- 正立・部品不足で取り付け
- 正立・不足部品を代替して取り付け
- 倒立での取り付け
3.倒立での取り付け
a.倒立取り付けキットの内容
Webikeから入荷OKの返事。
注文後二日で届きました。 → こちら
ラベルシールがさすがに「当時もの」。
構成部品をチェック
・a : フォークブラケット/ダンパーステー ( 正立と共通 )
・b : アダプター ( レーシングアダプター )
bにロッドエンドをねじ込んで、シリンダーホルダーに取り付ける。
bとaはロッドエンドでつながる。
・c : aにロッドエンドのピローボール部を取り付けるボルト ( M8×首下30 ㎜ )
・d : ロッドのピローボール部をフレームに取り付けるボルト ( M8×首下35 ㎜)
・ワッシャ類
①小さいスプリングワッシャ「M8×外径12.5 ㎜Φ」×2個
②アルミカラー :「M8×外径12.0 ㎜Φ×4 ㎜厚」×2個
③平ワッシャ : 「M8×外径17.5 ㎜Φ」×3個
④通常のスプリングワッシャ「M8×外径15.0 ㎜Φ」×1個
⑤ロックナットM8×1個
小さいスプリングワッシャ(キャップボルト用)は汎用で入手できます。 → こちら
アルミカラーも入手できます。 → こちら
しかし、bのアダプターの代替品を見つけるのは無理です。
12 ㎜のアルミ板で自作するほかはないでしょう。
ボール盤も必要です。
自作のときのために採寸。
とにかく、倒立取り付けキットは早めの入手です。
b.組み立て
説明書があります。
これに従って部品を組み立てます。
次のようになります。
・cでe(ロッドエンド)をa(フォークブラケット)に取り付けます。
・cに入るのは上から
①小さいM8スプリングワッシャ,③平ワッシャ,eのピローボール,③平ワッシャ,②カラー
・e(ロッドエンド)に④スプリングワッシャ,③平ワッシャを入れて、b(アダプター)にねじ込む。
・b(アダプター)はf(シリンダーホルダー)にgで取り付ける。
・cは首下30 ㎜ですが少しだけ短いので首下35 ㎜を使いました。
フォークブラケットから少し突き出しますが何ら問題はありません。
組み立てるとこうなります。
ピローボールを平ワッシャで挟みます。
ここでも正立取付と同じように、
フォークブラケットの回転部 ( ピローボール ) がシリンダー取り付けボルトの延長線上にありません。 → こちら
やはり「正規の正立取付方法には何か理由がある」のです。
それはともあれ、実際に取り付けると、
フォークブラケットの上のカラーは必要です。
ロッドエンドがシリンダーの自重で下がるので、カラーがないとフォークブラケットを擦ります。
ロッドをフレームにdで取り付ける場合は、
フレーム,②カラー,ピローボール,①小さいスプリングワッシャ
ピローボールを平ワッシャで挟みません。
理由は、
ロッド先端部が大きく傾くから。
平ワッシャがあるとロッド先端部が平ワッシャに当たって自由に傾けないから。
小さいスプリングワッシャを使っているのも同じ理由です。
フレーム側のカラーも絶対必要。
カラーがないとロッド先端部がフレームに当たって自由に傾けないからです。
小さい部品の一つ一つに理由があります。
正立取付でロッドエンドを直接フレームに取り付けないのも必ず理由があるはず。 → こちら
c.調整
●フォークとシリンダー/ロッドが直角
フォークの/ステアリングの動きをステアリングダンパーにダイレクトに入力するためです。
フォークの回転面上にステアリングダンパーのシリンダー/ロッドの運動方向がなければなりません。
簡単に言えば、フォークとステアリングダンパーが直角になっていればOK。
これは難なくクリアー。
フォークブラケットはセパレートハンドル取付段差から50 ㎜下です。
●右一杯のストローク残=左一杯のストローク残
ハンドル中央から右に切った場合と左に切った場合の減衰力を同じにするために必要。
・フォークブラケットを回してストロークを調整。
・シリンダーホルダーを動かして右一杯のストローク残と左一杯のストローク残を同じにする。
ハンドル右一杯 → ストローク残 2 ㎜弱。
「シリンダー前端~シリンダーホルダー前端」=43 ㎜
ハンドル左一杯 → ストローク残 2 ㎜強
ストロークをギリギリまで使っています。
もう少しストローク残を取って余裕を残したいのですが、この取り付け位置ではこれが精一杯。
フォークブラケットを内側に動かせばストローク残が増えるのだけど、
ブラケットがシリンダーホルダーのキャップボルトのナットに当たるのでこれ以上内側にできません。
組み立て図にあるようにキャップボルトを逆に取り付けても同じです。
フォークブラケットをこれ以上内側にするにはブラケットを削らなければなりません。
なお、これがストローク量の 11 ㎜ 短い ODM2000 ならこの位置で取り付けると、
ハンドルを左一杯・右一杯に切ることができなくなるでしょう。
●ロッドの横への出っ張り
ロッド先端(ダイヤル)が一番横に出っ張るのは「ハンドル中央」のとき。
そこから左に切っても右に切ってもロッド先端は内側に動きます。
「出っ張り最大」でロッド先端はナックルガード(カウル左右の出っ張り)の中に収まります。
右に一杯でこの状態。
シリンダーが右に持っていかれるのでロッド先端はナックルガードの内側に入ります。
左に切ってもシリンダーが内側へ持っていかれ、
ロッド先端はナックルガードの内側になります。す。
左一杯でこの状態。
結局、ロッド先端は常にナックルガードの内側になります。
さらに、カウルステーとハンドルがあるので左へコケてもロッドが曲がることはありません。
やはり、公道では倒立取付がベスト。
これで安心して試乗できます。
d.説明書の取り付け方法
説明書に次のような意味の注意書きがあります。
88~93 NSR250 にODM3000を取り付ける場合には
①ハンドル中央でナックルガードに水平にする。
②ハンドル左一杯でストローク残が1~2 ㎜にする。
要するに、「シリンダーを水平に取り付けて、ストローク残を1~2 ㎜にせよ」ということです。
しかし、このように取り付けるとシリンダー/ロッドがフォークに直角になりません。
上のようにフォークと直角に取り付けてもケーブルなどに干渉せず、②も満たしています。
なぜ、「フォークと直角にならないように」取り付ける必要があるのでしょうか?
