●津市公契約条例は責任逃れ2- 予定価格では違法労働

津市公契約条例



4.予定価格(最高制限価格)では違法労働

津市公契約条例

a.入札の様子

調達件数は8件、今年の応札者は当方と「いつものメンバー」を合わせて8社。
この内、1社は参加するだけで「取る気」は全くなし。いつも超高額入札。
当方は昨年度から再登場。
たから、昨年度までは「8件を6社が争う」。
「争う」といっても「お一人様一個限り」の暗黙のルールを守って自主規制。
知らず知らずのうちに「各庁舎に御用達」。

しかし、当方の再登場で今年は荒れ模様。

当方は昨年の短大が取れればそれでよい。
こんな落札価格では利益など出るはずがない。
自分が入って経費削減、最小限の人員で「やっと赤字なし」。

当方の他のメンバーは『利益のでない宿日直業務より本業の私服保安をやってよ!』
しかし、どこか一件受注していないと津市の動きが分からない。
全ては「零細警備業者とその警備員の待遇改善のため」。
本業の方は「これからの君たち」に任せます。

さて、本年度の入札。
短大入札は二番目だから一番目の入札は「取る気なし」。
ところが二番目の短大を他社が「前年度の2.5万円安」で落札。
その後の入札は皆が当方を警戒、軒並み「前年度の5万円引き」。
当方は一件が取れたので、その後の入札を辞退。

しかし、こんな安値にしてまでなぜ落札・受注するのでしょう。
「社長や代表者がシフトに入って経費を節約している様子」はなし。
皆、 「どこか一件受注していないと津市の動きが分からない。
津市調達を糾弾し、零細警備業者とその警備員の待遇を改善させよう」と思っているのでしょうか?

b. 「予定価格越え」二件

今回の入札で「予定価格超え」が二件ありました。

予定価格とは「落札価格の上限」つまり「これ以上では契約しませんという限度価格」。
その年の「最低賃金,労働保険負担率,社会保険,警備員雇用情勢,物価など」を考慮して津市が定める上限価格。
もちろん、公表されません。

入札額の最安値が予定価格を超えたら、再入札を二回。
これでも、まだ予定価格を超えていたら「不調」。
不調のあとは「再調達」。
当方が津市調達から離れていた時期に、短大でこの「不調」があり、
次の落札者が決まるまでの2~3カ月間、職員が交代で警備員の代わりをしたそうです。

どの業者も「控えめな額」で入札。
しかし、中には「ギリギリで落としてやろう」という意地っ張りの者もいます。

今回の予定価格超えは前頁に上げたA庁舎とB庁舎。

〇A庁舎

・42.9万円で予定価格オーバーで落札者なし。

・ 一社を残して全員が再入札を辞退。

・一社が残って再入札2回 → 40.7万円で落札

A庁舎の予定価格は40.7万円ということでしょう。
※前年度はこの業者が39.2万円で落札。
※前年より最低賃金値上げ 874円 → 902円、労働保険料事業主負担が15.5/1000 → 20/1000。

〇B庁舎

・予定価格オーバーで落札者なし。

・一社を残して全員が再入札を辞退。

・ 一社が残って再入札二回。

・ 40.5万円でも予定価格超え

・ 不調

B庁舎の予定価格は40.4万円ということでしょう。
※前年度はこの業者が39.5万円で落札。

さて、A庁舎とB庁舎の「実労働時間数」と「予定価格」が分かりました。
それでは「この予定価格の内訳」を推測してみましょう。

c.予定価格は「違法労働を前提にしている」

・実労働時間数,手待ち時間数は「入札価格の参考にしてください」とA庁舎,B庁舎が自ら示した時間数。
・これを基に「断続的労働の適用除外許可,最低賃金の減額許可が下りたもの」として賃金を計算。
・それに、法令に定められている労働保険,社会保険,有休休暇,警備員教育などを加算して人件費を算出。

津市も本年の予定価格を決めるときに同じことをやっているはず。

・A庁舎の人件費算定

※「これから許可申請をしようとする事業者さん」と、
  「 自分の賃金と比較しようとする警備員さん」以外は「➀賃金」までは読み飛ばしてください。

(平日日当)

