SPnet 選任業務編



・2号新任教育資料-道路交通法2条・車両





「道交法2条8号~17号と2条2項・3項」の車両,自動車,原動機付き自転車,軽車両,自転車,身体障害者用車いす,歩行者,運転の説明です。
「ペダル付きの原動機付き自転車(アシスト自転車の基準外のもの)」をペダルだけで運転している場合の取り扱い、運転についての学説判例、
電動いすの基準についても書いてあります。
ただし、これらの知識を「伝える」だけでは、その講義はおもしろくもなんともありません。
「0.始めに」に書いたように講義はドラマ。出演者は受講生。監督と脚本が講師です。講師の自己満足のための独演会はおもしろくもなく退屈です。。
法令の条文を使って受講生に発見させること。受講生たちが「ワイワイ、ガヤガヤ」と意見を出し合わせることが必要です。
講義の目的は「道交法の定義を覚えさせること」ではありません。「道交法や関係法令に親しませ、身近なものにさせること」です。
覚えた知識はすぐに忘れます。道交法を身近なものにさせておけば、条文から必要なものを引き出すことができます。
講師自身も「えっ?そうだったの?」・「そういうことだったのか!」と感じるような準備をしてください。
講義がおもしろくないのは全て講師の準備不足です。


車両とは何か(道交法2条8号)
自動車とは何か(道交法2条9号)
原動機付き自転車とは何か(道交法2条10号)
ペダルの付いている原動機付き自転車をペダルだけで走らせている場合は「原動機付き自転車を運転していること」になるか
「運転」についての学説と判例
軽車両とは何か(道交法2条11号)
一輪車・ローラースケート・ローラースケートボード・キックボードは軽車両か?
馬のたずなを持って人が歩いています。この馬は軽車両か?
乗馬している人がいます。この馬は軽車両か?
二人の家来がお姫様の乗った籠を担いで歩いています。この籠は軽車両か?
自転車とは何か(道交法2条11号の2)
アシスト付き自転車が自転車となる基準(道交法施行規則1条の3)
身体障害者用の車いすとは(道交法2条11号の3)・電動いすが車いすとなる基準(道交法施行令1条・道交法施行規則1条) 
歩行者とは何か


0.始めに


道交法では一般に「車両とはなにか」から説明を始めます。
しかし、説明しだすとけっこう長くなります。
受講生の興味を引くためにば誰もが経験している「駐車違反・駐車・停車」から入るのがよいでしょう。
駐車と停車を自動車で理解させたあと、『実は、自転車でも駐車違反や停車違反になるんだよ!』と付け加えます。
教える順番を変えると、新鮮になります。

また、本頁の「車両とは何か・自動車とは何か・軽車両とは何かなど」を覚えさせる必要はありません。
覚えてもすぐに忘れてしまいます。
忘れたら自分で思い出せるように、条文を読む力を付けさせることが必要です。
「車両とは〇〇だよ」と答えを教えてはいけません。受講生が条文を読んで「ああでもないこうでもない」と議論することが必要なのです。
それが「条文を読む力」を育てます。
授業や講習はドラマ。出演者は受講生。講師は脚本と監督です。
監督も脚本も出演者も講師がやっている授業や講習は講師の自己満足のためのもので面白くもなく役にも立たないものとなります。

    
1.車両とは何か(2条8号)


受講生の諸君!
駐車と停車の違い、どんな場合に駐車違反・停車違反になるか分かったかな?

ここで、もう一つ大切なことがあるンだ!

