SPnet 開業偏



・認定申請に必要な書類・認定申請書の書き方・認定申請の実際・認定と認定更新





さあ、認定申請をしましょう。
申請書類は全部で五枚。個人申請で営業所が一つなら書類はたったの二枚です。
用紙もダウンロードできますが、古くなっているかもしれないので最新のものを各都道府県の公安委員会のHPよりダウンロードしてください。
書き方はあくまで当地(三重県)のものです。申請時に「記載間違い・書き直し」を指示されてもご容赦ください。
5年毎の認定更新も提出書類は同じです。
書類提出から認定までの実際も書いておきました。


認定申請に必要な書類と申請書の書き方
認定申請の実際
認定と認定更新

    
6.認定申請書類の作成と必要書類



a.申請に必要な書類


※用紙は所在地の県警ホームページから最新のものをダウンロードしてください。
※その他いろいろな申請書→→→愛知県警の書式
※こちらにもいろいろな申請書があります。→→→警視庁の書式
※提出書類には順番(編てつ順)があります。所轄警察署担当さんに一目置かれるようにその順にして提出しましょう。 → → → 警視庁指定順番
  これによると、
  申請書 → 代表者/誓約書 → 履歴書 → 住民票 → 身分証明書 → 診断書 → 指導教育責任者/資格コピー → 誓約書(業務用)→履歴書 → 住民票 → 身分証明書 → 診断書 → 誓約書(欠格用)
※5年ごとの認定更新(正確には認定証の有効期間の更新)でも提出書類は同じです。
  ・申請書1ページ目の「認定」申請書・「第5条第1項」の規定により・「認定」の申請をします。の認定・第5条第1項・認定を横線で消す。
  ・申請書1ページ目の「現に有する認定証」について交付委員会名と認定証番号を記入。(認定証のコピーは添付不要)
  ・申請書2ページ目の「主たる営業所の設置年月日」を記入。主たる営業所を移転していれば移転届(変更届)に記載した年月日、移転していなければ最初の認定年月日となります。


①.認定申請書認定申請書(word版)認定申請書(PDF版)


・全部で五枚あります。
・個人申請で営業所が一つなら、最初の二枚だけ記載します。
  残りの三枚は白紙ですが、この白紙の三枚も一緒に「必ず五枚セットで」提出してください。
  これは他の届出・申請の場合に共通の事柄です。


(記載上の注意点)

・番号が付いている項目は番号に〇印
・番号が付いていない項目(列記されている項目)は、不要な項目を横線で消す
・フリガナの濁音・吃音は分けてニマスで書く → 「ダ」は「タ」と「^」に分ける。
・名前のフリガナは姓と名を「一マス」空ける。


では、第一ページ (別記様式第1号-第3条関係) を書いてみましょう。

・「認定証更新」を横線で消す。(当然定規を使用)
・「公安委員会殿」の前に所轄の公安委員会名を入れる。 → 〇〇県、〇〇府、〇〇都など
・提出日付けは書かない → 提出する時に書く
・「申請者の氏名又は名称及び住所」 → 個人申請だから自分の住所と氏名を書いて押印

(枠内)
・「氏名又は名称」 → 個人申請だから自分の住所と氏名、フリガナは左詰め・姓と名の間に一マス・濁音吃音は二マス。
・「法人等の種別」 → 「個人」の「1」に〇。番号に丸印。
・「申請者が個人の場合のみ記載」欄
    成年月日 → 昭和・平成の下の番号に丸印。「年月日」 → 右詰め・空白はそのまま(03でなくて空白+3)
    性別の番号に〇

これで第一ページ完成。


次に、第二ページ(別紙1-(1)当該都道府県の区域内に設けようとする営業所)

・「主たる営業所」とは本社・本部のこと。
  本社・本部と同じ都道府県に別の支社・営業所を作る場合は「その他の営業所」欄を書く。

(主たる営業所欄)
・名称 → 〇〇警備・△△警備保障・SPnet など。
・所在地 → 事務所所在地(個人申請の場合は個人の住所)
・設置年月日 → 「認定申請だから」記載不要
・警備業務の区分 → やろうとする警備業務に〇印
・警備業務の種別 → 複数選択可(たとえば、2号で交通と雑踏)、複数選択の場合は主になる方に◎を要求される場合あり。

