NSR 250-MC21 整備資料
2015.10.03 NSRの小ぎれい化
「現状維持・動態保管」のNSRが見すぼらしいので小ぎれいにしました。
程度のよいタイヤに交換し、チェーンも新しくしました。
手持ちのカウルを修復して見た目もすこしきれいなりました。
メーター取り付け部の修復やカウル修復方法は参考になると思います。
メンテナンススタンドを入手しようとしている方への助言もぜひ。
★メンテナンススタンドを選ぶときの注意
・冷却水ドレンボルトの位置
-チューブレスタイヤ交換-
・ビート落とし
・タイヤ脱着
★エアバルブ交換方法
・フロントタイヤの回転方向
★DOG FIGHT チャンバーと純正チャンバーの重さ
★フロントカウルの修復
・おすすめレバー
★メーター取り付け部の修復
・部品調達メモ
★出来上がり
00.小ぎれい化前の状態
NSR-MC21 は私のバイクではありません。 長男の放置バイクで、私が好意的に動態保管しています。 いつもは車庫の奥で冬眠。 半年に一回くらいエンジンをかけて試乗します。 しかし、タイヤは丸坊主。チェーンの伸びは限界。 試乗するのがためらわれます。 最後の試乗は1年と8カ月前。 雨上がりのゆるやかな下りで転倒。 縫わなかった右膝の傷は治るまでに3カ月かかりました。 仕事の合間で時間ができたので、 タイヤとチェーンを交換し、こぎれいにしようと思います。 もちろん、金と時間はかけません。 「きれいにする」のではなく「こぎれいにする」のです。 使用する部品はRMXやFJの分を入手するときに ついでに入手したもの。 同梱してもらえば送料がかかりません。 チェーンだけは当てがはずれて購入しました。 |
1.はじめてのメンテナンススタンド
NSRにはセンタースタンドがありません。
チャンバーがクランクケースの下側についているので、RMXのようにモトクロススタンドでリフトアップすることもできません。
いわゆるメンテナンススタンドが必要になります。
a.沖縄から航空便
Tools Island のメンテナンススタンド です。 特徴は「2.0 mm 厚、Φ35 で継ぎ目なしの極太パイプ。一本仕上げ。強度抜群!!ガタツキ一切なし!」 確かに組み立て式のものより頑丈でしょう。 ネットショップより Yahooオークションに出品されている方がは少し安いようです。 即決価格 2704 円(税込み 2920 円)+送料 950 円 でした。 沖縄から航空便で送られてきたのにはビックリ。 |
b.メンテナンススタンドの使用上の注意
イ.スタンドは前にずれる
・スタンドアップするとスイングアームの後ろが下がります。 ・スイングアームがスタンドを押す力は垂直方向と水平方向に分解されます。 ・この水平方向の力で、スタンドは常に前へ押されることになります。 水平方向の力に何か力が加わると、キャスターがついていることも災いして、 スタンドは簡単に前へずれます。 ・スイングアームは前へいくほど巾が狭くなっています。 スタンドが前にずれるとスタンドの受け部がスイングアームから外れてしまいます。 両方外れればもちろん、片方が外れても、バイクはバランスを崩して倒れてしまいます。 今回は右へ倒れてブレーキレバー、左へ倒れてリヤウンイカーが犠牲になりました。 ・とくに、リヤタイヤを外した状態でスタンドが外れると非常に厄介です。 バイクを起こしても、地面とスイングアームの間が充分でないので、 メンテナンススタンドの受け部をスイングアームに引っかけることができません。 |
この場合は、クランクケースの下に何かをかませ、
リヤショックのリンク部分に車のジャッキを当てて、バイクを慎重に持ち上げメンテナンススタンドをスイングアームに引っかけます。
