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1.エンジン搭載
エンジンを取り外すときに気づかなくても取り付けるときに気づくことがあります。
そのことを羅列的に記載します。
a.エンジンジャッキの要素
RMXはクレドールフレームなのでエンジンジャッキは使いません。
FJはクレドールですがダウンフレームが分離できるのでエンジンジャッキが必要です。
しかし、ストックエンジンはあるものの「まず 載せ替えはしないでしょう」。
NSRはダイヤモンドフレームなのでのエンジンジャッキが必要です。
もっとも、これから先に「もう一度」があるでしょうか?
エンジンジャッキは「か弱そうな」ものが1万円程度。 → こちら
「まあ何とかなるだろう」と取り外したときと同じ「モトクロススタンドとパンダジャッキ」で。
しかし、
●エンジンジャッキの要素① : ジャッキの上にエンジンを載せてフレームの下に入れられること。
今回の方法は、
・エンジンをフレームの下に置く。
⇩
・片方を持ち上げてブロックを差し込んむ。
⇩
・もう一方を持ち上げてブロックを差し込む。
⇩
・ブロックの上に板を差し込む。
⇩
・縮めたモトクロススタンドを差し込める高さにしてモトクロススタンドを差し込む。
⇩
・モトクロススタンドの下にパンダジャッキを入れてエンジンを上げていく。
まず、モトクロススタンドをエンジンの下に差し込むまでが一苦労。
もう一人いれば簡単でしょうが…。
エンジンジャッキなら縮めた高さが低いので
エンジンをジャッキに載せたままフレームの下に入れられます。
●エンジンジャッキの要素② : エンジンを前後左右にずらせられること。
エンジンの下にパンダジャッキを2~4個置けばフレームの下にエンジンをセットできます。
しかし、エンジンのマウント穴とフレームのマウント穴を合わせるために
エンジンを微妙に前後左右にずらさなければなりません。
これをするためにはエンジンの下が平面でなければなりません。
エンジンジャッキはこの点でも合格です。
●エンジンジャッキの要素③ : 四隅を独立して昇降させられること。
マウント穴を合わせるためには前後左右の水平調整だけでなく前後左右の高さの調整も必要です。
エンジンジャッキはこれができませんがエンジンの四隅に詰め物をすれば可能です。
結局、エンジンジャッキは「やはり必要」です。
案外、チェーンブロックで車体を吊ってエンジンの上から降ろすと楽かもしれません。
b.外せるものは外しておく
エンジンを外すときは邪魔にならないでも、載せるときに邪魔になるものがあります。
オイルポンプと冷却水デストリビューターがフレームに当たってエンジンを上げられません。
この二つを外せば、すんなりとエンジンが上がってマウントボルト穴を合わせることができます。
c.マウンティングラバーを先にエンジンに取り付ける
・マウントボルトの復習
マウントボルトは次の四本です。
マウンティングラバー ( ゴムブッシュ,プラスティックカラー ) がエンジン側に入るのは②と③です。
・取り付けは③から
③が一番合わせやすく、③を仮止めすれば①と②はすんなりと合わせられます。
④は最後に簡単に取り付けられます。
③にラバーブッシュを入れてから作業します。
このラバーブッシュを忘れることはまずありません。
●ラバーブッシュの磨耗?
③ボルトを差し込んで「?」。
隙間があるぞ!
ラバーが劣化して痩せたのかな?
この部品は注文してないゾ!
