- たいこ作成に必要なもの
- 頑丈なたいこの作り方 ( 1.5㎜Φ・2.0㎜Φ ワイヤー )
- 頑丈なクラッチレリーズ側とレバー側のたいこ ( 2.5㎜Φ ワイヤー)
- 頑丈でなかった「2.5㎜Φワイヤー対応の頑丈たいこ」と改良型
- ケーブルのアウター調整・ジョイントの付け替え
1.たいこ作成に必要な道具
他車のケーブルを流用するときやワイヤーを新しくするときには、
必ずワイヤーエンド ( たいこ ) を外して新しく付け替えなければなりません。
「ネジ式の汎用たいこ」が出ていますが、パッケージに「非常用」と書いてあると心配になります。
・スロットル側,クラッチレバー側,クラッチ6㎜ → 8㎜カバー、クラッチワイヤー
「たいこ」はハンダ付けをして取り付けるのですが、取り付ける「たいこ」は売られていません。
どうしても自分で作らなければなりません。
あちらこちらのサイトに「たいこの作り方とハンダ付けの方法」が書かれています。
内容は昨今のネット情勢の通り「どこも同じようなもの」。
誰かが取り上げたものを見て、それを取り上げるのですから「同じになる」のは当たり前。
その内容は以下のようなもの。
・6㎜Φの真鍮棒かパイプを使う。
・1.6~1.7㎜Φのキリ(スロットル),2.2㎜Φのキリ(クラッチ)で穴を開ける。
・ワイヤーを通して、ワイヤーの先を拡げる(笠を作る)。
・鈑金用ハンダで固定。( ハンダこて or 漬け込み )
・表面をなだらかにする。
しかし、この通りに作ると「強度が弱い」。
非常用の「ネジ式たいこ」の方が頑張ってくれる。
そこで、「頑丈なたいこ」を考えてみました。
ただし、実際に使用して「その強さと耐久性」を検証していません。
使用は自己責任でお願いします。
必要な道具は
・100Wハンダこて → ハッコーユー 100W 790P (白光) → こちら
・ステンレスハンダ → ステンレス用はんだ 150g 直径1.2mm FS404-01(白光) → こちら
・フラックス → ハッコーFS-200 フラックス 20ML FS20001(白光) → こちら
・こて先 → 白光 ジュニアコテ先100W 343T → こちら
これらはホームセンターで入手できます。
このなかで「たいこ作成」に必要なものは、ハンダとフラックスだけ。
ハンダこては不要です。(後述)
ハンダこての代わりにカセットバーナーが必要です。
このバーナーは「チャンバーの耐熱塗装硬化」に使いました。 → こちら
エアホットガンはハンダ付けの前に接着部を温めるのに使います。
ジョイントの取外しや取付にも使います。
エアホットガンは「耐熱塗装硬化」には何の役にも立ちません ( こちら ) が、
「ネジロック解除」によく使っています。 → →こちら と こちら
名の通ったものでも「made in China の下請け製造」です。
だから、2000円程度の「まんま中華」でも性能は同じようなものです。
単なる大型ドライヤーですが、あれば便利な道具です。
なお、ボール盤や旋盤は使いません ( ありません )。
使うのは手持ちのディスクサンダーとハンドドリルだけです。
※ボール盤は買う機種まで決めていますがなかなか思い切れません。 → こちら
2. たいこの寸法
クラッチワイヤーは2.0㎜Φ (上段右 )と 2.4㎜Φ ( 上段左 )。
レバー側のたいこは「8㎜Φ×10㎜」か「5.8㎜Φ×10㎜にたいこカバー」。(上段)
NSR標準は 2.4㎜Φ,レバー側たいこは「6㎜Φ×10㎜にたいこカバー」
スロットルワイヤーは 1.4㎜Φ か 1.5㎜Φ。
スロットル側のたいこは「5.8㎜Φ×5㎜」(中段)。
キャブレター側のたいこは「5.8㎜Φ×10㎜」(下段)
たいこ作成に6.0㎜Φか8.0㎜Φの円棒を使うとして、その長さをどうすればよいか?
5.0㎜や10.0㎜にすれば問題はないが、作る場合は少しでも長い方が楽。
どこまで長くしてもよいのでしょうか?