道交法2条1項18号の「駐車」、2条1項19号の「停車」、44条の「停車及び駐車を禁止する場所」、45条の「駐車を禁止する場所」、47条の「停車又は駐車の方法」には、
車両という言葉が使ってあるよね。

車両とは何でしょう。

『自動車のことじゃないンですか?』

違うみたいだよ。
45条の2「高齢運転者等の例外」には車両という言葉ではなくて自動車という言葉が使ってあるから‥。

『ええっ~!』

講義の最初に配った道交法の条文プリントを見てください。
道交法2条に「車両とはなにか」が書いてあります。

※道交法2条8号~17号と2条2項・3項
「8.車両 → 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう
  9.自動車 → 原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、
     原動機付自転車、自転車及び身体障害者用の車いす並びに歩行補助車その他の小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外のものをいう。
  10.原動機付自転車 → 内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、
     自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車等以外のものをいう。
  11.軽車両自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて
     身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。
  11-2.自転車 → ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)であつて、
     身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの(人の力を補うため原動機を用いるものであつて、内閣府令で定める基準に該当するものを含む。)をいう。
  11-3.身体障害者用の車いす → 身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車いす(原動機を用いるものにあつては、内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)をいう。
  12.トロリーバス → 架線から供給される電力により、かつ、レールによらないで運転する車をいう。
  13.路面電車 → レールにより運転する車をいう。
  14.信号機 → 電気により操作され、かつ、道路の交通に関し、灯火により交通整理等のための信号を表示する装置をいう。
  15.道路標識 → 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示板をいう。
  16.道路標示 → 道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲、ペイント、石等による線、記号又は文字をいう。
  17.運転 → 道路において、車両又は路面電車(以下「車両等」という。)をその本来の用い方に従つて用いることをいう。

3.この法律の規定の適用については、次に掲げる者は、歩行者とする。
  1.身体障害者用の車いす、歩行補助車等又は小児用の車を通行させている者
  2.次条の大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車、二輪の原動機付自転車又は二輪若しくは三輪の自転車(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)
    を押して歩いている者」


だれか、「車両とはなにか」を言ってください。

『車両とは自動車と原動機付き自転車と軽車両とトロリーバスです。』

そうですね。自動車やバイクだけが車両ではないのです、
自転車やリヤカーも車両に含まれるのです。
駐車禁止場所・停車禁止場所・駐車停車の方法・駐車違反も自動車と同じになりますね。

それでは、自動車と原動機付き自転車と軽車両について確認していきましょう。
トロリーバスは省略します。

    

2.自動車とは何か(9号)


次の事柄が揃っていなければ自動車ではありません。
・①原動機の力を使う
・②レールや架線を使って走らない
・③車
・④原動機付自転車、自転車・身障者用の車椅子・歩行補助車で政令の定めるものを除く → 道交法施行規則

① → 原動機は電気モーターや原子力エンジンを含みます。
① → 風力は原動機とは言えないでしょう、帆を張って走る車は自動車ではないでしょう。
② → レールの上を走る市電やパンタグラフで電気を供給するトロリーバスは自動車ではありません。
③ → 車だから、二足歩行のロボットは百万馬力のプラズマエンジンを搭載していても自動車ではありません。
③ → キャタピラは車ではありません。
      しかし、キャタピラ車(ブルドーザー・ユンボ・スノーモービルなど)については、内閣総理大臣が指定するものが大型特殊自動車になります。(道交法施行規則2条)
      ※「内閣総理大臣が指定するカタピラを有する自動車を定めるの件(内閣府告示平成16年第126号」でスノーモービルは自動車となっているようです。
      この告示の原文がなかなか検索できません。だから「なっているようです」としか言えません。

④ → オートバイは原付しか除外されません。50㏄以上のオートバイは自動車となります。
④ → 自転車・身障者用の車いす・歩行補助車が除外されているのがおかしいと思うでしょう?
  これはモーターの付いているものがあるからです。
  モーターの付いている自転車や車いす・歩行補助車は規格が決められています。これが「政令の定めるもの」です。
  この規格内であれば、モーターが付いていても自転車や車いす・歩行補助車となります。
  その規格以上のハイパワーだと、自転車や車いす・歩行補助車とならず、原動機付き自転車や自動車になります。

    
3.原動機付き自転車とは(10号)


a.原動機付き自転車の定義

次の事柄が揃っていないと原動機付き自転車ではありません。
・①原動機の力を使う
・②原動機の大きさ・出力が決められている
・③レールや架線を使って走らない
・④車
・⑤自転車・身障者用車椅子・歩行補助車で政令の定めるものを除く.

