SPnet 開業偏



・警備用LEDハンドライト比較・番外(2020.03.11)



SPnetでは施設巡回用ライトとして前回と前々回に紹介した「無名ロング」を使っています。 → 無名A LONG
マグライト4Dの長さで、凸レンズ集光で照射円が一つ、しかも照射円が大きくて明るい。
しかし、これはたまたま、Yahooオークションで6本入手しただけであとがありません。
今回はYahooショッピングで「なにやら物々しいLEDハンドライト」を見つけ、どんなものかと入手しました。
野球バット型のLEDライトと警棒型伸縮タイプのLEDライトです。ともにCREEチップを使っています。
二本とも現在使っている「無名ロング」の代わりになるようなものではありませんでしたが、なかなか面白いハンドライトです。
警備業者さんでなくてもお読みください。


ストレートタイプ(バット型)の構造・集光・仕上げ・評価
伸縮タイプの構造・集光・仕上げ・欠点・評価
総評と入手先



1.比較する二本


今回、紹介するのは下の③と④。
ネットでよく見かけるLEDハンドライトです。

 ①.ASPブラッククローム F26(26インチ)
 ②.ASPブラッククローム F21(21インチ)
 ③.ストレートタイプ(バット型)
 ④.警棒型伸縮タイプ
 ⑤.無名ロング(前回紹介・SPnet使用) → こちら
 ⑥.マグライトLED・3Dタイプ → こちら


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2.ストレートタイプ(バット型)


a.寸法・構造

 (寸法)
   全長 / 492㎜、重さ / 400g(電池含む510g)、先端 / 33.5㎜Φ、グリップ / 22.5㎜Φ
  ※長さが 21インチ警棒 と同じくらいですから防御長は充分にあります。
    当然、「40㎝~50㎝ / 220g以下」の規制にかかりますから警備員の護身用具には使えません。
     →  警備員に対する警棒についての制限・警備業法(公安委員会規則)

 (構造)
  a.光源収納パイプ
  b.電池収納パイプ(グリップ部)
  c.単3×4(ライトに付属しません)
  d.スイッチキャップ
  ※とてもシンプルな構造です。
    構造がシンプルだと故障が少なく、
    接合部が少ないほど壊れにくく防御力・攻撃力が大きくなります。



b.集光方法・調節機能

・集光方法 : 凹面鏡
  マグライトと同じ凹面鏡集光ですから照射パターンは二重円になります。
  ※照射パターン-凹面鏡タイプと凸レンズタイプの違い
・調整機能 : なし(マグライトのように中心円照射の距離を調整することはできません。)
・実際は三重円になりますが、使用できる照射円はこの二重円です。
・当然、対象物との距離が離れれば照射円は大きくなります。
・写真は中心円を撮るために露出を下げているので外側円が暗く写っていますが、
  外側の円はマグライトの外側の円より明るいものとなっています。

・モード / ON・OFF 、スイッチ半押しで「high → low → flash 」※flash は 自動点滅
・スイッチ ON で、OFF時の次のモードが点灯 (high で スイッチを切り、次にスイッチをいれるとlowモードで点灯)


c.仕上げ


・左側は光源収納パイプ(a)のグリップ側の電極部。
  ここに、電池のプラスが当たります。もう少し工夫があればよいのに。
・右側はスイッチ部の電極部。
・スイッチカバーもしっかりとしています。


・グリップ部の先側。ネジ部長12㎜。防水のためにしっかりとしたOリングが入ります。
・電池収納部はアルミソリッドで溝が切ってあります。非常に上質な作りです。
・こちらはグリップ部のスイッチ側。先側より外径が小さいので肉厚が薄くなっています。
・こちらにもOリングで防水。



d.警備用に使えるか


(長さ・強さ)

・防御長は21インチ警棒と同じで充分。
・しっかりとしたアルミ素材としっかりとした接合部で強さは合格。


(形状)

施設内巡回ではハンドライトの光源部を左手で握って、左肩上に保持します。不意の攻撃をライトで防ぎ、右手で警棒を抜いて反撃するためです。
このライトでは太い先端部を握って、不意の攻撃を防ぐことになります。そのため、

・グリップ部が細く軽いので振り回しにくい。
・先端部になんらかの滑り止めが必要。


(照射円と明るさ)

・凹面鏡ではなく凸レンズにすれば、コストも下がるし二重円にならないので施設巡回に適する。
・このままでも、充分使える。


(こうすれば警備用ハンドライトとして売れる)

・グリップ部を光源端部と同じ太さにする。(グリップ部の肉厚ガ厚くなり重量が増え、光源部を握っての振り回しが楽になる)
・光源先端部のレンズ止めリングを太くし、先端から12㎝程度にローレットを施す。
・集光方法は凸レンズ。

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3.警棒型伸縮タイプ


a.寸法・構造


 (寸法) 全長 / 455㎜~352㎜、重さ / 350g(電池含む380g)、先端 / 37.9㎜Φ、グリップ / 27.1㎜Φ

 (構造)
  a.光源収納パイプ
  b.光源
  c.照射円調整用バネ
  d.集光凸レンズ
  e.光源収納パイプロック用凸突起
  f.先端パイプ(aの外側にはまる)
  g.先端パイプカバー(aの外側にはまってfにネジ留め)
  h.ツバ(aにはまる)
  i.電池・スイッチ収納パイプ(aにネジ留め)
  j.スイッチボックス留めクリップ(kをiに留める)
  k.スイッチ部
  l.スイッチカバー(kのスイッチ突起にかぶさる)
  m.ゴム製のスイッチカバー(裏に突起がありkのスイッチ突起を押す)
  n.単4×3(付属せず)
  o.電池ホルダー(iに収納される)
  p.電池・スイッチ収納パイプキャップ(iにネジ留め。先端にガラス割り突起),