●クラッチレバー側のたいこの長さ
・レバーの「たいこ穴」深さ → 12㎜。
・ワイヤー出口(通り道) → 巾/3㎜,中心(センター)/穴底から5.5㎜。
・たいこ長は「5.5㎜×2=11㎜」なら確実にOK、
12㎜でもワイヤーがセンターから少しずれるだけ。
つまり、10㎜でなくても11~12㎜でもOK。
ただし、これはたいこのワイヤー穴が長さ方向の中央ある場合。
ハンドドリル作業の場合は中央からずれているので、
ワイヤーをワイヤー溝からずれないようにする現物合わせの微調整が必要。
●スロットル側のたいこの長さ
・たいこが入るホルダー厚 → 6㎜
・ホルダーが納まるケース巾 → 6.8㎜
・たいこ長が 6.8㎜ならスロットルホルダーがスムーズに回らない。
・つまり、5㎜でなくても6.5㎜までならOK。
・通常、押し側の穴(写真の下の穴)が磨耗しているので、たいこ長が5㎜より「6.0㎜+α」がよい。
これもワイヤー穴がたいこの中央にある場合。
中央からずれている場合がほとんどなので、
スロットルホルダーがスムーズに回転するように微調整削りが必要。
●キャブレター側のたいこの長さ
・たいこが入る穴は押し側・引き側とも巾8㎜。
・たいこ長が10㎜だからタイコは1㎜ずつ穴からはみ出る。
・しかし、それ以上はみ出しても干渉する部分はない。
・だから、10㎜でなくても12㎜でもよい。
これも、ワイヤーがたいこ長の中央から出ている場合のこと。
たいこ穴が中央から少しずれていることを考え、
調整分を含め「たいこ長」を次のようなものがよいでしょう。
・クラッチレバー側 → 約11㎜
・スロットルホルダー側 → 約6㎜
・スロットルキャブレター側 → 約11㎜
※切り出す場合は「両端面を垂直にする調整分」1.0㎜を付け加える。
3. 素材
・使うのは 6.0㎜Φ の 真鍮棒(598円・真ん中)
・6.0㎜Φ の 軟鉄棒(298円・2段目)は硬くて加工しにくいので不適。
・6.0㎜Φの 真鍮パイプ(418円・4段目)は「笠が作れない」ので不適。
・キリは1.7㎜Φと2.2㎜Φ使用。は※2.4㎜Φワイヤーには2.6㎜Φのキリ。
4. 強度はハンダではなく「笠」にある
鈑金用ハンダ・ステンレスハンダといってもハンダであることに違いはありません。
溶接のように素材をしっかりとつなぐわけではありません。
真鍮バイブで作った「たいこ」に、
ワイヤーを通して、中央をばらして太くし、
ハンダに漬け込んで、きれいに仕上げても
クラッチはレバーの一握りで、スロットルは知らない間に抜けてしまいます。
ハンダがワイヤーとたいこを接着する力はこの程度のものなのです。
ハンダの役割は「ワイヤーとたいこを接着する」のではなく「ワイヤーの笠を固定する」こと。
次は真鍮円棒で作った「たいこ」。
たいこから出たワイヤーの「笠の形」をハンダが固定する。
「笠」は拡がったままになるので「ワイヤーのストッパー」となるのです。
しかし、表面をきれいに削ると、せっかくの笠が小さくなってしまいます。
このくらい「笠」が残っていれば充分ストッパーになりますが、
もう少し削ると「笠」にならずワイヤーが強く引っ張られると抜けてしまいます。
なお、真鍮パイプの場合は「笠」を作っても、パイプの厚さが0.5㎜しかないので
出っ張った笠部分を削ると、笠の広がりはワイヤー穴より少し大きいだけになります。
これではストッパーになりません。
たいこの引っ張り強度を高めるための課題は「表面を削ったあとも笠を開いたままにする」こと。
その答えは「笠をたいこの外側ではなく内側に作る」こと。
これを次に説明します。
【広告】
国産ではないけれど「いい味」。
※トライクの法的取り扱い
- たいこ作成に必要なもの
- 頑丈なたいこの作り方 ( 1.5㎜Φ・2.0㎜Φ ワイヤー )
- 頑丈なクラッチレリーズ側とレバー側のたいこ ( 2.5㎜Φ ワイヤー)
- 頑丈でなかった「2.5㎜Φワイヤー対応の頑丈たいこ」と改良型
- ケーブルのアウター調整・ジョイントの付け替え
5. 笠をタイコの内側に作る ( 1.4,1.5,2.0㎜Φワイヤー )
作業手順で説明していきます。
a. 真鍮棒を必要な長さに切る
ディスクサンダーでは真っ直ぐに切断することが難しい。
バイス(万力)は円棒を面で固定できずに、サンダーの回転方向(下)に動いてしまう。
まず解決しなければならないのは「真鍮棒の両端面を垂直に切る」こと。
少しでも「垂直に切断する」ために、
バイスの端にサンダーを押しつけて真鍮棒の端面をできるだけ垂直にする。