・巡回数4回
・所定労働時間=915分
・実労働時間=160分
・手待ち時間=915-160=755分
・減額率(%)=(手待ち時間×0.4)÷所定労働時間×100
=755×0.4÷915×100=33.005…%≒33%
※%の小数点第3位以下切り捨て
・減額時間給=最低賃金×(1-減額率)
※ここでの減額率は%の小数点第2位以下切り捨て → 33%
=902円×(1-0.33)=604.34円≒ 605円
※1円未満切り上げ
・日当=減額時間給×(15.25+7×0.25)=減額時間給×17時間=605円×17=10285円以上
→ 10300円

※10285円は計算上の最低ライン。これが実際に許可されるかどうかは分からない。

(休日日当)

・巡回数6回
・所定労働時間=1440分
・実労働時間=200分
・手待ち時間=1440-200=1240分
・減額率(%)=(手待ち時間×0.4)÷所定労働時間×100
=1240×0.4÷1440×100=34.444…%≒34.44%
※%の小数点第3位以下切り捨て
・減額時間給=最低賃金×(1-減額率)
※ここでの減額率は%の小数点第2位以下切り捨て → 34.44%≒34.4%
=902円×(1-0.344)=591.712円≒ 592円
※1円未満切り上げ
・日当=減額時間給×(24+7×0.25)=減額時間給×25.75時間=592円×25.75
152244円以上 → 15300円

(平日と休日の日数)

・2022年5月1日~2023年3月31日の11カ月。
・平日 / 223日、休日 / 112日

(一カ月の平均賃金)

・(平日日当×平日数+休日日当×休日数)÷11カ月
=(10300×223+15300×112)÷11=364590.9≒364590円

(3名隔日勤務でやる場合の一カ月の最低人件費)

※2名・隔日勤務でやる場合、「明け休み(休息)」の他に一カ月に二日の休日が必要です。
   そのため、2名でやることはできません。どうしても3名必要になります。
   この2名分の休日4日/月は事業主,管理職,従業員が出勤することになりますが、その人件費も必要になるので、
   人件費の計算では3名で10日ずつ出勤することとします。

➀賃金
364590円

②労働保険事業主負担分
・6.5/1000+13.5/1000=20/1000
・364590円×20/1000≒7292円/月

③健康保険料・厚生年金事業主負担分 → こちら
・3名で業務を行う → 1名分の月給 → 364590円÷3=121530円
・厚生年金5等級+健康保険(40歳以上/介護保険2号)8等級 → 10797円+6849円=17646円/名×3名 → 52938円/月

④有給休暇負担分
・1名につき10労働日/年 → 宿日直5回分 → 10300円×5回×3名÷12月=12875円/月

⑤新任教育
・1名につき20時間/年 → 902円×20時間×3名÷12月=4510円/月

⑥制服装備品消耗
・1名につき1年で10000円 → 10000円×3名÷12月=2500円/月

⑦交通費
・日額500円 → 500円×335日÷11月≒15227円/月

⑧寝具
・断続的労働の適用除外許可に必要です。
・10000円×3名 → 30000円÷12=2500円/月

⑨警備室などで消費する消耗品
・断続的労働の適用除外許可に必要です。
2000円/月

⑩警備業者責任賠償保険料増加分
・24000円/年 → 2000円/月

➀~➉の合計=466432円
「利益、事務経費抜き」で46.6万円/月 になります。

・B庁舎の人件費算定

※「これから許可申請をしようとする事業者さん」と、
   「自分の賃金と比較しようとする警備員さん」以外は「➀賃金」までは読み飛ばしてください。

(平日の日当)

・巡回数6回
・所定労働時間=915分
・実労働時間=170分
・手待ち時間=915-170=745分
・減額率(%)=(手待ち時間×0.4)÷所定労働時間×100
=745×0.4÷915×100=32.568…%≒32.56%
※%の小数点第3位以下切り捨て
・減額時間給=最低賃金×(1-減額率)
※ここでの減額率は%の小数点第2位以下切り捨て → 32.56 → 32.5%
=902円×(1-0.325)=608.85円≒ 609円
※1円未満切り上げ
・日当=減額時間給×(15.25+7×0.25)=減額時間給×17時間=609円×17=10353円以上
→ 10400円

