FJ1200-4CC 整備資料



 2014.03.01 FJ キャブレター清掃- Oリングは安い「ミクニ純正」か「汎用品」





ヤマハの純正部品でOリングだけを入手することばできません。セット販売になっています。
単体で入手できるものもありますが非常に高価です。
しかし、ミクニキャブレターのOリングは、ミクニから純正部品として「一個60円」で入手することができます。
入手先は Webike。FJのBS36に使われているOリングの ミクニ品番とWebikeでの商品頁を紹介しておきました。
汎用Oリングならもっと安くなります。適合する汎用Oリングも上げておきました。ただし、こちらは自己責任で。
なお、フロートバルブのOリングは絶対にミクニ純正を使ってください。
Oリングがきついとフロートバルブが傾いてオーバーフローを起こします。


なぜこんなに高いヤマハ純正部品のOリング
キャブレターのOリングは「ミクニ純正部品/1個60円」が一番よい/BS36のミクニ品番
汎用Oリングで適合サイズを探す
エアスクリューのOリング/機密性が少し心配な14円の汎用
エアスクリュー穴のキャップ/純正1個440円は高すぎる
燃料コネクタOリング/1個19円の汎用で充分
フロートバルブのOリング/絶対に1個60円のミクニ純正
燃料ホース/純正が一番
スロージェット取り外しと適合するドライバーの巾
メインジェットは四種類
その他/エアクリーナージョイント・モノタロウ


      
0. なぜこんなに高いヤマハ純正部品のOリング

FJは吹け上がり,低・中・高回転,回転の落ち,アイドリング,始動性とも問題ありません。
今まで、キャブレター点検・清掃の必要性を感じていませんでした。

しかし、燃料ポンプコントロールリレーを探しているときに、キャブレターに燃料のにじみを発見。
RMX や NSR と違い、FJ のキャブレターはいままで一度も分解していません。

『ちょっと、中を見てみるか…。』

古いキャブレターを開けると、ガスケットやOリングを交換しなければなりません。

これが相当な出費となります。

ヤマハは純正部品で「エアスクリューのOリング」や「ニードルバルブのOリング」を単品販売していません。

・エアスクリューの小さなOリングを新しくしようとすると、「エアスクリューセット/2342円」を購入しなければならず、2342円×4=9368円。
・ニードルバルブの平凡なOリングを新しくしようとすると、「ニードルバルブセット/3791円」を購入しなければならず、3791円×4=15164円。
・燃料コネクタのOリングは なんと一個 420円! 全部で16個必要だから、合計6720円。

結局、キャブレターのOリングを純正部品で全部交換すると、31252円かかることになります。
あの、ゴムリング 24個で3万円を越えるのです。

これは、「オートバイの税金を1.5倍にすること」よりも、もっともっとメチャクチャな話です。

そこで、今回は安い市販Oリングの中から使えるものを探してみました。


1.入手したヤマハ純正部品


  今回入手した ヤマハ純正部品です。

  Oリングを必要個数だけを購入していません。
  現物を一個購入し、
  そのサイズを計測して市販Oリングを入手するからです。

  値段が高くなったのは
  エアクリーナーとキャブレターのジョイントがあるから。
  こんなゴムパイプ一個が 3245円!


番号  パーツリスト部品番号(現在の部品番号) 部品名称 単価/円 入手数/使用数 合計(円)
a 3XW-14984-00  ガスケツト,フロ-トチヤンハ″ 1092 4/4 4368
b
22F-14991-00
キヤツプ 441 2/4 882
※c 822-14147-00 (  36Y-14147-00 ) Oリング(プラスチック燃料コネクタ) 420 1/4 420
36Y-14147-00  Oリング(金属燃料コネクタ) 420 1/12 420
※d
4CC-14105-00
パイロツトスクリユセツト 2342 1/4 2342
e
4G0-14142-42-A0
ジエツト,パイロツト(#425) 987 4/4 3948
f 90460-58015 ( 90450-58002 ) ホ-スクランフ゜アセンフ″リ 263 1/4 263
g-1 3XW-1440F-00  ジヨイントエア-フイルタ- 3245 1/1 3245
g-2 3XW-14453-00  ジヨイントエアクリ-ナ 1 3245 1/1 3245
g-3 3XW-14463-00  ジヨイントエアクリ-ナ 2 3245 1/1 3245
g-4 3XW-1440G-00  ジヨイントエア-フイルタ- 2 3245 1/1 3245
h 90445-125F9  ( 90445-126E7 ) ホ-ス (L300) 662 1/1 662
※ミクニ 35990664/87.5  (  TM/HSR,TMR/TDMR 用 ) メインジェット・ミクニ丸大 ( ♯87.5 ) 525 4/4 2100
※キタコ 450-3061350 メインジェット・ミクニ丸小 ( ♯135 ) 619 1/4 619
※ミクニ N133037  ( TMR28-41/TDMR40 用 ) パイロットスクリューOリング 63 4/4 252
※ミクニ KV/10  ( TMR28-41/TDMR40 用 ) ニードルバルブOリング 63 1/4 63
※ミクニ VM18/233  ( TMR28-41/TDMR40 用 ) ニードルバルブフィルター 420 1/4 420
  計 29739

※ミクニ → ミクニキャブレター純正部品 ( 追加注文のため写真にありません )
※キタコ → ミクニ純正部品では「ミクニ丸小」が品切れのためキタコを購入 ( 追加注文のため写真にはありません )
※cについて
・燃料コネクタはプラスチック製と金属製の二種類があります。
・パーツリストでは、プラスチックコネクタのOリングが  822-14147-00  、金属コネクタのOリングが  36Y-14147-00 で異なります。
・コネクタはプラスチックと金属製でOリングがはまる部分の径が異なります。
  現物サイズを調べるために一個ずつ注文しましたが、届いたのは同じもの。現在では同じ 36Y-14147-00 が使われているのです。