切断する長さをバイスの中に残し、Cクランプで真鍮棒を支える。
※Cクランプにはバイスの真鍮棒の高さに6㎜Φ の穴を開けておく。
棒を切断し、サンダーをバイスの端に押しつけて垂直面を作る。
整形分を見込んで
・スロットルレバー側7㎜,
・スロットルキャブレター側・クラッチレバー側12㎜で切断。
※出来上がり長さは6㎜,11㎜。
これでも充分な垂直面になっていません。
これが、バイスと手持ちグラインダーの限界。
b. タテ溝を作る
切り出した真鍮棒をバイスに挟んで、サンダーでタテ溝を作る。
バイスの両側に当たらないようにサンダーを入れるのでタテ溝はほぼ中央になる。
この溝にワイヤーの笠を収めます。
溝の深さは円棒の真ん中あたりまで。
溝は真っ直ぐでなくてもかまいません。
c. 中央に穴を開ける
円棒の表面にキリを立てるとキリが逃げてしまいます。
溝の中にキリを立てればキリが逃げることはありません。
狙った中央に穴を開けることができます。
※1.4,1.5㎜Φワイヤー → 1.7㎜Φ、2.0㎜Φワイヤー →2.2㎜Φ。ワイヤー入口は拡げる。
「切断面が斜めになっているもの」は後で整形できます。
「穴が中央に開いていないもの」は没にします。
「中央に穴があること」は大切なので、ちゃんとマーカーで印を付けてからキリを立ててください。
d. 笠を作る
●溝付きたいこ
ワイヤーを引き出して、フライヤーで直角に曲げて笠を作る。
ワイヤーを引っ張って笠を溝に引き込む。
傘の不要部分(たいこから出っ張っている部分)を切除。
この状態でハンダこてを使ってハンダを溶かし入れようとしてもできません。
溶けたハンダが開いたワイヤーの上に乗るだけで、ワイヤーの隙間に入っていきません。
ハンダこてはワイヤーの隙間にハンダを入れるのには不向きです。
ワイヤーの隙間をハンダで埋めるには「溶かしたハンダの中に漬け込む」ことが必要です。
側面と両端面をアルミテープでマスキングする。
溝からワイヤーがはみ出すときは、ハンダ線を巻いて押さえつける。
もう一巻できます。
●溝なしたいこ
ワイヤーの出口をすり鉢状に拡げる。(笠が納まる部分を作る)
ワイヤーを引き出して、プライヤーで曲げて笠を作る。
笠を引き込む。
傘の余分な部分はできるだけ切除する。
側面と両端面をアルミテープでマスキングする。
e. 漬け込み
今回使ったハンダ桶は「銀色ラッカーペコ缶の銀粉を混ぜる中蓋」。
これをバイスで斜めに固定してハンダを入れ、バーナーであぶればハンダが溶けます。
ハンダは冷めれば固まりますが、ハンダ桶にはくっつきません。
固まったハンダを外して保管しておけば何度でも利用できます。
こんな大げさな道具は必要ありません。 → こちら
ハンダが一番溶けた状態(ユルユル状態)で漬け、しばらくして取り出すと、
タテ溝にハンダが詰まっていません。
どこかのサイトに「毛細現象でハンダがワイヤーの中にしみ込んでいく」と書いてありました。
ハンダがワイヤーの中にしみ込んでも固定力は生じません。
この「粗い隙間」にハンダ詰まって「拡がった笠の形」が固定されないとストッパーになりません。
この状態でタイコをプライヤーで、ワイヤーをバイスプライヤーで掴んで、
捩じるようにして引っ張るとワイヤーが外れてしまいます。
ハンダば冷えるにつれて、
「ユルユル」 → 「表面に薄い膜が張る」 → 「膜が厚くなる」 → 「固まっていく」と変化。
表面の膜が厚くなるにつれて「たいこ」にたくさんのハンダが付着します。
「薄い膜~暑い膜」の中間で引き揚げるのがよいでしょう。
引き揚げるとこんな状態。
しかし、マスキングしたアルミテープを剥がすと、
不要なハンダを取り去ることができます。
このアルミテープのマスキングは思った以上の効果があります。
もう、たいこ側面にくっついた余分なハンダをサンダーで削り取る必要はありません。
あとは、笠の部分を平坦にするだけ。
出っ張っているワイヤーに軽くサンダーを当てて切除し、ヤスリで仕上げる。
どこかのサイトに「サンダーの切削熱でハンダが溶けるから、濡れタオルで冷しながら行う」とか。
そんな心配は無用です。
サンダーをチョンチョンと当てて、出ているワイヤーを切除するだけです。ハンダは溶けません。
また、ハンダが溝にしっかりと入っているので、少しくらい溶けても問題ありません。
かえって溶けた方が細かい所まで入っていくので都合がよいとも言えます。
左の「溝付きたいこ」と右の「溝なしたいこ」。
笠のストッパー力が強いのはどちらでしょう?