※10353円は計算上の最低ライン。これが実際に許可されるかどうかは分からない。

(休日日当)

・巡回数4回
・所定労働時間=1440分
・実労働時間=120分
・手待ち時間=1440-120=1320分
・減額率(%)=(手待ち時間×0.4)÷所定労働時間×100
=1320×0.4÷1440×100=36.666…%≒36.66%
※%の小数点第3位以下切り捨て
・減額時間給=最低賃金×(1-減額率)
※ここでの減額率は%の小数点第2位以下切り捨て → 36.66%≒36.6%
=902円×(1-0.366)=571.868円≒ 572円
※1円未満切り上げ
・日当=減額時間給×(24+7×0.25)=減額時間給×25.75時間=572円×25.75
14729円以上 → 14800円

(平日と休日の日数)

・2022年5月1日~2023年3月31日の11カ月。
・平日 / 223日、休日 / 112日

(一カ月の平均賃金)

・(平日日当×平日数+休日日当×休日数)÷11カ月
=(10400×223+14800×112)÷11=361527.27≒361528円

(3名隔日勤務でやる場合の一カ月の最低人件費)

※2名・隔日勤務でやる場合、「明け休み(休息)」の他に一カ月に二日の休日が必要です。
   そのため、2名でやることはできません。どうしても3名必要になります。
   この2名分の休日4日/月は事業主,管理職,従業員が出勤することになりますが、その人件費も必要になるので、
   人件費の計算上は3名で10日ずつ出勤することとします。

➀賃金
361528円

②労働保険事業主負担分
・6.5/1000+13.5/1000=20/1000
・361528円×20/1000≒7231円/月

③健康保険料・厚生年金事業主負担分 → こちら
・3名で業務を行う → 1名分の月給 → 361528円÷3≒120510円
・厚生年金5等級+健康保険(40歳以上/介護保険2号)8等級 → 10797円+6849円=17646円/名×3名 → 52938円/月

④有給休暇負担分
・1名につき10労働日/年 → 宿日直5回分 → 10400円×5回×3名÷12月=13000円/月

⑤新任教育
・1名につき20時間/年 → 902円×20時間×3名÷12月=4510円/月

⑥制服装備品消耗
・1名につき1年で10000円 → 10000円×3名÷12月=2500円/月

⑦交通費
・日額500円 → 500円×335日÷11月≒15227円/月

⑧寝具
・断続的労働の適用除外許可に必要。
・10000円×3名 → 30000円÷12=2500円/月

⑨警備室などで消費する消耗品
・断続的労働の適用除外許可に必要。
2000円/月

⑩警備業者責任賠償保険料増加分
・24000円/年 → 2000円/月

➀~➉の合計=463434円
「利益、事務経費抜き」で46.4万円/月 になります。

・A庁舎,B庁舎の予定価格の内訳

〇A庁舎の予定価格の内訳

・A庁舎の予定価格は40.7万円。
・A庁舎の算定賃金は36.5万円。
・A庁舎の最低人件費は46.6万円。
・予定価格に利益を含まないということはないから、
   利益は「ごくごく控えめに」人件費の10%程度の5万円/月。
・結局、妥当な予定価格は51.6万円/月

津市の予定価格は妥当な予定価格より10.9万円も低い。
予定価格算出のときにどれかを削っているはず。

答えは一目瞭然。
労働保険料以下を全て削っているのです。
つまり、賃金36.5万円に利益5万円弱(4.2万円)を加算したものが予定価格の40.7万円なのです。

〇B庁舎の予定価格の内訳

・B庁舎の予定価格は40.4万円。
・B庁舎の算定賃金は36.2万円。
・B庁舎の最低人件費は46.4万円。
・予定価格に利益を含まないということはないから、
   利益は「ごくごく控えめに」人件費の10%程度の5万円/月。
・結局、妥当な予定価格は51.4万円/月。

