●FJ1200 最後のユーザー車検



FJのユーザー車検も8回目。

この2年間もほとんど乗っていない。
そもそも、オートバイにほとんど乗っていない。

「そろそろFJを降りるときか…。」
しかし、保管するにせよ誰かに譲るにせよ「車検付きで生かせておいてやりたい」。
最後のユーザー車検を通すことにした。

●事前準備とコース最新情報
2泊3日のユーザー車検

1.事前準備

ほとんど乗っていないから整備は必要ない。
必要なのは「陸運局へ乗っていき、車検ラインを通って、家まで帰ってくる」こと。
そのためには「低速の取り回し」を練習しなければならない。

後期高齢者直前で身体能力は極端に落ちている。
特に体幹力と平衡感覚。
ちょっとバランスを崩すと「みごとに立ちゴケ」。
コケたら「260㎏」を起こせない。

「260㎏の低速取り回しの練習」の前に最小限の整備。
1日で終了。

・「HID屋のLED・H4」を車検用の「PIAAのハロゲン・H4」に戻す。
・エンジンオイルはそのまま、クラッチ,ブレーキオイル点検。
・空気圧チェックとバッテリー充電。
・自作のバンパーを外し、車検用の鹿角スクリーンとダンデムベルト付きシートを。
・ハンドル幅延長ブラケットを取り付けてレバー位置を内側に。

次にチョイ乗りで低速取り回しの練習。
・極低速の前ブレーキは禁物。バランスを崩して立ちゴケ。
・低速,極低速では後輪ブレーキを引きずる。
・停止するときは後輪ブレーキで左足を着く。
・とにかく後輪にパワーをかけていれば車体は安定する。

背中の筋肉痛に悩まされながら仕事の合間にせっせとチョイ乗り。
ただし、「一度でも立ちゴケしたら車検取得はやめよう」と決める。

2週間かけて立ちゴケなしで「なんとか扱える」ように。
「もしかして、まだFJに乗れるのでは…。」とも。

2.車検コースの下見

ユーザー車検は今までに7回受けているけど「念のため」。
「自賠責の加入と新しい申請書の入手」のついでに車検コースの下見。

申請書は自動車検査票(車検コース最後に読み取り機械に差し込む用紙)が少し変わっただけ。
裏面の「初年度登録年月日」に「S,H,R」が追加されていた。

重量税納付書と継続検査申請書(※上半分の□欄は鉛筆で書く)はまったく同じ。

自動車検査票だけは新しいものを使った方がよいだろう。

a.ドラムが地下埋没型に戻る

検査コースは5回目,6回目,7回目(前回)と同じく一番左側(東側)のコース。

車輪を乗せるドラムが地上設置型から地下埋没型に変わっていた。

地下埋没型から地上設置型に変わったのは5回目の車検から。

地上設置型のドラムは車輪を乗せにくい。
5回目には前輪を乗せるのに失敗し、後退して乗せ直すときに立ちゴケしている。 →  こちら
さらにスピードメーター検査のときに車輪が大きく振られるので安全性に問題があったのだろう。

新しくなった地下埋没型も以前の地下埋没型から次の点が改良されていた。

〇ブレーキテストではドラムがゆっくり回る。

以前の地下埋没型と5回目の地上設置型では
ブレーキテストで「検査可能なスピードまで車輪が回され」車輪が大きく振られた。
とくに、地上設置型では「車輪を振られて転倒する危険」もあった。 →  こちら

6回目からの地上設置型ではブレーキテストで車輪が「ゆ~っくり」回されるようになった。
→  こちら

当然のごとく、今回の地下埋没型もこれを引き継ぎ。
もう、ブレーキテストで身構える必要はまったくない。

b.車輪止めが出てくる

ドラムの前と後ろから車輪止めが出てくる。
前輪をドラムに乗せたときは後輪が両側から挟まれて固定される。
後輪をドラムに乗せたときは前輪が両側から挟まれて固定される。

ブレーキテストではドラムがゆっくり回るようになって車輪が振られることはない。
しかし、スピードメーターテストでは40㎞/hになるまで車輪が回され、車輪と車体が振られる。
車輪止めはこれを防ぐためなのだろう。

この車輪止めは「スピード検知後輪」のオートバイに効果を発揮していた。

スピード検知後輪の場合は後輪をドラムに乗せるので前輪が固定される。
前輪が固定されればハンドルは振られない。
ハンドルが振られなければ車輪は蛇行しない。
車輪が蛇行しなければ車体は振られない。