(警備員指導教育責任者)
・配置状況 → 「兼任」とは他の営業所の専任指導教育責任者もやる場合(掛け持ちの場合)、掛け持ちしない場合が「専任」。
※一つの営業所で複数の警備業務種別の指導教育責任者をやる場合は「専任」。

※兼任(掛け持ちする場合)が認められる基準。

・警備業法施行規則39条3項
  1.掛け持ちする営業所が近接している。(※片道1時間程度--警察庁の解釈運用基準)
  2.その営業所の隊員数(警備員数)が五人以下。
  3.所轄公安委員会の承認
  4.1~3を満たしても「三つ以上の営業所の兼任」は認めない(警察庁の解釈運用基準)


・選任に係る警備業務の区分 → 主たる営業所でやろうとする警備業務と同じものに〇印
※選任指導教育責任者が二名以上の場合は第二ページを指導教育責任者毎に作成する。(指導教育責任者の数だけ第二ページが必要)

・選任に係る資格者証を交付した公安委員会の名称 → 〇〇県・〇〇府など。

・選任に係る資格者証の番号 → 指導教育責任者が一人で複数警備業務区分をする場合(資格者証が複数ある場合)は右に欄を作って書く。
※警察署によっては「資格者証ごとに第二ページを作成すること(欄を追加してはダメ)」が要求される。

これで第二ページ完成。
個人申請はこれでOK。


②.履歴書(代表者と指導教育責任者)

・パソコンで作成したものOK(自筆不要)
・身上書の部分(趣味・特技・志望した理由・家族欄)不要
・職歴をしっかりと書く。(3カ月以上の空白を作らない・「求職活動」などを書いて空白を埋める)
・写真は不要だが、要求される場合があるので 用意しておくこと。
・嘘を書いてはならない。
・代表者と選任指導教育責任者の二つ必要。
※個人申請で代表者と選任指導教育責任者を兼ねる場合も二枚必要。
※ただし、愛知県警は代表者用だけでOKとしているようです。 → こちら  所轄警察署に問い合わせてください。


③誓約書(代表者と指導教育責任者)

・代表者(個人)用→用紙
・代表者(法人)用→用紙
・指導教育責任者欠格用 → 用紙
・指導教育責任者業務用 → 用紙

それぞれに記名・押印すればOK
※代表者と指導教育責任者を兼ねる場合も別々に作成。
※2019.06に警備業法の欠格事由が改正され警備業法3条1号から「成年被後見人・被補佐人」が除外されました。
  そのため誓約書の「成年被後見人・被補佐人」の文言が削除されました。→誓約書 WORD 版(岡山県警)誓約書 PDF 版(愛知県警)


④診断書(代表者と指導教育責任者) → ※用紙

・代表者用 → 別紙1 個人・役員用、合格証明書用
・指導教育責任者用 → 別紙2 警備員指導教育責任者用れ

※病院・開業医にこの用紙を持ち込んで書いてもらう。
※費用は1500円~5000円。診断書は隊員採用のたびに必要。安い所を探しておく。
※血液検査・尿検査なし、ふた言三言問答してOK。
※代表者と指導教育責任者を兼ねる場合も「診断書の内容」が違うから別々に必要。
  ただし、愛知県警は代表者の診断書だけでOKとしているようです。 → こちら
  これは、代表者用診断書の内容が指導教育責任者用診断書の内容より広く、代表者用診断書で指導教育責任者用診断書をカバーできるからです。
  三重県も代表者用の診断書だけでOK(2016.01.28現在)
  この点については所轄警察署に問い合わせてください。

④.住民票・身分証明書(代表者と指導教育責任者)

※代表者と指導教育責任者を兼ねる場合も別々に二通必要。
※ただし、二通のうち一通はコピーで可。
※愛知県警はコピー不要,代表者用だけでOKとしているようです。 → こちら  所轄警察署に問い合わせてください。
※身分証明書は本籍地でしか取れないが郵送で取る方法がある。