※dについて
・エアスクリュー(パイロットスクリュー)セットは Oリングの現物サイズを調べるために入手。
・ミクニの純正Oリングが使えます。

※フロートピンも新品に
ピンが楽に抜けなかった場合はピンが曲がっている可能性があるので、ピンを新しくした方が良いでしょう。
フロートピンの曲がりはオーバーフローの原因になります。→→→こちら
キャブレターOHのときにOリングやガスケットを入手するときにはフロートピン(104円)も付け加えておきましょ。。→→→ こちら

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2.キャブレターのOリングは ミクニ純正部品を入手するのが一番よい


この方法はいろいろなFJサイトで紹介されています。

FJのキャブレターは ミクニの BS36 。

『 ミクニのキャブレター部品だからミクニ正規代理店から入手できる。 』と言うのです。

ミクニ内での品番は→→→ こちら と こちら(ミクニTMRキャブレターパーツリスト) or こちら でで捜してください。

FJ1200 / ミクニ BS36 のOリングの品番は、
・エアスクリューのOリング → O-Ring : Pilot  Mixture  Screw / N133037
・エアスクリューのワッシャ → Washer : Pilot  Screw / VM12/33
・エアスクリューのスプリング → Spring : Pilot  Screw / N133206
・燃料コネクタのOリング →  O-Ring : Fuel  Pipe / 616-23002
・ニードルバルブ(フロートバルブ)のOリング → O-Ring : Float  Valve  Assembly / KV/10
・ニードルバルブ(フロートバルブ)の先に付いているフィルター → Filter : Float  Valve  Assembly / MRT-VM18/233
・フロートピン → VM20/315
では、これらをどこに注文すればよいのでしょう。

Webkieで購入できます。
「ミクニ」で検索して上の品番を捜してください。

※以下に各部品のリンクが貼ってありますが、購入する場合は必ずミクニ品番を確かめてください。リンク間違いがあっても当方は責任を負いません。
  なお、価格は当方が入手したときのものです。
      

エアスクリュー(パイロットスクリュー)Oリング ・N133037・63円/個 → こちら
・エアスクリュー(パイロットスクリュー)ワッシャ・VM12/33・63円/個 → こちら
・エアスクリュー(パイロットスクリュー)スプリング・N133206・158円/個 →こちら
燃料コネクタOリング・616-23002・63円/個 → こちら

ニードルバルブOリング・KV/10・63円/個 → こちら
・ニードルバルブフィルター・MRT-VM18/233・420円/個 → こちら

キャブレターの図1キャブレターの図2
・キャブレターの図はBS36と異なりますが、ミクニ品番が同じなら当然使えます。
・ミクニの純正Oリングは 63円均一だから、すべて交換しても、63円×24=1512円。
  ヤマハ純正部品の ガスケット4枚/4368円を入れても、5880円。4気筒のキャブレターで 6000円なら常識の範囲内です。

・なお、フロートピンを抜く場合に固い場合はピンが曲がっている可能性があります。
  ピンが曲がっているとオーバーフローの原因となります。→→→フロートピンの曲がりに注意
・100円くらいのものですからキャブレターOHのときはついでに注文しておいた方がよいでしょう。

フロートピン・VM20/315 → こちら
・ヨシムラニードルバルブセット・786-35003 → こちら

・ニードルバルブセットは(ミクニ・TMRキャブレターパーツリスト・№40)はリストにありませんが、「ミクニ品番/786-35003」が適合するでしょう。
  これにフィルター(MRT-VM18/233)とOリング(KV/10)が必要になりますが、合計で2200円程度、ヤマハ純正では3800円しますからこちらの方が安上がりでしょう。
  ただし、当方はこのニードルバルブセットを使ったことがありませんので、適合と品質については責任を負いません。
・736-3503には「1.0,1.2,1.6,1.8,2.0,2.3,2.5,2.8」の9種類(番手)があります。 → こちら
  この数字(番手)は多分ニードルバルブの穴径でしょう。4CCのニードルバルブ穴径は1.5㎜Φと推測できます。(1.4㎜Φのドライバーが入って1.6㎜Φのドライバーが入らない)
  だから、品番は「786-35003-15」となりますが、 この点は不確かなので純正部品を入手した方が確実です。


・左から、エアスクリューOリング、ニードルパルブOリング、ニードルバルブフィルター。

・「メーカー取り寄せ」となっていても日数はかかりません。
  バイクの純正部品と同じで 2~3日で届きます。
  ミクニキャブレターの純正部品だから当然ですね。


「 BS36の各種Oリングが、63円均一でWebikeから入手できる 」

このことを知ったのは、以下の頁に書くように「市販Oリングをいろいろと試した」あとのこと。
これらは“徒労”となりました。

皆様にお勧めするのは 、もちろん ミクニ純正のOリングです。

以下の記事は
『 あんな小さなOリングが 一個 63円だって? 高すぎない? 市販のOリングでも適合するものがあるのじゃない?』 と思う方だけ読んでください。

もちろん、以下で紹介する市販Oリングを使って生じた不都合については自己責任でお願いします。
   ★★30    
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3.市販の汎用Oリングで適合サイズを探す


市販の汎用Oリングは安いのですが、一般のホームセンターではいろいろなサイズのOリングを揃えていません。
しかし、ネットショップは別です。
今回は  monotaRO(モノタロウ) で探してみました。

まずは こちらを開いてください。
この中から、同じようなサイズのOリングを探せばよいのです。
以下に、純正部品のOリングから採寸した寸法を上げます。

     
a.エアスクリューのOリング


入手したヤマハ純正部品を測定しました。
計測素人がノギスで計測したものです。その正確性は保証しません。

・エアスクリューのシャフト径 → 3.0㎜Φ。
・ワッシャの内径 → 3.1㎜Φ( ワッシャはシャフトに楽に入る)
  
