- レリーズ交換とエア抜き
- ミートポイントの調整
- 内径拡大レリーズと GH8 のインプレッション
4.内径拡大レリーズのインプレッション
●体感踏力
あちらこちらのサイトで紹介されているような「驚きの軽さ」にはなりません。
『えっ?軽くなったじゃない!』ではなくて『そういえば軽くなったな…。』程度。
体感は「2割軽くなった」。
今までの「グッ」が「ズッ」になります。
「内径拡大の計算値+α」程度です。
●半クラッチの長さ
体感では2倍くらいになります。
半クラッチのいろいろな段階・程度を感じられるくらい長くなります。
標準レリーズがスコッチやバーボンなら、内径拡大レリーズはワインや日本酒。
「スパッと切って、スパッとつなげる」のなら標準レリーズ。
内径拡大レリーズの場合は「クラッチを素早くつなげる練習」が必要。
そうしないと「鈍い車」になってしまいます。
●超低速走行では「助かる」
ミラーを擦りそうな狭い道、右バンパーが当たりそうな狭い曲がり角、ソロソロとバックで車庫入れ。
どれも「クラッチを踏んでいる状態」が続きます。
踏力が小さいのでこれが楽。
膝に故障を持つ者としては「これは助かる!」
●膝に故障がなければ標準レリーズ
当方の左足は変形性膝関節症のステージ4。
『いつでも人工関節にしてあげますよ。』と言われています。
前十字靭帯も切れています。
小走りはできません。
左ひざに体重がかかると激痛。
それでもインプレッサ2000ターボのマニュアルに乗りたい。
それを叶えてくれるのが内径拡大レリーズです。
膝に故障がなければ「スパッと切れて、スパッとつながる」純正レリーズがお勧め。
踏むのが重くても、超低速運転が苦痛でも「切れの良さ」が味わえます。
私も「もう一度、純正レリーズを」と思っています。
5. ecu のリセット
ミートポイントの調整を終わって「今までと違う点」が一つ二つ。
・エンジン始動に失敗すること。
・アイドリングが低く弱弱しいこと。
●エンジン始動に失敗する
・クラッチを踏んで緑ランプ点灯 → スタートボタンを押す。
↓
・セルモーター始動、クランキング。
↓
・エンジン始動
↓
・しばらくしてエンジン停止。
やり直しても同じ。
ときどき、エンジン停止後に自動で再始動してエンジンがかかる。
「エンジンが始動したらアクセルを踏んで煽り、エンジンが止まらないようにする」で対処。
しかし、アイドリングの回転数が低く弱弱しい。
※「750rpm-α」で「元気出せ!」と言いたい雰囲気。
クラッチスイッチを前に出してみても同じ。
●ecu のリセット
「インプレッサ,始動不調」で検索。
「ecu のリセット」に到達。 → こちら
問題はバッテリー充電でマイナス端子を外していること。
ミートポイント調整でダッシュボードのカプラーを長時間外していること。
それらによって ecu がリセットした場合、正しい手順を踏んでいないこと。
前所有者での「ecu学習」を白紙にすることもやっていないので、正しい手順を踏んで「ecu のリセット」を。
・バッテリーマイナス端子を外して30分以上放置
↓
・スイッチONで60秒程度放置 ( ecu の自動初期設定/10秒 )
↓
・スイッチONのままアクセルペダル「全開 → 全閉」を繰り返し。 ( アクセル開閉学習 )
↓
・エンジンスタートアイドリングをファンが回るまで。 ( アドリング学習 )
↓
・エンジンを切って、もう一度スタート
↓
・同じくアイドリング学習
↓
・一時間程度ゆっくり走る ( 走行学習 )
↓
・高速道でメリハリのある走行 ( 走行学習 )
↓
◯結果
・アイドリングは750rpmピッタリで安定ししっかりとしたものになる。
・エンジン始動の失敗は少なくなるが、以前のように「いつでも簡単に始動する」までにはならず。
これから「エンジン始動」の学習をしていくのでしょうか?