自動車と同じような要件です。

① → 自動車と同じで原動機はガソリンエンジンだけでなく電気モーターも入ります。
② → 原動機の大きさ・出力は次のように定められています。これを超えるものは自動車となります。

※道交法施行規則1条の2(原動機付自転車の総排気量等の大きさ)
「道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号。以下「法」という。)第二条第一項第十号 の内閣府令で定める大きさは、
  二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあつては、総排気量については0.05リツトル、定格出力については0.60キロワツトとし、
  その他のものにあつては、総排気量については0.020リツトル、定格出力については0.25キロワツトとする。」

④ → 車ですから、二輪だけでなく三輪も四輪も含みます。
⑤ → モーターの付いている自転車・身障者用の車いす・歩行補助車は定められた規格内であれば原動機付き自転車に該りません。
   ●●     
選任のための法律知識・








b.ペダル付き原動機付き自転車をペダルだけで走らせている場合は「原動機付き自転車を運転していること」になるか


イ.ペダル付き原動機付き自転車

ところで”ペダル付きバイク”というのを知っていますか?
これが今問題になっています。

※リトルホンダP25は
検索してください
  60歳くらいの人なら知っているでしょう。1966年に発売されたリトルホンダP25です。
   これは50㏄のガソリンエンジンを搭載していました。現在のアシスト自転車のはしりですね。

  このリトルホンダは、エンジンを止めてペダルだけで自転車のように走ることができました。

  リトルホンダが原動機付き自転車であることに問題はありません。
  しかし、エンジンを止めてペダルだけで走っている時は原動機付き自転車なのでしょうか、それとも自転車なのでしょうか?
  もう少し正確に言うと、「ペダルだけで走っている時は原動機付き自転車を運転していることになる」のでしょうか?
  原動機付き自転車を運転しているのではなく、自転車を運転しているのなら免許もヘルメットもいりません。

・道交法2条10号は「原動機自転車とは原動機を用い‥運転する車であって‥」としています。
・そして、道交法2条17号は「運転とは道路において、車両‥を、その本来の用い方に従って用いることをいう」としています。

これらの条文から解釈すれば、「ペダルだけで走っているリトルホンダは原動機付き自転車ではない」し、「原動機付き自転車を運転していることにはならない」ということになります。

もしこれを「原動機付き自転車を運転していることになる」と解釈すれば、
「エンジンを止めた原付スクーターにまたがって足で地面を蹴って進んだ」場合も原付バイクを運転したことになります。
また、こんな解釈をすれば、道交法2条3項が「バイクを押している者は歩行者とする」としたことと少し矛盾も生じます。

条文の解釈からすればペダルだけで走っている時は、「原動機付き自転車を走らせている」ことにはならず「自転車を走らせている」ことになるでしょう。


今問題になっているのは、こちらのペダル付き電動自転車です。

  これは、「自転車とされる電動アシスト自転車の基準」から外れています。
  だから、自転車ではなく原動機付き自転車です。

   これをモーターの力で走れば原動機付き自転車となり、
  ナンバー取得・自賠責加入・ヘルメット着用・保安部品装備・運転免許が必要になります。

   問題はペダルだけで走っている場合です。
  これを「自転車を走らせていること」とすると、道交法で原動機付き自転車を定めた意味がなくなります。
  「モーターON」 でスイスイ走って、警官がいたら「モーターOFF」でペダル走行。
  そして『自転車だも~ん!』

警官が『ペダルだけで走るのなら、自転車でいいじゃないか!わざわざこんなものを買ったと言うことはモーターで走るためなんだろう!』と言えば、
『そんなの、アンタにとやかく言われたくないね。趣味の問題に警察官が介入するの?憲法で保障されている幸福追及権の侵害だよ!職権濫用だよ!』