・Oリングの大きさは目視でワッシャと同じ。
・Oリングはエアスクリューのシャフトに楽に入らない。
・Oリングの計測値 →  外径 / 5.0㎜Φ、内径 / 3.0㎜Φ、線径(太さ) / 1.0㎜Φ。

・ワッシャの直径方向の巾は1.0㎜より小さく、外径は5.0㎜Φ。
  Oリングより内径を0.1㎜大きくしたので、 直径方向の巾が1.0㎜より小さくなっているのでしょう。
  理屈では巾が0.95㎜になりますね。

・Oリングは「外径 / 5.0㎜、内径 / 3.0㎜、線径 / 1.0㎜ 」のものを探せばよいことになります。

※バネは 線径 0.8㎜Φ,外径 4.9㎜Φ,巻数6。 これにあうバネはモノタロウで見つかりませんでした。ミクニ純正/158円 を使うしかありません。  


このサイズのOリングは簡単に見つかりました。

・① NOK ・ 1A-SS 3.5 ・ 14円/個 → NOK 1A-SS 3.5
・② NOK ・ 4D-SS 3.5 ・ 40円/個 → NOK 4D-SS 3.5
  ※  ①と②の違いは材質。 ① は通常の NBR(ニトリルゴム)、 ② は FKM(フッ素ゴム)
  ※フッ素ゴムは、「合成ゴム材料の中で最も優れた耐熱性、耐油性、耐燃料油性を有している」(モノタロウ頁より)

  実物でも写真でも材質の違いは分かりません。
  しかし、サイズを写真で見ると、「純正Oリングの 内径が小さく、線径が太い 」ようです。

  そこで、この三つのOリングをスクリューに通してみました。 先端から、①,純正,②の順です。

  通した感覚は純正が①②より少し抵抗があります。
  純正Oリングは、スクリューのシャフト径 3.0㎜Φより少し小さいのでしょうか?

  エアスクリューの気密性を気にするのなら、63円/個の純正を使った方がよいでしょう。
・①  → 14円×1.05×4個=59円
・② → 40円×1.05×4個=168円
・純正 → 63円×4個=252円

  ①二トリルゴム,②フッ素ゴムでは大抵の方が②を選ぶでしょう。
  そうすると、純正Oリングを使った場合との差は84円。
  あまり差はありません。
  気密性が気になるでしょうから、ミクニ純正Oリングが良いでしょう。 

  ★エアスクリューのOリングはミクニ純正をお勧め!


私も、「気密性」を気にして、ミクニ純正Oリングを使いました。

もっとも、古いOリングは センベイ状態の薄い凸形に変形し、エアスクリューの穴底に貼りついていました。
2番キャブレターのエアスクリューの穴には、センベイOリングさえ残っていませんでした。

こんな状態だから、エアスクリューOリングの気密性は今までほとんどなかったことになります。それでもエンジンは元気でした。
だから、気密性についてそれほど神経質に考える必要はないのかもしれません。

「 一個 14円のOリングをこまめに交換する 」 でどうでしょうか?

★ミクニ純正が高いと思うなら → ①NOK 1A-SS 3.5・ 18円/個  をこまめに交換する。

なお、Oリング,ワッシャ,スプリングは、スクリュー先端から、「 Oリング→ワッシャ→スプリング 」の順。
当たり前のことですが、案外 『 そうだったよなぁ…。』 と心配になります。歳のせいでしょうか?

      
b.エアスクリュー穴のキャップ


ついでにモノタロウで、このキャップも探してみました。

このキャップは「ゴミがはいらないようにしている」だけのものではないようです。
どこかのサイトで 「このキャップを付けたら始動性が向上した 」 と書いてありました。
エアスクリューのOリングと同じく、エアを吸わないようにしているのでしょうか?

  このキャップが純正部品で一個 441円。
  これはミクニからキャブレター部品として出ていないようです。

  左が純正キャップの寸法。
  要するに6.2㎜の穴に栓ができればよい。


形の同じものは見つかりませんでしたが、代わりになるようなものは見つかりました。

・③ 栃木屋 ・ プラグクッションゴム TM-96-7 ・ 15円/個 → 栃木屋 TM-96-7
・④ 栃木屋 ・ プラグクッションゴム TM-96-10 ・ 17円/個→→→こちら

  ③ は 穴径 5.4㎜Φ用のプラグで、B/首径 5㎜Φ
  ④ は 穴径 6.6㎜Φ用のプラグで、B/首径 6㎜Φ
  実際のフィット感を知るために両方入手。

・③ を穴にいれると外観はピッタリ。
  写真の左側が純正プラグ、右側が③の首径5㎜Φプラグ。

  しかし、③プラグは指の腹で横から押すと、簡単に外れてしまいます。
  もっとも、純正プラグもそんなに堅くはまっているわけではありません。指の腹で横から押すと外れます。

  純正プラグでも、古くなって硬化しリブが縮んだものば簡単に外れます。
  ③ プラグの装着力は古くなった純正プラグのそれと同じくらいです。
  ③プラグを使っても振動で外れることはないでしょうが、心配ならゴム系接着剤(セメダインスーパーX)塗ればよいでしょう。

・④の首径 6㎜Φのプラグは穴に入りません。
  エアスクリューの穴ば 6.2㎜Φ、④プラグは穴径6.6㎜Φ用。
  きつめで入るかと思っていましたが、まったく入りません。

  首径が 6㎜Φだから、傘の部分を切り取れば何とかなるかな?
  ところが、中空になっているのでうまく切り取ることができません。
  もし、うまく切り取って穴にはまるようになっても、
  強度が不足して気密性が期待できません。
  だから、こちらはNG。
  ただし、栃木屋 TM-96-9 がラインアップされているので、こちらが適合するかもしれません。(2020.02.02)