しかし、少しでもバランスを崩せば、バイクが倒れて「振り出しにもどる」。
「ジャッキを上げる,バイクのバランスを保つ,メンテナンススタンドをスイングアームにかけてスタンドを上げる。」これを一人でやらなければなりません。
対策としては、
・①.スタンドの受部をスイングアームの受けボビン取付穴の後ろに当てる。 こうすれば、スタンドが前にずれることはありません。 ただし、この状態ではリヤアクスルを抜くことができなくなります。 ・②.受けボビン取付穴のあるバイクには、受けボビン用のメンテナンススタンドを使う。 メンテナンススタンドの受け部が常にスイングアームの左右対称の位置に当たり、 スタンドアップしたときにバランスがよくなります。 しかもスタンドが前にずれることがありません。 ・今回は「自由度が大きいだろう」と 「受部をスイングアームの下に当てるメンテナンススタンド」にしましたが、 「自由度が大きい = いつも決まった位置に当てられない」という弱点があったのです。 ・③.キャスターの前にストッパーをはさむ。 キャスターが回らなければスタンドは前へ動きません。 ・④.メンテナンススタンドを信用しない。 これが一番大切です。 メンテナンススタンドは「バイクを一時的に支えるだけのもの」と考えましょう。 スタンドはいつ外れるかもしれません。バイクはいつ倒れるかもしれません。 メンテナンススタンドをセンタースタンドと同じだと思ってはいけません。 |
ロ.フロントは持ち上がらない
メンテナンススタンドでリヤを上げても、フロントは上がりません。
フロント用のメンテナンススタンドもありますが、クランクケースをモトクロススタンドで上げてやればOKです。(上の写真右)
今回はシリンダーヘッドに当てましたが、木片をはさめばクランクケースに当てることもできます。
なお、クランクケースをリフトアップすると、スイングアームの角度が大きくなり、メンテナンススタンドが前へずれやすくなりますので要注意。
当然、クランクケース部分をリフトアップするためにはチャンバーを外さなければなりません。
ハ.メンテナンススタンドは「なくてもよい」
『チャンバーを外してクランクケースの下をリフトアップするのなら、メンテナンススタンドなんか必要ないじゃない。』
…そうですね…。しかし、メンテナンススタンドがあれば、リヤホイールの脱着やチェーン交換をするときにチャンバーを外さななくてもいいですよ。
『リヤタイヤの脱着やチェーン交換なんてそう頻繁にやるものじゃないでしょう? そのときはチャンバーを外せば済むことですよ。
それに、メンテナンススタンドはスイングアームを支えるのだから、スイングアームやリヤショックを外すときには役に立ちませんよ!』
…あっ! チェーンの張りを調整するときはどうです? メンテナンススタンドがあればサイドスタンドを立ててやるより楽ですよ!
『チェーン調整は「下側チェーンが両スプロケットの中間位置で最大振幅が 15 ㎜ ~ 25 ㎜」だけど、これはサイドスタンドで車体を立てた状態でやるンですけど…。』
…あっ、そうだ! バイクを垂直に立てられるので、ガレージにバイクがたくさん入りますよ。
『サイドスタンドを立ててみな斜めにすれば同じですよ。』
…う~ん。メンテナンススタンドでリヤをアップしていると、どこかプロっぽいですよ。
『そこですか! 結局、メンテナンススタンドは、「あってもいいが、なくても困らない。わざわざお金をだして手に入れる必要はない。」ということになりますね。』
…その通りですが、それは実際に使ってみなければ分かりませんからネ。
c.冷却水ドレンボルトはどこにある?
