RMX250-SJ13 整備資料



 2014.05.31  SJ13 中古エンジン③検証 ・ 後編 / エンジン始動





前回、スタッドボルトを交換したエンジン③の動作チエックを行います。
エンジン単体ではチェックできないので、余っている部品でもう一台RMXを組みました。


エンジン③のチェックのためにもう一台組む
エンジン③のピストンの状態、使用したピストン
エンジン③のシリンダーヘッドとヘッドガスケット、シリンダーの状態、使用したもの
エンジン③の排気バルブの状態
エンジン③に使用したリードバルブとインテークマニホールドはRMX①から
エンジン③にオイルポンプ取付
スプロケットは今までどおり前14/後46qスプロケットの裏表とサークリップの裏表
スプロケットガード取り付けボルトはSJ13もSJ14も寸法は同じ。塗装の違い
使用したチェーン
チェーンアジャスターの裏表
お勧めの純正部品/エンジンマウントボルト、クリップナット,トリップメーターノブ
RMX③(エンジン③)初めての試乗
RMX③(エンジン③)のキャブレター設定
RMX③(エンジン③)のエンジンオイル消費量測定
RMX③(エンジン③)の新たな問題


       
1.エンジンを動かすためにはもう一台必要


オートバイのエンジンは電気モーターのようにそれだけを動かすことはできません。
点火系統や燃料系統をつなげなければ動きません。

また、パワーの出方をチェックするためには実際に走らせる必要があります。
だから、エンジンを車体に載せなければなりません。

いま使っているRMXに載せると、エンジンチェック後にまた元のエンジンに載せ替えなければなりません。

書付きフレームがもう一つありましたのでそれに載せることにしました。

このフレームは  “エンジン取り用”  の SJ13 (RMX②)に おまけで付いてきたものです。
SJ13の 書類には おまけフレームの車台番号、 SJ 13 のフレームには その車台番号の素人刻印。
  ややこしいフレームです。※詳しくはこちら

 RMX②はエンジン,リヤショック,キャブレター,オイルポンプ,オイルタンク,
  スロットルケーブルを 現RMXに、
  使い物にならない、素人刻印フレーム,チャンバー,サイレンサーを金属ゴミに。

  その後、Yahooオークションで不足している中古部品をコツコツ入手。 
  おまけフレームに組んでおいたのです。 

  ※以後の表記
  ・尾鷲熊野峠でトラブルを起こしたSJ13 → RMX①
  ・ エンジン取り用に入手した SJ13 → RMX②
  ・RMX②のエンジンを RMX①に載せ替えた 現SJ13 → RMX②-2
  ・今回入手したエンジン → RMX③
  ・すべて、エンジンを中心にしています。
  
   


たとえば、2013.10.20 落札。

  ①オイルタンク/260円
  ②オイルポンプ/110円
  ③オイルポンプカバー/100円
  ④フロントアクスル/120円
  ⑤スピードメーターケーブル/110円
  ⑥スピードメーターギヤ/260円
  ⑦スロットルワイヤー/110円
  ⑧イグニッションコイル/530円
  ⑨チャンバー/120円

 
 すべて程度の良い部品です。
  部品は洗浄済み。 ワイヤー類はアーマオールで磨いてあります。
  120円のチャンバーは凹みはありますが、 耐熱塗装済みです。

  落札代金総額 1720円
  すべて同梱で広島から送料1680円。
  チェックしてみてください →→→ fukugawashokai

  RMXの中古部品で高いのはエンジンとキャブレターだけなのです。


      
2.エンジン状態



a.ピストンの状態

ピストン前側

  上部 ( リング溝付近 ) に爪で引っかかるタテ傷が4~5本。

  このタテ傷の中央部に指の腹で感じる凹み。

  この凹みの近くのピストンヘッドに 5㎜長の欠け。

  ピストン中央部と下部には浅いタテ擦り傷はあるが、 深いタテ溝傷はなし。
  これらは普通の使用傷で問題なし。

  側面には爪で引っかかる深いタテ傷2~3本。

  ピストンヘッドはススが堆積しているが、乾いて焼けている。
  ※写真は堆積物を取り除いた状態。→→※取り除く前


ピストン後ろ側

  深いタテ傷なし。

  左側 ( 後ろから見て左-写真左 )  に爪で引っかかるタテ傷。

  写真はカーボンを取り除く前のもの。
  しっかりと焼けているので、健全に動いていたと推測。


どのピストンを使うか?