・結局、③栃木屋 ・ プラグクッションゴム TM-96-7 ・ 15円/個 を、
  『振動で外れるのではないかな?』と心配しながら使うか、一個441円の純正プラグを安心して使うか。
  その差は、441円×4個-15円×1.05×4個=1701円

  これはチョット迷いますが、ヤマハ純正プラグで安心を買いましょう。


  ★『 高っいなぁ~!』 と 独り言をいいながら 新品の純正プラグ にする。

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c.燃料コネクタのOリング


この部品については、ちょっと戸惑います。
パーツリストのイラストが間違っているからです。

「 燃料コネクタ 」 というのは私が勝手につけた名前です。
パーツリストでは、「 ニップル 」 ・ 「 スタータコネクティングパイプ 」 という名前が付いています。

要するにキャブレターとキャブレターを連結するパイプです。

・1番と 2番、3番と4番の間に二個、2番と3番の間に一個あります。

・キャブレターは後ろ ( エアクリーナー側 ) から見ています。

・今度はキャブレターを前(シリンダー側)から見ています。
  写真の右端から1番,2番,3番,4番となります。

・1番と2番、3番と4番の間のコネクタは写真の二個です。

・2番と3番の間のコネクタは写真の一個です。

・燃料は2番と3番の間のコネクタより 2番と3番に入り、
  3番→4番、2番→1番 と送られます。
  

・a-1 と a-2 は金属製、b はプラスチック製です。
・a-1 と a-2 にはOリングが 四個ずつ、bには二個ずつはまっています。
  このOリングが ヤマハ純正で 一個 420円もするのです。

・パーツリストのイラストでは、
  1番と2番の間に a-1 と b、3番と4番の間にも a-1 と b。そして、 2番と3番の間にコネクタはありません。
・サービスマニュアル P5-2 最下段の写真もそうなっています。

・また、a-2 はパーツリストのイラストに載っていません。
  サービスマニュアル P5-5 最下段の写真にも写っていません。
・しかし、サービスマニュアル P4-3/2枚目の写真、P5-7/4枚目の写真では  a-1 が 2番と3番の間にはまっています。

1番と2番の間にa-1、3番と4番の間にa-1。
ということは、燃料を1番・2番と3番・4番に別々に流入させることになります。

それなら、燃料チューブは二本になります。
パーツリストのイラストには キャブレターへの燃料チューブが二本あります。
当初のFJはそのようになっていたのでしょう。


さてさて、Oリングのサイズです。
パーツリストでは「 a-1,a-2,b とも同じOリング」です。

まず、コネクタの寸法を計測してみました。

まず、 2番と3番の間にあるコネクタ ( a-1 ) 。※写真のキャブレターは 2番。

・穴径 : 9.4㎜Φ(他のコネクタ ( a-2 , b ) の穴と同じ
  →コネクタにOリングをはめたときに 外径が9.5㎜Φ以上。

・古いOリングをはめた外径は 9.5㎜Φ。
  → 穴に入れると「ゆるい・すこしゆるい」→ 「ものたらない」。

・新しい純正Oリングをはめた外径は 9.9㎜Φ。
  →穴に入れるときに 「グイッ」という感じ
  →Oリングは二段構えだから「なかなかよい」

・Oリングがはまるところは 6.7㎜Φ  → Oリング内径は 6.7㎜Φ以下。


次に、1番と2番、3番と4番の間にあるコネクタ ( a-2 )。※写真のキャブレターは2番。

・コネクタの入る穴径は a-1コネクタの穴と同じ 9.4㎜Φ。

・Oリングのはまる部分が a-1コネクタより細くなっているので、
  Oリングをはめたときの外径も a-1 より 0.1㎜ほど小さい。
  その分、穴にいれるときの感覚は 「ゆるい」はずだが、
  そんなに変わらない。

・古いOリングでは 「 ゆるい ・ 少しゆるい 」→の「ものたりない」。
・新しい純正Oリングでは 「グッ 」。

・Oリングはやせてくるから、最初は 「 グ~ッ 」 ぐらいがベスト。


最後に、プラスチックコネクタ ( b )。
これも 1番と2番,3番と4番の間についています。

・Oリングのはまる部分が、a-1コネクタより 0.3㎜も細い。→ 新しいOリングをはめたときの外径も 0.2㎜小さい。

・入れる穴径は同じだから、「 a-1 コネクタや  a-2 コネクタよりゆるくなる」のはあたりまえ。
  →パーツリストで 「 Oリングが異なっていた」のに納得。

・古いOリングをつけて入れると 「スコスコ 」。
・新しい純正 Oリングでは 軽く「ウン」程度で 「少し心配」。

・a-1 コネクタほど機密性が必要ない部分なのでしょうか?
  材質もプラスチックだし…。


最後は、一個 420円 の 純正部品Oリングの寸法です。

・内径 6.4㎜Φ → 一番細い bコネクタに合わせている。
・外径 9.7㎜、線径(太さ) 1.7㎜。

  計算が合いません。
  外径9.7㎜ ・ 線径1.7㎜なら、内径は6.3㎜。
  内径6.4㎜ ・ 線型 1.7㎜なら、外径は9.8㎜。
  これは、内径 ・ 線径 ・ 外径 の測定誤差が積み重なったもの。 ゴム部品の測定は誤差が多いのです。

・古いOリングは、
  外径9.4㎜~9.5㎜Φ、内径6.3~6.4㎜Φ、
  線径は タテ方向が1.7㎜~1.8㎜Φ、直径方向が1.4㎜Φ程度で変形。
  ヘタレ感一杯。 
  


以上を総合してモノタロウで探してみました。

候補は、


・⑤ NOK ・ ISO-A-0063 G ・ 19円/個→→→ NOK ISO A 0063 G

・内径 6.3㎜Φ ・ 線径 1.8㎜Φ で外径は 9.9㎜Φになります。
・内径 6.3㎜Φ だから b コネクタにしっかりはまります。
・外径が純正より 0.2㎜ 大きくなり、穴にしっかりはまります。
・材質は普通のNBR(ニトリルゴム)でフッ素ではありませんが、純正もフッ素ではないでしょう。