津市の予定価格は妥当な予定価格より11万円も低い。
予定価格算出のときにどれかを削っているはず。

これもA庁舎と同じ。
津市の予定価格は算定賃金36.2万円に利益5万円弱(4.2万円)加算した40.4万円なのです。

・津市の予定価格は違法労働を前提にしている

以上から、市庁舎宿日直業務の津市の予定価格の内訳が分かります。

・実労働時間を算定して断続的労働における最低賃金の減額許可の時給で賃金を算定。
・それに、受注者の利益を4万円~5万円加算。
・法令で必要とされる労働保険,社会保険,有休負担分などの経費は一切含めない。


つまり、津市自らが「労働法令違反を前提にしている」のです。
これでは「受注者の労働法令違反にアンタッチャブルになる」のは当然。

津市公契約条例の目的はどこへ行ったのでしょう。
「津市が発注する業務では違法労働を認めない!」
こう言っている本人が労働法令違反。

市民はまんまと騙されています。
この公契約条例を作ったのは市議会。
予算を通すのもチェックするのも市議会。

しっかりせんかいッ!

d. さらなる疑惑「予定価格はもっと高かったはず」

津市公契約条例

津市公契約条例は責任逃れ、最低落札価格なしで違法労働状態」を読んだ方は「?」と思うでしょう。
『津市の庁舎宿日直の予定価格って、もっと高かったんじゃない?』

その通り!

2020年度の三重短期大学宿日直業務の予定価格は 62.2万円/月 だったのです。
この予定価格は令和3年第一回審議会で公表されました。 →  こちら
津市では業務委託の予定価格は公表されません。
しかし、この年度では三重短期大学宿日直業務が試行案件に選ばれていたため、
審議会で予定価格,落札価格,落札率,応札業者数を公表しなければならなかったのです。

当方は短期大学の宿日直業務を通算3年間やっています。
この短大の業務は現在やっている庁舎業務に比べて、
・婚姻・出生・死亡届などの受理業務がない。
・道路障害物情報に対する対応業務がない。
・附属施設の管理業務がない。
本当に「夜、施設を点検し鍵を閉めて、朝、鍵を明けるだけ」の労働強度の低い業務なのです。
だから、落札価格は他の庁舎業務より5万円程度安くなっています。

2年前といえば最低賃金は今よりも28円も安い。
労働保険料の事業主負担分は4.5/1000だけ安い。
それなのに、公表された予定価格が62.2万円/月。

今年の予定価格より20万円以上高い!

私は『知ってる?2年前の短大の予定価格は62万円(税抜き)なんだよ!』と言って他の者に笑われました。
そして、一回目のA庁舎の入札で予定価格が20万円以上安いことを知って驚き。
他の者は『ほらね。』

いったい、なぜこの2年間で予定価格が20万円以上も下がったのでしょう?

分かりますよねぇ。

2020年の短大の宿日直業務はその年の試行案件に選ばれていたので、
審議会で予定価格を公表しなければならない。
順来の「賃金+利益4~5万円で労働保険・社会保険・有休負担分はなし」では審議会で追及されるに決まっている。
だから、20万円水増し!

誰がこんな「姑息な騙し」を画策したのでしょう?
市長ですか?契約調達課の課長ですか?

もしかして、「実際の予定価格とは異なる嘘の数字」ですか?
「中央官庁の文書改竄」を知っている我々としては疑いたくもなります。
しかし、これは「けっこう大きなひび割れ」ですよ。

それはそうと、この試行案件で「ピッタリ賞」の落札率100%、
「もう少しで賞」の99.66%や98.18%がありますよ。→   こちら
これらも「市内業者全員指名の最低落札価格なし」。
こちらも「ひび割れ」かも。

こんな疑念を抱かせる「何もかもが非公開の津市業務調達」。
今までの予定価格と落札価格を全部チェックする必要があるのではないですか?

審議会の委員も、市議会も、
しっかりせんかいッ!

