- レリーズ交換とエア抜き
- ミートポイントの調整
- 内径拡大レリーズと GH8 のインプレッション
2.ミートポイントの調整
a.何を調整するのか、何が調整できるのか
★以下は私の現在の理解です。「正しい理解」という保証はありません。
●調整できるものと調整できないもの
クラッチペダルの空間位置を図にしました。
・a:ペダル静止状態
・b:油圧開始 位置( ペダルを戻すとき → 油圧が完全に抜ける位置 )
・C:クラッチが切れ始める 位置( ペダルを戻すとき → クラッチが完全につながる位置 )
・d:クラッチが完全に切れる 位置( ペダルを戻すとき → クラッチがつながり始める位置 ) → ミートポイント
・e:ペダルを一杯に踏み込んだ位置
・f:ペダルの奥の床の位置
・a~b:遊び → 調整可
・cとd の位置 → 調整不可 ( マスターとレリーズのシリンダー径で決まる )
・c~d:半クラッチ状態 → 調整不可 ( マスターとレリーズのシリンダー径で決まる )
・b~e:ペダルストローク → 調整不可 ( ペダル側マスタシリンダーのストロークで決まる )
調整できるのは「ピンク部分をそのまま移動させる」ことと「a~bの巾を変える」ことだけ。
「ピンク部分の各要素の位置関係」は変更できません。
◯スバル基準値 ( 取り扱い説明書 )
・d~f: クラッチがつながり始めるときのペダルが床から離れている距離 =80㎜以上
・a~b:遊び=5㎜~15㎜
●内径拡大レリーズでミートポイントが奥にずれる
ペダル側のマスターシリンダーは同じです。
クラッチ側のレリーズのシリンダー径が大きくなっています。
純正レリーズと同じ動きをさせるためにはより多くのフルードを送り込まなければなりません。
そのために、ペダル移動量が増えます。
図では「c → c’」、「d → d’」と奥にずれます。
「c~d」も長くなり「c’~d’」となります。
つまり、ミートポイントが奥にずれ、半クラッチ状態が長くなります。
「c’~d’」は調整できませんので「半クラッチ状態の長さ」はこのままです。
ピンク部分をそのまま手前 ( 左 ) にずらせ、
「d’ の空間位置」を以前の「d の空間位置」にすることができます。
このようにすれば「クラッチがつながりはじめるペダル位置」が以前と同じになります。
これがミートポイントの調整です。
但し、「c’~d’」が長くなっているので、d’ をd に重ねても c’ は c に重なりません。
c’ は c より手前になります。
つまり、ミートポイントを以前と同じにしても「クラッチが切れ始める位置」は以前より手前になります。
●基準値「80㎜以上」の意味
「d~f: クラッチがつながり始めるときのペダルが床から離れている距離 =80㎜以上」の理由は
・ペダルの後ろにアームがあるのでクラッチを完全に切るために空間が必要 → 「e~f」の確保
・クラッチがつながるまでの余裕 ( クラッチが完全に切れてから余裕 ) が必要 → 「d~e」の確保
・「e~f 必要量」+「d~e 必要量」=80㎜ なのです。
内径拡大レリーズに変えた場合、
・「e~f」は以前のまま → OK
・「d’~e」は変更できない → OKとするしかない ( ばくばく工房が考慮しているはず )
だから、このままでもクラッチの作動に何の問題も生じません。
「クラッチのつながり始めが以前より早くなった」,
「クラッチが完全に切れるのが以前より遅くなった」を気にしなければ
ミートポイントの調整をする必要はありません。
その分だけシートを前(奥)にずらせば以前と同じになります。
但し、シートを前(奥)にずらせると、ハンドル位置が変わったり膝がダッシュボードに当たったりします。
それが嫌ならミートポイントを手前にずらせる必要があります。
●ばくばく工房の説明は誤解を与える
ばくばく工房のHPでは次のように説明しています。 → こちら
※現在のクラッチの切れる位置が、調整後も奥の場合、
当製品を使用することにより、更に奥へ移動しますので、
クラッチが切れにくくなる恐れがあります。
