前回作成したものは、ブレーキレバーを戻したときに「パツパツ」になるので作り直しました。
型紙も現物を採寸し直してもう一度作りました。
今回作成したのは標準仕様と同じ「マチ付き」で「お勧め」です。
- シフトレバーブーツ自作
- サイドブレーキブーツ自作
- サイドブレーキブーツ改良型
6.サイドブレーキレバーブーツ改良型
a.採寸やり直し
もう一度採寸して型紙を作り直しました。
今回、気が付いたことを網羅的に記録しておきます。
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●現物の縫い目を基準とした五角形
・現物 ( 古いサイドブレーキブーツ ) がない場合に上の五角形を基準にしてください。
※現物がある場合は現物を基準に。・現物の縫い目 ( 白い点 ) が基準。これに「必要な縫い代」を付け加える。
・現物の縫い代は7㎜。縫いにくいので10㎜に広げる。 ( β点線 )
縫うのは「端から10㎜」のところ。
・カーブ ( 凸・凹 ) は最大で凸/15㎜,凹/23㎜
※変形のため不確か。
「カーブが効いていても」不具合はないが、凸部を大きくするとそれだけ「マチの長さ」が必要。
●aライン
・a部分 ( 左側部分 ) を作るための裁断線。
・10㎜くらい余計に裁断して、フレーム接着時に現物合わせをした方がよい。
●「マチなし」の場合
・マチ巾25㎜を補填するために凸部の縫い代をさらに12㎜増やす ( α点線 )
縫うのは「端から10㎜」のところ。
・現物のaは「マチあり」の形で「フレームに取り付けるための突起」がない。
この突起はマチについている。そのため突起部を追加する必要あり ( Γの部分 ) 。
●注④265について
・ブーツを接着するフレームの周囲は535㎜。
・ブーツ巾=535÷2= 267.5 → 素材と縫い目の伸びを考慮して265㎜を基準にする。
・265㎜より狭いとフレームに取り付けられない。
・広いと「ダブつく」が、その時は凹部を縫い詰めればよい。
●注⑤235/230,20/17について
・「235/230」:現物の長さは「230㎜」。
・これを17㎜折り返してaの凸部周とピッタリ重なるようになっている。
・しかし型紙作成で凸部周が大きくなることもあるので235㎜で作成。
・余れば切り取ればよい。
・「20/17」:235㎜の場合凸部に合わせて余るようなら「折り返しを20㎜」にしてもよい。
●注⑥25/15について
・この部分はフレームに取り付ける出っ張り。
・長い方が良いので「現物/15 → 25」に。余れば切ればよい。
・現物の縫い目 ( 白い点 ) が基準。これに「必要な縫い代」を付け加える。
・現物の縫い代は7㎜。縫いにくいので10㎜に広げる。 ( β点線 )
縫うのは「端から10㎜」のところ。
・カーブ ( 凸・凹 ) は最大で凸/15㎜,凹/23㎜※変形のため不確か。
●「マチなし」の場合
・マチ巾25㎜を補填するために凸部の縫い代をさらに12㎜増やす ( α点線 )
縫うのは「端から10㎜」のところ。
・現物のaは「マチあり」の形で「フレームに取り付けるための突起」がない。
この突起はマチについている。そのため突起部を追加する必要あり ( Γの部分 ) 。
●注④265について
・ブーツを接着するフレームの周囲は535㎜。
・ブーツ巾=535÷2= 267.5 → 素材の伸びを考慮して265㎜を基準にする。
・265㎜より狭いとフレームに取り付けられない。広いとダブついてしまう。
・「ダブついた」ときは凹部を縫い詰める。
●注⑤235/230,20/17について
・「235/230」:現物の長さは「230㎜」。
・これを17㎜折り返してaの凸部周とピッタリ重なるようになっている。
・しかし型紙作成で凸部周が大きくなることもあるので235㎜で作成。
・余れば切り取ればよい。
・「20/17」:235㎜の場合凸部に合わせて余るようなら「折り返しを20㎜」にしてもよい。
●注⑥25/15について
・この部分はフレームに取り付ける出っ張り。
・長い方が良いので「現物/15 → 25」に。余れば切ればよい。
b.マチの縫い付け
マチはaの凸部に沿って縫い付けなければならない。
これは素人には難しい。
予め接着剤 ( ボンドG17 ) で仮付けしてからミシンで縫う。
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今回も「マチなしで作ろう」と思っていましたが、この方法に気づいて「マチあり」に変更。
写真上が「マチあり」、下が「マチなし」。「マチなし」の方も「マチあり」に作り直します。
なお、レバー入口の「折り返し」も接着剤でくっつけておいてから縫うと楽。
c.前回作の検証
ブレーキレバーを下ろしたときの「パツパツ」原因は
・「マチなし」で幅を増やしたが不足した。
・巾不足で取り付けられないのでフレームを斜めにして ( 凸部取り付け位置を上げて ) 取り付け。
・その分「凸部の長さ」が不足した。
この予測を検証。
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・aの基準値は265㎜ → 「ギリギリの260㎜」で取り付けたよう。
・巾不足でフレームに取り付けられなかったのでフレームを上にずらせ、b,cが短くなった。
作り直したものと比較するとこれがはっきりと分かります。
前回の「パツパツブーツ」は今回のものより巾も高さも小さい。
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作り直したブーツの値は
・マチなし ( 真ん中 ) :a/275,b/160,c/205
・マチあり ( 一番下 ) :a/270以上,b/160,c/215
※幅が基準値より大きいので縫い詰め ( 次項 )
d.巾の調整
素材を裁断すると予定していた寸法より大きくなります。
その原因は
・型取りで現物を貼り付けたときに現物が伸びる。
・現物を線描するときに「現物の外側」を描く。
・型紙作成で描線を裁断するときに「線の外側」を切る。