最近のオートバイはスピード検知後輪が一般らしい。
「スピード検知後輪」の3台の様子を見たが「まったく車体は振られていなかった」。

しかし、スピード検知前輪の場合は「やはり振られる」。
前輪をドラムに乗せ後輪が固定される。
後輪が固定された分だけ車体が振られることはないが、前輪が振られるのは同じ。
そのままではハンドルが取られる。
両腕でハンドルを固定し、両足で車体をしっかりと支えなければならない。

ただ、ドラムの両側から小さな2個の車輪が出てきて前輪を挟む。
この小さな車輪で前輪はある程度支えられることになる。

以前より振られることはなくなったが、やはり「振られる」。
この点は「まだまだ改良の必要」があるだろう。
「ドラムの回転数を落として40㎞/h検知をする」ことなど簡単だと思うのだが…。

c.前照灯テスト不合格は多い

車の車検の前照灯テストはロービーム。
しかし、二輪車はハイビーム。
これは変わっていない。

しかし、前照灯テストで不合格は多い。
下見で5台のテストを見たが3台が不合格。

大手オートバイ販売店のお兄さんは、
『店で調整してくるけど不合格になる場合がある。LEDは光が散るのでダメ。』

このお兄さんは1回目の不合格のあと、
前のめりになってフロントフォークを縮めテスター画面に照射を合わせて2回目で合格。
こういう「合格するための技術」が必要なのだろう。

なお、前照灯テストは2回できる。
2回目も不合格ならコースを出て再検査となる。

光量不足は別にして、不合格のほとんどが光軸だろう。
そして「光軸が高いか低い」かが問題になっているのだろう。

テストでは前照灯の位置が指定されているが「そこで車輪が固定される」わけではない。
検査官が見ているわけではないのでテスト位置を前後にずらせることができる。

テスト位置より前に出ればテスターが感知するの光軸は低くなり、
テスト位置より後に下がれば光軸は高くなる。
ここはワンチャンス。
不合格の「 × 」が出たら、前へ出るか後へ下がるか。
もちろん、エンジンの回転数を上げて光量確保。

なお、2回目も不合格の場合、コースを出て検査票を機械に通すと「前照灯テストの結果」が記帳される。
ここで、「光量不足なのか光軸がどのように外れているのか」が分かる。
「光軸外れ」なら「自分で調整して再検査」も良いだろうが「近くのテスター屋さんで調整してもらう」のが確実だろう。

d.その他

検査項目選択ボタン

「前照灯/1灯式・2灯式」,「スピード検知/前輪・後輪」の検査項目選択ボタン。

以前は時間が経てば「前照灯/1灯式,スピード検知/前輪」に戻った(初期化された)が、
前回からは戻らなくなった。 →  こちら
もはや「前照灯/1灯式,スピード検知/前輪」が主流でなくなってきたからだろう。

当然、これは引き継ぎ。
検査コースに入る前に自分で選択ボタンを押さなければならない。

なお、前の受検者が検査票を機械に通すまでは選択ボタンは操作できない。

排ガス検査

2000年以降のオートバイには排ガス検査が行われる。
1991年のFJは当然排ガス検査なし。

今回の下見で気づいたことを一つ。

ピカピカのZRX1200。
車体検査を終えて排ガス検査。
若い検査官は四輪の方へ行ってしまった。

受検者はマフラーのなかに検査棒を突っ込む。
しかし、何度やっても「合格・不合格」が出ない。
当然、検査票は機械を通らない。

次の受検者はいないので教えてもらうことはできない。
首をかしげては何度も検査棒を突っ込む。
「検査官を呼べばいいのに…。」

やっと、検査官が気づいてやって来る。
検査官はアクセルを煽って「バイ~ン、バイ~ン、バ、バ、バイ~ン」。
アイドリングでは排ガス検査ができないらしい。

なお、このZRX1200は前照灯テストで不合格になっていた。

下見終了

問題は前照灯検査。

テスター屋さんでの光軸調整は5回目のユーザー車検からやっていない。 →  こちら

まあ大丈夫だろう。
1回目「×」ならバイクを後退させ「光軸を下げて」2回目を。
2回目も「×」で再検査ならテスター屋さんへ。

車検当日の対策を立てて下見終了。

次の日に書類を揃えて予約を取る。
8月25日の第3ラウンド・13時から。

8月25日12時。
車検場へ出発。
念のためにモバイルジャンプスタータ持参。
23号線を快調に走って13時前に車検場へ到着。

重量税と検査料支払い→書類提出→検査コース→書類確認→書類提出・ステッカーなどの受取。
1時間で軽く終わる。
15時には帰宅し「ビールでごくろうさん」。
のはずだったのだが…。

選任のための法律知識・

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