  手持ちのピストンです。
  ①前にあるのが、今回入手した エンジン RMX③のもの。

  ②後列左端が RMX② エンジンのもの。
  ・前側ヘッドの角が擦れてかえりができている。(写真の白い部分)
  ・前側中央に長いタテ傷が集中している。(写真の黒い部分)
  ・後側は全体にタテ傷が多い。
  ・タテ傷は今回のものより生々しい。
  
   現RMX ( RMX②-2 ) は新品のピストンを組みました。→→→こちら

  ③後列中央は 長期保存の未使用ピストン。→→→こちら

  ④後列右端は尾鷲・熊野の峠でエンジントラブルを起こした RMX①のもの。
 なぜか損傷や深い傷なし。しかし、使わない方がよいでしょう。

  ③の未使用ピストンを使いたいところですが、今回は始動・運転チェックです。
  今回入手したエンジンのものをそのまま使うことにしました。

  このエンジンを実際に換装して使うときに、リングとピンを新しいものにして、
  後列中央のピストンを使うことにしましょう。


       
b.シリンダーヘッドとガスケット

シリンダーヘッド

  写真右側がこのエンジンのもの。

  損傷,堆積物なし。
  良い色に焼けています。

  ただ、ガスケット面の頑固な汚れと
  スタッドボルト穴にこびりついた赤サビを取るのが面倒なので
  RMX①の清掃済のものにしました。( 写真右側 )


ガスケット

  写真左側の手前がこのエンジンのもの。

  コーティングがボロボロです。

  後のものは RMX① か RMX② のもので少しましです。

  今回は新品ガスケットを使いました。

  ・品番 /  11141-05D10  ガスケツトシリンタ″ヘツト″
  ・¥3,402 × 1 = ¥3,402


  新品ガスケットを見るのは初めてです。
  金属製の三枚のガスケットが一つになっています。
  上下の二枚は
  「 このような色の金属か 」 と思うほどしっかりとコーティングされています。

  高い部品ですがそれだけの造りになっています。


シリンダー

可もなく不可もなく。
爪で引っかかるような深いタテ傷なし。

シリンダーの状態 ・ 健全度は目視では分かりません。
写真ならなおさらです。

だから、状態写真と記述は省略。

       
c.排気バルブ

  タール状態は通常です。
  汚れを落とせばきれいになります。

  汚れはコテコテタールの下にカチカチスス。
  灯油漬け込み後スチールウール。

  しかし、カチカチススはしっかりと動いていた証拠。

  各部品の損傷や欠品はありません。

  エキゾーストバルブロー のロッドにはまるスペーサにガリ傷。
  ※次の写真三枚目の 左側真鍮色部品の傷 

  なぜこんな所に傷が付くのでしょう。
  バルブ作動にはまったく影響ありませんが、傷がついた原因が分かりません。

  エキゾーストバルブアームのシャフト取り付けにはネジロックをお忘れなく。
  



       
d.リードバルブ,インテークマニホールド

  リードバルブとインテークマニホールドは RMX①のもの。
  ※インテークマニホールドの部品名は インテークパイプ

  リードバルブのガスケットをお忘れなく。

  ・品番 / 13156-01C10  ガスケツトリ-ト″ハ″ルフ″
  ・¥118 × 2 = ¥236

  紙ガスケットですが安価です。ヤマハ純正部品ではこうはいきません。


  シリンダーのガスケットも安いので交換しておきましょう。

  ・品番 / 11241-28C11  ガスケツトシリンタ″
  ・¥961 × 1 = ¥961


  