この状態でワイヤーをブライヤーで挟んで捩じって引っ張った場合、どちらの笠が頑張るでしょう?
「溝付きたいこ」の溝がハンダで埋まっていませんが、笠の広がりはしっかりと固定されています。
気になるのなら、「もう少し漬け込み時間を長くする」か「ハンダこてでハンダを盛りつけ」。
やっと、「100Wハンダこて」の出番が来ました。
ただし、これは単なる整形。笠のストッパー力を強めているわけではありません。
しかし、見た目がキレイな方がよい。
見るからに頑丈なたいこになりました。
もちろん、実質も「非常用のネジたいこ」より強くなっているはずです。
さあ、NSRのたいこを「溝付きたいこ」に取り替えましょう。
これで、安心して尾鷲・熊野の峠に持ち込めます。
【広告】
50ccでミニカー
原動機付き自転車扱いです。
- たいこ作成に必要なもの
- 頑丈なたいこの作り方 ( 1.5㎜Φ・2.0㎜Φ ワイヤー )
- 頑丈なクラッチレリーズ側とレバー側のたいこ ( 2.5㎜Φ ワイヤー)
- 頑丈でなかった「2.5㎜Φワイヤー対応の頑丈たいこ」と改良型
- ケーブルのアウター調整・ジョイントの付け替え
7. 2.5㎜Φワイヤーのクラッチレリーズ側とレバー側の たいこ
a. クラッチワイヤーには 2.0㎜Φ と 2.4㎜Φ がある
上段左がスティード400のクラッチケーブル、右がバルカン400のクラッチケーブル。
※スティード400の方はNSR用のガイドが付けてあります。
入っていたワイヤーはスティードが2.4㎜Φ(実測)、バルカンが2.0㎜Φ。
2.4㎜Φは触ると太さを実感します。
NSR純正は2.4㎜Φワイヤーです。
下段はホームセンターで入手した2.5㎜Φ ステンレスワイヤー、178円/m。
今回のケーブル作り直しではスティード400のケーブルを使いましたが、
ワイヤーに「線切れ ( ワイヤーの中の1本が切れている状態 ) 」があり使用不能。
汎用の 2.5㎜Φ ワイヤー を試してみました。
ケーブルのスパイラルワイヤーの中にはチューブがあり、このチューブの中をワイヤーが通ります。
2.0㎜Φ ワイヤーと 2.4㎜Φ ワイヤーとではチューブ径が違うだろうから、
2.5㎜Φ ワイヤーが入るかどうか、その動きがスムーズかどうか試してみなければなりません。
結果は問題なし。
2.4㎜Φ ワイヤーの入っていたスティードのケーブル,
2.0㎜Φ ワイヤーの入っていたバルカンのケーブルともに動きもスムーズ。
案外、チューブは同じなのかもしれません。
b. クラッチレリーズ側のたいこ
他車のクラッチケーブルを流用する場合、レバー側のたいこを切断すれはワイヤーが外れます。
取り付けなければならないのはレバー側のたいこだけ。
しかし、新しいワイヤーを使う場合はレバー側とレリーズ側のたいこを取り付けなければなりません。
レリーズ側のたいこは形が違います。
どこかのサイトでは「外径6㎜Φの真鍮パイプをワイヤーに通して、ハンダで埋める」とか。
そんな程度では「レバー一握り」でワイヤーが抜けてしまうでしょう。
まずは、取り付ける部分の寸法から。
※NSR-MC21 クラッチレリーズたいこ取り付け部。
※おおよその値。2.5㎜Φワイヤーが「2.5㎜ 巾の溝」を通ります。
次に、NSR純正のたいこ。
問題はワイヤー出口の「4.0㎜Φ×3.7㎜」のワイヤー保護部。
ワイヤーがリレーズで直接擦られないようにしている部分。
試作品でチェック。
・形はレバー側と同じ。8㎜Φ円棒を横にして使う。※6㎜Φ円棒では不安定。
・長さは取り付け部の11㎜より長くても取り付け部より出っ張るだけだからOK。
・ワイヤー保護部は外径4.0㎜Φ/内径3.0㎜Φの真鍮パイプで作る。
・保護部の長さは3.0㎜まで。
※本体と合わせて9.0㎜以下でないとはまらない。加工精度を考えて「8.0㎜以下」
円棒のワイヤー出口側は平坦に削る。
もう一方は溝を作ってワイヤーの笠を収める。
取り付けるとこのようになります。
c. 作り方と留意点
イ. 材料
・8㎜Φ軟鉄円棒/298円。※8㎜Φ真鍮丸棒がなかったため。