⑥ NOK ・ ISO-A-0060 G ・ 19円/個→→→ NOK ISO A 0060 G

・⑤ の 1size 小さい Oリングです。
・内径 6.0㎜Φ ・ 線径 1.8㎜Φ で 外径は 9.6㎜Φ になります。
・純正より外径が小さくなりますが、内径が純正より小さいのでコネクタにはめた場合の外径がとうなるのか不明です。

・⑦ NOK ・ 4DP6 ・ 24円/個→→→ NOK 4DP6

・素材はフッ素ゴム。
・内径 5.8㎜Φ・ 線径1.9㎜Φで外径が9.6㎜Φになります。
・内径が小さいのが問題ですがフッ素ゴムだから、試してみる価値はあります。


以上の ⑤ ・ ⑥ ・ ⑦を入手して、純正Oリングと比較してみました。

純正Oリング  内径/6.4㎜Φ,線径/1.7㎜Φ,外径/9.7㎜Φ,材質/不明,単価/63円 ( 純正部品単価/420円 ) 
コネクタ ミゾ径 装着外径 穴径 フィット感
金属 T 6.7㎜Φ 9.9㎜Φ 9.4㎜Φ 入れるとき「グイッ」。二段構えでなかなかいい感じ。
金属- 6.5㎜Φ 9.8㎜Φ 9.4㎜Φ 入れるとき「グッ」、金属Tとあまり変わらない。
プラ T 6.4㎜Φ 9.7㎜Φ 9.4㎜Φ ミゾにはまったOリングは動かない。入れるとき、軽く「ウン」。これで大丈夫? 少し心配。


⑤ NOK ・ ISO-A-0063 G     内径/6.3㎜Φ, 線径/1.8㎜Φ,外径/ 9.9㎜Φ,材質/ニトリル,単価/19円
コネクタ ミゾ径 装着外径 穴径 フィット感
金属 T 6.7㎜Φ 9.9㎜Φ+α 9.4㎜Φ 見た目にもミゾから高く盛り上がっている。きつめを予想したが、感覚は金属-コネクタと変わらない。いい感じです。
金属- 6.5㎜Φ 9.9㎜Φ 9.4㎜Φ 入れるとき「グ~ッ」、抜くときもしっかりとした抵抗。入れた状態で動くが「そう簡単には抜けないゾ!」。いい感じです。
プラ T 6.4㎜Φ 9.7㎜~9.8㎜Φ 9.4㎜Φ ミゾにはまったOリングは動かない。入れるとき少し抵抗あり。入れたあとはグラつく。純正より少しだけきついが物足りない。

※どのコネクタでも純正Oリングより、1ランクきつめ。

⑥ NOK ・ ISO-A-0060 G    内径/6.0㎜Φ, 線径/1.8㎜Φ,外径/ 9.6㎜Φ,材質/ニトリル,単価/19円
コネクタ ミゾ径 装着外径 穴径 フィット感
金属 T 6.7㎜Φ 9.9㎜Φ 9.4㎜Φ 充分しっかりしている。
金属- 6.5㎜Φ 9.7㎜Φ 9.4㎜Φ ⑤よりややゆるい。⑤の方が安心。
プラ T 6.4㎜Φ 9.6㎜~9.7㎜Φ 9.4㎜Φ ⑤と同じ感覚

※⑤よりフィット感は少し下がるが合格点。純正Oリングでもこの程度。 もっとも、⑤と材質同じ単価同じでは、このOリングを使う意味がない。


⑦NOK ・ 4DP6   内径/5.8㎜Φ, 線径/1.9㎜Φ,外径/ 9.6㎜Φ,材質/フッ素,単価/24円
コネクタ ミゾ径 装着外径 穴径 フィット感
金属 T 6.7㎜Φ 9.9㎜Φ 9.4㎜Φ 案外しっかりしている
金属- 6.5㎜Φ 9.8㎜Φ 9.4㎜Φ 充分堅くないが、しっとり感あり
プラ T 6.4㎜Φ 9.7㎜Φ 9.4㎜Φ ⑤ ⑥と同じ

※装着外径は⑤と⑥の中間だが、線径が太いのでそれだけ弾力性があり、装着感がしっとりしている。


・判定は、⑤,⑥,⑦とも純正Oリングと同等かそれ以上のフィット感。
・きつめが好みなら ⑤、しっとり感が好みなら ⑦。

・ミクニ純正Oリングを使った場合との差は、
・きつめの ⑤ → 63円×16個-19円×1.05×16個=688円。
・しっとり感のフッ素ゴム ⑦ → 63円×16個-24円×1.05×16個=604円。

もちろん、ヤマハ純正Oリング420円/個は論外です。
今回は、きつめの⑤を採用しました。

なお、次に述べますが、この⑤はニードルバルブのOリングとしても使えます。

★純正Oリングよりフィット感の良い  ⑤ NOK ISO A 0063 G・ 19円/個
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d.フロートバルブ(ニードルバルブ)のOリング


イ.フロートバルブとバルブ穴の寸法



・ 穴の内径 → ノギスで 10.0㎜Φ
  しかし外径10.0㎜Φのニードルバルブを入れると「スコスコ」
  →「10.1㎜~10.2㎜Φ」としました。

・穴は二段になっています。
・ニードルバルブの先にフィルターがついています。
・このフィルター部分が二段目の穴に入るようになっています。

・固着したOリングを外すときに
  このフィルターを変形させてしまうことがあるので要注意。
  古いOリングは細いドライバーで外そうとせずに、
  カッターで切って外しましょう。