5.同業者と警備員さんへ

津市公契約条例

a. 現在の状況となすべきこと

●津市の権限と受注者の義務

・津市には「受注者の労働法令順守の調査権限,契約取消件,契約取消の場合の損害賠償請求権」
・受注者には「労働法令順守義務,津市の調査に応じる義務,違反法申告をした労働者の不利益取扱の禁止」
・労働者には「雇用主が労働法令に違反したときに津市に申告する権利と申告窓口」

●津市の現在の態度

・予定価格は「賃金額+利益4~5万円/月」、労働保険,社会保険,有給休暇負担分などを考慮していない。
・「受注者が法令違反をしているかどうか」はチェックをしない。自己責任で。
・断続的労働の適用除外許可書や最低賃金の減額許可書の呈示は求めない。自己責任で。

●受注者の本音

・労働法令は守りたいけど、守っていたら津市から仕事を受注できない。
・自分と従業員の生活を守るためには安値落札でも仕方がない。

●労働者の本音

・60歳、70歳でも雇ってくれるのは警備だけ。
・賃金がどれだけ安くても仕事がないよりまし。仕事がなければ生きていけない。
・庁舎の宿日直業務は交通誘導より格段に楽。キツイ現場は他にどれだけでもある。

●感想

前回の参議院選挙で各党が言っていた「最低賃金を1500円にします!」
白々しく聞こえますね。
現実の902円が支払われていない。
「支払いたい」のだけど「支払えない」。
労働者の最低賃金を上げる前に、「最低賃金を支払える」仕事をくれッ!

下層労働者の上に座る中小企業労働者、その上に座る大企業労働者。
全ての労働者の上に君臨する大資本。
大資本に「すり寄るだけの」政治家。

しかし、それは資本主義だから仕方がない。
我々にできることは「声を上げる」こと。
警備員の一人一人、零細警備業者の一つ一つが声を上げること。

まずは、警備員さんたち。
適正な賃金を請求しましょう。
3年分は請求できま。
「過払い金」のように手数料は必要ありません。監督署へ行けば調べてくれます。

次に零細警備業者さん。
労働法令を守りましょう。
断続的労働の適用除外許可と最低賃金の減額許可はすぐに申請しておきましょう。
賃金を「適正・合法賃金」に上げて、警備員には一時金を渡して和解しておきましょう。

津市は、「受注者の法令違反にアンタッチャブル」が問題にされ、
「発注者としての監督責任」を追及されそうになれば、
すぐに受注者の労働法令違反を摘発して問題の幕引きを図ろうとするでしょう。
「かけた梯子を平気で外す」のが行政です。

津市は「予定価格の算定内訳、2020年度の予定価格疑惑」で追い込まれたら、必ず手のひらを返します。
その時期は刻々と迫っているように思えます。

闘う相手は津市入札に参加してくる同業者ではありません。
「労働法令違反を前提にした予定価格を定め」、「最低落札価格なしで安売り競争を煽っている」津市です。

市会議員、基準監督署は動きません。
我々が声を上げるしかないのです。

b. どのくらい 戻ってくるの?

宿日直をやっている警備員さんは気になるでしょうね。
しっかり戻ってきますよ。
簡単な説明をしておきます。
ただし、個々のケースで事情は異なります。詳しくは基準監督署に相談してください。

●定時労働時間が8時間を超えたら基準監督署の「適用除外許可」が必要

・残業扱いで時々8時間を超える場合はこの許可は不要です。(36協定の範囲内)
・定時の労働時間が8時間を超える場合にはこの許可が必要です。
   この許可を得ないで8時間以上働かせると基準法違反になります。
・この許可は「 基準法の時間制限を適用しない」というものです。
   つまり「この許可があれば、8時間を超える労働をさせても基準法違反にならない」というものです。
   賃金は通常賃金を支払わなければなりません。   

・この許可はその業務について与えられるので、業務内容が変わらない限り無期限の許可です。
   そのため、個々の労働者に監督署からの問い合わせはありません。
   だから、労働者に「雇用者がこの許可を取っているかどうか」は分かりません。
   しかし、雇用者がこの許可を取っていても取っていなくても、
   労働者には通常賃金を支払わなければならないので、労働者には直接関係のない許可です。
   労働者に直接関係のある許可は次の最低賃金の減額許可です。