3.その他
   ★★25     
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これで「もの」になるようなら
「65 か 85」にステップアップ。




a.オイルポンプ

   オイルポンプを動かすにはオイルポンプギヤとシャフトが必要です。

  ・品番 / 16321-29E00  ギヤオイルホ゜ンフ゜,ト″リフ″ン
  ・¥1,134 × 1 = ¥1,134
 
  ・品番 / 16320-29E00  シヤフト,オイルホ゜ンフ゜ギヤ
  ・¥1,080 × 1 = ¥1,080


  高価だったら 混合給油でエンジンテストをするつもりでしたが、
  安価なのでオイルポンプを付けて分離給油でエンジンテストをすることにしました。

  オイルポンプ取り付け部のOリングも必要です。

  ・品番 / 09280-20003  Oリング,D:1.5ID:19.5
  ・¥108 × 1 = ¥108


  写真の右下にあるのはオイルパイプを留めるクリップ。常備部品です。
  ・品番 / 09401-04401 クリップ/¥120 ( 税抜 )


・このエンジンは混合給油にしてありました。
・混合給油はシリンダーに直接オイルを供給しませんので
    エンジンに負担がかかります。
・カバー穴のフタは裏から叩けば外れます
・CRMは確か10円玉で塞いだように記憶しています。
・ワイヤー取り付けで、
   矢印の部分の爪を曲げることをお忘れなく。
・オイルポンプの取外しや取り付けに関しては 
   →→→ こちら  と  こちら


・サービスマニュアルのイラストでは判りにくい
   クリップ方法です。
・排気バルブ右下ボルトのクリップで
   外側のパイプだけを留めます。
・ウォーターポンプもチェックしておきましょう。
・キックを動かしてプロペラが回ればOK。
・Oリングに痛みなし。


  単気筒 オフロードバイク は 部品点数が少なく
  取り付けスペースが大きいので組み付けが楽です。

  まさにプラモデル感覚。

 


     
b.スプロケット

  手持ちのフロントスプロケットは 15枚 と 14枚。
  左が AFAM の 15枚、右が純正の14枚。

  標準は 前 15 / 後 46。

  しかし、 15 / 46 では
  RMXの角が取れて “ただの街乗りバイク”になってしまいます。
  2サイクルらしさを楽しむためには、オンロードでも フロントは一枚ダウン。

  現RMX と同じように 14 / 46 に。

  サークリップは新品交換が原則です。
  ・品番 / 09380-22006  サ-クリツフ゜  ¥129 × 2 = ¥258

 


 なお、スプロケットは写真に写っている側が内側になります。
  取り付け部が出っ張っている方が内側、平坦な方が外側です。(サークリップを取り付ける方が平坦です)
  逆にすると 15枚ではクランクケースを削ってしまいます。

 

・サークリップは斜めにカットされています。
“面垂れ” というそうです。
・この 面垂れ がある方が内側です。
   写真の上側を内側にしてはめます。
・留める側 ( 外側 ) が
   よく引っかかるようになっているのです。
・新しいサークリップは シャフト溝に押し込むと
   パチン、パチン と音がします。
・RMX②でガタガタだったスプロケットが
   しっかりと留まりました。
・パチン、パチンがキーワードです。
・プラスチック製のスプロケットガードはよく出品されますが、
    アルミ製のガードやカラーは出品されません。
・これらは安価ですから注文しておきましょう。


・品番/ 27641-28C20  フ゜レ-ト,フロントチェ-ンガイト″15T
・¥583 × 1 = ¥583

・品番 / 09180-06203  スヘ゜-サ,6.5X10.5X25
・¥118 × 1 = ¥118

※全長/25㎜、外径/10.5㎜Φ、内径/6.7㎜Φ、アルミ制

       
b-2. スプロケットガード取り付けボルトには N型用 と R・S型用がある)

スプロケットガードはクランクケースに二本のボルトで取り付けます。
上側のボルトは長くカラー ( スペーサ ) をはめます。この長いボルトに N型用 と R・S型用があるのです

  ①N型用
  ・品番 / 01547-06957  ボルト  ¥86 × 1 = ¥86

  ②R・S型用
  ・品番 / 01547-06953  ボルト  (  01547-0695B-000  ボルト )  ¥86 × 1 = ¥86


  RMX②はR型、RMX①とRMX③はN型です。
  この二本のボルトがどう違うのか?興味があるので二つ注文しました。

  違いは表面仕上げ。
  N型は銀色仕上げ、 R・S型は黒色仕上げ。
  寸法は同じです。※ボルト長 / 85㎜、ネジ長/19㎜、M6

  こういうところが SUZUKI らしいですね。
  SUZUKIは RM のサービス部品にジェット類を付けてきますからね。
  もとも、KX はピストンでしたが…。


      
c.チェーン

・チェーンは 520/112リンク
  標準は エンドレスシールチェーン。

  今回使用したのは MADE  JN  TAIWAN。KMC 520H-120L
   もちろんノンシールですが、なんと、1884円!
  国産メーカーのものの 1/2~1/2。