・型紙を当てて素材に線描するときに「外側」を描く。
・素材を裁断するときに描線の「外側」を切る。
これは防ぎようがないことです。
上下は予定より大きくなっても問題ありません。弛むだけです。
左右 ( 巾 ) が大きくなるとフレームにピッタリと接着できません。
この場合は凹部 の下端を縫い詰めて巾を狭めます。
マチあり:巾270㎜ 以上→ 基準値265㎜より「5㎜以上大きい」
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先ず凹部を5㎜程度縫い詰め。
フレームに当ててみるとまだ「ダブつく」ので、
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凸部 ( マチ縫い付け部 ) を3㎜程度縫い詰め。
「どれだけ縫い詰めるか」は「少し縫い詰めてはフレーム合わせ」を繰り返す。
e.フレームへの接着
「出来上がり巾が広い」とフレームを上にずらせて取り付けてしまう。
フレームの取り付けが上にずれると「フードの高さ,凸部長さが不足」してフードが「パツパツ」になる。
「フレームの下端ライン」を守ること。
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・フレームを当てて接着部分を線描し、その部分にだけに接着剤をつける。
・接着剤は「少なく・薄く」。使い捨てポリ手袋をはめて指で延ばすのが良い。
・大きいG17はたくさん出るのでダメ。小さいG17で。
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f.反省点と課題
●フレームの側面だけに接着 する( 上側には接着させない )
まずはこの写真。
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フレームの側面だけでなく上側にも接着剤を塗ってブーツを接着しています。
「それが当然のこと」と考えていました。
だから、
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この部分もフレームの上側まで接着しています。
しかし、フレームの上側にまで接着させる必要はないのです。
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それどころか、フレームの上側に接着させると段差ができます。
側面だけにくっついているのならもっと「ふっくら」とするはずです。
これだけではありません。
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このような「小さな弛み」ができた場合、
素材がフレーム上面に接着していなければ「弛みが逃げて解消」されますが、
上面にぴったりと接着されているので逃げることができず解消されません。
フレーム上面への接着は「する必要がない」し「してはいけない」のです。
●センターが合わない
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こちらは凸部のマチ部分。
マチ巾25㎜ ( 少し縫い詰め ) はフレームに合っています。
しかし、凹部は
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センターがずれています。
これは前回も気づいています。 → こちら
原因はフレーム自体にありました。
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写真上部のフレームの周囲は535㎜ですが、手前の半周が270㎜で奥の半周が265㎜。
手前の方が長いのでどちらかのセンターが手前の方にずれるのです。
マチがあると、平坦なマチ部分がフレームに固定されるので凹部のセンターが手前にずれます。
マチがないと「センターを合わせた方」の反対側のセンターが手前にずれます。
これは「左右対称だが同じ形のもの」を貼り合わせているのだから仕方がないことです。
「センターがずれること」は気にしないようにしましょう。
純正ブーツは左右で形が違うのかもしれません。
しかし、ブーツ作成にそんな面倒なことをするくらいならフレーム形を変更するでしょう。
多分「純正でもセンターがずれている」と思います。
g.出来上がり
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ちょっと「ダブつき気味」でしょうか? → 前回と比較
問題はレバーを戻したときの「パツパツ」。
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これはクリアー。 → 前回と比較
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こちら側から見てもクリアー → 前回と比較
やはり「マチあり」だとブーツの曲がりが素直になります。
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「マチ部分だけ色違い」というのも面白そう。
「シフトレバーブーツの後ろ側」と同じ色にすればどうでしょう。
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レバー入口は「巾45㎜」でビッタシ。
ミシンが上手くかからなかったので黄色い糸が見苦しい。
RMXのシートロゴ入れで残っていたネイビーブルーの染めQを一吹き。
レバー入口のように表皮が重なっている部分は「ミシンで苦労するより手縫い」をお勧め。
※厚物を縫う場合は「工業ミシンのようなパワー」も必要だけど「縫う速度 ( 針の慣性力 ) 」も必要。
「ミシン素人」の私には全く歯が立ちませんでした。
宿題は残りましたが、レバーを戻したときの「パツパツ」は解消されました。
DIYだからこれで合格点としましょう。走行には全く関係ありませんから。
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