⑤.指導教育責任者の資格者証のコピー

※白黒コピーで可


⑦申請料・二万三千円分の〇〇県証紙

※「収入印紙」ではありません。
※警察署で売っている証紙です。

※.登記されていないことの証明書(代表者と指導教育責任者)は不要です。

従来、代表者と指導教育責任者について必要でしたが、
2019.06に警備業法の欠格事由が改正され警備業法3条1号から「成年被後見人・被補佐人」が除外されました。
そのため不要となりました。
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選任のための法律知識・








7.認定申請


a.申請先とアポ取り


申請先は「主たる営業所を管轄する警察署」の「生活安全課・警備業係」。

生活安全課は「少年・風俗営業・古物商・銃砲刀剣・警備業」を取り扱っています。
地方の警察署ではだいたいが警備業担当者は一人。

この担当者のいない時に申請書類を提出して他の者に受け取ってもらっても、
あとから『あれが足らない、ここが記入間違いだ』などと言われ、もう一度出直さなければなりません。

担当者がチェックして受理されたのなら、後で文句を言われませんから出直す必要がありません。
だから、事前に『警備業の申請をしたいのでいつ伺えばよいですか?』とアポをとる必要があるのです。
なお、土日・祭日は受け付けてくれません。

警備業は認可制です「必要な要件が揃っていれば必ず認可しなければならない」のです。
また、認定申請の相手方・認定するのは「都道府県公安委員会で警察署」ではありません。
警察署はたんなる窓口です。卑屈にならず、担当警察官の嫌がらせに屈せず、堂々と申請しましょう。


b.必要書類の確認

上と重複しますが、もう一度必要書類を確認しておきます。


イ.個人で警備業をやる場合の提出書類

・①.認定申請書

・②.代表者履歴書
・③.代表者欠格用誓約書※「警備業者としての欠格事由がない」という誓約書
・④.代表者診断書
・⑤.代表者住民票
・⑥.代表者身分証明書
・⑦.代表者登記されていないことの証明書(※現在では不要です)

・⑧.選任指導教育責任者履歴書
・⑨.選任指導教育責任者業務用誓約書※「指導教育責任者としての業務をしっかりやります」という誓約書
・⑩.選任指導教育責任者欠格用誓約書※「指導教育責任者として欠格事由がない」という誓約書
・⑪.選任指導教育責任者診断書
・⑫.選任指導教育責任者住民票
・⑬.選任指導教育責任者身分証明書
・⑭.選任指導教育責任者登記されていないことの証明書(※現在では不要です。)
・⑮.指導教育責任者資格者証のコピー

・⑯.〇〇県証紙 2万三千円分(警察署で売っています)

・⑰.認定申請書(①)のコピー

・※申請書が受理されるとこれに「受理番号・受理警察署・受理年月日」を書いてくれます。
  これが、「受理されたこと」の証明になります。
  警察署に申請や届出をする場合、必ず申請書・届出書のコピーを提出して「受理証明」をもらいます。


ロ.重複書類の取扱

個人でやる場合、代表者が選任指導教育責任者になるでしょうから、代表者用と選任指導教育責任者用が重複します。
しかし、役割が違うのですから各々必要となります。

・誓約書の③・⑨・⑩はその内容が違いますので重複しません。

・診断書の④・⑪もそのない内容が違いますので重複しません。

・重複するのは②・⑧の履歴書、⑤・⑥の住民票、⑥・⑬の身分証明書、⑦・⑭の登記されて異なことの証明書です。
  この中で、住民票・身分証明書、登記されていないことの証明書については、その取得に費用がかかりますので、重複した分はコピーでもOKです。
  履歴書については、書けば良いだけですから重複した分でもコピー不可です。
  もっとも、履歴書をPCで作成・印刷すればコピーを取るのと同じことになります。