心配ご無用。
ボルトを締めればボルト頭が出てきてラバープレートを押しつけます。
エンジンはフレームに取り付けられますが、フレームにボルト留めされるわけではありません。
シャフトを通して両側からボルトで押さえられているだけです。
しかもラバーが介在するのでフレームとエンジンは「ある程度」独立して動くことになります。
エンジンの振動がフレームに直接伝わること,フレームの動的歪みががエンジンに直接伝わることを防ぎます。
締め付けトルク : 350~450㎏・㎝ ( サービスマニュアルp20-36 )
エンジンジャッキは入手しなかったけどロングヘキサとストレートレンチは入手しました。
・TONE超ロングヘキサゴンソケット 4H-08L150 /差込角12.7 ㎜・二面幅8 ㎜ → こちら
・TONE ロングめがねレンチストレート HPM04-1417/ 二面幅14×17 ㎜ → こちら
ヘキサソケットの方でトルクレンチが使えます。
締め付けトルクが「350~450㎏・㎝」なので差込角が大きい「12.7㎜」の方をおすすめします。
・次に①と②を取り付ける
●①の取り付けは簡単
③を仮止めしたら①のマウント穴はほとんど合っています。
合ってなければエンジンを少し持ち上げればボルトを差し込むことができます。
・フレームのマウント穴にラバーブッシュを外から差し込む。
⇩
・ラバープレートとカラーを重ねてフレームとエンジンの間に入れて右手の指で押さえる。
⇩
・左手でシャフトを差し込む。
締め付けトルク : 350~450㎏・㎝ ( サービスマニュアルp20-36 )
③と①を仮止めしたら②のマウント穴は合致しています。
ここに②のボルトを差し込めばエンジンマウントはほとんど終了です。
●②取付け注意1 : エンジン側にカラーとブッシュとプレートを取り付けておく
②のマウントボルトの復習です。
bがエンジン側に入り、bを差し込んでeでフレームに留めます。
このときエンジン側とフレーム側との間に隙間ができるので、この隙間をcで埋めます。
dはcを固定するロックナットです。
注意しなければならないのは、
エンジン側に先にbを取り付けておくこと。
これは③の場合と同じです。
しかし、直前に作業した①でラバーブッシュやラバープレートをフレーム側に取り付けたので
エンジン側に取り付けるのを忘れてしまうのです。
②ボルトを差し込んで、「これでできたな!」と一段落。
その時に「bが差し込まれていないことに気づいた」状況を想像してみてください。
力が抜けます。
フロントのマウントボルト①を仮止めしたまま、リヤ上のマウントボルト③とこの②を外せば、
エンジン後部が下がってマウント穴が顔を出し、そこからbを入れられるんじゃないの?
そんな甘くはありません。
bを入れられるだけ下がってくれないのです。
bを入れるためには、
すべてのボルトを外してエンジンをフレームのマウント穴からずらさなければならないのです。
つまり、「振り出しに戻る」のです。
●②取付注意2 : このラバープレートはあとから入れられない。
このラバープレートが入るところはフレームとの間に隙間ができ、
アジャスタボルトでその隙間を埋めるところです。 → こちら
マウント穴合わせで外れても「隙間ができるのだからあとでプレートを入れられる」と思いませんか?
絶対に入れられません。
ラバープレートの凸部 ( ラバーブッシュと噛み合う部分 ) がこの隙間より大きいからです。
もちろんフロントボルト①を仮止めしたまま②と③を外してエンジンの②の部分を下げてもダメです。
もう一度、すべてのボルトを外してエンジンをフレームのマウント穴からずらさなければなりません。
つまり、「もう一度振り出しに戻る」
結局、マウント穴合わせを三回やりました。
三回目ともなると少し早くできるようになりましたが、翌朝は久しぶりの筋肉痛。
締め付けトルク : 350~450㎏・㎝ ( サービスマニュアルp20-36 )
・④を取り付ける部分がない?
「④は最後に簡単に取り付けられる」と書きましたが、フレーム側のマウント穴が見つかりません。
ずいぶん探しました。
④を取り外したのは三カ月以上前。
いま使っていたレンチを探さなければならないのに、三カ月前のことなんか覚えているはずがない。
④の取り付け穴はここでした。
④はエンジンにハンガリンクに取り付けるボルトでした。
リンクが下がっていたので見つからなかったのです。
ハンガリンクにカラーが入っているのを確認。
締め付けトルク : 500~600㎏・㎝
これで「エンジン搭載」が終了。
次は付属部品を取り付けていきます。