・Oリングはどれも平らになって硬化していました。
  しかし、取り外すときばプライヤーではさんでもなかなか外れませんでした。
  硬化して伸びないのでプライヤーやドライバーでは外せないのです。

  ニードルバルブの溝には汚れが溜まっていました。
  とくに1番は緑色のガソリンヘドロがにじみ出ていました。

  こんな状態を見ると、「古いバイクを入手したら、まずキャブレターを分解 ・ 清掃だ」と痛感します。
 


・2番キャブレターのニードルバルブフィルターは潰れていました。
  そして、Oリングを外すときに外れてしまいました。

・このフィルターはすでに説明したように、 ミクニ純正で一個420円です。

・1番,3番,4番はOKなので、一個だけ入手しました。

・プラスチック留め具付きですから、パチンとはまります。



ロ.フロートバルブOリングに必要なサイズ


さて、肝心のOリングのサイズです。

燃料コネクタOリングとその穴のサイズから考えると、適合するOリングは、
・内径 → 「Oリングをはめるミゾ径」-「0.1 ~ 0.3㎜ 」=7.6㎜ -「0.1 ~ 0.3㎜」= 7.3 ~ 7.5㎜Φ
・外径 → 穴径 + 「0.3 ~ 0.4㎜」=「10.1 ~ 10.2㎜」+「0.3 ~ 0.4㎜」=10.4~10.6㎜Φ

この条件で探すと、

・⑧ NOK ・ 4DS8 ・ 49円/個 →  ※フッ素,内径7.5㎜,線径1.5㎜,外径10.5㎜→→→ NOK 4DS8

・⑨ マスオカ ・ S8 ・ 38円/個 → ※フッ素,内径7.5㎜,線型1.5㎜,外径10.5㎜→→→ マスオカ S-8
  ※⑧と同じサイズですが、公表公差(製造誤差)が⑧より良い。

・⑩ NOK ・ ISO A 0071G ・ 18円/個  → ※NBR,内径7.1㎜,線径1.8㎜,外径10.7㎜→→→ NOK ISO A 0071 G

・写真は今回入手した「⑨ のフッ素ゴム」と「⑩ の二トリルゴム」。
  ⑨は線径 1.5㎜Φ、⑩は線径 1.8㎜Φ。
  線径 0.3㎜の違いは見た目にこれだけ違うのです。。


それでは、ミクニ純正Oリング, ⑨ ,⑩ を比較してみます。

ニードルバルブOリング ( 装着ミゾ径:7.6㎜Φ  穴径:10.1㎜~10.2㎜Φ )
番号 名称 材質 内径 線径 外径 装着外径 単価 フィット感
ミクニ KV10   7.5㎜Φ 1.5㎜Φ 10.5㎜Φ 10.4㎜~10.5㎜Φ 63円 入れるとき結構きついが、それを越えるとカチンと入る。入れたらグラつく。
抜くときはプライヤーで挟んで簡単に抜ける。
指でつまんで抜くには抵抗があり、ゆらして抜かなければならない。
マスオカ S8 フッ素 7.5㎜Φ 1.5㎜Φ 10.5㎜Φ 10.4㎜Φ 38円 入れるとき抵抗あるが、それを越えるとカチンと入る。入れたらグラつく。
抜くときはプライヤーで挟んで抵抗なく「スッ」度抜ける。
ミクニ純正と同サイズ。入れる・抜くの感覚は素材の差。フッ素だから柔軟になる。
NOK ・ ISO A 0071G ニトリル 7.1㎜Φ 1.8㎜Φ 10.7㎜Φ 10.8~10.9㎜Φ 18円 入れるときしっかりと堅い。入ったら動かない、
抜くときはプライヤーで「グ~ッ」と力を込めて。
入れるときはたっぷりグリス。そうでないと 「 抜き差しならない状態」になるので注意。

・「頼りない純正と⑨」に、「きつい ⑩」。

・「きつい ⑩ 」をミゾにはめると、ミゾから高く盛り上がって、『これで入るのかな?』 と心配になる。
・入れるときは、押している親指の腹が痛くなる。
・シリコンスプレーを充分に塗らないと、少し斜めに入ると上から叩かないと入らない。
  こうなったら、プライヤでも抜けない。
  しかし、入ったらグラつくことなどなく、ガッチリはまる。
  ⑨が歯槽膿漏になりかけの歯なら、⑩は小石でもかみ砕ける頑丈歯根。

まあ、「頼りない」けど「それが純正だから」 、ミクニ純正 を使った方が無難でしょう。

ハ.フロートバルブのOリングは「頼りないくらい」がベスト


しかし、「頼りないミクニ純正」と「ガッチリはまる⑩」を比較したいので、2番にミクニの純正を、1番,3番,4番に ⑩ を使いました。
だめなら、Oリングを交換すればよいだけです。

⑩をつけたフロートバルブは、
・4番 → 指で押し込む。
・1番 →  ドライバーの柄を当てて押し込む。
・3番 → ドライバーの柄を当ててプラスチックハンマーで叩いて挿入、プライヤーで抜けない状態に。

  その後、キャブレターを組むと、3番と4番からポタポタとオーバーフロー。

  Oリングをミクニ純正に交換しようとニードルバルブを抜こうすとるが抜けない。
  最後はニードルバルブ側面に穴をあけて 「 てこの原理」 で抜きました。(左の写真)
  もちろん、使用不能。
  結局、ニードルバルブセット/3791円×2個 の追加注文となりました。

・ニードルバルブOリングについては、「 きつい 」 のはダメなようです。
  シリコンオイルやグリスをつけなくても、指で押し込んで 「カチン」 と入る。入ってからは少しグラつく。
  このくらいがベストです。

  力で押し込んだものは簡単に抜くことができません。
  叩いて入れようものなら、まっすぐに入らずオーバーフローを起こします。

ニードルバルブのOリングが少し緩くて、 もしそこからガソリンがにじみ出たとしても、 油面を何㎜も変化させる量ではないでしょう。
だから、そんなにきつめのOリングを使う必要はないのです。