多分、セパレートハンドルではハンドル,クラッチレバー,ワイヤーが干渉するのでしょう。
フォークに直角に取り付けるとフォークブラケットは正立取り付けのときより上に移動します。
フォークブラケットはセパレートハンドル取り付け段差から50 ㎜下。
ここからキャップボルトやシリンダーホルダーが上に出っ張り、
さらに、メーターの横までシリンダーやロッドが伸びます。
外側へ下がるセパレートハンドルやこれに取り付けられるレバーやワイヤーが当たるのでしょう。
バーハンドルの場合はそんな問題は起こりません。
原則の「フォークと直角取り付け」ができるので、そのように取り付けるべきでしょう。
説明書のようにシリンダーを水平に取り付ける必要はまったくありません。
4.インプレッション
●2021.08.24.付近の一般道を 80㎞ ほど
〇ダイヤル「+1」
・ハンドルがロックされた感じがない。走行中の「ハンドル遊び」も感じる。
・100㎞/h~120㎞/の走行で「不安」を感じなくなった。
・ステアリングダンパーの違和感がないが、確かに高速で安定している。
・ただし、FJ(ステアリングダンパーなし)やRMX(前後17インチ+ステアリングダンパー)の方は
もう少し安心できる。
〇ダイヤル「+2」
・ハンドルがロックされた感じになる。走行中の「ハンドル遊び」が感じられない。
・「これで曲がるの?」と不安になる。もちろん「問題なく曲がる」。
・路面の荒れには効果的。ハンドルは真っ直ぐのまま。
・RMXの場合もそうだったが、ステアリングダンパー取り付け当初は「ハンドルロック感」がある。
しかし、馴れたらその感覚が普通になる。もう少し乗り込んでみよう。
●2021.09.01・165号線を160㎞
FJの6回目ユーザー車検が終わったので、ステアリングダンパーの仕上げにいつもの165号へ。
まずは、「ハンドルロック感に馴れるためにダイヤル「+2」で。
〇ダイヤル「+2」で青山峠を1往復
・0~120㎞/hの加速では「ハンドル手放しでもよいか」と思うほどハンドルは安定。
・しかし、軽いワインディングに入るとフロントが鈍くなる。
リヤタイヤの肩(腹)に腰の重さをかけるだけではハンドルが切れてくれない。
やや前荷重にしてフロントをグリップさせなければならない。
これは乗り方の問題だろうが、リヤタイヤで回るような乗り方はできない。
Rの小さなカーブではより前荷重に、切り返しではそれなりの技量が必要だろう。
〇ダイヤル「+1」で青山峠を1往復
・まったく違和感がない。
ステアリングダンパーに気付かないで運転し、あとで気がついたら
「そう言えば、フロントに神経を使わなくてもよかったな…」と思う程度。
・0~120㎞/hの加速では「手放しでもOK?」とは思えないが「不安をまったく感じない」。
・コーナーでは「いつものリヤ荷重」で必要な分だけすなおにハンドルが切れてくれる。
・「バーハンドルでステアリングダンパーなし」を「ブリーフ一枚」としたら、
「ダイヤル+1」は作業ズボン、「ダイヤル+2」はピチピチジーンズか革パンツ。
・高速道路でなければ「+1」が最適。
よりタイトなコーナーでは「+0」。
これでも摺動抵抗があるからバーハンドルでのフロントの不安定を解消してくれるはず。
〇さてさて、ステアリングダンパーの設定が決まったから
「165号 → 県道2号 → 163号」で仕上げとしましょう。
そう言えば「9カ月前の悪夢」も同じような場面。
バーハンドル化完成で165号の青山峠を快調に往復、仕上げに 「165号 → 県道2号 → 163号」 。
そして、県道2号の途中でPGM故障。
あれ以来、 「165号 → 2号 → 163号」 はFJやRMXでは走るけどNSRでは怖くて走れません。
PGMは修理しているし、そのあと1100㎞程度問題なしで走っているから大丈夫。
トラウマ解消のためには同じコース故障なしで走ればよい。
RMXのときもそうでした。
※RMXでのエンジントラブル,3年と10カ月後のトラウマ解消
気持ちを奮い立たせ、ガソリンを満タンにして出発。(今回給油での燃費16.05㎞/ℓ)
しかし、「悪夢?」が再びよみがえるのです。 → 準備中
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国産ではないけれど「いい味」。
※トライクの法的取り扱い