c. 親指シフトの魅力
イ. ローマ字入力も速い
私服保安をやっていると、万引き検挙後に警察署で調書を取られます。
もちろん、証人としての調書です。
ときどき、検察庁でも調書を取られます。
万引き犯人が送検されて検察官が「起訴するかしないか、起訴して勝てるかどうか」を判断するためです。
起訴した後の証拠収集の場合もあります。
警察署での調書は担当警察官が作成します。
だいたいがパソコンを使います。
たまに、手書きで調書作成をする警察官もいます。
「これで書かないと気分が乗らない」と万年筆を取り出した女性刑事もいました。
若い警察官は馴れた調子でパソコンのキーを打っていきますが、親指シフトの私が驚くようなものではありません。
検察庁へ行くと、デカイ机の後ろに検事。その右横の机に検察事務官が座っています。
我々は検事のデカイ机の前に置かれた椅子に座ります。
我々から見ると「検事が前、検察事務官が左横」という配置になります。
なお、警察署ではコーヒーが出てタバコもOKです。
これは「コーヒーカップに着いた指紋やタバコの吸殻に着いた唾液からDNAを採取するため」ではありません。
単なるサービスです。
もちろん、ケイタイが鳴れば『どうぞ、どうぞ。』
しかし、検察庁では何も出てきません。
それどころか、ケイタイが鳴ると『部屋の外で話してください。』と注文されます。
検事のデカイ机の右前にパソコンのモニターが置いてあります。
検事は作成する調書の内容を考えながら口述していきます。
それを検察事務官がパソコンで入力します。
入力された文章は検事の机のモニターに出て、検事がこれを見ながら調書の内容を修正したり付け加えたりしていきます。
ある事件で検察庁に出向いた時のことです。
検察事務官は40歳前の女性でした。
私の左横からは検察事務官のキー操作音が聞こえます。
「ン?」
私は聞き耳を立てました。
非常に軽やかで流れるような音です。
しかし、親指シフトではない。
検事の口述を私が打つ場合と何か違う。どうもワンキー多い。
2時間後、調書作成は終わり。
検察事務官が出口まで見送ってくれました。
私は尋ねました。
『ローマ字入力ですか? それにしては速いですねぇ…。』
『長くやっていますから、馴れますよ。』
私は「ローマ字入力でもこれだけ速く打てるのか」と驚きました。
ロ. ローマ字入力との違い
「親指シフト入力」でも「ローマ字入力」でも入力スピードに違いはないでしょう。
しかし、親指シフトは「かな入力」なのです。
われわれ日本人の思考回路は「かな」ででき上がっています。
「愛」は「あ・い」なのです。
「愛」は「a・i」ではないのです。
「あ・い → 愛」と変換されないで、「a → あ、i → い、あい → 愛」と変換されたのでは思考回路が邪魔されるのです。
ローマ字が途中で入ることにより、「靴の上から足をかく」もどかしさを感じるのです。
口述を入力する場合や、でき上がった原稿を入力する場合はローマ字が介在しても問題ありません。
しかし、文章を考えながら打っていく場合は、この“もどかしさ”がストレスとなります。
「思ったままに文章が書けない」からです。
親指シフトの良さは、単に「ブラインドタッチができて入力スピードが速い」ことだけではありません。
それが「かな入力であること」なのです。
ハ. JIS・かな配列 は ?
親指シフトは少数派ですが、「JIS・かな配列」はもう 死んでいます。
国政調査で「あなたは、JIS・かな 配列で かな入力 をしていますか」という項目を付け加えたらどうでしょう。
何%の人が「そうです」と答えるでしょうか?
・JIS・かな配列 では、ブラインドタッチができない、
・「ば・び・ぶ・べ・ぼ」や「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」が二動作になる。
・「馬鹿」は「は」+「゜」+「か」→「ばか」ではなく、「ば+か」でなくてはなりません。
こんな「どうしようもない 死んだ JIS・かな配列」が、どのキーボードにも刻印されているのです。
お上の皆様、恥ずかしいとは思いませんか?
民間業者の富士通が開発した「かな入力方法」に負けたことを認めることが嫌なのですか?