   RKの未使用シールチェーンを使おうと予定していたのですが、
  適合ジョイント不明で時間がかかる。

  だから、とにかく安いもの。

  

※スプロケットの標準は前/15・後/46で、標準チェーンが112リンク(56駒)です。
  これで、チェーンアジャスター目盛りは「-1~7」の1になります。

  112リンクで、後を2枚上げて前/15・後/48にするとチェーンがスプロケットにセットできません。
  112リンクでスプロケット比を上げるためには、前を下げなければなりません。
  前/14・後/46はもちろんOKですが前/14・後/48でもOKです。

  なお、114リンクだと、前/15・後/48でチェーンはセットできますが、アジャスターは「-1~7」の5になります。
  だから、後を2枚下げて標準の前/15・後/46にするとチェーン張りの余裕がなくなってしまいます。

・手持ちのTAKASAGO 520/112 未使用です。
・いろいろまとめて1000円の中に入っていたチェーンです。→→→ こちら
・確かに RK の 520 SM です。 ・ところがどう見ても シールチェーンなのです。
・今の 520SM はノンシールタイプ。昔の型番でしょうか?


・確認のために
   現在の520SMのクリップジョイントを試しました。
・当然、ピン長が不足。
・KMCチェーンは頼りないほどスリムです。
・サラサラのオイルが塗布してあります。
・まあ、切れることはないでしょう。
・かし丸君など持っていません。
・二昔前のオフロードバイクチェーンは切断だけ。
鯨印 No.50Sスペアーピン 鯨印 No.50単列用

   ●●      
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d.チェーンアジャスターの裏表

  チェーンアジャスターは一面が出っ張って、他の面が平らです。

  どちらの面にも数字の刻印があります。

  そして、どちらの面が右になるか左になるか分かるように、
  右面を示すRと 左面を示すLの刻印があります。

  写真で言えば、
  アジャスター①は出っ張りのある面に L 刻印、
  平らな面にR刻印。
  だから、①付けたときに、
  出っぱり面が左側、平らな面が右側になっていなければなりません。

  アジャスター②は①と逆です。
  平らな面にL刻印、出っ張りのある面にR刻印があります。
  だから、
  平らな面が左側、出っぱり面が右側にならなければなりません。

  
  それでは、①と②はスイングアームのどちら側につけるのでしょう?
  ①と②のどちらが右側のアジャスターで、 どちらが左側なのでしょう?

  このLとRの刻印で分かると思うでしょう?

 
    しかし、

  ①を右側、②を左側にすると、
  出っ張り面が内側、平らな面が外側になります。

  そして、①と②の各々の面はその L ・ R 刻印通りになります。
  逆に、

  ①を左側、②を右側にすると
  平らな面が内側、出っぱり面が外側になります。

  この場合も ①と②の各々の面はその L ・ R 刻印通りになります。

  結局、この L ・ R 刻印では
  ①と②をどちら側に付けるか分からないのです。


パーツリストでは右側のアジャスターが 61410-29E00、左側のアジャスターが 61410-14D10。
パーツリストのイラストでは出っ張りが内側、平らな面が外側になっています。

しかし、パーツリストのイラストだけで判断するわけにはいきません。
結局、部品を注文しなければ分からないのです。

  常識で考えれば、アジャスターのスイングアームに接する面が平らなので、 アジャスターの 「 平らな面が内側になる 」 でしょう。
  しかし、どうも 「 出っ張っている面が内側になる 」 ようです。

  つまり、「 ①が右側のアジャスター、②が左側のアジャスター 」 のようです。

  その根拠は、
  1.サービスマニュアルP13-4 のリヤホイール断面図でチェーンアジャスターの出っぱり面が内側になっている。
  2.Yahooオークションに出品されていた SJ14の右側アジャスター( 61410-44E00 ) の写真がアジャスター①と同じだった。