それよりも、あとあとのメンテナンスでの取外し、バルブとの接合性のために緩めの方が良いのです。

今回の失敗は 「 過ぎたるは及ばざるのごとし 」 のよい例でしょう。

  ニードルバルブセットはフルセットです。

  ゴムのニードル部も、それに当たるバルブもまっさら、
  もちろん、フィルターもOリングもついています。

  これだけのセットだから、3791円もそんなに高くはないような気がします。

  フロートバルブにOリングを付けて指で押し込むと、あっけなく 「 クスン」 と入りました。
  この程度でよいのです。この程度でなければならないのです。

  オーバーフローのテストをしましたが、当たり前のようにOK。

  


結局、ニードルバルブに18円の市販Oリング ⑩ を使ったのは1番だけ。
2番はミクニOリング、3番と4番はニードルバルブセット新品交換。

 始めから、63円のミクニOリングを使っていれば、3番・4番のニードルバルブ交換をしなくてすんだかもしれません。

また一つ失敗から学びました。


ニ.燃料コネクタで お勧めOリング「 ⑤ NOK ・ ISO-A-0063 G 」 がベストフィット!


上記の「ロ.フロートバルブOリングに必要なサイズ」で説明したサイズは
・内径 /  7.3 ~ 7.5㎜Φ 
・外径 / 10.4~10.6㎜Φ

⑤ は
・内径 6.3㎜Φ ・ 線径 1.8㎜Φ
・外径 9.9㎜Φ ( 内径+線径×2)

だから、当然 ⑤ は問題外。

しかし、⑤ をフロートバルブにはめると、「 入れるときはキツイが固すぎない。入れたらグラつきが少ない 」 、純正Oリングより 1ランク上のフィット感。

⑤を ⑩ と取り違えて装着したためにこのことを発見しました。

しかし、ニードルバルブは「傾くとオーバーフローの原因になる」ので、絶対に「ミクニ純正Oリング」です。

 絶対、一個63円のミクニ純正Oリング。
★ミクニOリングが入手できないときは、緩めの ⑨マスオカ S-8/38円 か ⑤ NOK ISO A 0063 G/19円 ( 燃料コネクタOリングの残り )             


e. 「FJ1200 ・ ミクニBS36 の社外Oリングセット 」 の内容



Yahooオークションに出品したら人気が出そうですね。

・エアスクリューOリング → NOK 1A-SS 3.5 ・ 14円×4個=56円
・燃料コネクタOリング → NOK ISO A 0063 G ・ 19円×16個=304円
・ニードルバルブOリング → マスオカ S-8(フッ素)・38円×4個=152円
合計 512円 ( 消費税別 ) です。

ミクニ純正Oリングを使うと、63円×24個=1512円で、プラス千円。

今回の失敗を教訓にすれば、燃料コネクタのOリングだけを市販Oリングにするのが良いでしょう。


★参考 : FJフルパワー化/3XW・キャブレターのOH

      
4.燃料ホースについて


燃料ポンプからキャブレター ( a-1 コネクタ)) へのホースです。※写真左側が新しいもの、右側がいままでのもの。

・この部分には耐熱性 ・ 耐圧性 が要求されるので、 
  ホースは二層になっておりさらに外側はメッシュで覆われています。
・入手した新しいホースは外側に補強線が入り
  その上からゴムコーティングされています。
・一見すると 「 ただの 1m ○○円 」の燃料ゴムホースのようですが
  そうではありません。
・ホース内径 5㎜Φ,外径 11.5㎜Φ,長さ 300㎜。
  これで 662円ですから、
  Oリングのように 「べらぼうに高い 」ということはありません。
  長さも以前のものより 3㎝長くなっています。

 ※耐熱燃料ホースは1m 1000円程度→→→こちらこちらこちら

   ★★31     
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5.スロージェットは「それ用のドライバー」を使って「最初の一撃」で


スロージェットを外すのに、次のどのドライバーが適切でしょうか?

スロージェット ( PJ ) の頭のマイナス部分の巾が 3.75㎜ありますから、刃先巾がこれより狭い ① と ② はダメです。

ジェット類の頭にある「マイナスミゾ」は普通のマイナスネジと違います。

材質は柔らかい真鍮、さらに頭に穴があいているのでマイナスミゾの強度がありません。
古いバイクはジェット類が固着しています。
頭のマイナスミゾにピッタリあったドライバーでないと、頭のマイナスミゾを潰してしまいます。

それでは、③と④ではどちらが適切でしょう?

・③ ドライバーの刃先巾は3.8㎜で、
  ジェット頭のマイナスミゾの巾 3.75㎜とピッタリです。

・④ ドライバーの刃先巾は5.0㎜で、
  ジェットの頭のマイナス部分からはみ出してしまいます。

・適切なのは、④の方です。


・ジェットの頭巾が 3.75㎜でも、ジェットの入る穴の内径は 5.3㎜もあります。
・③ のドライバーはジェットの頭にピッタリでも、穴の中で動いてしまいます。そして、ジェットの頭からずれてしまいます。
・④ のドライバーは穴の中で動くことがないので、ジェットの頭からずれることはありません。  

・また、ドライバーは柄がしっかりとしていて、力が入りやすいものでなければなりません。
  最初の一撃で 『パキッ』 と緩めなければならないからです。
  手加減すると頭をなめてしまいます。
  普通のマイナスドライバーの先を削ってちょうど良いものを作っておきましょう。
 

スロージェットは消耗部品の部類に入りますから、 外すときに頭が潰れて再使用できなくなってもそんなに悔しいことはありません。
しかし、外れなかったら、最悪はキャブレター交換。