なお、親指シフトでもアルファベットの配列は同じです。
もちろん、ローマ字入力もやり方は同じです。
ローマ字入力が主流となった現在、かな配列を親指シフトにしてもまったく問題はありません。
アルファベット入力・ローマ字入力なら、どんな日本語入力ソフト(IME)でもOKです。
Word・Excel同じです。
富士通は誰に気兼ねしているのでしょう。
もっと親指シフト・かな入力を宣伝し、
「全国のキーボードから JIS・かな 配列 の刻印を消そう」という気概を持ってください。
d. 親指シフト専用キーボードはいらない
Japanistには 「106/109 日本語キーボード」など一般のキーボードで「親指シフト」ができる機能がついています。
PCに Japanistを入れれば、使っているキーボードの かな配列 が 親指シフトのかな配列 に変わるのです。
もちろん、かな刻印まで変わるわけではありません。
しかし、親指シフトではブラインドタッチですから、キーにどんな刻印がされていようが関係ありません。
また、以前の 親指シフト専用キーボードでは
「無変換キー(左親指キー)」と「変換キー(右親指キー)」の下に「無変換キー」と「変換キー」がありました。
親指キーは「上に刻印されたかな,濁音,真ん中に刻印されたかな」を出す機能だけにして、
変換・無変換機能を持たせていませんでした。
その方が「かな入力がやりやすく、文章作成にストレスがかからない」からです。
しかし、富士通は専用キーボード”から「変換キー」と「無変換キー」をなくし、
親指キーに変換・無変換機能を持たせるようにしました。
上が「無変換キー」と「変換キー」のある「KB-231」。
下が「無変換キー」と「変換キー」のない「KB-232」です。
違いは「無変換キー」と「変換キー」があるかどうか。
なお、こちらが元々の親指シフトキー配列。
そう言えば「改行キー(enter)」と「実行キー(確定キー)」が別々になっていましたネ。
アルファベット刻印もキートップにはありません。これが「かな入力」の誇りなのでしょう。
話を「無変換キー」と「変換キー」のない「KB-232」に戻しましょう。
「無変換キー」と「変換キー」をなくしてしまったら、
「親指シフト専用のキーボード」といっても「普通のキーボード」と同じになってしまいます。
違うのは「かな刻印」だけ。
しかし、ブラインドタッチだから「かな刻印」などなくてもかまわない。
それなら、3万5千円も出してわざわざ「親指シフト専用キーボード」を買う必要はない。
富士通が「無変換キー」と「変換キー」をなくして「かな入力をやりにくくし」、
「一般のキーボードと同じ型のキーボードで親指シフト専用キーボードを作った」のはなぜなのでしょう。
①経費がかかるので、一般に使われているキーボードを流用しただけ。
②「専用キーボードなんか一般のキーボードと同じだ。特別に買う必要はないンだ」と気づかせようとしている。
③全国のキーボードに密かに「親指かな入力」を浸透させようとしている。
富士通の思惑はさておき、今では親指シフトをするために必要なのは「Japanistソフト」だけで
「専用のキーボード」は必要なくなったのです。
しかし、一般のキーボードでは「親指右キー」に割り当てられる「変換キー」が小さいので入力が不便です。
※「親指左キー → 空白キー」,」親指右キー → 変換キー」と割り当て
また、ノートPC の「グニュグニュ」したキータッチにもイライラします。
だから、ほとんどの親指シフターは高価な「専用キーボード」を使っています。
なお、安価な「親指シフトキーボード」が売られていますが、
これは「通常のキーボード」のキー刻印だけを親指シフトと同じにしただけのもの。
多分、親指シフトを使ったことのない人が考えたのでしょう。
親指シフトキーボードに必要なのは、「キー刻印」ではありません、
「均等で大きい(長い)」、「親指左キー と 親指右キー」なのです。
またら、かなブラインドタッチではキーを強く打つので、」ストロークの長い、腰のある」キータッチが必要です。
ここまでやって初めて専用キーボードと互角に闘える。
さらに専用キーボードに勝つのなら、
・変換キーU変換キーの分離独立
・「enter」と「Shift+enter」の機能入れ換え、
・いっそのことワープロモデルのように「確定/実行キー」を独立させたら?
・無線接続
専用キーボードは来年5月に販売終了です。
親指シフターはまだまだ全国にたくさんいます。
一儲けできるのではないでしょうか?
・親指シフト専用キーボード ・USB接続・KB-232 → こちら
・親指シフト専用キーボード(変換・無変換キー独立)・USB接続・KB-231 → こちら
・親指シフト専用キーボード(変換・無変換キー独立)・PS/2接続・KB-613 → こちら
・刻印だけ親指シフトキーボードと同じだけの安価なキーボード → こちら
・Japanist10 → こちら
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特定小型原動機付自転車にも
アシスト自転車にも該当しません。