●事前準備とコース最新情報
●2泊3日のユーザー車検
3.2泊3日のユーザー車検
上の写真を見て疑問に思っただろう。
「車検終わりのFJがなぜ車庫に入っているの?普通なら車検場での写真でしょう!」
大きなバッグも載せている。
これが今回のユーザー車検の終了写真なのだ。
a.エンジンがかからない
車検当日、
車幅,車高,車台番号,ウインカー,ホーン,ブレーキランプ、それに「コン,コン」。
すんなりと合格。
FJをスタンバイ位置に進める。
バッテリーが弱いのでエンジンはかけたまま。
前照灯テストの準備でハイビームに。
しかし、検査ラインに入っているオートバイがなかなか終わらない。
ユーザー車検が初めてなのか、年配の係員がつきっきりであれやこれや。
この係員は検査官でないようだ。
ユーザー車検案内係といったところだろう。
最後の前照灯検査が終わっても、あれやこれや説明してなかなか終わりにしない。
スタンバイの私の後にもう3台が並んだ。
「いつになったら終わるのやら」。
バッテリー保護のため、いったんエンジンを切った。
これが2泊3日の始まり。
やっと、前のオートバイの検査が終了して検査票を機械に通した。
検査項目選択ボタンで「前照灯/1灯式,スピード検知/前輪」を押す。
スターターを押すと「クッ」。
FJがぐずった。
スターターを回せば回すほどバッテリーは弱くなる。
持ってきたモバイルジャンプスターターをつなげば簡単に始動できるのだけど、
シートを外してジャンプスターターをつなぐわけにはいかない。
ここで、1回目検査は不合格。
再検査に。
b.機嫌を直さないFJ
こんなときのためにジャンプスターターを持ってきている。
屋根付き駐車スペースでシートを外してジャンプスターターをつなぐ。
ところが、エンジンがかからない。
チョークを引けば少しの間はアイドリング。
すぐに止まってしまう。
燃料ポンプのタンク側バイブを外してガソリンが来ているかチェック。
ガソリンは来ている。
2~3ヶ月乗らないときの症状に似ている。
キャブレターのドレンを開けてガソリンを抜き、
燃料ポンプを強制運転させてガソリンを送ればエンジンがかかるはず。
しかし、ドレンを開けるための長いドライバーも、燃料ポンプを強制運転させるためのワニ口も持ってきていない。
ジャンプスターターも充電切れになったので「その日の再検査」は諦め。
FJは任意保険にはいっていないのでロードサービスは頼めない。
車の保険屋さんに「知り合いにオートバイを運搬してくれる業者はないか?」と電話。
探してくれたけど「どこも出払っている」。
JAFに問い合わせたら「入会した翌日に仮会員証が発行されるのでそのときならOK」。
非会員なら4~5万円とか。
今日JAFに入会すれば翌日に引き上げてもらえる。
今日はFJを車検場に置いて帰るしかない。
シートバッグにヘルメットとコミネのメッシュジャケットを手に持ち、
革パンに新しいガエルネブーツ。
炎天下を痛い膝でショッピングモールのバスターミナルまで。
休み休みで650mlの麦茶を2本。
バスで津駅まで。
電車のあとは徒歩。
家に着いたのは18時過ぎ。
いやはや、オートバイや車の楽なこと。
c.FJ救出方法
再検査を受けるにせよ、車検取得を諦めるにせよFJを車検場から持ってこなければならない。
FJは軽トラをレンタルして持って帰ってくるわけにはいかない。
どうしても配送業者に頼まなければならない。
しかし、ネットで調べると3万円~4万円。
それなら「10㎞以上は有料」だけどJAFの方が安上がり。
●JAF入会
その日の夜にネットで入会。
クレジットカードで初年度会費6000円を決済。
翌日0時に仮会員証発行。
ダウンロードして印刷してもよいし、アプリでケイタイ画面に表示される。
これで「最後の手段」は確保した。
●「修理して自走で帰る」方法がある
エンジンのかからない状況は2~3ヶ月放置した場合と同じ。
今回は「放置していない場合」だが「直せる」かもしれない。
エンジンがかかればそのまま乗って帰ってこられる。
それからゆっくり点検すればよい。
これでダメならJAFがある。
まずはこの方法を試してみることにした。
●エンジンがかかる