チャンバーを外すためにはラジエターを外さなければなりません。
ラジエターを外すためには冷却水を抜かなければなりません。
冷却水のドレンボルトはここにあります。
上(左側)シリンダー、下(右側)シリンダーともに、チャンバー取り付け部の斜め上にドレンボルトがあります。
サービスマニュアルにはこれらに加えて「クランクケース右側にドレンボルトが一つ、ラジエター下にドレンプラグが一つ」。
しかし、そんなものは見つかりません。
パーツリスト(7L・7N型)にもドレンボルトらしきものはシリンダーに各一個。
このサービスマニュアルはまずG型を説明し、J型,K型,L型,N型については追補として説明されています。
G型にあったクランクケース右側のドレンボルトやラジエターのドレンプラグはなくなったのでしょう。
まあ、冷却水を抜くだけだからこの二つのボルトを外せばよいでしょう。
もちろん、「ラジエター取り外しのために冷却水を抜く」だけなら、ラジエターパイプを外せば済みます。
●●
・交換するのは、 DUNLOP-SPORTMAX・GPR α-10 の 110 / 70R 17 と 150 / 60R・17 ・いつもの Miyabee さんからの落札です。 二本とも「バリ山」で製造年は新しい。 フロント / 1771 円、リヤ / 4400円。 二本で6000円。新品なら二本で3万円くらいします。 |
a.ビート落とし
チューブタイヤのビートを落とすのはそれほど苦労しません。タイヤを踏みつければOKです。
しかし、チューブレスタイヤはビート部分が厚くなっています。
また、ホイールを変形させてしまうと空気がもれることになるかもしれません。
初めてのことだから、慎重にことをすすめましょう。
ビートを落とす工具があります。
しかし、この工具もメンテナンススタンドのように「あってもいいが、なくても困らない。わざわざお金をだして手に入れる必要はない」ツールでしょう。
ネットで検索すると、「長い板の前方にL字金具をネジ留めし、L字金具の先端をタイヤに当てて押し込む」というものが動画で紹介されていました。
※板先が支点,L字金具の先が作用点,板手前が力点
拍手もののアイデアですが、ビートを落とすためにそんなものを作るのはメンドウです。
ここは、普通にタイヤレバーを使ってビートを落とすことにしました。
・① タイヤレバー a (上向き)をリムに引っかけて下へ押す。 ・② タイヤレバー b (下向き)をタイヤのビート(ミミ)に引っかけて、 レバーを上にあげてめくる。 ※「めくる」というより、ビートを引っ張ってレバーで奥へ押し込むような動き。 ・③.これを2カ所続けてやれば、「ボスッ」とビートが落ちる。 |
・④.一カ所ビートが落ちれば、あとは手で押さえればよし。 ・⑤裏側はレバー a だけで押し下げていけばよい。 ・タイヤ全体のビートが落ちると、上の写真右のように「ゴソゴソ」になります。 |
b.タイヤの脱着
ネットで面白いアイデアが動画で紹介されていました。
・ビートを落としたあと、タイヤをタイラップで5~6カ所縛ってタイヤを薄っぺらく変形させる。
・そのままタイヤを手で外す。
・新しいタイヤを同じようにタイラップで縛って薄っぺらく変形させる。
・そのタイヤをホイールに押しつけてタイヤをはめる。
タイヤを外すときにはめるときもタイヤレバー不要。
これも拍手もののやり方ですが、そんなに長いタイラップが手持ちにありません。
「荷造り用の結束テープでもやれる」ということで試してみました。
しかし、結束テープはタイラップと違い両方から引っ張らないと締めることができません。
誰かにタイヤを押しつけてもらえば別ですが、独りでタイヤを変形させるまで縛り上げることは時間と経験が必要です。
これまた、当たり前にタイヤレバーを使ってタイヤを脱着しました。
・タイヤを外すのは簡単です。最初の一カ所をめくるのに少し力が要るだけ。 ・一カ所をめくれば、そのレバーをスプロケorブレーキデスクに引っかけ、 もう一本のレバーで反時計回りにめくっていけばよい。 |
・タイヤをホイールから外すときは、 裏側から二本のレバーをリムに引っかけて、この二本を同時に押してやればよし。 ・モトクロスタイヤとは固さが全然違います。 |