現在の「クラッチのつながり始める位置 ( ミートポイント ) 」がどこにあっても、「d~e の長さ」は変わりません。
当然、「d’~e の長さ」も変わりません。
だから、「現在のミートポイント ( d位置 ) が奥の場合、内径拡大レリーズに交換するとミートポイントがさらに奥にずれるので ( d → d’ になるので ) クラッチが切れなくなる」ことはありません。
しかし、これは「e~f がプラスの場合」、
「ペダルを一杯に踏み込んでも床との間に隙間がある場合」のことです。
「e~f がマイナスの場合」
つまり「ペダルが床に当たって最後まで踏み切れない場合」はそうではありません。
上記説明が言おうとしているのはこのような場合です。
図示すると次のようになります。
ペダルが床 ( f ) に当たって e まで踏み込めない。
この場合、「d~f」の余裕が十分なためクラッチが切れても、
「d’~f」の余裕が不足してクラッチがうまく切れないことが起こります。
しかし、「ペダルが床に当たって最後まで踏み切れないような調整」をすることはないでしょう。
ペダルを一杯に踏んでも床との隙間がある以上 ( 「e~f」がプラスである以上 )
上記説明のようなことは起きません。
「ミートポイントが奥にずれる → クラッチが切れなくなる → ミートポイントの調整を必ずしなければならない」
そう思い込む必要はありません。
シート位置調整で解決できればそれで済みます。
もちろん、「ペダルを一杯に踏んでも床との隙間があるかどうかの確認」は必要です。
b.ミートポイント調整方法
●構造
クラッチペダルの写真が撮れないのでオートバイのペダルで代用します。
画像は RMX-SJ13 のリヤブレーキです。画像を時計回りに90度回転させると「車のペダル」になります。
・b:ペダル
・c:ブレーキマスターシリンダー
・a:ロッド
a ( ロッド ) を長くすれば、b ( ペダル ) が上がります。
車ならb ( ペダル ) が手前に動きます。
これがインプレッサのマスターシリンダーです。
※出典 → こちら
シャフトはアジャスターにねじ込み。
二面巾12㎜ナットでロックされています。
ロックナットを緩め、シャフトを半時計方向に回して長くすればクラッチペダルが手前に移動します
●調整の実際
◯調整方法
こちらが実際に調整するマスターシリンダーのシャフトです。
調整するには仰向けになってダッシュボードの下に潜り込まなければなりません。
走高跳のロールオーバーのような姿勢になります。
・ロックナットは二面巾12㎜
・シャフトは丸棒
シャフトを伸ばす場合は
・ロックナットを緩める ( こちらから見て時計回りに回す )
・シャフトを伸ばす/抜く ( こちらから見て時計回りに回す )
・ロックナットを締める ( こちらから見て反時計回りに回す )
◯必要な工具
暗い,手が入らない,振り角が小さい,柄の長い工具が使えないので力が入らない。
非常にイライラする作業になります。
工具を選ばないと時間がかかります。
・a:長さ155㎜のプライヤー ( 普通の長いものは不可 ) → シャフトを回す
※135サイズの短いプライヤーもあります。ミートポイント調整専用に。 → こちら,こちら
・b:長さ185㎜の14Mコンビ → 遊び調整上ナット,クラッチスイッチ後ナット
・c:普通の長さの両口12-14両口スパナ → 12Mでマスターシリンダーシャフトロックナット
・f :普通の12-14Mメガネ → 14Mで遊び調整下ナット
×d:14M60度-15度両口スパナ → 振り角を稼ぐため → 振り角稼げず
×e:短くて薄い12-14Mストレートメガネ → 遊び調整下ナットのために → がたがたして不安定
◯作業スペースの確保
作業に馴れないうちはこのステーを取り外します。
クラッチペダルのガードです。
クラッチペダルが動くときのアームの動きをガードするものです。
チェーンケース ( チェーンガード ) と同じような働きをするものです。
これを取り外さなくてもミートポイント,遊び,クラッチスイッチの調整はできます。
調整に馴れたら付けたままで作業できます。