・6㎜Φ真鍮円棒は使わない。
・外径4.0㎜Φ・内径3.0㎜Φの真鍮パイプ。
・使ったキリは4.1㎜Φ。
ロ. 手順
●円棒の切り出し
両端面をできるだけ垂直にするのは同じ。
●ワイヤー出口側を平坦にして穴あけ
4.1㎜Φの霧で穴あけ。
ワイヤー出口の保護部になる4.0㎜真鍮円パイプをこの穴に通すため。
※穴開けは次の溝を作ってからでもよい。その方が削る部分が短くなる。
※穴は中心から少々ずれていてもよい。
● タテ溝を作る
溝を作ってから反対側から穴を開けた方がよい。
4.1㎜Φ キリは溝巾(2.6㎜)より広いので溝側からでは穴を開けられない。
ワイヤーが太い分だけ線が多いので、それを納める溝は深くする。(1/2まで)
軟鉄だから強度に心配はない。
溝が浅いとワイヤーがはみ出す。
● 4.0㎜Φ 円パイプを通す
円パイプをたいこ穴に通して、サンダーを溝に当てると円パイプが仮止めされる。
バイスに円パイプ 2.0㎜ を残してパイプを切断。
たいこの完成。
● 笠を作るときの注意
たいこから出たワイヤーは捻じって、
溝に納める。
たいこからはみ出たワイヤーはサンダーデ切り取り、端を押しつけて熱着させる。
アルミテープのマスキング、ワイヤーの表面処理、フラックス塗布。
引っ張って、「笠が溝に納まっていること」を確認して、ハンダへの漬け込み。
出来上がり。
純正のたいこと同等かそれ以上の強度があるでしょう。
ハ. 残された課題
たいこから出たワイヤーを捩じると、捩じった根元のワイヤーがほどけてしまう。
ほどけた根元部分は太くなるので、ワイヤー出口の保護部の円パイプ(内径3.0㎜Φ)を通らない。
その結果、ワイヤーの笠が浮き上がってしまう。
たいこから出たワイヤーを曲げるだけで捩じらなければ、ワイヤーがたいこの溝に納まらない。
「ワイヤー出口の保護部なし」でも問題はなさそうだが、やはり保護部はあった方がよい。
結局、4.0㎜Φパイプを2㎜長に切って、たいこをハンダ付けした後で取り付け。
ワイヤーの捩れが解けて、太くなっているのではめるだけで外れてこないようです。
心配ならエポキシ接着剤で留めればよいでしょう。
ただし、この部分が4.0㎜Φより太くなるとレリーズのたいこ取り付け部にはまらないので注意。
ニ. ワイヤーを通すたいこ穴の大きさ
同様のことが「ワイヤー太さとそれが通るたいこ穴」についても当てはまります。
一般に1.4㎜Φのワイヤーを通す穴は1.6㎜Φか1.7㎜Φ。
2.0㎜Φワイヤーでは2.2㎜Φ、2.5㎜Φでは2.7㎜Φ。
0.2~0.3㎜太いキリで穴を開けます。
これは、はみ出たワイヤーを曲げて笠を作る場合。
笠の根元のワイヤーの捩れがそれほどほどけない場合のこと。
頑丈なたいこするために、笠を溝に納める場合は「はみ出たワイヤー」をまとめなければなりません。
これをまとめるために捩じると、笠の根元もほどけて太くなる。
この太くなった部分がたいこの穴を通らないと笠が浮き上がってしまう。
このことは太いワイヤーほど当てはまるでしょう。
ワイヤーが通る穴をどれくらい大きくするかは一概に言えませんが、
もし、笠が溝から浮き上がる場合は穴を大きくすることが必要でしょう。
d. レリーズ側たいこ簡易版
ワイヤー出口の保護チューブを「あとからたいこの前にずらせてくる」のなら、
たいこに開ける穴は 4.1㎜Φ より小さくてもよい。
ワイヤーを通す穴が小さいほどワイヤーがしっかり留まるはず。
そこで、ワイヤーを通す穴を 2.8㎜Φ に。
タテ溝巾は 2.6㎜ くらいになる。 ( サンダーのデスク厚は 2.1㎜ )
溝側から穴を開ける場合、2.8㎜Φ のキリをそのまま立てると溝壁に『キュ~ッ』と食い込む。
キリを当てる所を拡げておく必要あり。( 写真上段。小さい回転砥石使用 )
溝の反対側の平坦面から穴を開けるのならそのままでよい。
ワイヤー入口 ( 写真下段 ) も、ワイヤーが入りやすいように穴を拡げておく必要あり。
写真、右下はレバー側のたいこ用。
★工夫★