●最低賃金の減額許可は労働者一人一人について与えられる。

・最低賃金の減額許可は「通常賃金より賃金を安くする許可」です。
   断続的労働の「実労働100%評価,手待ち時間60%評価」の賃金にする許可です。
   雇用者がこの許可を得ていない場合、労働者は通常の賃金を請求できます。
   また、この許可を得ないで雇用者が通常賃金より安い賃金を支払えば最低賃金法違反となります。

・最低賃金の減額許可は労働者一人一人に与えられるものなので、監督署から労働者に確認の電話があります。
   この問い合わせがなければ雇用者はこの許可を得ていません。
 
・また、この許可には期限があります。(最長で3年)
   その期限が過ぎると許可の取り直しが必要で、監督署から労働者に再度の問い合わせがあります。
   例えばその業務の契約期間が1年間なら最低賃金の減額許可の期限も1年間です。
   1年契約の宿日直業務を、昨年に続いて受注し同じ労働者を配置する場合でも 
   新しく許可を取り直さなければなりません。
   「今年も昨年と同じ宿日直業務が取れたよ。また同じ日当でやってね。」と言われて、
   監督署から問い合わせががなければ、雇用者は再度の許可申請をしていません。
   この場合は、再度の許可書が交付されるまでは通常賃金を請求できます。

・ポイントは「監督署から問い合わせの電話があったかどうか」です。
   この問い合わせがなければ、次の通常賃金を請求できると考えてよいでしょう。

●最低賃金の許可がないと通常の賃金を請求できる。

・既に説明したA庁舎では平日15.25時間で日当が10270円、休日24時間で15220円ですが、
   これは最低賃金の減額許可がある場合です。(最低賃金902円で計算)
・許可がない場合、請求できるのは「この賃金」と「実際の賃金」との差額ではありません。
   「通常賃金」と「実際の賃金」との差額です。
・通常賃金とは8時間を超えた部分は25%増しとなる賃金です(深夜時間はさらに25%増し)。
・仮眠時間や休憩時間(1時間×3回)を労働時間から除外する事業者がありますがこれは違法です。
   1ポストの場合すべてが労働時間に含まれます。
   「グレーゾーン」だと説明する事業者もいますが騙されてはいけません。
・ただし、請求できるのは3年間の分だけです。

・通常賃金は次のように計算します。

●通常賃金の計算

・平日(17:15~翌8:30)

・17:15~22:00 (4.75時間)→ 100%、
・22:00~1:15(3.25時間) → 深夜割増 → 125%
・1:15~5:00(3.75時間) → 深夜割増×残業割増 → 125%×125%=156.25%
・5:00~8:30(3.5時間) → 残業割増 → 125%

・結局、4.75+3.25×1.25+3.75×1.5625+3.5×1.25=19.046875

日当=最低賃金(三重県)×19.046875=902円×19.046875≒17181円

・休日(8:30~翌8:30)

・8:30~16:30(8時間) → 100%
・16:30~22:00(5.5時間) → 残業割増 → 125%
・22:00~5:00(7時間) → 残業割増×深夜割増 → 125%×125%は156.25%
・5:00~8:30(3.5時間) → 残業割増 → 125%

・結局、8+5.5×1.25+7×1.5625+3.5×1.25=30.1875

日当=最低賃金(三重県)×30.1875≒27230円

●戻ってくる賃金・一カ月に「平日13日+休日2日」の出勤とすると

・通常賃金=17181円×13日+27230×2日=277800円

・請求できる金額=(277800円-実際の月給)×36カ月

・通常の月給は 11~15万円 だから

戻ってくる賃金=460万円~600万円

・手続申請は不要、手数料なし。
・「有休なんかボーナスなんか関係ない」警備員には驚きのプレゼント。
・基準監督署に相談にいけばお膳立てしてくれます。
・事業者は基準法違反と最低賃金法違反で罰金、悪くすれば懲役(労基法119条、120条,最賃法40条)
・この場合、必ず公安委員会が臨時立ち入りがあり、重箱の隅を突ついて営業停止、悪くすると認定取消。
   彼らも上から監督責任を問われますからね。
・突然の出費は10人雇っていれば 4千6百万円~6千万円。20人雇っていれば「億 」近く。
   これだけで小さな会社は潰れてしまいます。
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つづく。

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