このステーを取り外すためにはステアリング下のパネルを外さなければなりません。
右端の「爪留め」パネルをコジって外し、二個のビスネジを外せばOK。
あとは「爪留め」ですから引っ張れば外れます。
ステーの取り外しと取り付けはナット一個の取り外しと取り付けでできるので、
このパネルを完全に取り外す必要はありません。
パネルに付いているカプラーは外さずに、ステーを外したら元通りにしておきます。
◯調整
もう少し違づいてみましょう。
ロックナットはアジャスターの向こう側 ( 奥 ) にあります。
手前 ( アジャスターの内側 ) にはロックナットがありません。 ( 写真に写っているのはナットではありません。 )
「アジャスターに雌ネジ,シャフトに雄ネジ」でシャフトがアジャスターにねじ込まれているだけです。
・12M両口スパナをロックナットに差し込んで、「こちら側から見て」時計回りに回して緩める。
↓
・シャフトを長くする ( 抜く ) 場合 → ロックナットを指でつまんで少し緩め、指で軽く締める。
・シャフトを短くする ( 入れる ) 場合 → ロックナットを指でつまんでシャフトを入れる分だけ緩める。
↓
・クラッチペダルを少し押して「アジャスターが引っ張られている状態」をなくする。
↓
・シャフトを指でつまんで回す。回らなければプライヤーで挟んで回す。
↓
・シャフトを長くする ( 抜く ) 場合 → ロックナットが締めこめる分だけシャフトが長くなった。
・シャフトを短くする ( 入れる ) 場合 → ロックナットの残り余裕でシャフトが短くなった分を推測。
↓
・ロックナットを締める。
シャフトを長くする ( こちらから見て時計回りに回す ) 場合は親指と人差し指でシャフトをつまんで回すことができません。
しかし、プライヤーではさんで少し回せば、人差し指一本で回せます。
どこかのサイトに「シャフトを半回転もすれば違いが判ります」。
その程度では全然判りません。
安心してどんどんシャフトを回しましょう。
◯調整順番
クラッチペダルには3個のアジャスターが付いています。
・①:ミートポイントの調整 ( クラッチペダル稼働域の移動 )
・②:遊び調整
・③:クラッチスイッチ調整
ミートポイントを手前にずらすと、遊びが少なくなり、②のアジャスターの下側にメガネが入らなくなります。
また、ミートポイントを奥にずらすと、ペダルを踏み切るより先に③が当たりペダルを最後まで踏み切れなくなります。
そのため、②と③の調整は①の調整が済んだ後に行います。
①の調整の前に②と③のロックナットを緩めてアジャスターが自由に動くようにしておきます。
●ミートポイントの測定
クラッチの空間位置の図をもう一度。
スバルの基準値:クラッチがつながり始めるときの床との隙間=d’~f=80㎜ 以上
調整後、どうなったのか気になるので助っ人を呼んで測定しました。
◯測定方法①
・エンジンをかけ、クラッチを踏み、1stでクラッチを離していく。
↓
・車が動き始めるところでエンジンを切る。クラッチはそのままの状態を保つ。
↓
・もう一人がクラッチペダルと床との隙間を定規で測る。
◯測定値は正確でない
・車が動き始めることの判断があいまい。
・そもそも「クラッチがつながり始める」=「車が動き出す」ではない。
・クラッチを踏んだままにしている足が邪魔で定規がうまく当てられない。
・足元が暗いので定規の目盛りがよく見えない。
・定規の当て方,目盛りを読み取る角度により値が異なる。
◯普通体形の人は「80㎜」を気にする必要はない
・規定値は「80㎜以上」なので「90㎜でも100㎜でも構わない」。
ミートポイントの調整でペダル位置が少しくらい手前になってもシートを後ろにずらせば問題ない。
脚 ( 膝下 ) の短い日本人はペダル位置が手前の方がよい。
・「80㎜」を気にしなければならないのは、脚 ( 膝下 ) が長くシートを後ろに下げてもペダル操作が窮屈な人。
できるだけペダルを奥にずらせたい人。ペダル位置を奥にしようとして「80㎜の境界」を越えてしまう人。
なお、「80㎜」は標準レリーズの場合の「d~f」で内径拡大レリーズの場合の「d’~f」ではないので、