2.4・2.5㎜Φ ワイヤーは 1.4,・1.5㎜Φ ワイヤーより格段に太く線量が多い。
( 取り扱いは 125㏄ とリッターバイクくらいの違いがあります。 )
笠を作る場合と笠を溝に納める場合にはそれなりの工夫が必要。
① 分けたワイヤーは左回り ( 半時計回り ・元のワイヤーの捩じり方向 ) に捩じる。
※右回りに捩じると元のワイヤーの捩れがどんどん解ける。
②溝に納めたあと、マイナスドライバーを当ててハンマーで溝に打ち込む。
※笠のワイヤー根元の捩れが少し緩んで太くなって、笠が浮き上がっている。
ワイヤーで作った笠が完全に溝の中に入っています。
この笠をハンダで固定するのだから「頑丈なストッパー」になります。
ハンダ漬けで「ワイヤー笠の入った溝」がハンダで全部埋まることはありません。
右下の部分にあとからハンダを盛っても、ヤスリをかけると剥がれてしまいます。
溝にこれだけハンダが埋まっていれば「笠がすぼまる」ことはないのでこれで充分です。
もし溝全体にハンダを埋めたければ、ハンダを溶かしてもう一度やり直すしかありません。
たいこの前へずらせてくる「ワイヤー保護チューブ」の長さは 2.0㎜+α。
3.0㎜ になるとレリーズの溝にはまりません。
もっとも、たいこをレリーズにはめてからずらせば長くてもOK。
しかし、エポキシ接着剤で留めてしまうと、レリーズ取り外すことができなくなります。
「4㎜Φ円パイプを 2.0㎜ 長に切り出す作業」は結構しんどいものです。
e. レバー側のたいこも8㎜Φの軟鉄円棒で
2.4・2.5㎜Φ ワイヤーを曲げたり捩じったりしていると「真鍮製のたいこで大丈夫なのかな?」
クラッチレバー側に準備していたのは「6㎜Φ の真鍮円棒で作ったたいこ」。
レバーのたいこ穴は「8.0㎜Φ+α」。
しかし、通常 6.0㎜Φ のたいこに「6㎜ → 8㎜カバー」を付ける。
これは、レバーたいこ穴の磨耗防止のためでしょう。
しかし、真鍮の 6.0㎜Φ 円棒でつくったたいこは見るからに「ひ弱」。
6.0㎜Φ 円棒でも軟鉄なら少し安心できる。
8.0㎜Φ の軟鉄円棒ならもっと安心できる。
「レバーのたいこ穴がどれだけ磨耗するか」も検証できる。
予定を変更。6.0㎜Φ 真鍮円棒で作ったレバー側タイコは没にして8㎜Φ軟鉄円棒で作り直し。
分けたワイヤーを左方向に捩じること、マイナスドライバーで溝に打ち込むことは同じ。
見栄えをよくしようと「ハンダ盛り → 削り」を繰り返していると、
ハンダが緩んで、かえって元の固定力が減少してしまう危険あり。
これだけハンダが埋まっていれば笠は完全に固定されているので心配無用。
たいこは軟鉄の8.0㎜Φで、たいこ穴にピッタリ。
「アルミのレバーたいこ穴がどれだけ磨耗するか」が楽しみ。
なお、ワイヤー穴をワイヤー出口溝と一致させるために「微調整削り」が必要になります。
【広告】
200万円なら「傾く」 NIKEN も。
どちらも「立ちごけ」しません。
- たいこ作成に必要なもの
- 頑丈なたいこの作り方 ( 1.5㎜Φ・2.0㎜Φ ワイヤー )
- 頑丈なクラッチレリーズ側とレバー側のたいこ ( 2.5㎜Φ ワイヤー)
- 頑丈でなかった「2.5㎜Φワイヤー対応の頑丈たいこ」と改良型
- ケーブルのアウター調整・ジョイントの付け替え
7. 頑丈でなかった「2.5㎜Φワイヤー対応の頑丈たいこ」と改良型
a. 状況
スティード400のクラッチケーブルのアウターに汎用の2.5㎜Φワイヤーを入れて、
「2.5㎜Φワイヤー対応の頑丈たいこ」取り付ける。
現在のクラッチケーブルのたいこはレバー側が「非常用・ネジ式たいこ」。
スロットル側に「非常用・ネジ式たいこ」のスロットルケーブルも「頑丈たいこ」で作り直し。
これで「非常用」ともおさらば。
「さあ、クラッチケーブルを交換して、午後から165号で試乗だ!」
しかし、クラッチレバーの一握りで「プスン」。
「レバー側頑丈たいこ」が見事に外れる。
b. 検証
これが外れたままのワイヤー。
この笠がすぼまってたいこのワイヤー穴を通り抜けた。