しばらく様子見。
・2023.06.01 追記
ミートポイントをさらに5㎜程度手前にずらせたので、
クラッチスイッチを「1山程度」前に出しました。
今まで「2~3度トライしないと始動しなかった」のが「1度で始動するように」なりました。
「クラッチスイッチの出し量」が不足していたようです。
6.CBA-GH8 のインプレッション
a.「2000ターボ・MT」の中古車価格高騰
スバルがターボのマニュアル車を造らなくなりました。
・インプレッサ/2.0ターボ→ 2014年 ( こちら )
・WRX STI/2.0ターボ → 2019年 ( こちら )
・レガシーツーリングワゴン・B4/2.0ターボ→ 2011年 ( こちら ,こちら)
・フォレスター/2.0ターボ→ 2011年 ( こちら )
※最終製造年度
そのため、中古車価格が年々上がっています。
「修復歴なし」なら10万㎞走行でも250馬力が100万円,280馬力が200万円,308馬力は300万円です。
グーネットで偶然 ( ? ) 見つけたのが
2007年のCBA-GH8・250馬力。
いわゆる「三代目インプレッサの発売開始モデル」です。
「1オーナー・禁煙車・ノーマル・修復歴なし・実走56000㎞・グー鑑定付き・販売店補償3か月/走行無制限」 。
すぐに小牧へ出向いて入手。
「2000・ターボはどんなだろう」の興味を満たしつつ、値上がりを待っています。
やはりインプレッサはマニュアルでなければ…。
古いカーナビはケイタイ・Googleで、音楽はMP3をRCAケーブルで。
b.おとなしい 250馬力
●ギヤ比が高いのでターボ効果が使えない
それまでは、「1500NA・100馬力・4WD/MT」のLA-GG3/2006年を9年近く。
この走行感がよかったので「出力2.5倍の250馬力」に大いに期待。
しかし、当て外れ。
ギヤ比が高いので「路面をかきむしって」走ることができません。
250馬力は6000rpm。
ターボが効くのは3000rpmから。
3000rpmを超えると「グゥゥゥ~~~」と加速し続けます。
しかし、一般道での80km/hは4速で2000rpm以下。
ふと気が付くと2速で走っています。
一般道でのターボ加速は1速・2速での信号クランプリ。
6000rpm超えでぶっちぎりですが、誰も相手にしてくれません。
高速では120km/h・5速で3000rpm以下。
ターボ効果を発揮するのは「高速の常用速度」ではありません。
「いつも250馬力の内の何馬力を使っているのだろう」と疑問に思っています。
先日、オートバイツーリングコースの尾鷲・熊野峠に持ち込んで350㎞走りましたが、
ほとんど3速で4速には入れられませんでした。
コーナー下りでは2速でないとエンジンブレーキが効かない、もちろん立ち上がりも2速。
この程度の走りなら「1.5NA・100馬力」の「2速~4速」で可能です。
もっとも、100馬力では「譲られ車線を140km/hで走るレンジローバー」を追いかけることはできません。
また、エンジンを目一杯回さなければなりません。
しかし、この「目一杯」が楽しいのです。
ギヤ比は次の通り
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | 後退 | |
LA-GG3/5速 | 3.454 | 2.062 | 1.448 | 1.088 | 0.825 | ー | 3.333 |
CBA-GH8/5速 | 3.166 | 1.882 | 1.296 | 0.972 | 0.738 | ー | 3.333 |
CBA-VAB/6速 WRX_STI | 3.636 | 2.375 | 1.761 | 1.346 | 1.062 | 0.842 | 3.545 |
DBA-SJ5/6速 フォレスター2.0NA | 3.818 | 1.947 | 1.296 | 1.029 | 0.825 | 0.778 | 4.072 |
GH8は「おとなしい市街地」で常用する4速がオーバードライブになっています。
2代目・TA-GGA/2.0ターボ・250馬力・5速も GH8 と同じ。
「ハイギヤードはGH8から」ではないようです。
ギヤ比から見ると6速が使いやすそうです。
やはり、「インプレッサは6速」ですか…。
しかし、減速比から考えると、2速は「6速の3速」より6.8 % 重く、3速は「6速の4速」より3.7 % 軽い。
「6速の3速,4速」を使うつもりで「2速,3速をうまく使えば」走るはず。
「速く走らせる」のは「車の性能」ではなく「その性能を必要な分だけ引き出すドライバー」なのですから。
●直進安定性はこんなもの?
1.5NA・100馬力のLA-GG3の直進安定性はまさに「岩にしがみついたよう」。
一般道での100km/hでビクともしない。
GG3は速度を上げれば上げるほどガッチリと路面をつかむ。
うっかりしていると120km/hを超えている。
しかし、GH8 はどこかフラフラ。
「岩にしがみついたような安定性」が感じられない。
高速道の120~140km/hでは直進性を保つために緊張していなければならない。
「1.5NAのGG3は2.0ターボ譲りの足回りがパワーをはるかに超えていたから」か?。
「ハンドリングの味付けがクイックに変わった」のか?
これが「ラリーに育てられたインプレンサの本来のハンドリング」なのか?