ハ.履歴書について

・履歴書に写真は不要です。
  但し、今回のように要求されることがありますので準備しておきましょう。

・履歴書については「趣味・特技・配偶者の有無・通勤時間・志望動機」などの「身上書」の部分は不要です。
  通常の履歴書の右半分は不要です。

・職歴は「三カ月間以上の空白がないように」書いてください。

たとえば、

「平成22年3月、〇〇会社退職、平成22年8月△△会社入社」では平成22年4月~7月までの4カ月間が空白になります。
この無職の間は「平成22年4月より平成22年7月まで求職活動」として空白を作らないようにします。
別に「求職活動」でなくても構いません、「充電・引きこもり・嫁さんに喰わせてもらう・放浪・酒池肉林を楽しむ」などなど。
しかし、公安委員会に出すのですから「ふざけたもの」でなく「まともな」求職活動が無難でしょう。


ニ.申請にかかる費用

今回の申請でかかった費用は、

・住民票・身分証明書=200円×2=400円
・登記されていないことの証明書=400円
・診断書三枚=1500円×3=4500円
・証紙代=23000円
  合計は28300円。


c.申請の実際(2011.03.08)


3月4日(金)16時、診断書を取って書類が全部揃う。

・所轄警察署の生活安全課・警備業係に連絡

  私『警備業申請を来週の月曜日にしたいのですがよろしいですか?』
  警『担当の者が出ております。16時半頃には帰る予定ですので、帰って来たら電話させます。』
  私は携帯の電話番号を告げた。

・その日は何の連絡もなし。

  通常、必ず連絡が入る。
  私は、連絡がないのは「月曜日は一日中警察署にいるから、いつ来てもよい」という意味なのかな?
  もしかして、携帯の番号を間違えて伝えたのかな?
  土曜か日曜に連絡が入るかも知れない。
  などと考えた。

・3月7日(月)

・月曜日の9時になっても連絡がない。

  9時過ぎに生活安全課・警備係に電話をかける。
  電話に出たのは金曜日に「担当に連絡させると」言った警察官。

  警『あっ、米川さん。今、担当は接客中です。この前、米川さんの電話番号をチャント伝えましたよ。』
  私『連絡がないのは携帯番号を間違って伝えたのかと思っていました。』
  警『いやいや、この番号でしょう。接客が終わったらすぐに連絡させます。』

・少々、腹が立ってきた。

・9時20分、携帯が鳴る。

  警『あっ、米川さん。何度も電話してもらったンですね。』
  私『いやいや。警備業の申請をしたいのですが今日行ってもいいですか?』

  警『その前にチョット聞きたいンだけど、どこで警備業をやるの?』
  私『最初は金がかかるから自分の住所でやりますよ。』
  警『住所はどこだったかナ?』
  私『〇〇市△△町ですが。』

  警『どんな警備業をやるの? 1号とか2号とか…。』
  私『1・2・4号で申請します。』
  警『えっ? そんなにたくさん?』

  ここで、この警察官に「私のやりたい警備業支援」について説明したのが間違いだった。

  私『私のやりたいのは警備業者の支援なんですよ。教育・書類作成管理・各種届出。その支援の中で業務支援が必要になるので警備業を申請するのです。』
  警『業務支援?』
  私『仕事を受けたけれど検定資格者が不足している場合がありますね。その時に仕事を請け負うのです。』
  警『請負???』
  私『警備業者から警備業者が仕事を請け負うのですよ。』

  警『それはいいけれど、メインが警備業ではないのか…。』
  私『メインが警備業でなくては警備業の申請はできないのですか?』
  警『そこは難しいところだナ…。』

・何を言っているんだ!アンタ警備業法を知っているの!私は相当腹が立ってきた。

  警『ところで仕事先はあるの?』
  私『認定が下りる前に営業なんかできないじゃないしょう?』

  警『隊員はいるの?』
  私『認定でしょ。警備業法3条の「警備業者欠格事由がないこと」をチェックするだけでしょう。仕事先があるかどうか・隊員がいるかどうか関係ないじゃないですか!』
  警『…。』

・こんな馬鹿と話していてもらちがあかない。

  私『申請書提出に今日行ってもいいのですか?』
  警『今日は仕事がいろいろあるからダメだな。』
  私『いつならいいのですか?』
  警『チョット予定が分からないから、また電話するヨ。』

・ここで私が小噴火。

  私『それではこちらの予定が立たないじゃないですか。「また電話する」ではなくて「いつ電話する」のですか!
      来るか来ないか分からないあなたの電話を、いつまでも待っていろと言うのですか!お名前は何ですか?』
  警『〇〇と申します。今日中に電話しますよ…。』