ワイヤーはすぐにほどける状態。
ハンダ漬け込みでもワイヤーの中までハンダは浸透していない。
「毛細管現象」なんか起こらない。
入口は拡げてあるけれど、たいこのワイヤー穴は2.8㎜Φ。
ワイヤーの太さは2.5㎜Φ。
拡がったワイヤーが、レバー一握りでこの穴を抜けた。
溝に納めたワイヤーの上に盛ったハンダは笠を固定することができなかった。
溝底にハンダが付いているから、確かにワイヤーの笠と溝はハンダでくっついた。
しかし、その固定力が「レバー一握り」に負けた。
ハンダの固定力には期待していなかったけど、笠を固定する力の弱さにガッカリ。
★2021.02.16.追記
これははんだ付けがうまくできていなかったことが原因です。
対象物の間に溶けたはんだを流し込んでも金属とはんだとの接合力は生まれません。
はんだの接合力ははんだと金属の間に合金層ができるからです。 → こちら
この合金層を作るためには「はんだを250℃で3秒間溶かしておく」ことが必要ですが、
ただし、溶かしたはんだの中に3秒間漬け込んでもこの条件を満たしません。
それは「事前に対象物を250℃にしておく」ことが前提となっているからです。
上では笠を作ったたいこをそのままはんだ溜まりに漬けていますが、
事前に笠とたいこを熱しておく必要があったのです。
はんだこてを当てて熱するか、バーナーで熱するかしなければならなかったのです。
はんだは「対象物の間に流し込む」のではなくて「流れ込んでいく」のです。
そのために対象物を熱しておく必要があるのです。
c. 改良型
ハンダに「笠の広がりを固定すること」を期待できないのなら、ハンダ以外の方法を…。
●ワイヤーが穴を通れないようにワイヤーに結び目を作る。
1.5㎜Φワイヤーなら結び目ができるけれど、それがじゃまになって笠が溝から浮き上がる。
もちろん、2.5㎜Φワイヤーでは結び目はできません。
●予め溝半分にハンダを盛っておいて、そのハンダを溶かしながらワイヤーの笠を溝に入れる。
「溝底とワイヤー笠の接着性を高めること」を狙ったが、
溶けたハンダの中に漬け込むようにはいかない。溝の中のハンダが溶けて緩くならない。
●笠の分かれ目(たいこ穴)に小さいネジをねじこんでワイヤーを抜けないする。
「汎用ネジたいこ」をヒントにしたが、ネジ山がないのでネジが入っていかない。
●ネジがだめなら釘を打てば?
①ワイヤーを二つに分ける ( 捩じらない )
②ぬか釘(1.6㎜Φ)を首下5㎜のところでニッパーを使って「斜めに切断」。
これを笠の分け目(タイコ穴部分)に打ち込む。
釘の頭をポンチやマイナスドライバーで打ち込んで、頭を変形させてしっかりと打ち込む。
たいこ穴の中で打ち込まれた釘がワイヤーを穴に押しつける。
釘頭は両側に拡がった笠がすぼまらないように固定する。
③二つに拡げたワイヤーをねじる ( 半時計方向 )
ここから先は同じ。
このまま使えそう。
④ハンダ漬け、化粧盛り。
溝がしっかり隠れています。
左がレバー側、右がレリーズ側。
誰も「釘が打ってある」等と思いつかない。
「これで外れるようなら、あとは溶接しかないゾ!」
レバー一握りでは外れませんでした。
これで165号の試乗コースに持ち込みます。
ネジたいこの付いているケーブルを予備として持参して。
なお、6㎜Φの真鍮円棒でつくった1.4・1.5㎜Φワイヤー用のたいこは外れていません。
こちらは「釘打ち」は必要ないでしょう。
【広告】
電動トライクです。
シニアカーの代わりに。
孫には
- たいこ作成に必要なもの
- 頑丈なたいこの作り方 ( 1.5㎜Φ・2.0㎜Φ ワイヤー )
- 頑丈なクラッチレリーズ側とレバー側のたいこ ( 2.5㎜Φ ワイヤー)
- 頑丈でなかった「2.5㎜Φワイヤー対応の頑丈たいこ」と改良型
- ケーブルのアウター調整・ジョイントの付け替え
8. アウターの調整
a. ジョイントの取外し
ケーブル作り直しで流用するスロットルケーブルはフォルツアの1800㎜のもの。
このケーブルはキャブレター側のジョイントがNSRのものと異なります。