しかし、この程度の直進安定性なら「スバルのフルタイム4WD」にこだわる必要はありません。
ホイルペースとトレッドは次の通り
・LA-GG3 → 2.53m,1.46m/1.45m
・CBA-GH8 → 2.62m,1.5m/1.5m
・レガシーツーリングワゴンDBA-BR9 → 2.75m,1.55m/1.55m
GG3 よりホイルペースは長くなっています。トレッドも拡がっています。
ホイルベースが13㎝長いレガシーなら違うのでしょうが「レガシーでは…」。
※アライメント調整専門店で調整後「安定走行」するようになりました。 → こちら
●風切り音がうるさい
馴染みの修理屋さんが試乗して『この音は何なの?』
納車のときから気になっています。
オーディオ雑音のような「ザー」という音。
窓を開ければこの雑音は大きくなります。
クラッチリリースペアリングやホイールペアリングからの音ではありません。
ターボ吸気音や回転音ではありません。
もちろんオーディオの雑音ではありません。
「風切り音」としか考えられません。
2代目ボディの LA-GG3 では聞いたことのない雑音です。
静音化対策テープを貼りましたが効果はありません。
「こんなものだ」と気にしないようにしていますが、これは明らかに「マイナス」。
c.案外お勧め LA-GG3
車両重量1260㎏で100ps/5200rpm
ホイールは15インチへアップ。
「女性1オーナー・10万㎞」を15万円でヤフーオークション。
同年代の1.5FFより 200㎏も重い。
非力な100馬力にフルタイム4WD。
1.5FF がスニーカーならまさに登山靴。
ハンドルを切ってもローリングなしの水平移動。
速度を上げれば上げるほど路面をしっかりと掴む。
特筆すべきはクラッチの軽さと切れ味。
クラッチを踏むのに「覚悟」は要りません。スパッと切れてスパッとつながる。
オートバイのように頻繁なシフトアップ・シフトダウンが楽しめます。
2速,3速で 2500rpm~3500rpm を使えばキビキビと走ります。
市街地の 80km/h~120km/h なら面白いほど走ります。
車の性能は最高出力ではありません。
使う場所,使う場面に必要な走行力。
出力とギヤ比とハンドリングの総合力。
LA-GG3・MTは市街地で目一杯楽しめます。
結構安いのでお勧めです。
年配や女性オーナーが多いので車が痛んでいません。
改造もされていません。
このブルーマイカの GG3/17万㎞ はヤフーオークションで鳥取に再々就職しました。
d.「最後のスバル」が「スバルの最期」?
確かに少々期待外れ。
「私にとって120万円の価値があったのだろうか」と疑問を感じています。
しかしこの車は「2000ターボ・MTのインプレッサ」です。
「スーパーカブのようなべルト伝達のCVT」を造り続けるスバルの「最後のインプレッサ」です。
もう、入手できない車なので「一般的価値」は高いはずです。
「もう少しこのCBA-GH8と付き合ってみようか」と思っています。
スバルの方向は間違っていないのでしょうか?
今のスバルはインプレッサという名前だけに頼っているのではないでしょうか?
「走りに対するこだわり」を忘れたのではないでしょうか?
大企業トヨタのようにWRCに復帰するのは無理でしょうが、「あの頃の気概」をなくさないで欲しいものです。
このインプレッサが「スバルの最期」にならないことを期待しています。
「スバリスト」が「マツダリスト」にならないように。
7.2023.11.18.追記 港北自動車でアライメント調整
a.アライメント調整が必要な理由
この車は納車の翌日、積雪の朝に左前輪を縁石にぶつけて縁石に乗り上げています。
左側乗り上げで「亀状態」でストップ。
2023年2月13日馴染みの修理屋さんで修理上がり。
( 修理内容 )
・左フロント・サスペンション・ロアーーム取り換え
・左リヤ・サスペンションロアアーム取り換え
( 交換部品 )
・左フロント・ロアアーム
・左フロント・スタビライザーバー
・左フロント・サポートアーム
・左フロント・ホイールベアリング ( 念のため )
・左リヤアーム
・左フロントホイール,タイヤ
つまり、左前輪と左後輪に衝撃が加わっているのです。
上で「直進安定性がない」と書きましたが、この「縁石乗り上げ」が影響していることは十分に考えられます。
しかし、「ハンドルから手を離してもどちらかに曲がることなくまっすぐ進む」のでそのままにしていました。
もちろん「スバルのフルタイム四駆がこんなはずはない…。」との疑問を残したまま。
少し時間ができたので「やはり、アライメント調整が必要」と。
「スバル車のことは技術のスバルディーラーで」
三重スバルに問い合わせたところ「外注に出す」とか。
「なあ~んだ。自分のところでやるのじゃないのか!」
「スバル車専用の測定・調整ラインがあるのじゃないのか!」