  ただし、これは推測の域を出ません。
  どちらを右側にしてどちらを左側にするかは自己責任でお願いします。
  私は、現RMX も RMX③も ①を右側、②を左側にして、各出っぱり面が内側になるように付け替えました。


       
e.お勧め部品


エンジンマウントボルト

・エンジンマウントボルトで長いものがあります。
・このボルトは案外痛んでいます。
品番 / 09103-08297  ボルト8X137、¥183 × 2 = ¥366
・ホームセンターではなかなか見つけられませんのでお勧めです。


クリップナット

・品番 / 17785-20930 
  フ゜レ-ト,ラジエ-タカバーフイツテインク″
・¥129 × 4 = ¥516

・クリップ式のM6 ナットです。
・いろいろなところで使われていて四角いものもあります。
・作業中よくなくなる部品ですから、常備しておきましょう。


トリップメーターノブ

・品番 / 34124-44B30
  ノブ,トリップ  ¥248  ( 写真左側 )
・品番 / 34184-12D00
   スクリュー,トリツフ゜ノブ ¥108  ( 写真右側 )
・気がついたら振動でなくなっていました。現RMX。 ・やはりトリップメーターは便利ですからね。
・当然、スクリューネジにはネジロック。

  ★★26     
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4.試乗

  エンジン搭載、キャブレター取り付け、エアフィルター取り付け。

  まだまだ、走れません。
  ・冷却水とエンジンオイル、これは当然。
  ・ギヤオイル交換。
  ・ブレーキ液追加。エア噛みしているようだけれど試乗だけだからエア抜き省略。
  ・ ブレーキ踏み代調整。ブレーキランプ調整省略。
  ・混合 CCIS 20:1/ 5L
  ・そうそう、右バックミラーとナンバープレートを現RMXより拝借。
  ・空気圧 前後 1.5
  ・リヤウインカー欠品、昔の二輪試験は手信号。  
  ・プラグは BR9ES新品。

  


チョークを引いてキック三回でエンジンはなんなく始動。
  現 RMX のような バキバキ音,ガシャガシャ音なし。
  図太い乾いた排気音だけ。
  もちろん、モウモウ白煙や オイル飛び散りなし。
  これは 当たり の予感。

  オイルポンプドレンボルトを外し、オイルが出ているのを確認。
  オイル消費量計測は次回。

  とにかく、このままで試乗出発。


低回転~中回転でもたつき。無理やり高回転域に入らされる感じ。( 高回転までスムーズに吹け上がらない )
 高回転域に入れば問題なし。
 症状としては中回転域が濃い。

設定は現 RMX と同じ、・PJ / 32.5 、・MJ / 195 、JN / 上から1段目 ( 最上段、AS / 1.5回転 ( R・S型 )
  標準は、・PJ / 35 、・MJ / 195 、JN段数/記載なし、AS / 1.75回転 ( N型 ・1.5回転 ( R・S型 ))

  ジェットニードルクリップは最上段だから、スロージェットを下げてみる必要あり。 AS調整も必要。

   しかし、 現 RMX では面白い 2速が重すぎる。
  3速で気持ちよく引っ張っているつもりが 5速になっている。
  スプロケットは 14/46で 現 RMX と同じ ( 標準は 15/46 )。
  どうも、このエンジンの方がパワーがたくさん出ているようです。

  もしかして、 現 RMX はクランクケース内に問題があってパワーをロスしているのかも。
  あのバキバキ,ガシャガシャ音は普通ではありません。

  それはともかく、分離給油としてキャブレターセッティングをしてみないとなんとも言えません。
  それに、このキャブレターは
  スロージェット交換のときにスロージェット機構を壊している可能性あり。

  とにかく 今回のエンジンは合格点。
  キックアームの戻りが悪いのと、シフトが渋いのは様子を見てみましょう。
  もう少し動かしてみて、現RMXに換装しようかと思っています。
  現RMX のエンジンは クランクケース内チェックが必要。
  



※2019.10.追記・解説

・予測は当たっています。
・現RMX(RMX②-2 )はクランクシャフト左ベアリングが損傷していました。→→→こちら
・このRMXにつけたキャブレター②はやはり低回転~中回転に異常があります。スロージェットを他のキャブレターより落としています。
・このエンジン③のキックアームの戻りが悪いのとシフトが渋いのはクラッチベアリング損傷でクラッチアウター(プライマリードリブンギヤ) にガタがあったからです。
   なお、このエンジンはクランク左オイルシールの逆組みでクランクケース内はサビサビ・ガリガリの末期状態になっていました。→→→こちら