若いころに格闘技をやっていた年配者と同じです。
相手が素人でも、最初の一撃で倒せなければ自分がボコボコにされてしまいます。

もっともこれは失敗してから気がついたこと。

  2番と3番のPJの頭を潰してしまいました。
  それでも、外せたから良し。

  上の④ドライバーの刃先を尖らせて打ち込みやっと外れました。

  頭が潰れて短くなっています。
  これも要交換。


  上が新しいもの、下が今までのもの(1番PJ)。

  同じ、♯42.5 ですが形が少し違っています。

  一つだけ形が違うのは感じが悪いので、これも交換。

  結局、四個とも新しいものにしました。
  


     

6.メインジェットについて


BS36にはいろいろなジェットが付いています。

FJ1200/4CC の仕様諸元表では、

メインジェット  ♯87.5
・メインエアジェット  ♯45
パイロットジェット  ♯42.5
パイロットエアジェット  ♯135
・スタータジェット-GS1  ♯37.5
・スタータジェット-GS2  Φ0.7

このうちで、簡単に見つけられて取り外せるのは上記赤字の三個です。

・パイロットエアジェットは吸い込み口側の左穴に入っています。
  写真の左下です。

・その働きは知りませんが、吸い込むのはガソリンでなくエアーのようです。

・これはミクニメインジェット丸小 です。

・ 四個のうちの一個に腐食がありましたので一個だけ新品に交換しました。
   2番を交換、1番,3番,4番は交換せず。


メインジェットは四個のうち一個が腐食して穴が小さくなっていました。
このジェットはガソリンが通るので、四個とも新品に交換しました。

古いキャブレターでは 燃料が通るジェット類は全交換が原則。
市販Oリングを使って節約し、その分をジェット類に使いましょう。
   ★★32     
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7.エアクリーナージョイントについて


エアクリーナーとキャブレターをつなぐゴムジョイントが破れてしまいました。

  写真は下から撮っています。
  2番と3番の下部が破れてしまいました。
  1番(写真右端)もヒビが入っています。

  キャブレター取外しのときに無理をしたのが直接の原因ですが、
  20余年の劣化も関係しているでしょう。

  このゴムジョイントは、Yahooオークションに出品される
  中古のエアクリーナーボックスに付いていますが、
  経年劣化があるので、少し無理をすると破れてしまうでしょう。
  これは新品に交換する以外に方法がありません。
  


  四個とも全部形が違います。
  取り付けは突起を合わせて所定の位置にします。

  新品ですから弾力があり、ちょっとやそっとでは破れることはありません。
  しかし、一個が 3245円!
  あと、258円出せば、走行2万8千㎞ ・ 絶好調 の 4CCエンジン
  手に入ります。

  とっても高い! 高すぎる!



8.MonotaROについて


名前は知っていましたが、利用するのは今回が初めて。→→→ MonotaRO
3000円以上送料無料です。

  これで、3479円分。

  真鍮の部品はホースコネクタ 152円です。→→→こちら
  燃料ポンプが故障したときに、ポンプの燃料入口ホースと出口ホースを直結するためのものです。

  Oリングは一つ一つビニール袋に入ってラベルが付いています。
  『ネジ一個、ワッシャ一個でも真心込めてお送りします。』
  これは驚きですネ。

  今回は小型のショックドライバー/ 1755円も含めました。→→→こちら
  いつも使っているのより 1サイズ小さなショックドライバーです。
・ビット差し込み対辺 6.35㎜。
・付属ビットは+が四種。

  交換式ラチェットドライバーでは、 ビットが対辺6.35㎜のものが多いのでそのビットも使えます。
  小さいけれど固着しているネジ。
  ネジの相手がアルミで、ネジ頭を潰した場合にタガネを当てて回せないネジ。

  リザーバタンクやキャブレター内のネジ。
  これをごっついショックドライバーで 『ガツン』と叩くのは心配。
  そんなときに 『コツン』ができるのが小型ショックドライバー。
 
  「あれば便利だけど、なくてもやっていける。」それだけをわざわざ買う気はしないが、ついでなら買う。
  そんなものを日頃からピックアップしておいて、小物が必要になったときにそれを合わせて 3000円にする。
  リベッター,ガラスシリンジ,USBスピーカー、 いろいろ検索しているとおもしろいですよ。  


暇つぶしに、FJ のホイールベアリングを探してみました。

・フロントホイールは 6302Z×2個
・純正部品なら、93306-30203 /1260円×2=2520円
・モノタロウでは、NTN ・ 6302Z/311円、NSK ・ 6302Z/382円、NACHI ・ 6302ZE/315円

・リヤホイールは 6305LLU/2A ,6304LLU/2A ,6304ZZ/3A の三個  ※2A ・3A はグリス種別です。→→→NTN補助記号
・純正部品なら、93306-30562/1428円 ,93306-30437/819円 , 93306-30417/819円 =3064円
・モノタロウで探すと、
  NTN  ・  6305LLU/655円 , 6304LLU/513円 , 6304ZZ/417円 =1585円
  NSK  ・ 6305DDU/642円 , 6304DDU/503円 ,6304ZZ/444円 =1589円
  NACHI  ・ 6305-2NSE/550円, 6304-2NSE/432円 , 6304ZZE/382円 =1364円

以上、フロントホイールとリヤホイールベアリング部品代は、
純正部品/5584円 , NTN/2207円 , NSK/2353円 ,  NACHI/1994円。
半額以下になりますね。

※ベアリング型番はサービスマニュアル記載のものです。
   実際に使われているものと違う可能性があります。必ず実車のベアリング刻印を調べてください。

スクリーンを留めるプラスチックビス/M5×15㎜ も使えるものがありますよ。
純正部品なら、90150-05023/116円、色は黒、笠部分11.5㎜Φ・M5・ネジ長15㎜。
モノタロウでは、その1・クリヤー/25円 , その2・白/43円 , その3/50個で665円



つづく。




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