●NSR250にNHKステアリングダンパーを取り付ける

nsr250 nhkステアリングダンパー倒立取り付け
選任のための法律知識・



NSRをバーハンドルにしてライディングポジションが変わったためか、
100㎞/h以上の公道でフロントが不安定になります。
「ステアリングダンパーを試そうか…。」と常々思っていましたが、
NSRはメインウエポンでないのでなかなか踏み切れません。
偶然、Yahooオークションで程度のよいものを見つけたので「渡りに舟」と入手しました。

1.正立・部品不足で取り付け

a.正立と倒立、 ODM3000 と ODM2000

入手したのは「ほぼ未使用」のNHKステアリングダンパー/ODM3000 → こちら
型番の刻印はありません。ストローク量から判断。

ステーは正立用。
・a/ロッド,b/シリンダー,c/ダイヤル,
・e/シリンダーホルダー(ダンパーホルダー),f/ロッドエンド
・d/フォークブラケット(ダンパーステー),

落札価格 20500円+送料 657円= 21157円
新品価格が 正立取り付けセットで28500円(カタログ正価)だから「妥当な値段」でしょう。

ただし、取り付け部品が不足しています。
fのロッドエンドは直接フレームに取り付けるのではなく、
フレームに取り付けたボルトに取り付けます。
ハンドルを左に切った場合、シリンダーが外側に動きやすく(逃げやすく)するためでしょうか?
そのフレーム取り付けボルトが不足しています。 → こちら

また、d(フォークブラケット) に a(ロッド)を取り付ける場合は
アルミカラー( こちら)とキャップボルト用の小さいスプリングワッシャ( こちら)が必要です。
アルミカラーがないとピローボールが自由に動きません。
※倒立取付の場合を参照 → こちら

こういう点が中古入手の落とし穴です。
「ステアリングダンパーがほぼ未使用」でも「取付ステーが全て揃っている」わけではありません。
ステアリングダンパーの取付が始めてなので、オークション写真を見ても気付かなかったのです。

もっとも、当初はフレーム取付ボルトが含まれていなかったのかもしれません。
何らかの不具合が出て、あとから追加したとも考えられます。

以下ではフレーム取付ボルトを介さず、fロッドエンドをそのままフレームに取り付けました。
これでもシリンダーが外へ動きますが、使ってみたら不具合が出るかもしれません。
次頁ではデンデンボルトとロッドエンドジョイントを代替品として使ってみました。

●NSR250に適合するのは ゴールドの ODM3000 と ガンメタの ODM2000
・ ODM3000 → シリンダー長/218 ㎜,ストローク量/130 ㎜
・ ODM2000 → シリンダー長/201 ㎜,ストローク量/119 ㎜


●各々に正立用 ( ダイヤル後方 ) と倒立用 ( ダイヤル前方 ) の二種類があります。

正立用も倒立用もステアリングダンパー本体は同じです。
付属の取り付けステーが異なるだけです。
正立はシリンダーをフレームに取り付けてロッドをフォークに取り付ける。
その結果、調整ダイヤルが後方になる。
倒立はロッドをフレームに取り付けてシリンダーをフォークに取り付ける。
その結果、調整ダイヤルが前方になる。
ステーは ODM3000 と ODM2000 共通。

・正立用取り付けステー → 12142N → こちら
・倒立用取り付けステー → 14132N → こちら
・ODM3000 +正立用取り付けステー → 20-16-142 → こちら
・ODM3000 +倒立用取り付けステー → 20-16-132 → こちら
・ODM2000 +正立用取り付けステー → 20-14-142 → こちら
・ODM2000 +倒立用取り付けステー → 20-14-132 → こちら
※Webike以外で、いろいろ値段を比べたい方は → こちら
※商品リンクの間違いについては責任を負いません。品番を必ず確認してください。 → こちら

取り付けステーは多くのネットショップで売られていますが、
すべて「取り寄せ」or「入荷時期要確認」です。
いかに人気のあるNSR250でも30年前の旧車です。
RCエンジニアリングがNSR用の取り付けステーを再生産することはないでしょう。
つまり、取り付けステーは「在庫限り」であとは入手できなくるということです。
NSRに乗り続けるのなら、正立取り付けステー,倒立取り付けステーともに
入手できるうちに入手しておくべきでしょう。

b.取り付け

ポイントは
①フォーク回転面とロッド運動方向が同じであること。
②「ハンドル右一杯~左一杯」でストロークが余ること。
③ワイヤーやハーネスと干渉しないこと
④ロッド移動量が「ハンドル中央~右一杯」と「ハンドル中央~左一杯」で同じになること。

①フォーク回転面とロッド運動方向が同じ

横から見て、ダンパーのロッドがフォークと直角になるようにダンパーステーを取り付ければOK。

フォーク回転面上にロッドの運動方向があるので、
フォーク ( ステアリング ) の動きがダイレクトにロッドに伝わります。

ダンパーホルダーを取り付け、ロッドエンドでシリンダーをフレームに取り付けてから
フォークの方のダンパーステーの上下位置を調整。

②「ハンドル右一杯~左一杯」でストロークが余る

ダンパーステーの回転量を調整。

ダンパーステーのロッド取り付け部が外側になればなるほど、
ステアリングステムからの距離が大きくなり回転軌跡 ( 回転量 ) が大きくなる。
その結果、ダンパーのストローク量がたくさん必要になる。

逆に、ダンパーステーのロッド取り付け部が内側になればなるほど、
ステアリングステムからの距離が小さくなり回転軌跡 ( 回転量 ) が小さくなる。
その結果、ダンパーのストローク量は少なくて済む。

ストローク量を少し残してストロークのほとんど全部を使い切るようにする。
上の画像は「ハンドル中央」の状態。
このときに「フォーク真横の外側から60度くらい内側」にセット。