翌日朝早く車に整備工具一式とガソリンを載せて車検場へ出発。
予備の燃料ポンプとモバイルジャンプスターターは2台。
9時過ぎに車検場に到着。
〇プラグチェック
・プラグは乾いている。
・混合気が来ていない。
〇燃料ポンプチェック
・バッテリー直結で動く。
・燃料ポンプの故障ではない。
〇燃料ライン
・燃料パイプの折れ,曲がりなし。
・燃料パイプから燃料が出る。
〇キャブレターの燃料チェック
・フロート室のドレンから燃料は出てくる。
・1番の排出量が少ない。
・キャブレターの燃料を空にする。
〇燃料ポンプの自動始動
・キャブレターの燃料が空なのだからイグニッションスイッチONで燃料ポンプが始動するはず。
・しかし、燃料ポンプの「ブ、ブ、ブ、ブ」という音が聞こえない。
・燃料ポンプが停止するまで強制運転してキャブレターに燃料を送る。
スターターON。
エンジン始動。
吹け上がりも問題なし。
原因は「燃料ポンプが燃料を送らなくなった」こと。
燃料ポンプ自体は問題ないのだから、燃料ポンプコントロールリレーに問題があるのだろう。
→ こちら
しかし、「直前まで動かしていたエンジン」が始動困難になったことは一度もない。
バッテリーが弱っていてもジャンプスターターを使えば簡単に始動する。
今回はそれもできなかった。
やはり「FJがぐずった」としか考えられない。
「機械の最後」にはこの「ぐずり」がよくある。
機械にも「いのち」があるのかもしれない。
d.FJの最後の警告
●再検査を受ける
9時に車検場到着。
10時にエンジン始動。
「このまま再検査できるのじゃない?」
検査予約をとっていないけど、受付に事情を話して再検査を受検できるか打診。
受付は『コースがすいていますからそのまま入ってください。』
検査コースの検査官は「車体検査は昨日終えているからそのままどうぞ」。
前照灯検査も1度目で「〇」。
検査票記帳まで3分。
●まさかの立ちゴケ
次は検査コースを出て管理事務所で書類のチェック。
管理事務所は検査コースを出て20mくらいのところ。
検査コースの出口のスロープは狭くて立ちゴケしやすい。
ここは慎重に後輪にパワーをかけてブレーキ引きずり。
しかし、その先の緩い登りスロープで「まさかの立ちゴケ」。
後輪のパワーを抜いたか、ノロノロでフロントブレーキをかけたか。
立ちゴケを見かけた人が走ってきて、260㎏のFJを簡単に起こしてくれた。
これが「普通」なのかも。
人だかりがしなかったので「何食わぬ顔」で書類チェックを受けて受付に書類提出。
ステッカーと登録事項確認書と車検証をもらった。
車検証は古い車検証のチップへの書き込み。
車検証自体は以前のものだった。
●やはりFJを降りることにした
「検査コースで今まで動いていたエンジンが再始動しなくなった」のが最初の警告。
「簡単に合格させたのでは、またFJに乗る気を起こすかもしれないから」
翌日の再検査合格のあとの立ちゴケが「再度の警告」。
「車検は通せたけど、FJに乗る体力がもうないぞ」。
このままFJに乗っていたら「命に関わる事故」に合うかもしれない。
自分でも「もう降りなければならない」ことは分かっている。
今回のエンジンストップと立ちゴケで、「やはりFJを降りること」にした。
●2泊3日のユーザー車検
その日は夕方から仕事なのでFJを車検場に置いて帰る。
翌日、電車とバスを乗り継いで車検場まで。
やはり、装備を持っての徒歩は疲れる。
やっと、帰ってきたFJが「最初の写真」。
いやはや疲れたこと。
e.今後のオートバイ
もうFJには乗らない。
エンジン換装はやってみたいと思うが…。
取りあえず乗るのはRMXモタード。
KTM690モタードに乗りたいけれど「足付き性」が悪そう。
DRZ400やDトラッカーならRMXを凌げない。
しかし、RMXモタードにも乗れないかもしれない。
この秋、それを試してみよう。
「もうオートバイを降りる年齢」なのかもしれないから。

『NSRは好みでないから…。』
つづく。
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国産ではないけれど「いい味」。
※トライクの法的取り扱い