ネットショップで簡単に入手できます。
あくまでも「これらは原動機付き自転車であり、50㏄スクーターと同じ扱いを受ける」ことをしっかりと認識してください。
もちろん、道路運送車両法に要求するものを満たさなければ登録することができず、ナンバーも取得できません。


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ロ.警察庁の解釈運用基準

こう逃げるのを防ぐために、警察庁は「ペダルだけの走行でも原動機付き自転車を走らせていることになる」と解釈しているようです。

しかし、この解釈には無理があります。
正しい解釈をすれば、道交法が無意味になって公共の福祉に反するのなら、道交法を改正しなければなりません。
取締が楽なように道交法をねじ曲げて解釈するのは、憲法で保障する罪刑法定主義に反します。警察権力の横暴です。
取り締まろうとするなら、モーターで走っているところを検挙すればいいのです。

もちろん、警察庁の解釈はあくまで行政機関である警察の解釈で、強制力を持つ裁判所の解釈ではありません。

判例・裁判例・学説とも「エンジンをかけない以上運転には該らない」としています
ペダル付き電動バイクをペダルだけで走らせて、警察官に無免許・ノーヘルで検挙された場合、闘う余地はあります。
ただし、以下の参考に上げたように負ける可能性も充分にあります。
あくまでも、自己責任において行ってください。
    

ハ.参考-「運転」についての学説と判例


原動機のついた車両を運転するとはどういうことかについて三つの立場があります。
①発進準備説 → エンジンをかけたあと、発進の準備をしたこと
②発進操作完了説 → エンジンをかけたあと、もう発進するだけの状態にしたこと
③発進説 → 車体がエンジンの力で実際に動き始めたとき

どれも、エンジンをかけなければ運転したことにはなりません。

無免許運転が争われることが多いのか裁判例や判例があります。

・最高裁は②の立場をとっています。
「駐車中の自動車を新たに発進させようとした場合、‥運転したとは、単にエンジンを始動させただけでは足りず、いわゆる発進操作を完了することを要し、かつそれをもって足りる」
  ※反対意見あり。(最判昭48.4.10 刑集27・3・334  判時705・116  判タ295・71)

・鎌倉簡判昭35.8.18 下刑集2・7
・事案 → エンジンをかけクラッチを踏みギアを入れて発進しようとしたが、クラッチを離すのが早かったのでエンストした。
・「自動車の‥運転というは、必ずしも自動車の運行中の操作のみを指すものではなく、エンジン始動後発進に至るまでの準備操作を含むものと解すべく‥」※これは①の立場でしょう。

どの立場でもエンジンをかけない以上、原動機のついた車両を運転したことにはなりません。
ただ、一部をエンジンの力で一部をエンジンを切って惰力で走った場合、全体としてエンジンをかけて走ったとされる場合があります。

※以上、新実務道路交通法20~22頁参


ペダル付き電動自転車やバイクをペダルだけで走行させていた場合、
・いつでもスイッチだけでモーターが回せたり、エンジンがかけられたりできる状態なら、①説 や ②説 では「運転している」と言えます。
・「ペダルだけの走行の前にモーターやエンジンで走行したこと」を自供させられれば、③説 の立場でも、「全体として原動機の力で走った」つまり「運転した」ととされます。
※自白だけでは有罪とならず自白の他にそれを補強する証拠が必要ですが、日本の判例では簡単な事柄で補強証拠とされます。

「ペダル付き電動自転車・バイクをペダルだけで走らせて、なぜ原付自転車を運転させたことになるンだ!」と憤る方は、
モーターの電線を外したり、タンク・キャブからガソリンをすべて抜き取ってからペダルだけ走行しましょう。
もっとも、それでは「原動機を運ぶ自転車」になってしまいます。
   ●●      
選任のための法律知識・








4.軽車両とは何か(11号)


a.軽車両の定義


条文がややこしいですね。
“句点”・“若しくは”・“又は”が多用されているので、どこからどこまでがひとまとめかわかりません。
こんな書き方をするから、いろいろ解釈が分かれるのです。