・ふざけた警察官である。
  仕事上、多くの警察官と関わってきたがこんな不真面目な警察官は初めてである。
  たかが、申請書を受け取るのにそんなに時間はかからないだろう。

・10時15分、携帯が鳴る。

  警『あっ、米川さん? 明日にして欲しいンだけど。』
  私『明日、3月8日ですね。何時に行きましょうか?』
  警『そうだなぁ…。昼から、14時でいいかナ?』

・どうせ、本日は仏滅。明日は大安。明日の方が縁起が良いか。

・3月8日(火)

13時、所轄警察署に到着。

まず、1Fで証紙購入。
今回は、二級合格証明書の交付申請も同時にやる。
施設・雑踏検定二級合格書申請用証紙1万円×2、警備業認定申請用証紙2万3千円。
提出書類に提出年月日を記入、提出書類をすべてチェックする。

ロビーから外を見る。
「防犯パトロール」の腕章を巻いた若い警備員が三名自転車置き場にいる。
緊急雇用対策の「自転車盗難防止パトロール」である。
警備会社が公共入札で受注し、警備員を雇っておこなわせている。
6カ月間限りで更新はないが時給は普通の警備員よりずっと良くて仕事はずっと楽である。
「若いのにこんな仕事しかないのかなぁ…。」

時間を潰して、13時55分に2Fの生活安全課に入る。
受け付けに座っていると、マスクをした気の弱そうな40歳前の警察官がやって来る。

私『〇〇さんですか?』
警『そうです…。米川さんですね。』
私『初めまして。これから宜しくお願いします。』

私は「うだつの上がらない、弱い者いじめをする初老の警察官」を想像していたので少々期待外れだった。「あまりいじめては可哀相だな…。」

私『まず、検定合格書の申請をします。書類をチェックしてください。こちらが施設二級、こちらが雑踏二級です。』
二つのファイルから別々に書類を渡す。

警『あっ、証紙をここへ貼ってください。』
担当は証紙貼付用紙を出して、自分の机に戻り書類をチェックしている。
※申請・届出にはそれ用のチェック用紙があり、そのチェック用紙に沿って記載内容や書類を点検する。
警『大丈夫です。』

私『次に、警備業の認定申請書です。』
別の封筒から書類を出して渡し、2万3千円の証紙を証紙貼付用紙に貼る。
警『書類をチェックしますので外で暫くお待ちください。呼びますから。』

私は、廊下のソファーに座って待つ。

5~6分後、
警『どうぞ、お入りください。書類はOKです。こちらが受理証明です。』
担当は、受理年月日・受理警察署・受理番号を赤字で記入した申請書コピーを差し出した。

私『40日以内と聞いていますが、認定までにどれくらいかかりますかねェ。』
警『一カ月くらいはかかると思います。』

私『次の手続はなんですか?』
警『こちらに来てもらって、いろいろ聞かせてもらいます。』
私『そうでしたねぇ。「隊員がいるかとか仕事は受注しているのか」とかですね?』
警『…。』
私『警備業法3条が改正されたのかと思いましたよ。警備業者の欠格事由が追加されたのか。』
警『…。』
このくらいにしておこう。

私『ところで、〇〇さん。こちらの警察署は長いのですか?』
警『この部署へは一年前に。その前は少年課にいましたが。少年課長の△△課長の下です。』
私は縦社会の警察官ではないので、△△課長と言われてもねェ…。

申請手続所要時間は20分弱。


認定するのは公安委員会で警察署ではない。
警察署は単なる窓口である。

しかし、この窓口は「水際で不適格者を防ぐ」という機能を持たされている。
法律に定められた要件だけでなく、人間性や社会生活から「公安委員会が否とする者」に申請させないことが要求されているのだ。

「申請引き延ばし、細かい書類の不備を指摘する、指導という名の不必要な要求、嫌がらせ」は担当警察官の常套手段である。
ある銃砲所持許可申請の担当警察官は『できるだけ申請させないようにするのが俺たちの腕だ!』と自慢していた。
今回は認定申請であり、許可申請ではないからこれと同一に考えることはできないが、私が強く出なかったらもっと引き延ばされたであろう。