しかし、タイヤをはめる場合はそう簡単にいきません。
タイヤの片側はタイヤをホイールに押しつければ簡単にはまります。
しかし、タイヤのもう片側をはめるのに少し手こずります。
「タイヤの上に乗る。タイヤを膝で押さえる。」,「レバーを足で押さえて、はめた部分が外れないようにする。」。
もう一本の手が欲しい、もう一本の足が欲しい。
最後は「力まかせ、リムプロテクターなどどうでもよい」という状態になります。
やはり、タイラップで縛り上げる方法を試さねば…。
★★05
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これで「もの」になるようなら
「65 か 85」にステップアップ。
Wwbike の 1set 204円のバルブを使いました。 エア注入口が90度曲がっているL字型 は在庫なし入荷未定。
エアバルブを外すのに遠慮は要りません。どうせ使わないのだから、エア注入口の方をプライヤーで挟んで引きちぎります。
しかし、エアバルブをはめるのには先人の知恵が必要です。
バルブはめ込み穴の形とバルブの形を考えると、バルブをホイールの内側(上)から押し込むしかありません。
シリコングリスを塗って、指でグッと押し込む。まったく入っていきません。
木片を当ててハンマーでゴン・ゴン。変化なし。
ここで、ネット検索。
ちゃんと動画で紹介されていました。
「押すのではなく引っ張る。」のです。
このバルブ穴にこちらから(上から)突っ込んで、向こうから(下から)引っ張るのです。
用意するのは、大きなワッシャとそれをバルブに留めるネジ。
ネジはバルブの虫回しキャップやバルブ留めがよいでしょう。
・ワッシャはこのように取り付けます。 ・もちろん、 エアバルブの先端を取り付け穴に通してからです。 |
・ワッシャの下に細口プライヤーを差し込んで、 ホイールに木片を挟んでこじればOK。 |
・すんなりと入ります。 ・ワッシャとネジを外せば完了。 |
・タイヤには指定された回転方向があります。 タイヤのパターンはフロントとリヤが同じ方向になる場合と、逆方向になる場合があります。 タイヤはこの回転方向通りにホイールにつけなければなりません。 ・リヤホイールには右側にブレーキデスク、左側にスプロケットがついています。 だから、ホイールの右側・左側は分かります。 ・しかし、フロントホイールには右側にも左側にも同じブレーキデスク。 タイヤを外したらどちらが右か左か分かりません。 ・タイヤを外すときに「カラーの長い方が右側、カラーの短い方が左側」とメモしました。 しかし、フロントホイールには回転方向の矢印がついていました。 ちょっと感心。 |
それから、タイヤの軽点(〇印) はタイヤをホイールにはめるときにバルブ部分に合わせておきましょう。 ※タイヤの軽点について
『あとから、軽点を正確に合わせよう』と思ってはいけません。
タイヤをホイールにはめてしまうと、ビートが落ちていてもタイヤは動きません。
モトクロスタイヤなら、タイヤをホイールにはめてからでもタイヤは自由に回ります。
チューブレスタイヤはいったんタイヤをホイールにはめると動かなくなります。
『もう一度、外してはめるか…。』
失敗した分だけ賢くなります。苦労した分だけ成長します。
3.はじめてのチェーンかしめ
チェーンを新品の DID 520 VX2 にしました。初めてカシメ作業をしました。
この部分の記事は転記しました。→→→こちら
4.その他の小ぎれい化
a.DOG FIGHT チャンバーと純正チャンバー
・DOG FIGHT のチャンバーとサイレンサーが付けてありました。 ・真ん中の二本が MC21 の純正チャンバーです。 凹みなし・良品で 604円でした。 ・「メーカー仕様大好き、純正仕様が一番」なので、 この純正チャンバーをつけるつもりでした。 この純正チャンバーの太さと曲がり具合、 「オールラウンドに性能を発揮させる」メーカー仕様。 しかし、純正は「重い!」 ・純正チャンバー左右合計8㎏。 ・DOG FIGHT チャンバー左右合計 4.2 ㎏。サイレンサーを合わせても 5.6 ㎏。 ・メーカー仕様より軽さをとって DOG FIGHT の継投決定。 ・純正チャンバーで「メーカー仕様」を試すのは、純正サイレンサーを入手してから。 |