要するに三つの代表を挙げています。
・①自転車
・②人や動物の力で動かすもの
・③他の車両の力で動かすもの

① → 自転車は11号の2で規定されています。
② → 人力車・リヤカー・猫車・馬車・牛車など。
③ → 自転車の後ろにつけたリヤカー・自動車が牽引する故障車など。
③ → 牽引という言葉が使われていますが、引っ張っているだけでなく押している場合も含まれるでしょう。

・さらに、軽車両には「車」だけでなく「そり・牛馬」を含めています。
  犬ぞりやサンタクロースのそりも軽車両となります。
  大雪の日にスキーで通勤する時にはどこを走ればよいのでしょうね。

・これらに該るものでも、軽車両から除外されるものがあります。
a.レールをつかうもの
b.身体障害者用の車いす、歩行補助車等
c.小児用の車

・aの例示で鉄道馬車がよく出てきます。時代錯誤ではありません行楽地で走っています。
・bを除外したのは身障者や老齢者を保護するためです。
  身障者自身が使っている場合と介添え者が押している場合がありますね。
・cはお母さんの押す乳母車やベビーカー。これも交通弱者保護です。
  また、小児が押すカタカタや足で地面を蹴って進む「プープー」もcに該ります。これらを軽車両として車両扱いをすれば交通の安全と円滑が害されてしまいます。
    

b.一輪車・ローラースケート・ローラースケートボード・キックボードは軽車両か?

自転車で説明しますが、一輪車は自転車にあたりません。
一輪車・ローラースケート・スケボーは「人の力で動かす車」に該ります。

軽車両になるのでしょうか?

これらが軽車両に該るとしても、それが小児用のものなら軽車両から除外されます。
問題となるのは若者や大人が使う一輪車やスケボーです。

これは道交法の目的から判断しなければなりません。

※道交法1条(目的)
「この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。」

一輪車やスケボーを軽車両として歩行者と別扱いにするのが「交通の安全と円滑を図ることになるか」の判断です。

一般的には「これらは遊具であり交通手段ではないから軽車両に含まれない」としているようです。
そして、交通の安全と円滑を図るためには「道路上での危険行為禁止」で対処しています。

    
c.馬のたずなを持って人が歩いています。この馬は軽車両でしょうか?

軽車両の要件に「牛馬も含む」としているはどういう意味なのでしょうか?

・車両の中で原動機を使うものが自動車と原動機付き自転車。
・軽車両は原動機を使わないもの。
・軽車両の原動力は人力・動物の力・他の車両の力。

牛や馬の力で運転する牛車・馬車・馬ソリは分かるけど、「牛や馬の力で運転する牛馬」とはどんなものか分かりますか?

『牛や馬に荷物を載せて運ぶことじゃないですか?』

その通り!

※ダイハツミゼットは
検索してください
  道交法ができたのが昭和35年。
  田んぼでは牛が働き、牛車が当たり前のように通っていました。
  ダイハツミゼットは昭和32年発売ですから、田舎のモータリゼーションはまだまだでした。
※ダイハツミゼットは
検索してください


さて、「人がたずなを持って馬を歩かせている問題」です。

この馬が軽車両に該るかどうかは、「馬が運転されているかどうか」で決まります。

「運転する」とは「その本来の用い方に従って用いることをいう」(道交法2条17号)です。

その馬が本来の用い方に従って用いられていれば軽車両に該ります。
・馬に人や荷物を載せているのなら、軽車両。
・ただ馬の運動のために歩かせているだけなら軽車両ではないでしょう。

・同じ理由から、逃げている牛や馬も軽車両ではありません。
  もっとも、牛や馬に交通違反だと言っても意味がありまんせが‥。
  飼い主は別の法律でお灸を据えられるでしょう。


・警察の解釈も軽車両に該らないとしているようです。
  裏をとったわけではありません。どこかのページで見かけただけです。

    
d.乗馬している人がいます。この馬は軽車両でしょうか?

