漏れ出ている。
キックをしてピストンを動かすと右排気孔から「バシャッ、バシャッ」とガソリン。
プラグ孔からは「ビシュッ、ビシュッ」。

完全にセンターシールが損傷しています。
シール付きセンターベアリングの部品供給はありませんから、自分で修理することはできません。
井上ボーリングでの 20万円~30万円 の エンジンオーバーホール となります。 → こちら・井上ボーリング

それにしても、あれだけ好調に走っていたのにセンターシールと左オイルシールの損傷。
狐につままれたようで信じられません。
しかし、これが「センターシール抜け」の実際です。
試乗しただけでは絶対に分からないでしょう。
そう言えば、フルオープンで元気に走り回っていたRMX②も左クランクベアリングが何個かなくなっていました。
※こちら

なお、センターシール抜けのチェックはキャブレターを外さないでもできるはずです。
要は左クランク室にガソリンを入れればよいだけです。

例えば、
右チャンバーと左プラグを外す。
エアクリーナーボックスのフタを取り、アクセルを開けスロットルバルブを上げて左側にガソリンを入れる。
リードバルブが閉じているのでガソリンは左クランク室に入っていかない。
キックをして左クランク室を負圧にしてガソリンを入れる。
ガソリンが入っていかなければ左プラグをはめ機密性を高めてキックする。
ガソリンが入ったら、(左プラグを外して)キック。
右排気孔からガソリンが出てきたらセンターシール抜け。

または、
左右のチャンバーと左プラグを外す。
左排気孔をウエスでふさいで、左プラグ孔からガソリンを入れる。
ガソリンは左シリンダーの吸気孔から左クランク室に入る。
キックをして右排気孔からガソリンが出てきたらセンターシール抜け。

後の方はタンクを外したりキックでガソリンを送ったりする必要がないので簡単です。
しかし、実際にやっていないのでできるかどうか分かりません。
NSRのキャブレターは外すのに手間がかかるので「外さないでやる方法」を考えただけです。

「センターシール抜けが NSR の持病」ということは周知の事実です。
そして、「センターシール抜け」でも元気に走ります。
NSRを手放そうとする者は「このチェック」を「手放す者の責任として」やっておくべきでしょう。
このチェックをしないで『元気に走っていますが、ノークレーム、ノーリターン』では無責任でしょう。
センターシール抜けなら「+30万円」はかかりますから。

c.「片肺 → 復活 → また片肺」の原因は不明

センターシール損傷なら両方のシリンダーに不具合が生じるはずです。
今回の不具合は前シリンダーだけ。
センターシール損傷は片肺の原因でないような気がします。

また、シール損傷なら「しばらく休むと復活」ということはありません。

本当の原因を知るためにはセンターシールを直してから色々検証しなければなりません。
しかし、センターシール修理に費用がかかるのでこれで終了。
結局、今回の不具合の原因は「不明」ということになりました。

ただ、今までの状況から推測すると原因は
「キャブレターソレノイド ~ 右キャブレターの詰まり」か「右エアクリーナーダクトの取り付け不良」。
同じような症状で困っている方は参考にしてください。

●2023.05.28追記

このMC21は井上ボーリングでセンターシール ( ラビリ ) 装着後、
吸気系の「エア通し」をしてエアクリーナーダクトを新品にしました。
その後、片肺状態は全く生じていません。
「センターシール抜け」でなければ、「吸気系の詰まり」と「エアダクト劣化・硬化」が原因かもしれません。
キャブレターのエアスクリュー戻しを左右同じにすることも必要です。 → こちら

d.別れは突然やって来る

形あるものには「終わり」があります。
そして、その「別れ」は突然やって来ます。
しかし、後から考えると「その前触れ」があります。

年配者なら「ケガ か 病気」。
そこから快復し元気になるのだけど、じきに「終わり」がやって来る。
本人と回りにそれとなく「別れ」を知らせているのかも知れません。

NSRの「前触れ」は「PGM故障」だったのでしょう。
PGMを修理し元気一杯に戻ったと思いましたが、
その時からセンターシール損傷が確実に進行していたのでしょう。

結局「バーハンドルで尾鷲・熊野の峠を思いっきり走らせる」ことはかないませんでした。
しかし、この一年間 バーハンドル化,PGM修理,スプロケット変更,ステアリングダンパー,テスト走行と
最後に楽しい想い出を作ることができました。

もっとも、NSRは人間ではなく機械ですから井上ボーリングに持ち込めばエンジンOHで生き返ります。
しかし、「長男の放置バイクを自主管理」にこれ以上の費用と時間をかける気は起こりません。
私のお世話もここまで、これからは「完全放置」となります。

私は70歳を超えましたが、まだ「それらしき前触れ」がありません。
しかし、そう遠くない日に「自分との別れ」が突然やって来るでしょう。
それまでの限られた時間をメインのモタードに使うことにしました。

RMX② (手前の17インチ)
『やっと戻ってきましたネ。予備車両が2台、予備エンジンが2機。最後の最後まで付き合えますよ!』

まあ、RMXのエンジンは自分でOHできるからネ。
しかし…、予備車両は一台あれば充分だなぁ…。そろそろ…。

RMX③ (一番奥)
『えっ?ボクのこと?』

★★NSRは井上ボーリングでラビリ装着をして生き返っています。 → こちら

選任のための法律知識・

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電動トライクです。
シニアカーの代わりに。
孫には こちら

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