「d’~f」が80㎜より小さくても構わない。
◯測定方法②「一人でできる簡易測定」
そうは言うものの「ミートポイントが80㎜以上になっているのか」を知りたいのが人情。
「一人で,ゆっくりと,気のすむまで測定したい」のなら次の方法でやりましょう。
・クラッチを一杯に踏み込んでペダルとシート調整バーの間に木片を挟んで固定。
↓
・ペダルと床の隙間を気のすむまで測定。 ( 「e~f」を測定 )
↓
・「e~f」=70㎜~80㎜ なら「d’~f =80㎜以上」のになっているはず。
↑
・足裏の感覚ではクラッチを一杯に踏み込んでからつながり始めるまでは10㎜~15㎜。
・ミートポイント=「e~f」+「10㎜~15㎜」 → d’~f =90㎜~95㎜ → 80㎜以上
◯「ペダルを手前にずらせること」には限度がある
「農耕民族体形だからペダルはできるだけ手前がよい!」
こう考えてマスターシリンダーのシャフトをドンドン伸ばすと、
ペダル静止位置で「マスターシリンダーを押す状態」になり、ペダルが動かなくなります。
手前にずらせる限界は「e~f ( ペダルを一杯に踏み込んだときの床との隙間 ) 」=90㎜ +α。
ミートポイントの限界は「100㎜~105㎜」になります。
今回の調整では次のようになりました。
・e~f=90㎜ ( ミートポイント100㎜~105㎜ )
・a~b ( 遊び ) =15㎜+α
この辺りが「手前にずらせる適正値」でしょう。
遊びはもう少し小さくしてもOK。
なお、測定方法①で「d’~f=80㎜+α」に調整したものを測定方法②で再測定すると「e~f=90㎜+α」。
つまり「d’~f=100㎜~105㎜」。
測定方法①と測定方法②の誤差は20㎜~25㎜。
やはり、測定方法①は正確でないと思われます。
2023.06.01.追記
シート調整をしても「左膝とダッシュボードの隙間が紙一枚ほど」なので、
ミートポイントを「シャフト1山+α」分だけ手前にずらしました。
「e~f」の値は測定していません。
遊びが5㎜くらい減ったので、ミートポイントは5㎜程度手前にずれたのでしょう。
3.遊びとクラッチスイッチの調整
a.遊びの調整
◯構造
・上下に対辺巾14㎜のロックナット
・ペダルを踏むと樹脂ストッパー ( 白色 ) が下に下がる。
・ペダルを離すと下から樹脂ストッパーが上がり、アジャストボルトに当たって止まる。
・アジャストボルトを下げれば ( ねじ込めば) 、樹脂ストッパーが早く当たるので遊びが少なくなる。
・アジャストボルトを上げれば ( 抜けば ) 、樹脂ストッパーが当たるのが遅くなるので遊びが大きくなる。
◯ロックナット下を緩める工具
・アジャスターの幅が狭い ( 22㎜程度 ) ので14Mの両口スパナは入りません。
・クラッチペダルを押し込んで樹脂ストッパーを下げて14Mメガネレンチを差し入れてロックナットに当てる。
・厚さの薄いレンチは樹脂ストッパーが上がってもロックナットから外れるので手で固定しなければならない。
・通常の「曲がりメガネレンチ」では樹脂ストッパーが上がるとレンチも固定される。
◯ロックナット上を緩める工具
・普通の14-12両口スパナでは短くてナットに当てて固定することが難しい。
・柄の長い14スパナを使う。今回使ったのは185㎜
◯調整方法
・遊びを大きくする → アジャストボルトを抜く ( 上げる )
↓
・上ナットを緩める → アジャストボルトを指でつまんで上げる → 下ナットを締める → 上ナットを締める。
・遊びを小さくする → アジャストボルトをねじ込む ( 下げる )
↓
・上ナットを緩める → アジャストボルトを指でつまんで下げる → 下ナットを締める → 上ナットを締める。
最初に緩めるとき、最後に締めるときだけ工具を使用。あとは指で調整できます。
◯遊びが小さいとどうなるか
・足をペダルに乗せただけで油圧開始になり、マスターシリンダーに負担がかかります。
・マスターシリンダーに負担がかかるとマスターシリンダーのオイルシールの劣化が早まります。
・遊び「a~b」はクラッチが完全につながってからの余裕になっています。