それなら、アライメント調整屋さんに持って行った方が安上がりで安心。
ネットで調べたらすぐに出てきたのが「中部アライメントセンター・港北自動車」
電話で予約して名古屋へ向かいました。
b.調整内容
( 内容 )
・13時開始
・状況の聴き取り
・テスト走行
・アライメント測定
・測定結果と現状の説明、調整作業と費用の説明、調整内容の決定 ( もちろん全て調整 )
・調整作業
・テスト走行
・調整後の説明
・終了15時30分
所要時間2時間30分。
費用は30800円。
まさしく「徹底的に調整」です。
( 調整前と調整後の測定値 )
説明されたのですが「理解できなかった」ので今後のために数値を。
詳しい方は参考にしてください。
赤字は「異常値」
やはり、「縁石乗り上げ」で左前輪と左後輪のアライメントが狂っていたようです。
前輪 | 調整前 | 調整後 | |||
項目 | 基準値 | 左前輪 | 右前輪 | 左前輪 | 右前輪 |
キャンバー | -0°55~0°35 | -0°19 | -0°36 | -0°13 | -0°04 |
キャスター | 5°45~7°15 | 5°45 | 6°15 | 6°20 | 6°10 |
トゥ | -1.5~1.5㎜ | 0.7㎜ | 0.6㎜ | 0.2㎜ | 0.2㎜ |
SAI | 12°50~14°20 | 14°16 | 13°58 | 14°11 | 14°05 |
包括角度 | 11°55~14°55 | 13°57 | 13°22 | 13°59⑥ | 14°02⑥ |
舵角差 | |||||
側面オフセット | -3㎜ | -4㎜ | -4㎜ | -4㎜ |
前輪 | |||
項目 | 基準値 | 調整前 | 調整後 |
キャンバー左右差 | -0°45~0°45 | 0°17① | -0°09⑤ |
キャスター左右差 | -0°30① | 0°09⑤ | |
SAI左右差 | 0°18② | 0°06⑤ | |
トータルトゥ | -3.0~3.0㎜ | 1.3㎜ | 0.4㎜ |
舵角差左右差 | |||
セットバック | -6㎜ | -1㎜ | |
ホイルベース左右差 | 8㎜ | 4㎜ | |
トレッド前後差 | -7㎜ | -9㎜ |
後輪 | 調整前 | 調整後 | |||
項目 | 基準値 | 左後輪 | 右後輪 | 左後輪 | 右後輪 |
キャンバー | -2°20~0°50 | -1°56 | -1°38 | -1°41 | -1°38 |
トゥ | -1.5~1.5㎜ | -1.7㎜ | -1.4㎜ | 0.4㎜ | 0.4㎜ |
後輪 | |||
項目 | 基準値 | 調整前 | 調整後 |
キャンパー左右差 | -0°45~0°45 | -0°17③ | -0°03 |
トータルトゥ | -3.0~3.0㎜ | -3.1㎜④ | 0.8㎜ |
スラスト角 | -0°01 | 0°00 | |
セットバック | 2㎜ | 3㎜ | |
車軸オフセット | 0㎜ | 0㎜ |
( 調整前の状態 )
・①,②,③ → 左右バランスが崩れている。
・① → ハンドルが左へ流れる
・④ → 後輪トータルトゥがアウト過多 → 高速走行時に横風を受けやすく走行安定性が優れない。
・左前輪ロアアーム・セットボルト ( スタッドボルト ) 後退
高速走行でハンドルが左に取られて後ろが「ユ~ラ、ユ~ラ」する状態。
( 調整 )
各項目の中で調整機能がなく調整できないものは、他を調整してその項目を追い込んで調整。
こういうところが「経験と技術」なのでしょう。
・日本の道路は左側が下がっているので「それを考慮した調整」 → ⑤
・ストラット&ナックル部の組付け状態は良好 → ⑥
・直進安定性の確保 → ⑤+⑥
・左前輪ロアアーム・セットボルト ( スタッドボルト ) 後退修正
「こういう走り方をしたい」と注文すればそれに応じてくれるでしょう。
足回りの部品を交換したり、社外部品に付け替えたりした場合はアライメントの精密調整は絶対必要。
「◯◯鑑定書のついた事故歴なし」の中古車でも「最初にやっておかなければならないこと」でしょう。
( インプレッション )
調整が終わって『乗りやすくなったはずですよ。』
それは走り出してすぐに実感。
「前へ出る!」
アクセルを踏めば踏んだ分だけ「前へ」出ます。
高速走行は試していませんが「走りやすくなったはず」。
アライメント調整はやはり「経験と技術のある専門店で」。
東海地区なら日帰りできます。
「名古屋へ出かけるだけの価値」はあります。
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国産ではないけれど「いい味」。
※トライクの法的取り扱い
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