・右側チャンバー後部に大きな凹み。エキゾースト付近の下側にも大きな凹み。 ・右側チャンバー後部の凹みは新しい。最後に乗ったときの転倒のせい? |
・あとは、サビと汚れだけ。スチールウールでサビと汚れを落として耐熱スプレー。サビ止め処理なし。 ・「パキ・パキ」音はNSRの純正音ではなくて、DOG FIGHT 音だったのか! |
チャンバー取付は、
・まず、プレートをシリンダーにナット留めする。
・次に、チャンバーをプレートに差し込む。
・最後にプレートの穴にバネを引っかけてチャンバーに引っかける。
上の写真のように「チャンバーにプレートをつけたままの状態」で、シリンダーに取り付けようとしても取り付けられません。
また、遠回りしてひとつ賢くなった。
●●
・フロント 白 / 赤 ※ミラー取り付け部の折れ、ウインカー取り付け部の割れ、転倒割れ、オリジナル塗装 ・リヤ 黒・左右 ※チョットましな自家塗装、割れなしだが内部爪に欠けあり ・リヤ 左・白 / 赤 ※割れあるが、オリジナル塗装。右側は落札できず。 ・リヤトップ 白 ※オリジナル塗装かどうか不明。割れ・欠けなし ・黒のリヤカウルは 480円と710円。フロントは2000円程度でした。 ・今回は、リヤ左・白 / 赤 (写真の手前)以外のカウルを使います。 コーディネイトなんか気にしていませせん。 リヤ 右・白 / 赤 が入手できたら、また交換します。 |
ロ.リヤカウル
・リヤカウルはこのように組み立ててから車体後部にかぶせます。 テールランプユニットも取り付けます。車体にかぶせるときにカプラーをつなぎます。 ・組立は前から,横から、後ろから、小さいネジで留めていきます。 取り外したカウルを見ながらやるとスムーズに完成します。 ・組立カウルをかぶせたあとは、タンク部分のグロメット(差し込み)×1、 取り付けネジ×2の、片側合計3カ所で取り付けます。 ・リヤブレーキのリザーバーは右リヤカウルの内側にあります。 点検するときはリヤカバーをし組み立てたまま脱がせます。 ・手順は「左右の取り付け部3箇所を外す → テールランプユニットのカプラーを外す。 → 組立カウルをそのまま上に外す」。 |
ハ.フロントカウル
パット見はキレイなのですが、定番の左右のコケ割れ、ウインカー取り付け部の欠け・亀裂、あちらこちらのヒビ。
ここでも金と時間はかけません。できるだけ手持ちのもので「こぎれい」にします。
・新しく買ったのは、 セメダイン・エポキシパテ金属用 648円 ・あとは、常備品のエポキシ接着剤とステンレステープ。 ・このステンレステープは優れものです。 0.04 ㎜ のステンレス箔にテープ糊がついています。 流し台など水回りの修復テープです。 ・同様のものにアルミテープがありますが、強度と耐熱性が違います。 私はRMXのチャンバーとサイレンサーの継ぎ目に巻いて、 排気ガス漏れ、タール垂れを防いでいます。 |
①.カウル裏側の割れ部にエポキシ接着剤を塗って、上からステンレステープを貼る。
裏からの補強です。
・まず、接着剤をカウルの補修部分に塗ります。
このとき、上から貼るテープより狭く塗り、テープがカウルに接着するようにします。。
こうして、テープを位置決めし割れた部分を固定すると同時に接着剤をテープの部分に閉じ込めます。
・接着剤をテープより広く塗ると、テープの位置が動いたり、接着剤が流れだしたりします(上の写真左側)。
接着剤がはみ出た場合は拭き取っておきます。拭き取っておかないと、上の写真のような醜い仕上がりとなります。
・「90分硬化」といってもなかなか固まりません。このまま、一日置いて接着剤を完全に固まらせます。
②.表側の傷を拡げる
バテ盛りのくぼみを造ります。
割れ部は裏からガッチリと留められているので動きません。
彫刻刀があると便利そうですが、今回はノミを使いました。
できるだけ広く・深くV字型の溝を掘ります。
③.粘土パテで肉盛り
このパテは主剤と硬化剤を粘土のように指で揉んで使います。揉み初めから10分で硬化するので、一部分ずつ盛っていきます。