③ワイヤーやハーネスと干渉しない

ハンドルを左一杯に切ってもハーネスを挟まないようにする。
ロッドエンド ( フレーム取り付けボルト ) の長さで調整。
ダンパーステーの位置も関係してくるのでこちらも調整。

上の状態では、ロッドエンドのボルト長残り=14 ㎜ ( フレーム面~ピローボール中心=30 ㎜ )

④ロッド移動量が「ハンドル中央~右一杯」と「ハンドル中央~左一杯」で同じ

ダンパーホルダーの位置を調整して、
「ハンドル右一杯」と「ハンドル左一杯」の場合のロッドの出ている量を同じにする。

上の画像は「ハンドル左一杯」の状態。
これでロッドの出ている量は6 ㎜程度。

「ハンドル右一杯」では、

ロッドの出ている量は6 ㎜程度で同じ。
このときの「ダンパーホルダー~シリンダー後端」=58 ㎜。

しかし、「ハンドル中央」では、

ロッドの出ている量は
フォーク側=60 ㎜、ダイヤル側=70 ㎜程度 で同じではありません。

しかし、「ハンドル中央」から「右へ切る場合」と「左へ切る場合」では
「ステアリングステム~ロッド先端」の長さは同じなので、
ステアリング(フォーク)からダンパーへの入力(モーメント)は変わらない。
だから、ダンパー力(減衰力)は同じになる。
※厳密には「押し」と「引き」で異なる。

結局、「ハンドル中央」のときに「ストロークの中央」にある必要はありません。
それよりも、「右へ一杯」のときのストローク残と
「左へ一杯」のストローク残を同じにすることを優先させた方がよいでしょう。

なお、ステアリングダンパー本体は取り付けの両側にピローボールがあるので
「カタ、カタ」と上下に動きます。
ステアリングダンパー本体が上下に軽く動かなければ、取付に無理があります。
この場合はロッドがスムーズに動かないので、所定の減衰力が得られないだけでなく、
ステアリングダンパーに負担がかかって故障することになります。

また、ピローボール部分の締めつけトルクは「200㎏・㎝」程度です。
締め付け過ぎに要注意。 → こちら

c.正立取り付けの問題点

正立取り付けの利点は
・ロッドが後に突き出すのでそのスペースを考える必要がなく、取り付けが簡単。
・ロッドの運動方向がフォーク回転面 ( ステアリング回転面 ) 上にあるので反応がダイレクト。

欠点はただ一つ。
・ロッドが外側へ突き出す。

どのくらい突き出すかというと、

「ハンドル中央」でこの程度。
ロッドの後端 ( ダイヤル ) は膝頭の前 60 ㎜くらいにあるので
ロッドが膝頭に当たることはありません。

それでは、ハンドルを左に切ればロッドが突き出してくるので膝頭に当たるのでは?

心配ご無用、当たりません。

ハンドルを左に切ると、
ロッドの先端がフレームに近づき、ステアリングダンパー本体が外側に振られます。
そのため、ロッドが後に突き出しても、外側に逃げるので膝頭に当たることはありません。

なお、初めに述べたように部品が不足していたので
f(ロッドエンド ) を直接フレームに取り付けてあります。
正しくはf(ロッドエンド ) はシリンダーと平行になり、フレーム取り付けボルトに取り付けます。
これは、ロッドエンドの回転部 ( ピローボール部 ) とフレーム取り付け部を横に離すことによって、
ハンドルを左に切った場合に、シリンダーがスムーズに外へ回転するための工夫でしょう。

このように、正立取付ではロッドが後に突き出しますが膝に当たることはありません。
問題は「後に突き出すこと」ではなく「横に出っ張ること」。

ロッド後端 ( ダイヤル部分 ) が フレームから横に出っ張る量は、
・「ハンドル中央」で 125 ㎜。
・「ハンドル左一杯」で180 ㎜。

そのため、左側にこかしたらロッドが「100%」曲がります。
一回の軽い転倒で2万円の NHK・ODM3000 は使用不能になります。
もちろん、ロッドが曲がればハンドルロックになりますから、
ステアリングダンパーを外すための「5Mヘキサ(対辺長5 ㎜)」の携行が必須です。

「5Mヘキサの携行」は問題ありませんが、転倒で2万円が消えてしまうのは大問題。
やはり、他のたくさんのサイトが勧めるように「倒立取り付け」がよいようです。

倒立取り付けの問題点は
「ロッドが前に突き出すのでそのスペースを確保しなければならない」こと。
多くのサイトではそのスペースを確保するために、
ステアリングダンパーをフォークに直角に取り付けていません。
※倒立取付キットの説明書通り「ナックルガードに水平に取り付け」。
ステアリングダンパーとフォークが直角でなければ、
ロッド ( シリンダー ) の運動方向がステアリング回転面と一致せず入力が直接的でなくなります。
素人考えかもしれませんが、「フォークに直角にして」取り付けたいのです。

しかし、実際に倒立で取り付けてみると「難なく」フォークと直角にできました。 → こちら
もちろん、横へロッドが突き出すことはありません。
シリンダーとロッドはフロントカウル ( ナックルガード部 ) の内側に収まります。

倒立と正立の違いは
倒立が「細いロッドを固定して、大きくて重いシリンダーを動かす」のに対し、。
正立が「大きくて重いシリンダーを固定して、細いロッドを動かす」こと。
普通に考えたら正立の方が自然です。自然なら動きが滑らかなはずです。
しかし、どれだけ「動きが滑らか」でも「こかしたら2万円」ではたまったものではありません。
レーサーのように極限の走りを行わない限り「倒立取り付け」をお勧めします。

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