5. RMX ②-2 と RMX③


手前が、今回のエンジンを載せた RMX③、後が 現RMXの RMX②-2 です。

もし、今回のエンジンを 現RMX に載せると、RMX②-2 は RMX③となります。

昨年10月からハイエースが bB初期型に変わっています。
10,年落ち、11万㎞、車検1年半、すべて込みで17万5千円でした。
もちろん、Yahooオークションです。

1500㏄のカローラエンジン ・ 1NZ-FEでよく走ります。
80㎞/h巡行 ・  2000rpm。 一般道では 3000も回せば充分すぎます。

どこからか聞こえてくるチリチリ音は気にしません。
コラムシフトの使いにくさ、フットレストがないことは我慢しましょう。
この値段ですから車体色は選べません。

冷房 ・ CD 、OKで、小回りが効いて維持費が安い。
しかし、バイクが運べません。
これから先、バイクを運ぶ状況なんか無いに等しいのに、今までの習性でバイクが運べないと落ち着きません。
プロシードもいいですね。

やはり、RMXにはモトクロスタイヤが似合います。

コースを走ってみたいけれど、もう走れる年齢ではありません。
尻を振られたら立て直すことができません。デコボコの衝撃を膝で吸収することもできません。
小ジャンプでも、フロントが突き刺さって一本背負い。

いやいや、85の2st か 150の 4st ならなんとかなるかもしれないゾ。

それはともかく、今は仕事が最優先、ケガや病気は御法度です。
アスファルトの上で 2サイクルの加速と音を楽しむだけにしておきましょう。


※ 2014.06.02 追記 キャブレター設定とオイル消費量
  ●●       
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1.RMX③のキャブレター設定


①JN/6BGK-1,1段目、AS/2回転、PJ/32.5、MJ/195、CCIS20:1+分離給油

付いているジェットニードルを見てみると,6BGK-7。
SJ13の標準のジェットニードルは 6GGK-1と 6BGK-7 と 6BGK-8。
これらは、三種類のキャブレター、 29E00 と 29E01 と 29E02 に対応している。
キャブレターはN型が 29E00 と 29E01、R・S型が 29E02

29E00 ,29E01 と 29E02 の区別はつきますが、29E00 と 29E01 の区別はつきません。→→→ こちら

このエンジンはN型ですから、 6BGK-7が付いているのなら キャブレターは 29E01なのでしょう。

しかし、このニードルが不適合かもしれない。
試しに、手持ちの 6BGK-1と交換。クリップ段数は同じ最上段にしました。

ASは1.5回でも2回でも変化が見られないので2回で。

もたつきはやや高回転よりに変わりました。
高回転域の始まりがもたつくように。


②JN/6BGK-1,1段目、AS/1.5回転、PJ/30、MJ/195、CCIS20:1+分離給油

PJ を一つ絞ってみました。
PJ変更の効果を見るためにJN段数はそのまま最上段で。

アイドリングが軽くなりました。
低回転~高回転までもたつきなし。スムーズに回ります。

前14/後46 を充分楽しめます。
モトクロスタイヤでも、結構アスファルトをグリップする。( すり減っていますが…。)

PJ を標準の35より二つ絞り、さらにJNクリップを最上段に。
これは低回転 ・ 中回転の設定としては標準とかけ離れています。
確かにサイレンサーばオートリメッサですが、やはり PJ ホールを傷つけそれが原因しているのかもしれません。

しかし、エンジンは回るようになったのだからキャブレター設定はこれでOK。
ただ、ジェットニードルは 6BGK-7 をもう一度試し、調子が悪くならなければ6BGK-7の方が良いでしょう。

       
2.オイル消費量測定


2000回転、オイルポンプ全開、2分間で3.2㏄~4㏄。( マニュアルP17-17 )