V字型の溝に指で押しつけて隙間なく押し込み、表面を押して形を整えます。本物の粘土より柔軟性がないから、押しつけないと隙間ができてしまいます。
手早くやらないと固まってしまいます。付属のポリ手袋は、作業がやりにくくなりますから使いません。
大切なのは「盛りすぎないこと」。上の写真のように盛りすぎると、整形するときに時間がかかります。
④.ヤスリとペーパーで整形
24時間置いたあと整形します。「カリ・カリ」と削れます。
金属製のヤスリで整形したあと、ペーパーで仕上げ。厚く盛った場合は根気よく削ります。
削り過ぎると、バテが溝に詰まらなかった部分が出てきます。(上の写真の真ん中)
強度優先で見栄えは二の次にしましょう。
⑤.ウインカー取り付け部は裏からパテで補強
ここは、コケるとすぐに割れる部分です。
裏からしっかり補強しておきましょう。
・このようなヒビは要注意 ・エポキシ接着剤は「穴埋め」には使えますが 「盛る」のには使えません。 |
・粘土パテで盛りつけましょう。 ここは見えませんから厚く盛っても大丈夫です。 |
・平面部を盛りつけた場合は、 ウインカー取り付けビスを長いものに変更します。 |
⑥.裏側は「接着剤+テープ」だけでOKのところもある
これはスクリーン取り次げビス穴の割れを修復した写真です。
大きな割れと同じようにしましたが、裏から「接着剤+テープ」で充分です。
この部分は、割れていなくても裏から補強しておきましょう。
⑦仕上がり
・軽く、カラースプレーを吹いておきました。 ・しかし、パテ盛り部分は見えなくなりません。 カラースプレーよりステッカーを貼った方が自然です。 |
・裏側はしつこく吹きましたが。 ステンレステープのツギハギ,エポキシ接着剤の流れた痕ははっきりと分かります。 ・ステンレステープのツギハギはともかく、 エポキシ接着剤の方は、テープ接着のときに拭き取っておけば残りませんので対処してください。 |
とにかく ヒビ・割れはすべて補修、そして「遠目では小ぎれいなカウル」になりました。
右耳の欠損はミラー取り付けでごまかせるでしょう。
c.おすすめレバー
・メンテナンススタンドが外れてバイクが倒れたときにブレーキレバーが折れました。 ・Yahoo オークション即決でレバーを入手。→→→バイクパーツセンター ・ホンダ車系ブレーキレバー ・商品コード 91-01-33 ・対応純正品番:53170 MBW-006 ・社外品ですが、新品で 一個 524円(税抜き)。 クラッチレバーとのセットもあります。 |
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流行りの特定小型原動機付自転車。
バランス能力が鍛えられるかも。
・a1とa2はゴムブッシュをメーター側で固定して、中にカラーを通しメーターステーへボルト留め。 ・a1の方はゴムブッシュを固定する部分が欠損。 ゴムブッシュ、カラー、ボルトだけがメーターステーに残っていました。 ・a2の方はOK。 ・b1とb2はメーター側からプラスチックの突起が出ています。 この突起をメーターステーに留めてあるゴムブッシュに差し込みます。 ・b1とb2とも突起が折れていました。 b1の突起はなくなっていましたが、b2の突起はゴムブッシュの中に残っていました。 ・メーターはメーターステーに a1,a2,b1,b2 の四カ所で取り付けられますが、 このメーターはa2の一カ所でしか取り付けられていませんでした。 メーターがガタガタするはずです。 |
代用品で、a1,b1,b2修復します。
・b3がブラスチック突起の折れたもの。 7.8 ㎜Φ × 16.5 ㎜ ・この代用がb1とb2。 ・M4 プラスビス (頭径 / 8 ㎜Φ,ネジ長 / 24 ㎜) ・ガソリンチューブ(外径 / 7 ㎜Φ,内径 / 4 ㎜Φ) ・ガソリンチューブを「プラスビスのネジ長-5 ㎜」に切る。※ネジ長・24 ㎜ なら 19 ㎜に切る。 このチューブをプラスビスにはめると、外径 / 7 ㎜Φ で ネジ部分が 5 ㎜出る。 これを、タップネジ or キリで開けた穴にねじ込む。 ・a1の代用は、 ・エイトロックワッシャ 16×30 (a3:外径 / 30 ㎜Φ、内径 / 16 ㎜Φ、厚さ / 3 ㎜)に、 4 ㎜Φ の穴を開ける。 ※このワッシャはRMXのピボットシャフトワッシャの代用品。 ・ワッシャにゴムブッシュをはめる。 ゴムブッシュの溝はメーターのブッシュ留めの残骸に当てる。 これを小さい木ねじでメーター側に取り付ける。 ・補強に金属パテを周囲に盛る。 b1・b2はその周りに、a1 はメーターのブッシュ留めの周りに。 |