お客サンを馬に乗せて、馬子が馬を引いている場合ではありません。
自分が馬に乗っている場合です。

それが「本来の用い方に従って用いているかどうか」で決まります。

・馬は荷役だけでなく交通手段としても使われますから、乗馬は「本来の用い方」でしょう。
  この馬は軽車両に該るでしょう。

・同様の理由で、金太郎さんの乗っている熊も軽車両でしょう。
  「牛と馬」とせず「牛馬」としたのは、牛と馬が荷役・交通手段の代表だからです。
  牛馬には熊や象も含まれると解釈できるでしょう。

    
e.二人の家来がお姫様の乗った籠を担いで歩いています。この籠は軽車両でしょうか?

もちろん軽車両に該りません。
車・ソリ・牛馬ではないからです。
籠にソリをつけて押したら軽車両ですね。
       

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5.自転車とは何か(11号の2)


自転車とは次の要件を備えているものです。
・①ペダルまたはハンドクランクを用いる
・②人の力による
・③二輪以上
・③車
・④身障者用の車椅子・歩行補助車・小児用の車は除外
・⑤アシスト付き自転車は別に定める

① → 自転車からペダルをとって足で地面を蹴って進めば自転車ではありません。
      ただし軽車両に該りますからそんなことをしてもあまり意味はありません。
② → 帆を張って風の力で走らせれば自転車でありません。犬に引っ張らせても自転車ではありませんが軽車両に該ります。
③ → 二輪以上ですから、一輪自転車は自転車ではありません。オバアサンが乗っている三輪自転車は自転車です。
④ → 小児用は除外されます。幼児用がペダルをこいで進むプープーや三輪車は自転車ではありません。小児用の自転車も自転車ではありません。

※ハンドクランク歩行補助車は
検索してください
  ④で除外されている身障者用車いす・歩行補助車とはペダル・ハンドクランクを人力で回して進むものです。
※ペダル歩行補助車は
検索してください

     
⑤アシスト付き自転車は次の基準を満たせば自転車となります。基準を超えるものは原動機付き自転車や自動車となります。

※道交法施行規則1条の3(人の力を補うため原動機を用いる自転車の基準)
「法第二条第一項第十一号の二 の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
  1.人の力を補うために用いる原動機が次のいずれにも該当するものであること。
  イ.電動機であること。
  ロ.24㎞/h 未満の速度で自転車を走行させることとなる場合において、
     人の力に対する原動機を用いて人の力を補う力の比率が、(1)又は(2)に掲げる速度の区分に応じそれぞれ(1)又は(2)に定める数値以下であること。
     (1)10㎞/h未満の速度 → 2
     (2)10㎞/h以上~24㎞/h未満 → 走行速度をキロメートル毎時で表した数値から十を減じて得た数値を七で除したものを2から減じた数値
  ハ.24㎞/h以上の速度で自転車を走行させることとなる場合において、原動機を用いて人の力を補う力が加わらないこと。
  ニ.イからハまでのいずれにも該当する原動機についてイからハまでのいずれかに該当しないものに改造することが容易でない構造であること。
  2.原動機を用いて人の力を補う機能が円滑に働き、かつ、当該機能が働くことにより安全な運転の確保に支障が生じるおそれがないこと。」

いったい、なにがなんだか分からない基準です。

・10㎞/h未満 → 原動機を用いて人の力を補う機能が円滑に働くこと → 常に「人の力+モーターの力」であること
  ※人力だけ、モーターだけの場合があると(人力モードやモーターモードがあると)アシスト機能が円滑に働かない。
  ※これは「かつ、当該機能が働くことにより安全な運転の確保に支障が生じるおそれがないこと」にも要求されている。
  ※「人の力に対する原動機のアシスト比率」は数値としては決められていない。
・10㎞/h~24㎞/h → 人の力に対する原動機のアシスト比率=10㎞/h未満のアシスト比率-(a㎞/h-10)÷7
  ※2のアシスト比率が数字として表されていないのにどうやってアシスト比率を出すのでしょうか?
  ※単なる指導教育責任者にはこの部分が不明です。
・24㎞/h以上 → 原動機のアシストが働かないこと。