オイルタンクのパイプを外し、プラスチック製シリンジを取り付けて測定。
2000回転はうるさい程度のアイドリングで。

今度はしっかりとオイルポンプ全開。→→→ 前回の測定

しかし、やっぱり 2分間で 1㏄。
前回のようにオイルポンプを全開にしなくても、今回のように全開にしても 同じ 1㏄。

サービスマニュアルのように 測定タンクをオイルポンプの入口に付けようと、
今回の測定のようにオイルタンクの出口に付けようと、パイプの長さが変わるだけ。
オイルポンプに流入するオイル量は変わらない。

これは、2000rpmになってないから?
アイドリング指定は 1500rpm ( マニュアルP3-3)。
だから、うるさい程度のアイドリングで良いはず。

ただ、マニュアルP2-8にはオイルポンプの吐出特性として、「 ウォーム軸 500rpm,レバー開度最大で 吐出量は 43.2㏄/時 」
これなら、2分間で1.44㏄ 。

測定誤差もあるだろうから、1㏄程度でいいのじゃない?

それに、現RMX もオイル消費量測定で 1㏄。
それでもエンジントラブルなしでガンガン走っている。

だから、この測定方法で1㏄ならOKなのでしょう。
  ★★27       
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250㏄扱いでしょう。※要問合せ




3.新たな問題発生


エンジン作動チェック終了。

なかなか調子のよいエンジンですよこれは。パワーが無駄なく出ている感じ。

明日はもう少し気合を入れて乗ってみましょう。
これで問題なければ、すぐに現RMXに載せ替えましょう。
二日あれば充分。 フ ・ フ ・ フ…。

それでは、最後にギヤオイルのチェック。

しかし、チェックボルトを開けてもオイルが出てきません。
先日の試乗前に  650㏄+α入れたはず。

300㏄弱追加してやっとオイルが出てきました。

えっ? オイル上がり?

そう言えば…、

前回試乗でば中回転のもたつき、
本日の一回目の試乗では高回転始めのもたつき。
そして二回目の試乗ではもたつきなし。

これは、PJを 30に落としたからではなく、
走っているうちにギャオイルが燃えて少なくなり、シリンダーにギヤオイルが上がらなくなったからじゃないの?

以前もそうでしたよねぇ。→→→ こちら


しかし、オイル上がりをしているのなら、白煙モウモウで生オイルが飛び散るはず。
今回はそんなことはない。
確かに白煙は多いが、これは分離給油で混合油を使っているから。

そうだ! 
もし、オイル上がりなら今オイルを継ぎ足したから、オイルが減るまでエンジンの調子が悪いはず。

急いでもう一度試乗。

しかし、エンジンの調子は変わりません。
低回転から高回転までスムーズに上昇。パワーもしっかり出ています。

なぜかな…。

クランクケースの裏を見てみるとオイルでテカテカ。

『オイル漏れか!』

 探してみるとドライブシャフトから。

  パーツリストを見ると、ドライブシャフトのオイルシールは外側に一つ。
  これなら簡単に交換できそうです。

   しかし、クランクケースの中は未知 ・ 未経験の領域。
  慎重に事を進めなければなりません。

  まず、エンジントラブルを起こしたRMX①エンジンのクランクケースを分解してみましょう。
  クランクケース内の各部品の構成を知ることから始めましょう。

  このエンジンのシフトが入りにくい原因も分かるかもしれません。
  RMX①のオイル上がりの原因も調べられます。
  
  このエンジンは あくまでスペアーですから、急いでオイルシールを交換する必要はありません。
  ゆっくりとクランクケース内を勉強してから交換すればよいのです。

  それに、真夏になる前にせっせと乗り貯めしておかなければなりません。
  整備にだけ時間を使うわけにはいかないのです。

  一旦、ここでRMX③エンジンの検証を終わることにしましょう。


※2019.10.追記・解説

このエンジンはクランクシャフト右オイルシールが逆組みになっていました。
そのためにオイルシールが劣化してギヤオイルをシリンダーに吸い込んでいたと思われます。
クランクシャフト右ベアリングの損傷ではシリンダーへギヤオイルをたくさん吸い込むのでギヤオイルがそのままサイレンサーから吐出されます。
しかし、クランクシャフト右オイルシールの劣化ではギヤオイルは少しずつシリンダーに吸い込まれるので、白煙モウモウやギヤオイル吐出はありません。


つづく





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