なお、誤解のないように言っておくが、引き延ばしや嫌がらせをしない担当警察官もたくさんいる。
しかし、昔気質の権力的で横柄な警察官もいることを知っておいてほしい。
このタイプの警察官は「ていねい語」が使えないからすぐ判る。
そんな警察官には強く出ることが肝要である。
「弱い者に強い者」ほど弱い者なのである。
    ★★01     
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8.認定と認定更新


a.2011.04.06 認定がおりる。



昼前に所轄警察署から電話。『認定証が届きましたので、また取りにきてください。』

申請が3月8日、一カ月もかかっていない。

担当警察官は『認定が下りるまでに、いろいろとお話しを聞かせてもらいます。』と言っていたが…。
申請してから今まで、公安委員会からの問い合わせや警察での事情聴取は一切なし。
「今まで何度も公安委員会への資格申請をしているので、欠格事由の審査がしやすかったのだろうか…。」
いやいや、これはやはり私が品行方正だからでしょう。

17時前に警察署生活安全課で認定証を受け取る。
受取書に記名押印をして手続は終わり。
ついでに、施設と雑踏の検定二級合格章を受け取る。
担当サンは何か嫌そうな表情をしている。
「うっとうしいヤツが参入してきたな…」とでも思っているのだろうか。

認定番号は第55000290号。
最初の「55」は三重県を表す番号。
だから、私は三重県で290番目の警備業者ということになる。
ちなみに、私の4号指導教育責任者資格者証は400011号。
「4」は4号を表すから三重県で11番目なのです。

認定証の宛て名は「SPnet」ではなく私の個人名。
これが少々残念。
会社・団体組織ではなく、個人事業者として申請したのだから仕方のないことだが…。

さてさて、これで晴れて警備業を行えることになりました。


b.2016.02.09 認定更新


早いものでもう5年が経ちました。

本日認定更新申請しました。

更新申請と認定申請に必要な書類は同じです。
2万3千円の費用も同じです。

認定申請と違うのは、申請書で消す文言が違うだけです。
※認定 → 「認定」申請書、警備業法「第5条第1項」の規定により、「認定」の申請をします。
※更新 → 「認定証更新」申請書、警備業法「第7条第1項」の規定により、「認定証の有効期間の更新」の申請をします。

「更新」というより「もう一度認定してもらう」というものです。


ただし5年前と比べて申請書類は簡素化されました

これは認定の場合でも同じでしょう。

(以前の状況)

・個人事業者で代表者が選任を兼ねる場合、従来は代表者としての書類と選任としての書類が別々に必要でした。

・しかし、「取得に費用のかかる」住民票,身分証明書,登記されていないことの証明書は代表者用を原本、選任用をコピーでOKとしていました。
  ただし、診断書は代表者用と選任用では内容が異なるため別々に必要でした。

つまり以前は、
・代表者用の書類 → 履歴書,誓約書,本籍記載の住民票,身分証明書,登記されていないことの証明書,診断書。
・選任用の書類 → 履歴書,誓約書(欠格用),誓約書(業務用),本籍記載の住民票(コピー),身分証明書(コピー),登記されていないことの証明書(コピー),診断書


(現在の状況)

しかし、最近では代表者用と選任用で重複している書類は不要となっているようです。

「以前の状況」で重複している書類は、選任用の履歴書,本籍記載の住民票(コピー),身分証明書(コピー),登記されていないことの証明書(コピー)。これらは不要になります。

さらに、診断書については代表者用の内容が選任用の内容をカバーするため代表者用診断書だけでOKとなりました。

つまり、必要書類は
・代表者用の書類 → 履歴書,誓約書,本籍記載の住民票,身分証明書,登記されていないことの証明書,診断書。
・選任用の書類 → 誓約書(欠格用),誓約書(業務用)

なお、履歴書の写真は『履歴書に写真を貼る枠があれば写真が必要になる』とのことでした。


以上、あくまで三重県の場合です。

あらかじめ所轄に確認してください。


つづく




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