これが十分でないとクラッチが完全につながらない ( クラッチが滑る ) 可能性があります。
・スバル基準値=5㎜~15㎜
・まずは15㎜にして運転。好みで小さくしていけばよいでしょう。
◯遊びが大きいとどうなるか
・左足をフットレストからクラッチペダルに乗せるときに足をたくさん持ちあげなければなりません。
それだけクラッチ操作が遅れるだけでなく疲れます。
・ペダルの静止位置から油圧開始までの距離が長くなり、クラッチが切れるまでの時間が長くなります。
当然、クラッチ操作が遅れます。
b.クラッチスイッチの調整
◯構造
・ペダルを踏むと手前のアームが白棒スイッチを押し、スイッチがONになります。
・ペダル位置を手前にずらすと押しが甘くなり、スイッチONにならなくなります。
・ペダル位置を奥にずらすと押しが強くなり、スイッチに負担をかけ故障の原因となります。
また、ペダルを踏み切るより前にここでペダルを止めることになります。
・前後に対辺巾14㎜のロックナット
◯工具
・前ナットは短いレンチしか入りません。しかし、片手しか使えないので短いレンチでは緩みません。
・ソケットは入りません。
・後ナットには柄の長いスパナが使えます。
・後ナットを柄の長いスパナで緩めてから前ナットを緩めるのをお勧め。
◯調整
・後ナットを緩める → 前ナットを緩める → アジャストボルトを前後させる → 前後ナットを締める。
・ペダルを奥にずらせた場合は「以前よりスイッチに負担がかかっている」ので必ず調整。
・ペダルを前にずらせた場合は「ペダルを一杯に踏んでもスイッチONにならない場合がある」ので注意。
・調整基準は「エンジンが今まで通り簡単に始動するかどうか」。
・クラッチを踏んで「緑色のスタンバイランプ」が点灯しても始動に失敗するときは調整必要。
・始動に失敗するときは「手でクラッチスイッチの白棒を一杯に押して」エンジンを始動してみる。
それで「今まで通りすんなり始動するとき」は調整必要。
それでも「始動に何度も失敗するとき」はクラッチスイッチの調整とは別の問題。
・今回はミートポイントを手前にずらせた、
・クラッチを踏むと緑色ランプ点灯。
・しかし、始動に何度も失敗する。
・念のために ECU リセット。
・始動は少し良くなったが「1度目では始動せず2度目で始動」。
・ミートポイントをさらに5㎜程度手前にずらせたのでクラッチスイッチを「1山+α」前に出す。
・以前と同じように「1度目で始動」するようになった。
「緑色のスタンバイランプが点灯=始動できる」ではありません。
試しにクラッチペダルを一杯に踏み込まず、「緑色ランプが点灯したところ」でスイッチを押してみてください。
始動に失敗するはずです。
クラッチスイッチの調整基準は「緑色ランプが点灯するかどうか」ではなく「失敗せずに始動するかどうか」です。
これで調整は終わりです。
このように調整は面倒なので、「まずは調整しないでそのままで乗ってみる」ことです。
「少しだけミートポイントが奥にずれる」だけです。
「少しだけクラッチのつながり始めが早くなる」だけです。
それによってクラッチの機能が損なわれることはありません。
違和感があればシートを少し前(奥)にずらせてみましょう。
それでもダメな場合にだけミートポイントの調整をしましょう。
また、一度の調整でベストポジションを出すのは無理です。
乗っているうちに「もう少しこうした方がよい」と気づきます。
その都度、少しずつ調整をしていきましょう。
必要な工具を車に積んでおけば10分程度で調整できます。
但し、ミートポイントをどれだけ調整しても
「クラッチペダルを一杯に踏んでからクラッチがつながり始めるまで」は以前より早くなります。
これは内径拡大レリーズに交換したためのもので仕方がありません。
次は、内径拡大レリーズのインプレッションです。
結果を先に言っておきます。
「純正クラッチで膝が痛くならなければ純正の方がよい」
詳しくは次頁で。
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まずは、プレスとスクワット。
ホームジムならこれで孫の代まで。