・a1は木ねじ一カ所で留めるのでワッシャが斜めになってしまう。 斜めになってはボルトが通らない。金属パテが固まらない内にメーターにボルト留め。 |
・b1・b2の理想は「M4×ネジ長・20 ㎜」。これだと、ゴムブッシュの中に突起が隠れます。 ・今回は手持ちの「ネジ長・24 ㎜」を使ったのでゴムブッシュからはみ出ています。 |
e.ウインカー到着
先週の日曜日に終了したオークションの商品が届きました。
・必要だったのは FJ用の EARL'S・46 ㎝メッシュホース / 970 円。
→ こちらで使用 EARL'S は名が通っているのでしょうか、やけに高値になってしまいました。 残りは「同梱・送料同じだから、ついでに落札」のNSR-MC21用です。 ・R-SPブレーキデスク・4.8 ㎜ / 120円 ・SEリアブレーキスイッチ / 100円 → リミッターカット取り外しのため → こちらで使用 ・Rリアブレーキスイッチ / 161円 ・SEリアアクスルシャフト / 100円 ・Rリアアクスルシャフト / 100円 ・Rピボットシャフト / 100円 ・Rフロントウインカー / 120円 ※NSRの方は全部で8点・801円、FJのブレーキホースより安い。 ・お勧めの出品者さんです。是非、いろいろ落札してみてください。→→→ Miyabee さん ・今回はこのフロントウインカーを使います。 |
5.「小ぎれい」になったでしょうか?
・フロントとタンクとリアの三者が 自分の色を主張してまとまりがありません。 ・タンクが 黒 / 赤 か 白 / 赤ならもう少しましになるでしょう。 しかし、「こぎれい化」ですからこれでよしとします。 ・タイヤとチェーンは新しくなっていますから、 「試乗で滑って転倒」ということはないでしょう。 ・これが一番の進歩です。 |
・FJをアップハンドルにしてから セパレートハンドルの取り回しの悪さが気になります。 ・手持ちに、 ポン付けのバーハンドル・トップブリッジ (多分CB400純正)がありますが、 ワイヤ,ホース,スイッチボックスコードを 長くしなければなりません。 ・これらの部品調達に時間と費用がかかります。 それにこのバイクは、あくまで「動態保存」で、 私の乗るバイクではないので、そこまでの熱意はありません。 ・しかし、NSRを「少し前傾のコンチハンドル」にしたら、 メチャクチャ走りやすくなるでしょうネ。 ・金曜の深夜、 暴騒族君たちの「バ・バン・バン・バン・バン」の横を 「ビ~ィ~ッ」と追い抜いたら愉快でしょうね。 ・オートバイは「走ってナンボ、曲がってナンボ」。 エンジンの回転数を上げるのならクラッチをつなぎましょう。 |
・エンジンは初爆はあるものの、アイドリングが続きません。 ・分離給油の2サイクルを1年8カ月も放っておいたら エンジンが素直にかかるわけがありません。 ・今度時間ができたら、 ストックしてあるキャブレターを清掃して試してみます。 ・NSRは名車と言ってよいバイクです。 CB72 や CL72 と同じように、 その時代を代表するHONDAの250です。 ・よく売れたバイクなのでしょう、 今のところ中古部品の玉数は充分です。 ただし、エンジンは稀少。 MC21以降の良品は殆ど見かけません。 ・確実に一日一日“絶滅”に向かっています。 「2サイクル好き」なら、 「NSRの保存」というのもお勧めです。 分解整備もやりがいがありますよ。 |
・それにしてもいつまでナンバーを付けておくのでしょう。 ・毎年2400円の税金(来年度から増税で3600円)がかかるのに。 ・もう一度 乗ったら? |
つづく
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