a.SL230のストレートジョイント(NSRも同様)
b.フォルツアの曲がったジョイント。
c.どこかのケーブルのアジャスター。
d.ヤマハのプラスチック製スロットル側ジョイント。
フォルツアのスロットルケーブルのキャブレター側ジョイントをaのストレートなものに交換し、
スロットル近くにcのアジャスターを付けます。
作業はいたって簡単。
エアホットガンて30秒くらい温めれば引き抜けます。
かしめてあっても、アウター皮膜を留めているだけでスパイラルワイヤーまで達していません。
アウター皮膜を温めて軟らかくすれば外れるのです。
右端のプラスチック製ジョイントも外れましたが、多分「取り付けること」はできないでしょう。
左二つのジョイントとアジャスターはアウターがクルクルと回ります。
これは、ジョイントの中にキャップがあり、アウターはそのキャップにはまっているからです。
このジョイントの中にあるキャップを温めてやればアウターが外れます。
熱風を当てるのはこのキャップの外側なので、キャップを温めるのにはそれだけ時間がかかります。
まあ、2分も温めていればよいTしょう。
ただし、温めすぎるとアウター皮膜が溶けてしまいます。
「引っ張って抜けなければ、もう少し温める」でやってください。
b. ジョイントの取り付け
外したときの逆です。ジョイントを温めてアウターに差し込む。
熱いジョイントがアウターに当たる → アウターが軟らかくなる → 軟らかくなった部分にジョイントがはまっていく。
冷えればアウター皮膜が固くなって取れなくなります。
★注意★
・焦ってジョイントを差し込むとアウター皮膜がめくれてしまう。
アウター皮膜に軟らかくなる時間を与えて、「グゥ~」とジョイントを押し込む。
・アウター皮膜は温めない。かえって冷やして硬くした方がよい。
・アウター皮膜の切断面は切断熱で溶けて膨らんでいる。このままジョイントを押し込むと皮膜がめくれる。
皮膜の膨らんでいる部分をカッターで削って細くして瞬間接着剤で固める。
・必要以上に押し込まない。どこまで押し込めばジョンインの奥に達するかの印を付けておく。
出来上がりは
まず、キャブレター側のストレートジョイント。
当然、クルクル回ります。
次に、スロットルの「引き側」に取り付けたアジャスター。
一番上はクラッチケーブルのレバー側のキャップです。
フォルツアのキャップが痛んでいたので、どこかのケーブルから取り外して付けました。
やり方は同じです。
「必要以上の押し込み」でアウターが鍔状になってしまいました。
面白いのは「アウター・ケーブル調整」についてあちらこちらのサイトで説明しているは、
どこも「クラッチケーブルのキャップ+百円ライター」。
動画までアップしている人も。
なぜ、どれもケーブルキャップだけ?
なぜ、どこも百円ライター?
昨今の「軽薄短小」、手っとり早く結果だけ。少しでも人目を引けばそれでよい。
他の人が見つけた情報をそのまま取り上げていれば、失敗や回り道がないので苦労しなくて済む。
しかし、「自分が回り道をした分だけ他の人が苦労しなくて済む」、それが情報発信者の喜び。
「その情報を得るために費やした労力がその情報の価値である」ことに気付いてもらいたいものです。
なお、ジョイントを外したら、忘れないようにアウターに注油。
ワイヤーが入った状態での完全注油は不可能。
また、アウターを切断した場合は中のチューブが潰れています。
切断面に千枚通しを使ってワイヤーの通る穴を拡げておくことが必要。
上が長さを1180㎜にしたスティード400のクラッチケーブルアウター。
汎用の2.5㎜Φワイヤーを使い、8.0㎜Φ軟鉄円棒で作った頑丈たいこを取り付け。
※2.5㎜Φワイヤー対応の「頑丈たいこ」 → こちら
下が、アウター長を「押し・引き」とも1100㎜にし、
スロットル側にアジャスターを付けたフォルツアのスロットルケーブルアウター。
こちらは6.0㎜Φ円棒で作った頑丈タイコ取り付け。
※1.4・1.5・2.0㎜Φワイヤー対応の「頑丈たいこ」 → こちら
次へ/バーハンドルNSRその後