組み立てるとこうなります。

 (伸縮方法)
  aとIはネジ留め。hはaとIの間にはまって固定される。 → a・h・iは一体。
  fとgはネジ留め。f・gは一体。

  fを左手、iを右手に持って、iを左に回せばロックが外れてfがaをスライド。
  iを右に回せばロックがかかってfがaに固定される。


(ロック機構)

・光源収納パイプ(a)の先端に3/4周の溝がある。(写真左)
・この溝に凸形のアルミ片がはまって、aを回すと凸片が溝の中を動く。
・溝の右端は浅くなっていて、凸片が溝の右端にくると凸片が出っ張る。
・先端パイプ(f)の内側には二本のタテ溝がある。
・凸片が出っ張るとタテ溝に引っかかってロックされる。

※凸片が磨耗すればロックできない可能性がある。

※部品点数が多く構造が複雑なのでそれだけ故障の危険性が高くなります。
  また、接合部が多いのでそれだ防御力・攻撃力が低くなります。


b.集光方法・調節機能・仕上げ


・集光は凸レンズ。照射円は一つで同じ明るさ → こちら
・調整機能あり。光源と凸レンズの距離が調整できるので、照射円の大きさ調整可。
  もちろん、照射円を大きくすれば明るさは低くなります。
・構造が複雑な分だけ仕上げや材質は落ちますが、一般のLEDハンドライトと同様の厚さがあります。
・接合部にOリングは入っていません。
・スイッチのゴムカバー(m)が外れやすく、外れるとスイッチ突起を押すことができなくなります。

・モード / ON・OFF 、スイッチ半押しで「high → low → flash 」※flash は 自動点滅
・スイッチ ON で、OFF時の次のモードが点灯 (high で スイッチを切り、次にスイッチをいれるとlowモードで点灯)

  一般のハンドライトより、凹面鏡・凸レンズの口径が小さいので、
  照射円の大きさの調整巾で劣りますが、実際の使用ではあまり不便を感じません。

  LEDチップについて少し小さなものを使っているようです。



c.最大の欠点-長いときはライトの役割を果たさない



ライト長さが「最長(455㎜)~366㎜」までは照射円が現れず、写真右のような点に集光します。

照射円が現れるのは、ライト長さが「366㎜~最短(352㎜)」のとき。
写真左の下の状態が「照射円が初めて現れる長さ(366㎜)」です。

つまり、ハンドライトとして使っているときの長さは 36㎝~35㎝。
これはマグライト・3D(⑥)より少し長く、無名ロング(⑤)より少し短いものとなります。

「いざというときには、45.5 ㎝まで長くすることができる」というだけです。


d.警備用に使えるか


(長さ・強さ)

・実質的な長さ 35~36㎝でマグライト・3D(⑥)より少し長いくらい。警備用ライトとしては長さが不足します。
・強さは合格でしょう。


(形状)

・先端部はトゲトゲで、先端部を握っても滑ることはありませんが痛くて振り回すことができません。
・警備用ライトとしては失格です。


(照射円と明るさ)

・単4×3なので単3×4仕様に比べて暗く、持久時間も短くなります。
  また、無名ロングと比べると、明るさは半分以下です。
  これは無名ロングがより強力なCREEチップを使っているからで、一般に出回っている凸レンズ集光式のライトとしては合格点でしょう。
・凸レンズ集光で照射円が一つで、照射円の明るさが同じなのは利点です。


    
4.総評・入手先




・警備用ライトとして「一応使える」のはこちらのLEDフラッシュライト。
  長さが長く「こわれにくそう」なのが良い。ただし、左肩に保持するのには先端(光源側)に滑り止めが必要。
  「凹面鏡集光で照射円が二重になる」のが施設内巡回の場合の最大の欠点。
  2280円で送料無料だから、「お試しで一本」をお勧め。

・警備巡回用でなければ「お勧め度」は上がります。
  欠点だった「凹面鏡集光の二重照射円」も「中心で遠くを照らすことができる」ので利点となります。
  犬の散歩に、玄関に、コンビニなどにも良いでしょう。

★注意★
・このライトには 36㎝,41㎝,49㎝ の三種類があります。
・今回チェックしたのは49㎝タイプです。入手するときは必ず確認してください。
LEDフラッシュライト/36㎝,  LEDフラッシュライト/41㎝
LEDフラッシュライト/49㎝
・2280円・送料無料(2020.03.10現在)


・こちらは警備用に不向きです。
  いざというときに伸ばさなければならない、先端部がトゲトゲで握れない、単4×3で持続時間が短い。

・お勧めする用途は「車載に」(※相当大きなダッシュボードでないと入りません)。
  凸レンズ集光で照射円が広くて明るさが同じ。室内や車の下回り、エンジンルームなどを見るのに適しています。
  ガラス割り突起も付いているので安心です。
  「いざというときに伸ばさなければならない」といっても1秒くらいで行えます。
  右手でグリップ部、左手で下からボディ部を持って、「ガシャッ」と伸ばしてロックする動作も牽制力となるでしょう。
  また、伸ばしたときは点に集光してハンドライトとしての役割を果たしませんが、強力な「目くらまし」になります。
  もちろん、「目くらまし」は正当防衛の範囲で行わなければなりません。

・このタイプは同じようなものが売られていますが、それらが「今回チェックしたものと同じ構造かどうか」は不明です。
  今回チェックしたのは左のものです。

伸縮式LEDズームライト
・1920円・送料無料(2020.03.10現在)



つづく。


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