要するに、モーターだけで走れるものはダメ、人力だけで走れるものもダメ、24㎞/h以上になったらモーターが止まること。 → こちら
警察庁は「アシスト自転車(自転車)に該らない電動自転車」を個別に指定しています。 → 平成28年度警察庁

    
6..身体障害者用の車いすとは(11号の3) 


軽車両から除外される身障者用の車いすの要件です。

「車いす」の定義がありませんが、足元のおぼつかないオバアサンの押しているシルバーかーも含まれると解釈できるでしょう。
疲れたオバアサンがシルバーカーに座って休憩していますからね。

身障者でない元気な若者が遊び半分で乗っている車いすは該りませんネ。
「身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するため」とは言えませんから。

この車いすやシルバーカーに原動機が付いている場合は基準があります。
この基準内であれば身体障害者用の車いすなどになりますが、この基準を超えると原動機付き自転車や自動車になります。

※道交法施行令1条(歩行補助車等) → 道交法施行令
「道路交通法 (以下「法」という。)第二条第一項第九号 の歩行補助車等は、
  歩行補助車及びショッピング・カート(これらの車で原動機を用いるものにあつては、内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)とする。」

※道交法施行規則1条(原動機を用いる歩行補助車等の基準)
「道路交通法施行令 (昭和三十五年政令第二百七十号。以下「令」という。)第一条 の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
  1.車体の大きさは、次に掲げる長さ、幅及び高さを超えないこと。
  イ.長さ  120㎝
  ロ.幅    77㎝
  ハ.高さ  109㎝

  2.車体の構造は、次に掲げるものであること。
  イ.原動機として、電動機を用いること。
  ロ.6㎞/hを超える速度を出すことができないこと。
  ハ.歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
  ニ.歩行補助車等を通行させている者が当該車から離れた場合には、原動機が停止すること。」

※新しい基準になっています。 → こちら

     

7.歩行者とは何か


道交法では車両を定義していますが歩行者を定義していません。
「歩行者とは何か」をわざわざ説明する必要はないと考えたのでしょう。

だから「歩いている人」と考えてよいでしょう。
もちろん、這っている人・走っている人も歩行者です。


道交法は2条3項で歩行者と見做すものを挙げています。

・バイクを押している場合のバイク。(2条3項2号)
  ただし、押しているバイクの横にサイドカーが付いていたり、バイクの後ろにリヤカーが付いていたりすると、歩行者として扱われません。軽車両になります。

・身体障害者用の車いす、歩行補助車等又は小児用の車を通行させている者(2条3項1号)
  軽車両から除外した身障者用の車いす、歩行補助車、乳母車、小児用の自転車やその他の軽車両です。
  これらは歩行者で車両ではありません。

※「小児用の車を運行させている者」について

小児用の車には小児用の自転車を含みますが、その定義がされていません。

ネットで調べると「警察庁の見解」として
1.6歳未満の子供が乗車する程度の大きさの車体(車輪が概ね16インチ(直径40cm)以下)
2.走行・制動操作が簡単
3.4~8㎞/h程度の速度しか出せない
とされていますが、「警察庁の見解のうちのどれか」が示されていません。
ネットに書く場合は「聞きかじり」ではなく、具体的な根拠・出典を示さなければなりません。

また、「小児用の車を運行させている者」と規定しているだけです。
だから、5歳の息子の誕生日に小児用の自転車を買って、家に乗って帰る場合も含まれることになります。
この点、裁判例では小児用の自転車に乗る者について制限をつけているものがあります。
理由は、「力があるのでスピードが出て危ない」というものです。→→→こちら


8.新任警備員のためのワンポイン

道交法で車両とは、

①運搬・移動のために使われる車・そり・家畜
②原動機を使うものが自動車、使わないものが軽車両。
③車いす・シルバーカー・乳母車・小児用のものは車両ではなく歩行者


つづく。




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